グローザ星人 ヘルへヴン/リコモ星人 ケバキーア

登録日:2021/04/17 Sun 10:37:51
更新日:2025/06/11 Wed 18:23:04
所要時間:約 8 分で読めます





ハハハハハハハハハハ…イーヒヒハハハハハ…!
騒げ…怯えろ…ちっぽけな地球人共ぉ…!ヒヒヒハハハ…!

余計なことをするなぁ!デカレンジャーが来るぞ!

来させるためにやってんだよぉ、そのぐらいなくちゃあ~つまんねえだろ。

クゥゥゥッ、やめろ!!とっとと衛里香を捕まえるんだっ!!


グローザ星人ヘルヘヴンリコモ星人ケバキーアは「特捜戦隊デカレンジャー」に登場する怪人である。


概要

フラグラント星*1の王家に代々伝わる秘宝のウェルネストーン*2を兵器として売り捌こうと狙って共謀した2人のアリエナイザー
関係としてはケバキ-アが事件の首謀者であり、ヘルヘヴンはウェルネストーンの分け前で雇われた用心棒兼部下といったところ。

エージェント・アブレラから購入した怪重機・デビルキャプチャーを使ってフラグラント星人の王女・衛里香を誘拐し、彼女を人質にウェルネストーンを要求する営利誘拐を企んだ。
だが利害一致の為だけで手を組んだからか、暴れるのが好きな乱暴者のヘルヘヴンと神経質で慎重派のケバキーアはあまりソリが合わない様子。

なお、このエピソードではデカレンジャーのリーダーにして今までミスを犯さず常に完璧を求めるホージー彼とは真逆で単純なバンのコンビに焦点を置いており、それに対してこちらもコンビで悪事を働くという立ち位置となっている。


グローザ星人ヘルヘヴン

CV:酒井敬幸

てめえらだけは、絶対にこの世から消してやるっ!

罪状:営利誘拐及び29の星における殺人の罪
ジャッジメント:✕(デリート許可)

ドラマチックな一生を送る者が多いグローザ星出身のアリエナイザーで、本編以前に29の星で殺人を犯した逃亡中の凶悪犯。
ウェルネストーンから得る利益の分け前でケバキーアに雇われたが、本来の目的をよそに怪重機で暴れたり、アジトで酒を飲みまくるといった典型的なチンピラであり、その大雑把で粗暴な性格から相方のケバキーアの指示通りに動かない事もしばしば。
興奮によって1.5倍に膨張する怒り肩を威嚇や攻撃に使用する他、斧も武器に用いる。

グローザ星人の社会は肩が大きければ大きいほど良いという慣習があり、そのため全宇宙でグローザ星人より肩幅が広い宇宙人はアリエナイ。


リコモ星人ケバキーア

CV:戸部公璽

ようこそ、僕の世界へ。王女様ぁ…!

罪状:営利誘拐
ジャッジメント:✕(デリート許可)

住民全員が自分のホームページを持っているとされるリコモ星出身のアリエナイザーで、今回の誘拐事件の黒幕。
一人称が「僕」である知性派であり、大雑把なヘルヘヴンにキレる事も多いが、急に画面から顔を飛び出して相手をおどかそうとしたりしゃべる時に顔をカクカク動かす素振りを見せるなど情緒不安定な一面がある。

リコモ星人は自分の体をデジタル化することでネット世界に入れる能力を持った種族であり、ケバキーアはその能力を悪用し自分の「家」であるノートパソコンに引きこもり、相手をネット世界に引きずり込んだり、左腕に付けたリモコンで電脳空間を思うがままに変えて自分によって有利なフィールドに変えることができる*3
また、意外にも戦闘が得意な方でありを使った接近戦も行う。
しかし、リコモ星人には他の星の現実世界に出てしまうと体組織が崩壊し始めてしまう特性があり、回復には20時間も必要でその間はコンピューターから出られないという欠点を抱えている。
そのためケバキーアは現実世界で行動する際にはヘルヘヴンなどの自分の手足となる駒を使い、自分はコンピューター世界に引きこもっている。
リコモ星ではデジタル2進法で数えられる為、0と1以外の数字はアリエナイ。

活躍

Episode.03「パーフェクト・ブルー」

ヘルへヴンがコンピューターの中にいるケバキーアに代わり怪重機デビルキャプチャーを使ってパーティーに訪れていた衛里香を狙い襲来。
しかしヘルヘヴンが衛里香の誘拐計画をよそに破壊を楽しむべくデビルキャプチャーでパーティー会場を荒らしまくった結果、デカレンジャーロボが駆け付けてきてしまう。そして戦闘となるもケバキーアの指示によってどうにか衛里香を誘拐し逃走。
衛里香をケバキーアの隠れ家であるネット世界に監禁し、ヘルヘヴンがホログラム通信で衛里香の両親に向けてウェルネストーンを要求する。

その後のスワンの調査でウェルネストーンがエネルギーの威力を大きく増幅する性質がある事が実証され、ヘルヘヴンら犯人の目的がウェルネストーンを兵器として戦争中の星に売りつけての金儲けである事も判明。

その為に幸せな親子を引き裂いて、あんなに悲しませるなんて…

許すまじ。

でもどうするの?犯人の要求がこんなすごい物だったなんて!

ん~なの当然、衛里香ちゃんの命を優先!ですよね?ボス。

いや…ウェルネストーンが犯人に渡れば、いくつもの星が犠牲になる。

あの子を見殺しにしろってか!

誰がそんなこと言った!!

だってそうだろ!!

バカ!!俺達はプロだぞ…当然両方守るんだ!

そしてホージーの作戦の元、ウメコが衛里香の父・敏郎に変装して*4ウェルネストーンを持って行き、センちゃんとジャスミンがマシンブルによる人質確保、バンとホージーが援護とSPライセンスを用いての人質の本人確認にあたる陽動作戦を決行。
そして人質の受け渡しの時、衛里香の本人確認の最中に突然SPライセンスの画面にわずかな乱れが生じた。

何か変じゃなかった?相棒。

相棒じゃない…

…もっかい確認しない?

時間の無駄だ…!彼女は本人に間違いない。

ホージーはバンの提案を作戦に支障をきたすと判断して蹴り、そこにいる人質は衛里香本人と断定してそのまま作戦を続行。バンも不信感を拭いきれないままそれに続いた。

そしてホージーはヘルヘヴンの隙を突いてディースナイパーで檻を破壊。衛里香が脱出した瞬間にセンちゃんの運転するマシンブルが乱入し、後部座席のジャスミンが衛里香をマシンブルに乗せてその場をすぐさま離脱。ウメコも狼狽するヘルヘヴンを一蹴して正体を明かした。

貴様は…!

宇宙警察地球署・胡堂小梅ちゃんは………変装がだ~い得意って、知らなかった?

知るかぁっ!!許さん~…!

「どっちも渡しません作戦」大成功っ!

ギェアアア~!!大失敗ぃ~…!

人質を奪還され後がなくなったヘルヘヴンは複数人のアーナロイドや自動操縦のデビルキャプチャーを召喚して応戦するも、アーナロイド達は全滅しデビルキャプチャーもパトストライカーの攻撃で爆散してしまう。
そして「営利誘拐及び29の星における殺人の罪」でのジャッジメントでデリート許可が下り、ホージーのディースナイパーによるストライクアウトを受けヘルヘヴンは倒された。

これにて一件コンプリート!
SuperCoolに…Perfect!

衛里香も無事に救出し、ウェルネストーンも奪われずに済んでこれにて一件落着と思われたが…

どうもありがとうございました。

これが無事で、心からホッとしています。

ぇ…?

なぜなら、これがなければ…帰れないからねぇ。「僕の世界」に…クフフ…

なんとそこにいた衛里香の正体はケバキーアだった。
デカレンジャーの動きに勘付いたケバキーアは衛里香に擬態してウェルネストーンを自らの手で奪い取る事にしたのだ。先程SPライセンスに生じた画面の乱れは本人確認のサーチの機能を乱す電波による物。
まんまと騙されたデカレンジャー達を嘲笑いながらケバキーアはウェルネストーンと共にネットの世界に消えるのであった…


Episode.04「サイバー・ダイブ」

ウェルネストーンの強奪には成功したものの、衛里香になりすます為に1度外の世界に出てしまった為20時間のインターバルが必要になったケバキーアはエージェント・アブレラから注文したバーツロイド1体とアーナロイド数体に隠れ家のノートパソコンを運ばせようとする。

一方、デカベースに戻ったデカレンジャー達はケバキーアの身元と「20時間コンピューターの中にいなければいけない」という特性をつかんでいた。そこでスワンが開発した生身の人間でもデジタル空間に入れるデジタル変換装置によるケバキーアが潜むネット空間への潜入と逮捕、そして今度こそ人質である衛里香の救助に踏み切ろうとする。

その為ドギーはバン・ジャスミン・セン・ウメコにケバキーアが潜んでいるコンピューターの捜索、ホージーにはネット世界でのケバキーアの居場所を突き止めるように指令するが…

自信がありません…

えっ…?

意外…

どうした相棒!らしくないぜ!

そうだよ!ホージーさんは皆の憧れでしょ?

あの時俺は、ミスを犯した…俺は!プロ失格なんだ…

バッカじゃねぇの!?あんなミスくらいで!しっかりしろよ相棒!!

ケバキーアの妨害電波を見逃した事によって不測の事態を招いてしまったホージーは責任を感じ、ひどく落胆する。そんな時でも一刻の猶予もない状況に変わりはなく、デカレンジャー達はケバキーアの捜査に入るのであった。

バン達4人がジャスミンのテレパシー能力から得た残留思念の情報*5とセンちゃんの推理によってコンピューターのありかが「池やタワーがあるプラネタリウム」である事が判明した。しかしホージーは先の失敗のショックからか入力エラーまで起こしてしまい、ケバキーアの捜索は一向に進展していなかった。
その事をドギーから聞いたバンは猛ダッシュで一度地球署に戻る。

何やってんだよ相棒!!

………すまん。

「すまん」じゃねえだろぉぉぉぉぉ!!

スランプに陥ったのかいつもの強気な態度すらないホージーに、バンは怒りのドロップキックを喰らわせる。

「相棒って言うな」って言えよ!!おい!!もっと偉そうにしろよ!!情けねえぞちょっとミスったぐらいで!!


分かんねえよ!!
俺なんかいつも失敗してばっかだからな…んな事でいちいち落ち込んでる奴の気持ちなんか全然分かんねえよ!!

そのままバンは「俺がやる…!悩んでるお前よりは、バカでもやる気満々な俺の方が100倍マシだ!!」と吐き捨て、ホージーを横目に自分が代わりにケバキーアの捜索を始めるがパソコンの入力がまともにできずやはり全く進展しない。
が、言いたいように言われたうえその姿を見たホージーの心は再び燃え上がり…

んな訳…!!んな訳…あるかぁぁぁ!!

ホージーはそう叫びながらバンに反撃のラリアットを喰らわせると、

ひよっこのお前に何ができる!!いいか!腐っても俺は戸増宝児だ!!

こうしてスランプから脱したホージーは素早いデータ入力によってケバキーアのコンピューター世界での位置を特定。同時にデジタル変換装置が完成し、バンとホージーはネット世界に入ってケバキーアのコンピューターに入り込むことに成功する*6

突如自分のコンピューターの中に現われたホージー達に動揺するが、すぐさま衛里香を人質にして2人まとめて始末しようとするも、バンの挑発に乗せられつい見せた隙を突かれ衛里香を奪還されてしまう。

その後は左腕のディバイスでコンピューター空間をヘリポート→通勤電車→カーキャリアの荷台と次々変えながら2人を翻弄するも、最後はバンとホージーのコンビネーションによってディバイスを攻撃されたのちに一転して追い詰められ、元の空間に戻されてしまう。
さらにホージーによる「営利誘拐」でのジャッジメントでデリート許可を下され、ディースナイパーとハイブリッドマグナムの同時射撃を受けてとうとうケバキーアはデリートされた。

ケバキーアの死によるコンピューター世界の崩壊と、デジタル変換装置の故障*7によって2人は危うくネット世界から出られなくなりかけたが、センちゃん達がバーツロイドからケバキーアのコンピューターを奪取した事で衛里香共々どうにか現実世界に帰還する。

…が、エージェント・アブレラがケバキーアの残存データをデビルキャプチャー2のコンピューターに移植した事でデビルキャプチャー2がケバキーアの意思で動き出す。

許さないぃぃぃ…僕を倒した奴らは、許さないぃぃぃ…!!

怨霊の如くデビルキャプチャー2に乗り移ったケバキーアはデカレンジャー達への呪詛の言葉を叫びながらそのまま暴れ出すが、デカレンジャーロボによって右手を斬り飛ばされ、最期はジャスティスフラッシャーを喰らって断末魔の叫びと共にデビルキャプチャー2もろとも今度こそデリートされた。


余談

  • グローザ星人ヘルへヴンの元ネタは「七人の侍」の監督として有名な黒澤明監督による映画「天国と地獄」*8、リコモ星人ケバキーアの元ネタは「引きこもり」もしくは「リモコン」と、「アキバ系」から。

  • ヘルへヴンは本事件の他にも22の星で殺人を働いていた事からデリートされるのは妥当であるものの、ケバキーアは営利誘拐の罪だけでデリート許可が出ている*9
    これには
    「リコモ星人は基本的にコンピューター上でしか存在できない事で長時間現実世界の刑務所に収監する事ができないから」
    「すでに滅んだ星ではあるものの、王族などの重要人物に危害を加えたことは重罪であるから」
    「リコモ星では自分たちの能力を悪用することは重罪に問われるから」
    など様々な考察が挙げられている*10
とはいえ、ケバキーアは狂気的で冷酷な言動の多さなどから、営利誘拐以外にも凶悪犯罪を複数犯している可能性が高い。

  • Episode.28においては、パウチ星人ボラペーノがケバキーアの細胞を得て彼に変身し、ケバキーアとほぼ同様の罪を犯している。

  • ちなみに「スペース・スクワッド ギャバンVSデカレンジャー」ではケバキーアとは別のリコモ星人が登場しており、センちゃんとウメコの結婚式に参列している。あれ?そんなに現実世界にいて大丈夫なの?



許さないぃぃぃ…僕の項目を追記・修正した奴らは、許さないぃぃぃ…!!


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最終更新:2025年06月11日 18:23

*1 かつて第88銀河系に存在した惑星。緑豊かな星だったのだが、惑星間戦争により滅亡してしまった。しかし星の歴史を絶やさぬよう、ごく一部の住民は宇宙へ散らばっていったという経緯を持つ

*2 武器などのパワーを大きく増幅させる効果を持つ宝石

*3 ケバキーアの住処である電脳空間は、奥の壁が巨大なテレビ画面になっている白い部屋といったもの。

*4 姿形から声まで完全再現するというあまりに人間離れした芸当だが、ツッコんではいけないのだろう

*5 内容はドームのような物体・星空・高いタワー・水・数字の「1」と丸い点といった物。バンはナイター中継と推理したがウメコに「な訳ないでしょ」と一蹴された

*6 当初はバンとホージーがそれぞれ自分が行くと言い争っていたが、面倒くさくなったスワンが2人同時に転送させた

*7 先のヘリポートでの戦闘中にスワンの想定以上の負荷がかかりスパークした

*8 こちらのストーリーも誘拐関連

*9 参考までにいうと、他の誘拐犯はEpisode.28~29のスペキオン星人ジェニオが本編以前に「1万人以上を誘拐・監禁」をしたにもかかわらずこの時点では収監で済んでいる(ジェニオをデリートするとさらわれた人々を解放する方法が分からなくなってしまう可能性があるという事情もあったが)。

*10 なおスタッフも疑問視したのか、これ以降のデリートされたアリエナイザーは劇中で見られた行為が器物破損や詐欺レベルでも「過去に別の星で殺人を数多く犯していた」というような説明がされた者も多かった