璃刃壊左(忍者と極道)

登録日:2021/06/20 (日曜日) 22:28:40
更新日:2025/04/18 Fri 18:21:25
所要時間:約 8 分で読めます






布団が───…吹っ飛んだ…!!!



璃刃(あきば) 壊左(かいざ)とは『忍者と極道』の登場人物である。

●目次


【プロフィール】

年齢:94歳
生年月日:1925年5月29日
身長:162cm
体重:50kg
好きなこと:コーヒー、日本酒、笑点(林家三平を応援している)


【概要】

東京を極道などの悪の手から守る忍者集団『帝都八忍』の第二席。
第二次世界大戦末期、東京大空襲下の極道による忍者狩り(ハント)神賽惨蔵と共に生き延びた大ベテラン。
表の顔は銀座のカフェ「でいびす」の老主人。

若い頃は超の付く美青年だったが右目はとある戦いで視力が悪くなっており、片眼鏡をかけている。
この片眼鏡は極道との闘いで目を負傷した折に、当時売春婦(パンパン)に擬態していた惨蔵が客の米兵に貢がせたもの。


【人物像】

一人称は(わたくし)
超高齢ながら穏やかで理知的な老紳士で、忍者(しのは)らからは壊爺(かいじい)と呼ばれ慕われている他、壊左自身も忍者(しのは)忍者坊(しのはぼう)と呼んで可愛がっている。

長である惨蔵も苦言をもらすほど「甘い」優しく温厚な性格だが、忍者(しのは)らを鍛える際は「鬼死荒行(オニシニアラギョウ)」などのかなり苛烈な修行を行っていた模様。
(具体的には忍者(しのは)陽日の能力で周囲が火の海になっても燃えている身体を直に触っても「慣れっこだ」と言ってのけるレベル

暗刃の産みの親にして惨蔵を除いた東京忍者達の師匠も務める知恵者で、人格も実力も含め八忍からの信頼も厚い。
忍者(しのは)を笑わせるべく様々なダジャレ爆笑ギャグを考えては披露しているが、彼のトラウマは根深く上手くいかないのが目下の悩み。*1


【戦闘能力】


極道風情が如何に謀りやがれど

裏社会(ウラ)悪事(わるさ)かませばブッ殺すのみで御座います


長である神賽(かさい)惨蔵(ざんぞう)に次ぐ忍者陣営でもNo.2の実力者。
武術と発想力に長けており、惨蔵曰く「300年余り観て来た中でも突出した武の天才」
自身の特異体質と開発した暗刃との相性は抜群であり、一瞬で数十人の極道の首を刎ね、屍の赤絨毯(レッドカーペット)を作り出す。

流石にほぼ1世紀程生きている手前全盛期と比較して攻撃速度に若干の衰えが生じてしまっている。
それでも尚戦闘力は絶大。『地獄への回数券(ヘルズ・クーポン)』をキメた極道(きわみ)「紙一重の勝利だった」と言わしめたのは間違いなく彼の実力を顕している。

忍装束は全身真っ黒な羽織袴。むしろ極道っぽい…。
顔を隠すような仮面の類は身に着けない。出会った敵は一人残らず全て殺せるという自信からだろうか。
また体内には料亭一つを吹き飛ばして更地にできるほどの強力な爆弾を仕込んでおり、最後の奥の手としている。


如意暴(にょいぼう)


おやおや…やはり現代(いま)そちら(・・・)です哉
私 若い頃は“小豆蠟斎”などと呼ばれたものですが

壊左が持つ特異体質。
ゴムのように伸縮自在に伸び縮みする両腕であり最大射程は約50m。
伸びるだけでなく屈曲も自由自在。暗刃と合わさって神速で伸びる両腕は空中を生き物のようにうねり、一回の攻撃で数十人の極道を殺戮し、敵の肉体を穿ち抉る。
暗刃開発以前は武器を併用しており、横綱をも一撃で失神させるほどの威力の打撃を遠距離から叩き込むことが可能だった。

惨蔵の全視全能同様暗刃開発以前から使用している技なので、現代忍者の異能とは異なり暗刃には入らない。
欠点はあくまで2本しか腕が無い為、両腕の攻撃を掻い潜られ懐に潜り込まれると成す術がない点。

なお伸びる腕を見た極道から「ル●ィ!?」と驚かれたが、本人曰く若い頃は「小豆蠟斎」と呼ばれていた模様。
どちらも「伸びる腕」を持つキャラクターである。


◆技

  • 暗刃(あんじん)
銃器を始めとした最新の近代兵器で武装した極道に対抗すべく、惨蔵の命を受けて壊左が開発した現代忍者の基本技となる技術。
音速の壁を突破して敵を穿ち抉る貫手であり、実態は「弾丸の象形拳」
異能の性質上アウトレンジかつあらゆる角度から暗刃を放つことができるため、他の現代忍者達とは異なり暗刃による三次元的な攻撃も可能となっている。
威力も凄まじく、「地獄への回数券」を服用した極道(きわみ)ですらしばらく深く大きな傷が残り続けるほど。


【関連用語】

  • 喫茶店「でいびす」
壊左が経営する喫茶店。銀座の路地裏にある。店名はジャズ歌手のマイルス・デイビスから取られている。
終戦直後の時代から経営しており、当時はタンポポ珈琲を淹れていた。

  • 妖精長老
フラッシュ☆プリンセス』に登場するキャラクター。
世界の危機を救うために4体の妖精と共に人間界に来るが、第3話にてヒースと戦い殺害される。
脚本家の幡随院が脚本を手がけ、主人公アブの師匠である彼の退場は多くの視聴者に良くも悪くも衝撃を与え、「主人公の師匠を宿敵が殺す」という悲劇性は忍者(しのは)極道(きわみ)も神回と太鼓判を推すインパクトがあった様子。


【劇中での活躍】

『第一章:赤坂血風狼烟』

忍者(しのは)が仕事先から持ち替えった新種の麻薬「天国への回数券」の分析を行った他、忍者(しのは)の暗刃の腕前が自身を超えたことに喜びを抱いた。

その後べしゃり烏の情報により赤坂の料亭「京兆」にて極道(きわみ)の手により極道達が集結していることを知ると、忍者(しのは)のための新たな爆笑ギャグを考えつつ出発。


ほい

どうやら 悪しき企みのようですので───
(みなごろし)で御座います

しばらくは情報集めのために静観していたが、その企ての内容を聞くと上記の台詞と共に極道達の首をまとめて跳ね飛ばしながら三つ指を突いて登場

その能力を用いて多くの極道を蹂躙するも、逃げるどころか武器を持って立ち向かおうとする極道(きわみ)の姿に不吉な物を感じ取る。
その片手には忍者(しのは)が見つけた麻薬と似た物が握られていた。


超遠間合(アウトレンジ)から神速で襲いくる伸縮自在の殺手…
…見切れば()れる 見切れねば───…死ぬだけさ

此奴───嫌な予感しか致しません…()らねば…!!
”長”と”帝都八忍”の皆に──忍者坊(しのはぼう)に伝えねば──…極道が(ヤバ)いと!!


おっと…死ぬわけにはいかんな
忍者(しのは)君──……彼と語っていないプリンセスシリーズがまだ9作も……!!
不思議な男だ忍者(しのは)君 次は…彼と何を語ろうか


──そうそう忍者坊(しのはぼう)には明日…(わたくし)めの入魂の洒落(ギャグ)を聞いて頂かねば…!!
忍者坊(しのはぼう)──…きっと笑って頂けますように…!!


忍者(しのは)

忍者坊(しのはぼう)


両者共に知る由もなかったが、皮肉にも両者が想う相手のことは同じだった。この戦いを制し、再会することが叶うのは勝者となったどちらか片方のみ……

決着は、一瞬でついた。壊左の攻撃は紙一重の差で極道(きわみ)に届かず、短刀を頭部に刺された上で幾度も銃撃を受け、倒れたのだ。

なんということ…!! 極道が…極道がこれほどの───忍者に並ぶほどの力を…!!
鳴呼(ああ)──…この(わたくし)めに若き頃の力があれば…忍者坊(しのはぼう)ほどの速さがあれば……!!

だが、壊左はまだ生きていた。極道達が勝利に浮かれる中、最後に一矢報いようと力を振り絞る。
忍者(しのは)が若い頃……初めて会ったあの時のことを思い出しながら虚空に手を伸ばし……


《なんと…極道が家族を皆殺しに……不憫な》
忍者(しのは)…善き名で御座います》

《では…忍者坊(しのはぼう)
《まずは───(しのび)の基本型から…………さあ》


…手を────


次の瞬間、料亭は跡形もなく吹き飛んだ。壊左が万一のために用意していた爆弾の爆発により、その場にいたほぼ全ての極道達は全滅したのである。
だが極道(きわみ)を含めた破壊の八極道は直前で「地獄の回数券」を使用していたために生存。
残った壊左の肉片は挽肉にされた上で短刀を突き刺すという形で池袋に放置される。市民達が何なのか分からず戸惑う中、忍者(しのは)は”それ”を見て悟る。正体も、何が起きたのかも、全て。

べしゃり烏よ”帝都八忍”の皆に伝えろ
壊爺(かいじい)が極道に殺られた

極道(ツブ)すぞ…!!

静かに、それでも確かな怒りを抱く忍者(しのは)。その仇がすぐ真後ろにいる男だとは知る由もなく……。

かくして壊左の死により、日本全土を巻き込む忍者と極道の果てしなき全面戦争が切って落とされた。


尚、残された壊左の片眼鏡には小型カメラが内蔵されており、自身を討ち取った極道(きわみ)の姿を映して忍者(しのは)へのメッセージとした。
結果的にではあるが、これが色の死の遠因になってしまったのは皮肉としか言いようがない


本人の出番はここで終了しているが、その後も回想シーンで幾度も登場している。




『外伝:獅子の華』

外伝においては彼の若き頃の姿が描かれている。
暗刃の完成にまつわる話の他忍者(しのは)に似た印象を持つ友人の話を窺い知ることができる。






以下、外伝のネタバレ





時は昭和21年(1946年)春、終戦間もない銀座。
東京大空襲による忍者狩りを辛くも生き延びた壊左は、喫茶店を経営しつつ長である惨蔵の命令により”忍者の大改革”に取り組んでいた。
極道達に敗北したのは、極道達が米軍から横流しして入手した最新兵器だけではなく、物資不足と武器の枯渇も一因。
武器に頼らぬ無手の殺手が必要……しかしそれを作るのは当然容易ではなく、壊左は惨蔵の出した無理難題と売春婦に変身して楽し気に諜報活動を行う様に頭を悩ませていた。

そんな中ふとしたことから出会った男、輝村獅門
彼が長い間探し求めていた物……”亡き母親が幼い頃に作ってくれたタンポポの珈琲”を提供したことから、互いの素性……忍者と極道であることを知らぬまま、奇妙な友情が生まれることになる。

獅門は宣言通り毎日店に通うようになり、珈琲を飲んだり、様々な話をしたり、一切口をつけていない状態で珈琲チップの僅かな焙煎の不足を当ててみせたりなど、楽しい時を過ごした。

やがて獅門は壊左のために彼がずっと欲しがっていた10万円(当時の公務員の初任給の10倍以上の価格)もするドイツ製のコーヒーミルをプレゼントする。
突然降ってきた幸福に壊左は歓喜し、涙し、最愛の親友に深く深く感謝する。この友情は永遠であると、固く信じていた……




【余談】

作者によれば「気高さと美しさを失わず歳を重ねた理想の強キャラお爺ちゃんを描きました」とのこと。

名字は作者の友人であるバンド「ザ・ビートモーターズ」のギターヴォーカル、秋葉正志から取ったものである(誕生日も秋葉正志と同じ)。ちなみに秋葉氏は『烈!!!伊達先パイ』の主人公・伊達まさしの名前の元ネタでもある。


追記・修正はタンポポの珈琲を淹れてからお願いします。



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最終更新:2025年04月18日 18:21

*1 忍者自身はちゃんとギャグを面白いと感じており、表情に出して笑う事だけができていない状態。

*2 この時、壊左の師匠や想い人も殺害されている

*3 最初の銃撃で獅門から贈られたコーヒーミルも破壊されている。