ひとくいばこ

登録日:2013/03/06 Wed 16:55:34
更新日:2025/02/09 Sun 11:08:32
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なんと 宝箱は ひとくいばこだった!



「ひとくいばこ」とは、『ドラゴンクエストシリーズ』に登場するモンスターの一種。
上位種に「ミミック」、「パンドラボックス」がいる。
亜種では「トラップボックス」、「キングミミック」、「ギガ・ひとくいばこ」が存在する。


■概要

ふつうの宝箱になり済まして、フタを開けた旅人に突如襲いかかる魔物。いわゆるトラップモンスターの元祖。

ドラクエⅢで初登場して以降、ほとんどの『ドラクエ』シリーズに登場するが、中でもⅢでは、雑魚モンスターの中では最高かつ最凶クラスの攻撃力*1を誇っており、多くの冒険者を屍に変えていった。
ピラミッドの1F内部の宝箱の大半はこのモンスターであり、低レベルの時に開けると全滅は免れない。因みにHD-2D版では適正レベルなら何とか倒せるレベルまで弱体化された。

宝箱の中身を判別できる呪文「インパス」を唱えると箱を開けずに見破ることができるが、シリーズによっては「インパス」をまだ習得できない時期にひとくいばこが登場することもあったりする。
また、シリーズによっては「ギラ」を唱えたり、痛恨の一撃を放ったり、甘い息を吐いてくる者もいる。


ちなみに、もともとは『』に登場する予定があったそうだが、
容量の都合で実装することはできなかったようだ。
その代わりか、DQ2には「わな」の宝箱があり、これは開いた時に先頭がダメージを受けたり、毒に侵される。


トルネコの大冒険にはミミックに遅れて2から登場している。
2ではミミックの上位種扱いで試練の館にのみ出現するだけでそこまで存在感は強くなかった・・・が。

3ではぶっちぎりの嫌われモンスター筆頭に挙げられることが多い。
というのもこいつはアイテムを使おうとすると正体を現して襲い掛かってくるからである。
異世界の迷宮では
  • 世界樹の葉がこいつだったせいで復活できなかった
  • モンスターハウスで草の神の壺*2に草を入れたらこいつだったせいで打開できずに倒された。*3
  • こいつが化けた飛び道具を拾うと元々持っていた方が人食い箱化する
といった理不尽の一因になるため、呪いと併せて拾った黄色文字アイテム*4は信用しきるなと言われるぐらい。

『モンスター物語』によると、こいつの正体は、腐った死体の中でも生前にかなり賢かった者達が、自分の体が腐りきって液体になって動けなくなることへの対策として、
手近にあった箱の中に入ることで生き延びようとした結果とされている。
ちなみにミミックの正体はゾンビ系モンスターとは無関係であり、詳細は項目参照


◆ひとくいばこ系のモンスター

  • ミミック
「ひとくいばこ」と同じく『』で初登場。
1ターンに2回行動し、「マホトラ」と「ザラキ」を連発してくるほか、たまに「ラリホー」や「メラミ」も唱える厄介なヤツ。
危険なモンスターだが、世代が進むにつれて「ザラキ」ではなく「ザキ」になったり、
1ターンに1~2回行動になったりと若干弱体化されている。
しかし「甘い息」で眠らせて「ザキ」を連発することもあり、やはり油断はできない。
HD-2D版では再び「ザラキ」に戻り、完全2回行動するように。
その上、HPが240から384へと上昇、MPも50に、すばやさも170へと上昇したせいで非常に危険なトラップモンスターへと変貌した。
そのせいで1人行動を強いられる「ちきゅうのへそ」にいるトラップモンスターがひとくいばこに弱体化している。

『Ⅲ』『』では場所さえ知っていればスルーされることが多いモンスターだったが、『V』になって事情が激変。
なんと「ちいさなメダル」のドロップ率100%の敵と化したことから、
冒険者に片っ端から開けられフルボッコされることとなった*5
』ではHPが高くなり、痛恨の一撃を繰り出してくるようになった。
『Ⅺ』では強化版のミミック・強や巨大版の「ギガ・ミミック」も登場した。

ちなみに「ミミック」(mimic)とは英単語で「ものまね師、真似る、擬態する」という意味。
宝箱に擬態している、ということだろう。

そのインパクトは非常に大きかったようで、以降のゲームやアニメなどの宝箱擬態キャラにはミミックを意識した名前が付けられる事が多くなった。


  • パンドラボックス
DQⅦ』で初登場。
ひとくいばこ系統はおろか、トラップモンスターの中でも最強かつ最凶クラスの存在。
名前の由来である「パンドラの箱」の通り、決して開けてはいけない箱である。
1ターン中に2回行動をし、「ザラキ」「マホトラ」「甘い息」「痛恨の一撃」を連発する。
HP、守備力、耐性も高く、非常に戦いにくい。
先手を取られて味方全員が眠らされたら、もはやお手上げである。

リメイク版『DQⅣ』ではザラキがザキに弱体化しているが、能力はⅦの据え置きになっている上にデイン系を無効化するため、一層厄介になった。

DQⅢ』ではGBC版での新たな隠しダンジョン「氷の洞窟」で通常エンカウントのみ登場。
「ザラキ」に戻り「甘い息」の代わりになんと「焼け付く息」を習得している。その代わり「痛恨の一撃」は出さない。
マホトーンが通用するものの「焼け付く息」で全員麻痺にされて全滅なんてことも起こりうるので最後まで油断ならない。
HD-2D版でも「氷の洞窟」の代わりにできた新たな隠しダンジョン「試練の神殿」に登場。
GBC版とは逆に宝箱の擬態とボス個体しか登場しない。
擬態している個体は2~3回行動で「ザラキ」「メダパニ」「めいそう」「仲間呼び」を使用。
ボス個体は3回行動に増え「マホトラ」を得ている他、「爪とブーメランの試練」では「仲間呼び」「マホカンタ」「メガンテ」を、「オノと杖の試練」では「メラゾーマ」「マヒャド」「焼け付く息」「甘い息」「睨みつける」「ヒュプノスハント」「バシルーラ」「ベホマズン」「メガザルダンス」を習得している。
真正面から戦うと転職繰り返しのレベル99でもかなり厳しいものの、ボス個体には「バシルーラ」が弱耐性なのでかなり有効。
一方擬態している個体は「バシルーラ」に完全耐性なのでインパスを使って避けた方が無難。

DQⅧ』にも登場し、隠しダンジョンである「竜神の道」に出現。
トラップとして待ち構えているほか、ときどき集団で襲ってくることがあるので要注意。
行動パターンは『Ⅶ』と同じ(ザラキ、マホトラ、甘い息、痛恨の一撃)だが、攻撃力が高くなっている。
しかし、体力は半分以下まで減少したほか、デイン系に弱くなった。

DQⅨ』にも登場。
HPが『Ⅶ』の時とほぼ同じになり、攻撃力がさらに凶悪化。
痛恨の一撃をまともに食らうと、一瞬でこちらの体力が消し飛ぶ。
しかし、完全に2回行動ではなくなったうえ「ザラキ」ではなく「ザキ」を使用するようになった。

『Ⅺ』にも登場。
さらに強化版のパンドラボックス・邪や巨大版の「ギガ・パンドラボックス」も登場した。

  • ヘルギフト
3DS版DQⅧで初登場。
紫色をした毒々しい雰囲気を放つひとくいばこ。
新規ダンジョンの「奈落の祭壇」に出現。
雑魚モンスターの中でも屈指の素早さを誇り*6、ザラキ、甘い息を使用し、トラップの個体は更に痛恨の一撃を放つ。

  • 混沌の箱
ヘルギフト同様、3DS版DQⅧで初登場。
赤黒い骨で作られたワクと鍵穴の代わりに埋め込まれた骸骨のレリーフが特徴。
パンドラボックスを30匹倒すと地図にない島に出現する。
行動は「マホトラ」を使用しなくなった以外、パンドラボックスと同じ。


◆亜種モンスター

  • トラップボックス
『Ⅷ』で初登場。
箱の中から骸骨のような魔物が出ており、両手に鋭利な刃物(牙?)が付いた半分に分かれたフタを持っている。
「剣士像の洞窟」の最深部に潜んでおり、宝「ビーナスの涙」を手にするにふさわしいか見極めるために試練として戦うことになる。

痛恨の一撃や「ヒャダルコ」で攻撃してくるほか、
「メダパニ」や「ラリホー」でこちらの戦況を悪化させてくる。

討伐モンスターリストによると、美しくないものは口に入れないらしいが、骸骨の方の口なのか、宝箱の中のことを言っているのかは定かではない。


  • ギガ・ひとくいばこ
『Ⅺ』で初登場。
壁画世界に置かれている、巨大な宝箱を調べると出現する、巨大なひとくいばこ。
悪食な上に大食らいで、人間どころかギガンテスでもひと口で平らげるらしい。
通常のひとくいばこ同様に痛恨の一撃やザキを使用してくる。
前述の通り、ミミックやパンドラボックスにも同様に「ギガ・ミミック」「ギガ・パンドラボックス」が存在する。
2Dモードのグラフィックは通常版を拡大しただけとえらい雑。DQ6までのモシャスやテリーのようだ。
最早バレバレでトラップ以前に出オチだが、S版の仲間達は「罠かよ!」「まさか魔物なんて…」と他のトラップモンスターと同様の反応。微塵も疑いを持たなかったらしい。

  • あくまのつぼ
『Ⅴ』で初登場。
ひとくいばこの壺バージョン的なモンスター。
「ラリホーマ」「ザキ」「マホキテ」といった嫌らしい呪文を使い、痛恨の一撃も放つ。
『Ⅵ』では異常なほど守備力が高く、こちらの攻撃を頻繁にかわす。
『Ⅶ』では「ヒャド」、「ギラ」を唱え、とびかかる攻撃を行う。出現率は非常に低いが、野生として出現することもある。
上位種に「ツボック」がいる。

『Ⅶ』に登場。
特定の本棚を調べると襲って来る、言わばひとくいばこの本バージョン。
「ザキ」を使ってくる。
上位種に「エビルバイブル」、「あんこくきょうてん」(リメイク版のみ)がいる。
テリワン3D以降のモンスターズではデザインを一新し、微妙な立ち位置から一転して配合で重要モンスターに。「だいあくまの書」「魔王の書」という亜種も増え、イルルカでは黙示録まで出てきた。

  • しにがみのタル
『Ⅶ』リメイク版に登場する。
ついに登場した、樽バージョンひとくいばこ。
だが、樽に化けているわけではなく、普通にエンカウントで登場する。
「ラリホー」「メラミ」等の呪文や、「痛恨の一撃」を繰り出す。

  • たんすミミック
『Ⅹ』に登場した、ひとくいばこのタンスバージョン。
だが、ふつうのタンスに化けずにフィールドをうろついている。
「不思議な踊り」を踊ったり、痛恨の一撃を繰り出す。
上位種に「パンドラチェスト」がいる。
スカウトの書を使えばどうぐ使いが仲間にする事もできる。



追記・修正はピラミッドで宝箱を開けてからお願いします。

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最終更新:2025年02月09日 11:08

*1 ちなみにその攻撃力は200。FC版ではこれ以上の攻撃力を持つのはラスボスのゾーマやその下僕たちのみである

*2 草を入れると部屋全体に入れた草の効果をばら撒く

*3 これに限らず正体を現したターンを消費した扱いになる

*4 アイテムの正体が識別済みでも呪いや真偽が確定していない

*5 同様に「ひとくいばこ」や「あくまのツボ」などの別のトラップモンスターも、かなりの高確率でドロップするようになったため、こちらも積極的に狩られた

*6 その数値は300。次点はメタルキングの255