神賽惨蔵(忍者と極道)

登録日:2021/06/12 (土曜日) 16:57:00
更新日:2025/04/05 Sat 22:32:12
所要時間:約 14 分で読めます







誰の命も聞かぬ(●●●●●●●) 己の正義で動く(●●●●●●●)…それが忍者

此度の戦も手出し口出し無用に候……


神賽(かさい) 惨蔵(ざんぞう)とは『忍者と極道』に登場するキャラクターである。

目次

【概要】

東京の無辜の民を極道などの悪の手から守る忍者集団帝都八忍を率いる長。
江戸時代から生き続ける御歳384歳の怪人物で、四つ葉のクローバーのように十文字に裂けた異形の瞳が特徴。
異形の瞳が顕になると「ギョン」という効果音が鳴る。
また特異体質の関係上頻繁に片目を閉じる癖がある。
普段のファッションは上下共に黒無地のゆったりとした服。

忍装束は一般的にイメージされるThe・忍者な黒装束。
なお後述の能力の関係で顔を隠す必要性がないため、覆面などは身につけない。
江戸時代には「裏江戸守護番」の肩書きを持ち、壊左のアイデアを元にカラスに人間の言葉と諜報技術を仕込んで「べしゃり烏」という密偵に育て上げたのも彼の功績である。

作者曰く「年齢は本人も忘れています」ということだったが、後に本編で催眠の結果年齢を思い出している。
また作者によれば明治時代から都内各地の不動産や大企業の株を大量に保有しており、それにより生じる莫大な収入が八忍の資金源になっているとのこと。


【人物像】

一人称は(わし)または(われ)。口癖は「〜(のう)
この手の超人キャラにしては珍しく政治権力、寿命への執着も薄く精神的な腐敗、保身から来るフットワークの重さ、長命者にありがちな共感性の欠如とも無縁。
「悪は即座にブッ殺すという『野生』こそが忍者」と定義して「極道達の罠や策謀に警戒して二の足踏む暇があるならとっとと襲撃して極道共をブッ殺せ(意訳)」という考え方を持つ超武闘派であり、その思想通り積極的に前線に赴く。
同時に
  • 仲間を殺し無辜の市民を平然と悪事の犠牲にする極道達の所業に怒り狂う。
  • 悪事に加担する者の情に訴え説得や理解を試みる。
  • 仲間の死には涙を流し、自らを「無能」と自虐して嘆き悲しみ、自分自身の不甲斐なさに怒り狂う。
  • 忍者(しのは)が作文で内閣総理大臣賞を受賞した際は、表向きは素っ気ない冷たい態度で振る舞いながらも、影で1人祝い酒を飲み喜ぶ。
  • 散々苦言を呈していた斗女の『忍巧美男衆』開発に手を貸す
など、素顔は情深く仲間想いで激情家の正義漢。
その一方、必要となれば不倶戴天の敵である極道すら利用して仲間の感情を煽って戦いに駆り立てたり、忍者の掟に準じ忍者の正体を知った者を消すことも躊躇わない非情さも持ち合わせる。
極道達が忍者を不俱戴天の怨敵扱いしているように、惨蔵自身も極道達を「糞極道」と吐き捨てて忌み嫌っており、極道車をゴキブリに例えるなど辛辣な言動をとるが、
自身が殺した極道が内に抱える悲しみを察して慈悲を向けられるだけの感性はあり、同情の余地がある敵に対しては首を刎ねてブッ殺した後慈しみを向けることもある。*1
要するに相手を絶命させる事は確定しているが、その上で納得の行く死に方を以てブッ殺す苛烈さと慈悲を兼ね備えている

しかし、流石に極道勢力が忍者と同等の身体能力を得ることまでは予期していなかったのか、最初期は「極道如きに忍者が殺られとったら喃ォォォォォ~民も警察(サツ)の方々も難儀でしょうがないじゃろが喃ォォ!!」と語るなど極道の存在を舐め腐ってしまっていた。
その為、戦法は『異能によるゴリ押し』に依存しきってしまっている側面があり、部下にもそれを強要した結果、二度も采配ミスをする事となってしまった。

権力に関しては過去の経験から非常に疎んでいる節があり、「手を汚すなら己の正義で」「忍者とは誰にも飼われぬ”野良犬“に候」というスタンスから特に権力を振り翳しての上から目線の命令や指示に関しては激しい嫌悪と怒りを覗かせている。
ただしあくまでも上から目線が気に入らないだけなので対等(タメ)の立場であれば政府との協力も許容する程度には柔軟性も高い。


ちなみに年齢の割に大の野球(ファン)
Ωこと逢魔賀広偉の大ファンで彼の試合をデビュー以来全試合観ていたり言動が明らかに不良漫画のノリだったりとメンタルはかなり若々しい。
また今でも時々女形態になって、とヒポマイ談義に花を咲かせてる様子。
特異体質のおかげで性別の垣根を容易く超えられるせいか、羞恥心は皆無のようで時には全裸になっても当たり前のように戦ったりする。
それどころか外伝では情報集めとして米兵や商人相手のパンパン*2としてヤっており、13巻カバー裏の炸羅の日記では炸羅を様々な姿で誘惑して最終的にヤらせた*3ことが書かれている


【戦闘能力】


なんでもなれる なんでもできる(・・・・・・・ ・・・・・・・)!!
運命定むる“神の賽”は我に有り!!!

今度は忍者(こちら)が“災害”かます!! 極道共に“死の嵐”吹き荒らす!!!


自他共に認める最強最古の忍者
年齢・骨格・性別・体質に至るまで変幻自在に己の肉体を変容させられる特異体質者だが、特異体質抜きにしても王・キングに変じた際に人間の首を大気圏外までぶっ飛ばした通り、桁違いの身体スペックを誇る。
しかし他人を真似るのは得意な反面、自身の異能がいきなり1の力を2にも100にもしてしまう都合上模倣を元としない0から1への「発想」は苦手だと語っている。*4
そういった意味ではNo.2だった壊左とは良いコンビであった。

だが「何でもできる」とはいえあくまでそれは戦闘・諜報関係限定。
惨蔵をして「人体の絶対領域」と称される脳髄までは模倣できないため(何故できないかは後述)、頭脳労働系の専門分野の技術では他の八忍には一歩劣っているようで、事務処理能力やIT関連では色や斗女の方が優れている様子。また三百年以上前のことを鮮明に覚えている事がある一方で自身の正確な年齢を忘れていたりするなど特定の記憶が抜け落ちることがある。

また本人も自虐していたが、「指揮官」としては正直言って「無能」…とは言い過ぎかもだが、「問題あり」「不適格者」であると言わざるを得ない。
但しこれは極道が摂取したら忍者と同じ身体能力にまで強化される『地獄への回数券(ヘルズクーポン)』を開発し、旧来の忍者が有する対極道の戦術・戦略が通用しなくなってしまった事が大きい。
かの薬物が開発される前は忍者と極道との間にあった絶対的なまでの生物としての格の差*5によるゴリ押しで事足りる……要は戦術や戦略を弄して足踏みするよりも即座に殺意を以て極道をブッ殺しに行くのが極道を殲滅するのと民を救う事に関して最適解であった事が大きいのだ。

そして最強を自負するも一応耐久力自体にも限界があり、最新鋭の銃火器の集中砲火やAPFSDSによる砲撃の直撃を受ければ流石に死ぬ…らしい。当たり前だ
加えて当然だがあくまでも最強の「個人」でしかなく、個人がカバーできるキャパシティを超えてしまった場合はその分はフォローしきれない。




全姿全能(ぜんしぜんのう)


"(まね)ぶ"ことは大の得意よ

特異体質の肉体を操り、年齢性別身長体重だけでなく骨格・質量をも無視して老若男女あらゆる姿に一瞬で変身する異能。
誰にもなれるが故に素顔は誰にも分からない。

この手の能力は往々にして「見た目は変わってもパワーは外見相応にしかならない」というのが常であるがそんなことは全然ない。
人間の限界まで鍛え抜かれた忍者の超人的身体スペックは、如何なる姿になっても発揮可能。それどころか体質すら自在に変容させることで他の帝都八忍も含めた他人の特異体質も寸分の狂いなくコピー可能。
そして仕組みさえ理解してしまえば、大リーグで活躍した伝説の本塁打王の打撃技術や、凄腕外科医のメスさばきのようなプロ中のプロの職人芸的な技巧のみならず、極道技巧さえも完璧に模倣して我が物にできる。これこそが全能たる所以である。

他組織への潜入・諜報・暗殺といった忍者らしい仕事では勿論、戦闘においては技術や特異体質の模倣以外にも
  • 子供に変身し、成人の体では通れない狭い経路を短時間で突破する
  • 一瞬だけ小柄になることで、ロープなどによる拘束から素早く脱出する
  • 相手の心の傷となった人物の姿となって心を揺さぶる
といった、他の八忍には決して真似できない手を連発できる。
極め付きは2つの技巧や異能を掛け合わせて更なる魔技へと昇華してみせるなど、『全能』の名に偽りなく最早何でもあり。
また体の一部分だけを別人の姿に変化させることも可能。

なお暗刃開発以前から個人で有する能力であるため、厳密に言えば暗刃には分類されない。


ただし「定期的に姿変わる体質」と本人が述べており、ずっと同じ姿を維持し続けることは難しいらしい。
また、変化も万能ではなく、人体の絶対領域である脳髄は模倣できず、異形の瞳も長時間は変化させられない。
変身後暫く経つと元の瞳に戻ってしまい、激怒(キレ)たり嘆き悲しむなどして感情が激しく荒ぶると外見が意図せず全くの別人へと変わってしまう。
逆を言えば異形の瞳の有無以外では仲間の帝都八忍ですら変身・擬態を見破ることができないことを意味している。

ちなみに現時点ではこの弱点により仲間の忍者以外に正体が露見したことはない。

惨蔵が直接自身の目で見たことがある人物には年齢・性別・存命・故人を問わず変身できるが、他の忍者に変身する場合は今のところすでに死亡している者のみに変身している。これは存命中の忍者の手の内をできるだけ明かさないようにするためと思われる。


  • 暗刃(あんじん)
現代忍者の基本技。音速を超えた速度と貫通力を併せ持つ「弾丸の象形拳」。

  • 如意暴(にょいぼう)
壊左が使っていた異能。
最大50mまで自在に伸び自由に曲がる両腕を操って暗刃による攻撃を仕掛ける。その使い勝手の良さから壊左の死後も自身が活用中。
しかしその反面如意暴の射程を越えた相手への対処はできないという欠点にも繋がっている。

  • 老腕若火(ろうわんじゃっか)帰還(きかん)
帝都八忍の戦死者、璃刃壊左祭下陽日の特異体質を模倣し組み合わせた暗刃。
如意暴により長く伸ばした腕に炎を纏わせ、腕から超絶高温の角質を雨のように降り注がせて広範囲の敵を焼き払う。
ただし、聖華天のΩや八極道の孔富華虎のように、強烈な風を起こす手段を持つ相手だと、炎が散らされたりかき消されたりするため効果が薄かったり、最悪かき消されて無効化されてしまう場合がある。

  • 神誅焰魔洞(じんちゅうえんまどう)
『救済なき医師団』のメンバー・美陀の極道技巧と、病田色の暗刃を模倣し組み合わせた暗刃。
手から笑気ガスに似た気体を散布して敵の意識を混濁させた上で催眠話術を実行することで、極短時間の内に深い催眠状態に陥れる。

  • 夢舞大焦熱(むぶだいしょうねつ)
陽日と色の暗刃を組み合わせた技。
両手にそれぞれの特異体質をコピーし、渦を巻いて迫る気体(ガス)と炎の同時攻撃で遠距離(アウトレンジ)から相手を狙う。決まれば抵抗不能の眠気と高熱火炎で相手を無力化した上で焼き尽くすことが可能だが、”老腕若火の帰還”と全く同様の弱点がある。

【関連人物】



  • 愛多(あいだ) 間七(かんしち)
かまいませんぞ こんな老いぼれの命など…!
その代わり…!! 〝男の約束〟をしていただきたい!
再びこの東京で破壊(テロ)あらば! 必ずや賊を討ち民を守ると!!!

現日本の内閣総理大臣。忍者(しのは)と友人関係且つ忍者としての素性を知ったことから接触。
当初は秘密を知ったことから口封じに殺害しようとするも、命乞いせず日本を守ってほしいとの対等(タメ)の要請をされたことで協力関係を結ぶ*6

詳細は個別項目も参照。

  • 幡随院(ばんずいいん) 長兵衛(ちょうべえ)
山さん!! また────逢えたなァ…!

始祖の極道。彼の子分を殺したことで恨みを買い、明暦の大火にて死闘を繰り広げた後討ち取った模様。

  • 服部(はっとり) 半蔵(はんぞう)
この服部半蔵幾度も観てきた 超常自在に操りし歴戦の忍者が!!
剣豪の”技術”の前に敗れ逝く様を──……!!

江戸幕府隠密頭であり若き日の惨蔵の上役。惨蔵に剣豪の脅威を説いた。かなりの老体で、なぜか常に散眼を使っている。
年代的に恐らくは四代目服部半蔵正広。

【劇中での活躍】

『外伝:獅子の華』


良いか壊左 忍者はこれより大改革(・・・)を行うぞ
今度の敗戦の因は物資不足と激戦による武器の枯渇!! そして我等忍者の速度を超える最新銃器じゃ!!!
武器に頼らば武器尽きし時敗ける!!!

“無手”じゃ!!! 銃器を超える速度の無手の殺技が必要じゃ(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)!!


第二次大戦末期、米軍と手を組んだ極道の忍者狩り(ハント)による大敗を味わい壊左のみをつれて撤退する。
「忍者の戦い方に何らかの革命的発想が必須」と考えて忍者の大改革の必要性を痛感し、苦渋の決断で忍者としての活動の一時休止を宣言。
自分が持ちえない「発想力」という類まれなる才能を持つ壊左に大改革の望みを託すと、売春婦に擬態し戦後の町に姿を晦まし米軍や一般人と売春を繰り返しながら諜報を行うようになる。
なおこの中で壊左によって考案されたのが後の現代忍者の必需品である「べしゃり烏」であった。

そしてある時輝村獅門と壊左の関係を知ったことで「改革」のため壊左に試練を与えることを立案。
音羽商事社長を殺して姿を奪い、社長と売春婦の姿を駆使して巧みに獅門を意図的に煽り、壊左が欲しいと憧れていたコーヒーミルを奪わさせるだけでなく、壊左への刺客へと駆り立てさせる。
そして壊左には獅門がコーヒーミルを奪うために民間人を殺戮したことを遠回しに伝え、壊左vs獅門の戦いの場を作り上げてしまう。
なおこの計略の前に獅門の暗殺なども目論んでいたが全て失敗に終わっていた。

さあ…殺し合いだ 壊左と獅門

決めようか 忍者と極道

どちらが生存(いき)るか、死滅(くたば)るか…!!!


二人の悲劇の死闘を「壊左が革命を起こす為の死地の淵」として高みから眺め、死闘の中で壊左が「暗刃」を閃いた瞬間を見届けると獅門を殺害してしまい哀しみの淵に沈む壊左の元に姿を見せ、見事仇敵でもあった獅門を殺害したことを称賛する。


……“長”
知っておられましたな…全て!!! そして……仕組まれましたな…!!!

…うん
…恨んでいいぞ 壊左


そう涙ながらに真相を悟った壊左に弁明することなく静かに事実を認め、壊左には自身を糾弾する権利があることを認めたが、壊左はあくまで長が忍者の未来のため心を殺して非情となり目的を果たしたことを悟って惨蔵への畏敬を消す事は無かった。


そしてこの死闘から長きに渡り、忍者は黄金時代を謳歌する極道を後目に闇の中で更なる発展と進化を遂げていく事になる。

序章~『第二章:燃える仁義のカブチカ』

物語の冒頭で極道こと幡随院長兵衛と戦っていた忍者こそ惨蔵であり、戦いの末討ち取り勝利した模様。
壱円警視として忍者の襲撃現場の捜査をしている場面もあるが、本人が本格的に登場したのは第二章から。

べしゃり烏を用いて歌舞伎町地下倶楽部で極道が動いている情報を入手し、陽日の希望もあって単身で向かわせる。
しかしこれによって陽日は戦死し、彼の遺体を抱える忍者(しのは)を殴り飛ばした後泣きながら「自分も陽日を一人で行かせた」ということで自らを殴らせ極道達への怒りを燃やすと、呪血の忍者兄弟を招集した。

当然じゃ喃…!!! 現時点の全戦力をもって(・・・・・・・・・・・)“破壊の八極道”ブッ殺す!!!
この“長”神賽惨蔵!!! ワシも“全姿全能”最強の忍者の力本気(ガチ)でかます!!!


『第三章:情愛大暴葬』


さて…もうひとつ問おうか喃 これまで2名…壊左と陽日が極道に殺られ
今また極道が忍者を誘っとる。“普通の賢い奴”は……どう考える?

極道(ヤツら)“罠”でも仕掛けてんじゃ()ッスかぁ~?
あの…もう少し様子を見た方がよろしいかと…
死地にノコノコ飛び込むなど愚の骨頂
いのちだいじに

では 忍者ならば?


「「「「ブッ殺す!!!」」」」


(オウ) その野生が忍者よ!!! “忍装束”纏え 出陣じゃ!!!


壱円警視として崩落した歌舞伎町の捜査をしつつ、新宿で全滅した竹本組の調査を進めるも、手掛かりはつかめず。
そうしているうちに聖華天の暴走が勃発。何故か直前までべしゃり烏が全く反応しなかったことに怒りと疑問を抱きながらも、他の忍者達と共に極道をブッ殺すため出陣。
各々が分散して各地で極道達と戦う最中、自身は霞が関にてΩこと逢魔賀広偉と対峙する。
野球への情熱を捨て暴走に逃げた理由を看破して説得を試みるも、それでも聖華天の”黄金時代”(オウゴン)に囚われた彼には届かなかった。この時惨蔵は『此奴()また…… 思い出に縛られし者───……』と無念そうな表情で心の中で呟いており、似たような事情で敵になった相手をブッ殺した過去があると思われる。
最後は自身もΩも憧れる野球の王こと(ワン)・キングに変身。彼の叶わなかった夢を実現させるに至る。



聖華天特攻隊長 逢魔賀広偉…!!!暴走族(ゾク)打棒(バット)で夢にきらめく!!

“帝都八忍”神賽惨蔵!!!今宵は“王の野球”で明日にときめこう!!


そして本塁打(ホームラン)王同士による壮絶な打ち合いの末、Ωに野球への愛を取り戻させることに成功。
渾身のスイングで彼の上半身を粉々に爆散させ、頭部を大気圏外(じょうがい)本塁打(ホームラン)にしてブッ殺した。
戦いを見届けていた愛多総理とは多く言葉を重ねることはせず、上記の言葉を伝えて去った。
戦いの終結後は色の死に涙し、戦力を分散させた自身の判断を悔やみ更なる怒りを燃やした。


『第四章:幼狂死亡遊戯』

内閣総理大臣を受賞した忍者(しのは)に対して厳しい態度を取りながらも、隠れて祝い酒をしていたことが判明。
それでも過去忍者であることが露見し(バレ)たことを指摘し、またバレることが無いようにと再度釘を刺している。
この頃からべしゃり烏だけでなく鼠を調教して鼠坊衆(チューボーズ)を生み出し、新たな情報収集源としている。

割れた子供達』が総理官邸を襲撃した際には地下道から官邸に潜入し、構成員の一人”崇拝偶像(アイドル)”を討ち取って擬態し(さらに着ていたセーラー服を死体から剥ぎ取り)、仲間のふりをして近づき数人を討ち取る。
しかし忍者(しのは)が内閣総理大臣賞を受賞し、同時に国内の内閣や外国の大統領といった重役が集結している中、まるで見計らったかのようなタイミングで極道が襲撃する」という、あまりにもできすぎた展開に違和感を感じる。それは前回の聖華天の暴走の時にも感じたもの。
「まるで忍者と極道の戦いが、何者かの筋書き通りに動かされている」ような違和感。そして惨蔵もその”何者か”の正体に心当たりがある様子を見せた。


割れた子供達(グラス・チルドレン)司令(オーダー)攻手(アタッカー)!!!
二人で一本(ひとつ)の“神槍(グングニル)”ッ すべてを貫きブッ殺す!!

“帝都八忍” 神賽惨蔵!!!
よくもこのワシに硬くて太いのを2度もブチ込みおって…!!
糞餓鬼がぁ!!!その首蹴飛ばし戯れてくれるわ!!!


その後は『割れた子供達』“司令“&“攻手“と激突。
当初は総理官邸屋上という絶好の狙撃ポイントを陣取られたため徹甲弾の弾道が読めず苦戦を強いられたが、直径約30cmの弾孔がそのまま屋上への一本道となることに気がつき形勢が逆転。
赤ん坊になって弾孔内を猛スピードで駆け上ることで間合いを縮めることに成功し、そのまま2人を斬首し勝利を収めた。
その際再び離れ離れになってしまい嘆き悲しむ2人の生首を至近距離まで近づける気配りを見せ、やり切れない表情を見せながら屋上を後にした。

そして戦いの終盤……総理官邸の5階、鏡の部屋において、突如自身の前にかつて殺した”ある男”が姿を現す。
急いで後を追うもその男はまるで幻のように姿を消してしまう。
戸惑いながらも異変を察知し、他の仲間を救うべく忍者(しのは)達の元に駆けつける。
遂に対峙した帝都八忍と破壊の八極道。一触即発になったものの、極道(きわみ)が退却を選んだためにその場は全員取り逃がす形となってしまった。

『第五章:極契大壊嘯(ブロマンスダイタルボア)

八極道を取り逃がしてしまったことに憤る右龍らを「今回は誰も死ぬことなく八極道の一人を討ち取り民を守ることはできた」を諫めた。

他の八極道が逃げた…? かまわぬ
奴等は必ずまた悪事(わるさ)かます
忘れるなかれ忍者は警察に非ず
裏社会(ウラ)悪事(わるさ)かませばブッ殺す…!! それが忍者よ

喃?

そう語って姿を覇世川炸羅の外見へと変化。
その後、壱円警視としてダイバン本社の家宅捜索を行うも、極道(きわみ)はすでに退職した後だったため、逮捕することは叶わなかった。
そして愛多総理との日忍首脳会談を経て裏で秘密裏に日本政府との協力関係を構築させた。
だが幡随院の暗躍により八極道のテロを事前に察知することはできず、東京全土を標的とした麻薬水によるバイオテロを阻めず、自身も麻薬水による弱体を食らってしまう。
麻薬水の弱体を食らいながらも総理に協力要請を持ち掛け成立させると、総理に最大限の感謝を述べながら他の残る八忍にも命令を下す。

極道共…此度は水道に麻薬(ヤク)流してきおった
我等忍者一刻も早く敵ブッ殺し 麻薬水(ヤクみず)の流入止めねばならぬ
とはいえ健康第一(・・・・・・・・)
体調悪い者はおるかぁ(・・・・・・・・・・)~?おったら病欠でええぞ(・・・・・・・・・)~~~


誰…に 言ってやがるゴルァァァァ!!!
ここまで…“上等(ジョートー)”かまされてッッ
休んでられっかクソダラァァ!!!
元…気!!一杯(バリバリ)だでよ!!!

応…!それよォ
苦境など!!ブチ切れ痩せ我慢にて喰らうが忍者の誉れ!!!

そう発破をメンバーに掛けると出撃命令を下し、自身も「朝霞市」の「A浄水場」に出撃。浄水場を占拠する『救済なき医師団』の精神科医・美陀(ヨシダ)と交戦する。
全姿全能で自在に体型を変えることで、美陀が得意とする拘束具を用いた戦法を攻略するも、催眠話術の極道技巧「夢遊ナル螺旋回廊」によって攻撃を封じられてしまい、彼が用意した紅茶(ティー)を飲みながらの「お喋り」を強制される。
その精度の高さを厄介に思いつつも、「おもしろい…一杯だけ乗ってやる」とこれを受け入れる。


帝都八忍 神賽惨蔵
一杯飲み干す間に貴様は殺すぞ

救済なき医師団 精神科医 美陀
死ぬのは────私と語らう貴方です


声による催眠術と麻薬水の影響で、一声聞くたびにより危険に陥っていく最悪の条件下で、惨蔵は敢えて積極的に会話をすることで、技巧の性質を分析を試みる。
揺らぐ意識の中、その原理が言葉の音程やリズムに隠れた特殊な「波」にあることを見抜くが、限界まで追い込まれていた惨蔵の意識はそのまま完全な催眠に堕ちてしまう。
そして美陀は惨蔵の首に仕込み杖の刃を突きつけながら「教えてください 貴方の情報(こと)…忍者の情報(こと)を 貴方の知る限り全部…全部!!」と命じ、惨蔵はその命令のままに口を開いてしまう。

忍…者…ワシの…知る…限り……
あれは…そう ワシ…が…(よわい)二十の…(とき)……

明暦2年 364年前の…春

…は?

催眠術で呼び起こされた、明暦2年(西暦1656年)の惨蔵の記憶。それは、ある男との因縁であった。
江戸幕府の裏の守護番として、浪人「葛西山治」を名乗り、陰から江戸の治安を守っていた頃のこと。惨蔵は落とし物の財布を拾ったことがきっかけで、ある町人と知り合った。
その町人・伊太さんこと塚本伊太郎と惨蔵は、財布にあった草双紙の刺繍の話題からすぐに意気投合し、初対面にもかかわらず、十年来の親友の如き仲となる。
だが、二人は出逢うべきではなかった。伊太郎の裏の顔こそは、"始祖の極道"幡随院長兵衛だったのだから──

常人ならば有り得ない、だが催眠術の精度ゆえに嘘であるはずがないその情報に激しく動揺した美陀は、慌てて惨蔵を始末しようとするが、「喰らって覚えた」美陀の技巧と色の暗刃を掛け合わせた催眠術「神誅焰魔洞」で形成は逆転。
催眠に堕とし返し、麻薬水テロのアジトや協力者の情報を吐かせると共に、自罰意識を掘り起こされた美陀の自害という形で勝利を収める。

鼠坊衆の1匹が持ってきた煙草で一服すると共に、カップに残った紅茶を飲み終えた惨蔵は一人、364年前のことを回想する。
燃え盛る江戸の市中。その中に立つ、太陽の如く眩しく温かい笑顔を浮かべる、最高の親友(とも)にして最凶の宿敵(てき)の姿──

364年 経っても忘れん……か

『山さん! また────逢ったなァ…!!』

…応 伊太さん

なお、かつての事実が明かされたとはいえいきなり明暦二年とか言われて催眠術をかけた相手の方はかなり困惑していた。無理もない


【余談】

「なんでもなれるなんでもできる」という彼の発言は、作者の趣味的にHUGっと!プリキュア』のパロディという説が濃厚。
終戦直後の東京を舞台とした外伝『獅子の華』では、先述したように売春婦に化けて極道の情報を集めていた。
そのことで本来の性別は男なのに平気なのかと壊左に心配された際に「それが何じゃい 楽しーぞ!!!」とゲラゲラ笑いながら語っているので両刀使いの可能性がある
というか、そもそも性別がない可能性すらある

2025年に本作のアニメ化が決定したのだが、ファンからは映像化の鬼門の一つ(諸々の倫理観描写、パロディの権利関係etc…)として、姿がしょっちゅう変わる惨蔵の声優はどうするのか?という点が挙げられている。
特定の声優を付けないという事は考えづらいので、案としては「ガワの声優はその都度変えつつ、モノローグの声優を統一する」「男性声優1人と女性声優1人が、それぞれの性別の変身体を演じ分ける」というものが有力。


我らアニヲタwikiに縄張るwiki籠り也!!!
縄張りで追記かませば迷わず修正する!!


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最終更新:2025年04月05日 22:32

*1 現状彼は交戦し葬った八極道傘下組織の幹部に対して能動的に『納得のいく死に方』をさせた上で斬首しており、その采配によって八極道組織幹部はある種の救いを以て絶命している。忍者に敗れて敗死するも納得のいく死を迎えるのが当作品の主要キャラの極道であるが、能動的に忍者がそうなる様に仕向けて絶命させているのは惨蔵のみ

*2 戦後の娼婦

*3 なお炸羅は「本当にジジイかよアイツ。忘れたい、忘れよう」と凹みまくっていた

*4 『獅子の華』参照

*5 作中では羆と鼠の差として例えられる

*6 一応惨蔵自身は殺すのは冗談だと称していたものの、もし愛多総理が見苦しく命乞いをする素振りを見せたら間違いなく始末していたと思われる。