洗礼のほこら(DQⅥ)

登録日:2021/05/24 Mon 18:10:38
更新日:2025/05/01 Thu 17:54:29
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先日 我が息子ホルスがめでたく15歳となった。
我が王家には15歳になると城の南にある洗礼の洞窟に赴き……
そこで洗礼を受けねばならぬというしきたりがあるのだ。
実は既に何度か洞窟に ゆかせたのだが……
いずれも供をさせた兵士達の力が足りず失敗に終わっておる。
そこで厳しい旅の地を超えてきたそなたたちに頼みたい!洗礼の洞窟に向かう我が息子ホルスのお供をしてもらいたいのだ。

洗礼のほこらは、ドラゴンクエストⅥ 幻の大地ダンジョン
どうみても洞窟だったからか、リメイク版では「洗礼の洞窟」に名前が変更されている。


概要

ホルストック王国の王子が、15歳になった時に王としての資格と器を得る為に試練と洗礼を受けるダンジョン
本編では、洗礼を受けたくないとダダをこねるワガママヘタレ王子ホルスの付き添いとして主人公達も洗礼を受けることになる。

ダンジョンとしては分かれ道があるものの迷いにくい構造。だが、ホルスが何度も逃げるのを探したり、ボス戦が3回もある都合上トータルでかかる時間はそれなりにかかる。
奥に滝がある為か、水溜りなどが多く見られる。涼しそうだ。

出現モンスター

  • どろにんぎょう
特筆事項なし。
不思議な踊りはMPが1〜2程度減る悲惨さ。
明らかに場違いだが、初登場の夢見の洞窟とは位置的にも環境的にも近い不思議な偶然が。

地底魔城から延々とお世話になってる硬いベギラマ使い。
ここでようやくの見納め。それでも周囲の敵と少ししか見劣りしないのは流石のひとこと。

  • あくまのカガミ
そこそこ熟練度も溜まってきた頃なので、モシャスに注意。

  • きりさきピエロ
ムドーがいないと雑魚。

  • デビルアーマー
ホイミスライムはもはや焼け石に水。

  • ラリホーン
ムドーの城ではストーンビーストやようじゅつしと出た時に眠らされると厄介だったが、ここまで来れば雑魚。

  • さまようへいたい
体当たりで自滅しやすい。ザキ耐性(体当たりはザキ耐性によって減るHPが変わる)も低くすぐ倒れる。
一方で仕様変更されたリメイク版では体当たりがザキ属性でなくなったので一転して脅威に。

言わずもがな経験値
そろそろはぐれメタルが欲しくなる頃。

  • ヘルゼーエン
新顔。
身体が小さく4体グループ(リメイクでは5体)出ることがあり、それで集団ベギラマされる危険モンスター。出現地域がこの周辺のみなのでストーンビーストと違って長く世話になることはない。
また、いかずちのつえも使う為、運良くマホトーンが効いても油断は出来ない。
ある意味3つの試練より試練。

王族が管理している洞窟に何故いる。

ボス戦

我は試練なり。
汝王家の血を引く者よ。我と戦い我を倒せ。
我は試練なり。

正攻法だと苦戦するが、少し頭を使えば楽勝というのが特徴。
「試練」の名に違わず、知恵を絞って戦えということだろう。

しれんその1

フレイムマン系統。見た目はバーニングブレス。
かつてホラービーストが使いプレイヤーにトラウマと緊張を与えたメダパニダンスを最優先で使い、次点でギラ・メラ・イオ・バギと舐められた攻撃を受ける。打撃による混乱解除が狙えないのが辛い。
踊り封じが効くので、それを使えば被害を抑えられる。(ミレーユの混乱耐性が消えたDS版は特に)
「厄介な攻撃はまず封じろ」これはドラクエでも基本。試練とはよく出来たものである。

ちなみにこいつには踊り封じだけでなくマホトーンも効くのだが…

○○○○はおどりふうじをつかった!
ミレーユはマホトーンをとなえた!

ドラクエではこういう考えが一番危ない まさに地獄へ直結する道
踊り封じ、マホトーンと来たからもう打つ手はないなどという読みはまさに火葬場

しれんその1ははげしいほのおをはいた!
しれんその1ははげしいほのおをはいた!
しれんその1ははげしいほのおをはいた!
○○○○たちはぜんめつした!

焼かれている・・・・・・・・・・・・すでに火中 首まで・・・・
崩壊路・・・・・・・・・・・!
せせら嗤われる・・・・
マホトーンという洗礼に・・・・
どうでもいいがこの茶番内では主人公はスーパースタールート ある意味ではこの文章にピッタリである

参考・ここまでのボスが使う全体攻撃の威力
ムドー:稲妻(40〜50程度 イオ系)、氷の息(50〜60程度 吹雪系)
モンストラー:地響き(50〜65程度 バギ系)
ジャミラス閣下:火炎の息(35〜45程度 炎系)
こいつ:激しい炎(80〜100程度 炎系)
ムドーの稲妻にヒィヒィ言ってた頃からさほど経っていないのにこれである。

元々1/256の確率で使う技なのだが、判断力が最高の2なのでどちらも封じられると使うようになる。
それも1回や2回の話ではない。以降の攻撃が全部激しい炎になってしまうのである。
ちなみに踊りを封じた時点で使用率は1/51。運が悪いと1回は吐かれるかもしれない数値ではあるが、
1回だけならよほどHPが低い職業でなければ即死亡に繋がるわけでもなく、十分に回復は間に合う。

似たような事例にDQ2のグールがある。あちらはマホトーンを使うと120もの打撃力でこちらを粉砕してくる。

「もう対策出来た相手に余計なことはしなくていい」と学べる試練である。
まぁ、シリーズ通してそういうパターンにハマることはそうそうないだろうが。

ちなみに、判断力が最高のモンスターには「生存キャラの30%以上が跳ね返し状態である場合、全体攻撃特技・呪文を使わない」という思考ルーチンがある。
このため、こちらの4人中2人(3人以下の場合は1人)以上が「おいかぜ」を使っていると、激しい炎を使えなくすることができる。
こうして踊り・呪文・息とこいつの何もかもを封じた場合、使わない筈の通常攻撃をしてくる。攻撃力は90と周辺モンスターより低いため全く脅威にはならない。
この時点でレンジャーを極めるまで育ててる人などまずいないと思うが。
なおこのような「判断力の結果、本来行動に設定されていない通常攻撃を行う」パターンのモンスターは後年の作品でも存在する。

しれんその2

ちんもくのひつじ系統。色はダークホーン、リメイク版だとちんもくのひつじ。
戦闘開始時にマホカンタがかかっており、他には力溜め、怪しい瞳、かまいたち(ダメージ約55)を使用する。
特筆すべきは190とかいうデタラメな攻撃力のもとよりにもよって集中攻撃をしてくること。
SFCでは現在HPが最も低いキャラが狙われる。徹底的に後衛の守りを固めておこう。
が、かまいたちと怪しい瞳はターゲットがランダムなのでそれで対象が変更される危険性もある。
リメイク版では最初にターゲットを決めて、以降ずっとそいつを狙い続けるという形に変更。ハッサンさえ狙われなければ捨て身が使いたい放題。明らかに難易度低下した。
防御面では120とやはり高くルカニを使いたいが、マホカンタがかかっておりSFC版では自然解除されない。そうでなくとも強耐性。
メラ系や岩石系には弱いので炎のツメや正拳突きを使うと良い。
「狙いが分かれば対策は容易」ということを学べる試練だ。

そしてもう一つこいつには致命的な弱点があり、1ターン休み系と猛毒が強体制止まり
習得の簡単な足払いを2人がかりで行えば躓いたまま何もさせずに勝つことも出来るし、SFCならスミスがレベル10で猛毒の霧を習得するので効いたら6ターン後に死亡確定。
猛毒の霧はリメイク版ではレンジャーしか習得方法がないのでこの方法は実質使えない(というかそこまで鍛えたら楽勝だろう)。

しれんその3

ユニコーン系統。
とにかく強い。真ムドーに並ぶ本作におけるみんなのトラウマボス。技のしれんその1力のしれんその2なら、こいつは技と力のV3といったところか。冗談抜きで。
明らかにムドーやジャミラス閣下より強い。ホルストック王族の強さってどうなってるの…
だが、当代の王子であるホルスは「戦うのは護衛である主人公の仕事」と完全に投げてるので、王族の者が闘うかはわからないところはある。いくらホルスでも王家の試練でズルはしないとは思うが

完全2回行動でルカナン→何かというローテーションを組んでいる。
これまでと違い小手先だけの攻略は効かない為、頭をフル回転させる必要がある。
2度目の行動候補は通常攻撃、強化攻撃、マホターン、稲妻。
判断力が高いのでルカナンの無駄撃ちはせず、こちらの守備力が限界まで下がると2回攻撃するようになる。

ルカナンをスクルトで相殺し続ける戦い方が一般的。回復役とスクルト役は分けておこう。MP切れには注意。
リメイク版では敵のルカナンも外れるようになったのでこちらが得することも。
2回行動と言っても行動の片方は基本ルカナン。上手く打ち消せば被害は抑えられる。
さらにマホターンも解除されると優先して貼り直すため、ニフラム等で解除すれば一手遅らせることができる。
判断力も高く、こちらの守備力が下がりきっていなければ必ずルカナンを使うので「賢い奴だからこそ誘導は容易い」ということである。
マホトーンも低確率で効くが、2回とも攻撃になるのでやめよう。何のための試練1だ。
裏技として装備を付け直して守備力を戻すやり方もあるが、リメイク版では出来なくなった。

試練の終わり

こうして3つの試練を潜り抜け、最深部へ到達した主人公達。
滝に打たれるのを嫌々ながらも達成した王子は、試練達成の証を手に入れ、城へ帰還。
王は「いつでも王位を譲るつもりだ」と言うが、ホルスは「まだ自分には早い、しばらく修行の時間が欲しい」と一旦断る。
初めて会った時のヘタレっぷりが嘘のような成長である。どこぞの王子とは大違いだ
悪戯もしなくなり、城内の人達は悪戯しなくなった事に喜びつつも寂しい様子。

ホルスの洗礼達成を記念した宴の翌朝、ホルテン王は「王家の宝に手を付けてはおらぬな?」と洞窟内の宝箱について聞かれる。一瞬ドキッとするがどう答えても笑って許してもらえる。どうやら元々報酬として渡す予定だったようで、回収の為に内部の扉を自由に開けられる(それまではホルスがいないと開かなかった)魔法の鍵をもらえる。
報酬としてお宝を渡すつもりだったならひとくいばこを間引いておけよ…

リメイク版では魔法の鍵を使うことでホルストック城で我らがピエールが仲間になる。
元々立派な騎士を目指して来たものの、王子の悪戯で締め出されていたらしい。

メディアミックス

  • 小説版
カット。

  • CDシアター
主人公ウィルのナレーションで「ホルストックの国では、ワガママ王子ホルスを助け…」と触れられる。

  • 漫画版
ボッツ・バーバラが試練に挑む1コマがある。

セルフパロディ

ドラクエ11では、エンディング後のサブイベントの一つにこの試練のセルフパロディがある。
その内容は「デルカダール神殿にいる黄金の巨人を両方とも連携技・大魔神斬り(シルビアがメタル斬り、グレイグがまじん斬りを覚え、シルビアが生存かつグレイグがゾーン状態で使用可)で倒せ」というもの。
台詞も「我は試練なり」と自己紹介するが、直後に試練内容を説明するのはシュール。

戦闘は試練その1、試練その2が襲いかかってくるが、どちらもHP3000と、とても大魔神斬り単体ではダメージが届かない体力。
シルビアを殺させずグレイグのゾーン状態を待ちつつHPをオレンジになるまで削ろう。ドルマが弱点。
それでも都合良く入るのは難しい為、入れ替えを駆使したりきせきのきのみやしずくを使うと良いだろう。
土属性攻撃を得意とする為、軽減装備を持っていきたい。
また、DQ6のしれんその2とは逆に試練その1はHPの高いキャラクターを優先して狙う。
試練を突破すればシルビアの「きしどう」グレイグの「はくあい」スキルが解放され、連携技「師匠よび」が使えるようになる。

汝試練を超えたり。


追記・修正は逃げた王子を探しながらお願いします。

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最終更新:2025年05月01日 17:54