悠久のティアブレイド -Lost Chronicle-

登録日:2021/07/07 Wed 00:44:32
更新日:2025/03/12 Wed 18:56:07
所要時間:約 54 分で読めます






時の果てでまた逢えたなら








悠久のティアブレイド』は2016年に発売された乙女ゲーム
発売元はオトメイト。機種はVita。

ディレクターはぶっ飛んだ乙女ゲームが大好きな中村D*1
原画はいけときなみ由希。オトメイトでダブル原画は珍しい。
またロボデザインとして『マブラヴ』シリーズで有名なbouが参加している。


舞台は遙か過去の最終戦争により大地が荒廃した未来の地球。いわゆるポストアポカリプス
地下都市で暮らす謎の少女・イヴを主人公に、荒廃した世界の真実を追っていく。
ジャンルはSFロボバトル。人型兵器・ティアブレイドを主人公機とした戦いが描かれる。
「中村Dがロボものやるとかまた色物系か……」とか言われたり言われなかったりしていた。あとブログで「あらゆる手段でもってロボ萌え、無機物萌えを世に広めよ」とか言っていたのもすごかったと思う。しかし出てみれば真っ当な王道ロボバトルものだった。
ロボアニメのお約束や男のロマンが詰め込まれた燃える作品である。

こんな内容であるため乙女ゲームとしては恋愛要素は若干薄め(一部除く)。
グレンラガンやアクエリオンのような「恋愛要素も重視されるロボットアニメ」みたいなノリでプレイすると分かりやすいかもしれない。というかその2作品の主演が本作に参加している。


ルートは全6種類。
まず基本となるシュド・アタルヴァルートをクリアすることでヤジュル・ロウ・クレイドルルートが解禁。5つ全てクリアすることで最後の真相ルートが解放される。
出来れば公式で紹介されている順番でやるのが推奨される。

エンディングはHAPPY ENDとTRAGIC ENDの2種類。
「TRAGIC」の意味は「悲劇的」。飽くまで「BAD END」ではないのでとんでもなく後味の悪い終わり方をするというワケでもない(アタルヴァはちょっと人によるかもしれないが)。
特にヤジュルとロウのTRAGIC ENDはある意味爽やかな終わり方になっている。

2017年にはファンディスクが発売された。


【あらすじ】


最終戦争により文明が崩壊した遥か未来の世界。大気汚染により人間の寿命は半分以下となっていた。

スラムで暮らす少年・シュドは仲間たちと共に『何でも屋』を経営していた。だがその裏で大気汚染により不治の病にかかった弟のことで気に病み、常に何とかしたいと考えていた。

そんなある日、彼の元へ軍に追われている謎の美青年・アタルヴァが訪問する。彼は古代文明の少女を探して逃亡を続けていた。その少女が禁忌の力を秘めており、大気汚染を浄化できるかもしれないと聞き、彼に同行する。

アタルヴァと共に軍に追われるようになってしまったシュド。命からがら彼らは謎の少女が暮らすという地下都市『ネオスフィア』に訪れる。
そこでシュドたちは不老不死の少女・イヴと地下都市の管理用AI・クレイドルと出会った。

邂逅もつかの間、シュドたちを追って軍のロボットがネオスフィアを襲撃する。巨大兵器の力に成す術もないシュドたち。
そこへもう一体、純白のロボットが現れる。クレイドルは言う。これこそがイヴを守るひと振りの刃・『ティアブレイド』であると。


【用語】



◆地上世界
古代文明の最終戦争により荒廃して数千年が経過した地球。一言でいえば管理社会系ディストピア
大気汚染の影響で地上の大半の植物が枯れるわ人間の寿命が半分弱になるわでいいことがない。
この世界の人間は全て工場で生み出されている。どのようにして生み出されるかは関係者以外分かっていない。
工場で生産され、適性に応じた職務が割り振られた後、社会に放り出されるという仕組み。
その職務を放棄した場合はどんな事情があろうとも人権を失いまともに生きることが出来なくなってしまう。シュドをはじめとしてこれらの事情からスラム暮らしをしている者も多い。


◆ネオスフィア
古代文明の遺したと思われる巨大地下シェルター。森に川に市街地と何でもあり、おおよそ100万人近い人間が生活可能。しかし現在は何故かイヴ一人しか住んでいない。
街の中心にはネオスフィアの管理を行うセントラルタワーがある。この中にティアブレイドも眠っている。
物語開始時では何故か大半の機能が破壊されている。そのため本来持つ地上への移動機能も使えない。物語中盤までイヴたちはネオスフィアの修理をすることになる。


◆ティアブレイド
本作の主人公機。30メートル級の白い人型兵器。
コックピットは所謂複座式で全天周囲モニター式。基本攻略対象側がメインパイロット、ヒロインのイヴがサブパイロット。メインパイロット側が操縦、イヴがティアブレイドの起動及び回復を担当する。
ティアブレイドに組み込まれた簡易テレポートシステムによりコックピットに移動できる。
操縦資格は「イヴを守りたい」という強い想い。それにより認められることで資格である金色の指輪を得ることができる(逆にイヴは対となる銀色の指輪をつけている)。この指輪を身に着けるとティアブレイドの操縦方法が脳内に流れ込んでくるという優れもの。この指輪を頭上にかかげ「来い、ティアブレイド!」と叫ぶことでティアブレイドを召喚することもできる。有事の際は叫ばずとも来てくれる。

戦闘能力は高く、初戦では動力が20%台に落ちていたにもかかわらず、量産型ゴーレムをアッサリ撃沈した。
ダメージを負った場合もナノマシンによって時間はかかるが修復可能。
戦闘スタイルは操縦者によって様々。ナノマシンの力により操縦者に最も適したフォルムへ姿を変えることができる
マニュアル操縦が基本であるが、戦闘用AIを組み込んでいるため場合によってはオート操縦も可能。というかイヴたちに危険が迫ると自動で動き出す。指示なしで動き出すこともあるなど、まるでティアブレイド自身が意思を持っているようだが……

ティアブレイドの武器は『ウェポンハンガー』と呼ばれるセントラルタワー内部に眠っている。呼び出し方法が明確ではなく、クレイドルが呼んでも来ない時もあれば、操縦者の意思で簡単に来ることもある。武器にはそれぞれナンバーがあり、ウェポンハンガーから射出される際にモニターに数字が表れる。
No.2→大斧
No.3→槍
No.6→双剣
No.10→レイピア
No.12→大剣



◆転換炉
ネオスフィアのエネルギー源。宇宙の真空中にあるダークエネルギーにより原動力を回収することができる。高効率なエネルギー変換率と無限に近いダークエネルギーから、理論上半永久的にエネルギーを生み出すことができる。ネオスフィアが3000年稼働し続けられたのもこのため。


◆ガラクタ
イヴがネオスフィアで良く集めているもので本人曰く「宝物」。ネオスフィア内のあちこちに転がっている。
宝石のようなきれいな石でありイヴはたいそう気に入っている。
その正体は3000年前に使われていた遺言専用の録音装置。
一週目クリア後に集めたガラクタの音声を聞くことができる。遺言であるため内容はどれも死の間際のもので結構キツイ。特にエルゼの遺言は泣く。


◆ナノマシン
本作の重要なキーワード。イヴの肉体に微量に含まれている。
目に見えないほど微細な機械。使用者の意思によってありとあらゆる物質を自由に分解・再構成することができる。ナノマシン自体が機械であるため、他の機械に介入してハッキングするということも可能。アタルヴァの言う「禁忌の力」とはこのこと。あらゆる物質を分解できるため、大気汚染も当然分解できる。
ティアブレイドの動力源としても使われる。というかパイロットのナノマシンの量によってティアブレイドの出力が変わる。ついでに言えばメインパイロットが乗っていても、イヴがいなければティアブレイドは基本的に動かない。イヴの体内のナノマシンを動力にする都合上、ティアブレイドのダメージはそのままイヴへとフィードバックされる。ゆえにメインパイロットはイヴを傷つけないようにしつつ戦うことが求められる。
肉体に埋め込めば、その対象を不老不死にすることもできる。


◆量産型ゴーレム
雑魚キャラ枠のロボット。モノアイ型という分かりやすい量産機である。
オート操縦型とマニュアル操縦型の二種類がある。




【登場人物】


◇メインキャラクター



お客さんなんて久しぶり……、だと思う


◆イヴ
CV.なし
本作の主人公。地下都市『ネオスフィア』で3000年孤独に暮らしていた不老不死の少女。
ロボットの起動装置となる謎の少女」というどこのロボアニメに出しても恥ずかしくない理想的なヒロイン。
3000年の間クレイドルと共に自由気ままに暮らしていた。物心ついた時からひとりでここにおり、なぜネオスフィアで暮らしているかはよくわかっていない。自分以外の人間を見たことがないため死の概念を知らず、不老不死であることに疑問も抱いていない。

性格は明るく無邪気。肉体的には10代半ばだが精神的には外見より5から10個くらい幼い。人懐っこいためにシュドやアタルヴァたちともすぐに打ち解けた。
周囲に「野生児」と評されるほど行動的&マイペース。じっとしているよりもとにかく動いていることを好む。なんにでも興味を示す性分であるため、突拍子もないことをして周囲をよくハラハラさせている(特にシュドとクレイドル)。ネオスフィアではよく探検をして、『宝物』と呼んでいる謎のガラクタを集めている。
幼いうえに世俗を知らないため一般常識には疎く、特に羞恥心はかなり薄い。『男の人に胸を触られると恥ずかしい』ということは本能で理解しているが逆に言えばその程度。序盤の風呂イベントではアタルヴァとヤジュルに乗せられ普通におっぱい見せようとしていた
こんな性格のため攻略対象との関係は『恋人』というより『幼女と保護者』に見える。だがその純粋さで悩み多き野郎どもを的確に癒していく。……言動が子どもっぽいために意図せず相手の毒気を抜くことも。

一見明るいが、気の遠くなるほどの長い時を孤独に暮らしていたため、人間としてどこか壊れているところがある。
例えば孤独な生活の中で発狂せず暮らしてこれたという部分。これは彼女がタフというよりも異常な生活の中で「悲しい」「寂しい」「怖い」などの感情が欠落していたというのが大きい
精神的に幼いのも人との関わりがほぼないため心が成長できなかったからかもしれない
3000年代わり映えしない平坦な毎日をただ消費し「生きている」とは言えなかったイヴ。そんな彼女は、シュドたちと出会い様々な経験をし、「生と死」について少しずつ考えるようになっていく
スパロボに参戦したら多分最後に『』を覚えると思う。





権利なんざ知るか! これは彼女との約束だ!


◆シュド
CV.石川界人
本作のメインヒーロー。ロボものとしては一番主人公っぽいキャラ。スパロボだと『熱血』覚えると思う。
工場では元々軍人職として製造されたために体力・戦闘力は高め。
スラムで暮らし『何でも屋』の社長を務める傍ら不治の病を患った弟の看病をしている。そんなある日ひょんなことからネオスフィアに訪れイヴと出会ったことで運命が大きく変わる。

性格は明るく快活、そして何より極度のお人よし。
たとえ自分が傷つこうとも他人の笑顔を見ることが彼にとって何よりの喜び。……と、書くとイケメンだが、実際は『何でも屋』の依頼人の前でカッコつけて料金をもらわずにただ働きをしてしまうというのがほとんど。そのため仕事量が多いにもかかわらずほとんど赤字に近い状態であったとか。プロローグで赤ん坊を政府から取り返す仕事が終わり、その子の母親に料金が払えないと相談された際には「じゃあ、代わりと言ってはなんだがその子をしっかり育ててくれ」とカッコつけていた。母親がいなくなってから仲間たちに突っ込まれていた。
だが人柄は好かれているためか、仲間は何だかんだ言いつつも付き添ってやっている。

お人よしと同時に面倒見がいい。
パーティーが野生児なイヴ、世間知らずなアタルヴァ、軽薄なヤジュル、口は悪いがポンコツなクレイドルとまともな奴がいないため毎回損な目に遭っている。ヤジュルには「みんなのお母さん」と評された。特にイヴは興味の赴くままに斜め上の行動を起こすため胃を痛めることになる。かわいそう。テンパると口調がお母さんになる。
イヴが裸晒そうとした時には必死で止めようとしていた。というかイヴが動きまくってタオルがズレそうになるたびに慌てていた。

実は早い段階でイヴに惚れていた
快活だがみんなのまとめ役として多少無理をしているところがある。まあ明日の見えぬスラム暮らしに弟の看病なので頑張っている方だろう。
そんな時、ただ明日が来ることを楽しむイヴを見て少しずつ惹かれていく。出来ることならイヴと共に何でも屋で働けたらいいと考えている。



俺は知りたいんだ。あの放浪が一体、

何の…、誰のためのものだったのかを


◆アタルヴァ
CV.寺島拓篤
政府の屋敷に監禁されていた青年。とある事情からネオスフィアと、そこで暮らすイヴを探している。彼とシュドが出会ったことが物語の始まりとなる。
クールで堅物な皮肉屋。監禁されていた間はほとんど本を読んでいたために知識が豊富でありチームの参謀役を務めることが多い。リアリストなところがあり、お人よしのシュドとは口論になりがち。

しかしその実ヘタレでポンコツな上に不器用という残念なイケメン
そもそも屋敷では監禁されてたとはいえ、それなりの暮らしだったのでお坊ちゃん気質。ちょっと味の悪いものは食べられないし、体力はイヴよりない。さらに手先が不器用なので釘打ちするとほぼ必ず怪我をする。ネオスフィアの復旧作業では一番役に立っていなかった。仕事をしようとする→失敗する→仲間にからかわれる→ムキになるも逆にややこしくなるがいつもの流れ。
ついでに監禁生活が長いために世間知らずでたまに天然発言が飛び出す。イヴの裸を見ようとした人その1。コイツの場合下心があったわけではなく、世間知らずなために「そういえば男と女って体の構造違うんだな」くらいの気持ちだった。
ポンコツだがやる時はやってくれる。

彼の一族は理由もわからず代々監禁されていた
一族は生まれたときから自分のものではない誰かの記憶を持っている。それは誰かがまた別の誰かを求めて何百年も放浪を続けているというもの。その記憶の持ち主は諦めずにその人を探し続けているらしい。
よく分からない記憶に悶々とした感情を抱く中、ある日兄のリグにイヴとネオスフィアの話を聞かされ、屋敷を脱出する。途中でリグと散り散りとなり、そんな時シュドと出会ったというのが物語のはじまり。
記憶によるとその持ち主が長い間探し続けられたのは、その誰かを心から愛していたかららしい。それだけにせめて自分がその相手を探してやりたいと考えている。そして自分がそんな奇妙な運命を抱くことになったのはきっと意味があるのだと信じている。




……でも良かった。僕を生き返らせてくれたのが君で


◆ヤジュル
CV.近藤隆
セントラルタワーの救急ポットの中にわずかに残っていた死体から蘇生された古代文明の男。蘇生の影響で記憶を失っている。
当時イヴたちはネオスフィアを修復しようとしていたが誰も知識を持つ者がいないため手詰まり状態だった。そんな時彼の死体の一部を見つけ、クレイドルが蘇生可能と言うので、何か知っているかもしれないという望みをかけて蘇らせられた。
蘇生に時間がかかるので放置されていたが、イヴがロウに攫われかけた際に不意を突いて救出するという形で登場する。
クレイドルが解析した生体IDによると古代文明では議員をやっていたらしい。

一見大人の男でカッコよく見えるのだが、実際には軟派な女好き
上述の通り初登場シーンではカッコよくイヴを助ける。だがその直後彼女のナンパを始めてしまい、残りの男たちにボコボコにされてしまった。
その後もイヴを口説き続けてそのたびにシュドたちに呆れられている。いきなり彼らのテントに訪問したと思ったら、イヴのかわいらしさについて熱弁をふるいに来ただけということもあった。ただイヴは中身がお子さまなのでスルーされてしまうことも多い。かなり愛の告白に近いことを言ったのに「ヤジュルってお兄さんみたいだね」と言われたときはショックを受けていた。
イヴの裸を見ようとした人その2こいつは完全に下心で言った。なお彼らは(何も悪くないシュドも含めて)突如自動運転を開始したティアブレイドから制裁を受けた。
一応最年長なために喧嘩しがちなシュドとアタルヴァの仲裁に入るシーンも多い。イヴ曰く「大人の余裕」があるのだとか。まあヤジュルもヤジュルなので「お前が言うな」的なリアクションを取られることがほとんど。

「議員」という職の割には謎が多い男。
蘇生してから色々仕事を任せられているのだが、明らかに技術系の仕事の方が得意。シュドたちが手を出せなかった機械をアッサリ直したり、大型設備の配線をつなぎ直していたりと。本人曰く体が覚えているのだとか。彼無しでは手詰まりだった場面も多いため重宝されている。
またネオスフィアに攻めてきた軍人を返り討ちにしたり、初登場時に躊躇なくロウをヘッドショットしたり荒事に慣れているようにも見える。本当に謎が多い。




さぁ。イヴ!! オレと一緒に死のう!


◆ロウ
CV.松岡禎丞
シュドがロボアニメの主人公なら、ロウはロボアニメのライバル
政府軍の特務を務めている少年。この世界で最高の地位を持つ神官すら恐れる存在らしい。
地上世界の文明が始まってからずっと生きている不老不死という噂がある。実際頭に銃弾を食らった際にも死ななかった。
何故かイヴを狙っている。彼女を得るために、イヴたちのものとは違う黒いティアブレイドを駆りネオスフィアに侵入する。
イヴのことを知っているようだが、逆にイヴもクレイドルも彼のことを知らない(そもそもシュドに会うまで人間と話したこともない)。むしろイヴはロウに強い恐怖を覚えている。怖さのあまりとっさにメインパイロットから操縦桿を奪い、黒いティアブレイドを殴りつけてしまったほど。
またロウもイヴが自分のことを知っている前提で話している。そのため彼女が自分のことを知らないと言い出した時には露骨に動揺していた。ロウが知っていること知らないこと含め、何か事情があるようだが……。

普段は落ち着いた口調で話す少年なのだが、内面的には激情家であり感情の起伏が激しい。まあ初登場時で「俺と一緒に死のう!」とか言い出す男だし。かなり情緒不安定な性格。
はじめてネオスフィアに訪れた際には、(悪気がなかったとはいえ)邪魔してきた部下を、躊躇なくティアブレイドで殺害している。またイヴに何度も拒絶され衝動的に彼女の首を絞めつけようとしていた。
正直戦闘スキル自体はあまり高くないのだが、キレた時の凶暴性は最も恐ろしい。つまりは「カッとなると怖いタイプ」。

イヴと同じく肉体にナノマシンを有している。イヴよりも完全な形であるらしく、「破壊」に特化した性能を持つ。彼が力を開放すると黒い嵐という形でナノマシンが現れる。これに触れたものは、いかなる物質であったとしても分解されてしまう。ついでに自分の意思で分解するものとしないものを区別できるというチート。

ライバルキャラなので仕方がないが、自分のルートと真相ルート以外では大抵死ぬ可哀そうな男。




おはようございます、イヴ


◆クレイドル
CV.柿原徹也
イヴに付き従うAI。サブ攻略対象であり、彼のみTRAGIC ENDがない(その代わりある仕掛けが用意されている)。
いつも見せている姿は行動用の小型ロボット。本体はネオスフィアの地下に眠っている。
モニターの表情を変えることで感情表現をするが、大きく感情が揺れた時にはモニターに「!」や「?」が映る。
3000年間ずっとイヴの面倒を見ていたAI。元々はネオスフィアの管理用に設計されたAIであり、現在唯一の住民である彼女を守ることがクレイドルの使命。野生児であるイヴが長い間生きてこられたのは、彼が面倒を見たり常識を教えたりしていたからだと言える。彼の気苦労は計り知れない。
管理用なのだが、現在はとある事情で指揮系統の大半を失っている。

性格はAIらしく(?)几帳面。若干綽綽定規で融通の利かないところがある。そのため遊びたいままに遊ぶイヴとはたまに口喧嘩になる(幸いここ数百年は大きな喧嘩になったことはないらしい)。最近はイヴが「宝物」と称して拾ってくる謎のガラクタに頭を悩ませている。
AIのはずではあるが妙に人間臭い一面もある。機械であるという割にはやたらと人間的な皮肉を言うのに長けている。特に外からの訪問者であるシュドたちには色々と言ってくる。だが指揮系統の半分を失っているためネオスフィア浮上にはあまり役に立てておらず、その点をからかわれることも。コードを破壊される可能性があるのでネズミが苦手というかわいい部分も。
色々口うるさいが、イヴのことを大切に想っていることは間違いない。そんな性分から最初は彼女を地上につれて行こうとするシュドたちを疎んでいたが、徐々に馴染んでいった。

何か秘密を抱えているのか、怪しい言動も少なくない。極端にイヴが地上へ行くことを拒んだり、都合が悪くなると【機密事項】と返したり。イヴも知らない誰かとの約束があるようだが……。
なおクレイドルの意味は「ゆりかご」。




◇サブキャラクター



「この数千年、あなたのことを考えない日は1日たりともなかった」
◆アルカディア
CV.小杉十郎太
ロウと共に行動する完全自立型AI。あの小杉十郎太が線の細いイケメン役であるということで一部ファンがビビった。
完全自立型AIとは3000年前の文明よりはるか昔の『黄金期』と呼ばれていた文明で使われていたもの。『クォンタム・サーキット』と呼ばれる量子コンピューターにより高い演算能力を持ち人類発展の手助けになっていた。しかしある事件を境に駆逐されてしまっている。アルカディアはその完全自立型AIの生き残り。
現在はとある目的によりロウと協力関係を結び、共にイヴを追っている。一応仲間ではあるのだが、ロウにはかなり嫌われているようである。まあ本人は気にしていないようだが。
同じAIでもなんだかんだ感情豊かなクレイドルと違い、ほぼ無感情。
申し訳程度に敬語口調であるのだが、まったく表情を動かさないために慇懃無礼な態度に見える。笑顔グラもあるが口元だけゆがめた目の笑っていない笑み(所謂アルカイックスマイル)であるためとても不気味。ロウに嫌われているのはここら辺のこともあるからかもしれない。
ロウに隠して何かを行っているようだが……。



「……これはまた、めんどうなことになりそうだ」
◆カーマイン
CV.竹本英史
長年最前線で戦い続けたベテラン兵士。その経歴を買われロウの副官となる。
長い間戦場を生き抜いてきただけあって冷酷なリアリスト。頭の回転が速く、命の危険が多いロウの元でも機転を利かせて生き抜いている。

ここまでならただの敵キャラなのだが、妙にプレイヤーに愛されているキャラ
メインキャラ組が序盤はネオスフィアから出られない都合上政府軍パートは彼が語り部になる。語り部という都合か心の中の声が結構プレイヤーの感想と一致していることが多い。
ついでに変なところで義理堅いところが多い。ロウのことを調べているのだが、調査を任せた研究員が危機に瀕したときには見捨てず助けようとしていた。根っこの部分は常識人よりなのでルートによっては味方になってくれる。
真相ルートでは「コイツ攻略対象だったっけ?」と言いたくなるほどメイン級の活躍を見せる。


◇3000年前の文明の登場人物




【真相ルート】




【悠久のティアブレイド -Fragments of Memory-】


2017年に発売されたファンディスク。
内容は乙女ゲームファンディスクお約束の各ルートエンディング後の話がメイン。

スタッフが色々振り切れてしまったためかは知らんが、もういっそ清々しいまでに乙女ゲーム要素が薄い。「萌えより燃え」って感じ。


◆プロローグ
初めて起動するとスタート画面より先にこの物語が始まる。
『エクリプス』及び『フラグメント』に繋がるストーリー。

時系列はトゥルーエンド後。
戦いが終わり、ロウとオリジナルのイヴは政府でこれからの世界のために働いていた。
そんなある日不可解な現象が起きる。月から突如として救命信号が送られてきたのである。月は黄金期以来人類が踏み入れていない場所。奇妙なものを感じながらも二人は黒いティアブレイドに乗り月へ向かう。
そこで待っていたのは今までとは全く違う異質なティアブレイド『エクリプス』であった。『エクリプス』のパイロットであるデゾイドの攻撃により2人は敗北し連れ去られてしまう。

ロウたちの咄嗟の判断によりそれを知った地上のイヴたち。
彼女はシュドたちと共に月へ向かう。


◆フラグメント
通称年表埋めゲー。
黄金期から『プロローグ』直前までの長い時間の中で、様々なキャラクターの視点で歴史の断片が語られていく。
前作ではあまり触れられなかった、登場人物の心情や古代文明の詳細などが中心。
ひとつの物語を観終わると、まったく違う時系列の物語が解放される。バラバラの物語であるが、見続けていくうちにその断片が繋がっていく。
そして最後の物語を見終えると同時に、エクリプス編が解放される。

黄金期の事態を中心にいくつか答えが出ない謎がある。ただそれは「もう解かれることのない歴史に埋もれた闇」であるらしい。最後までプレイするとなんとなく答えが見えてくる。まあ、割と後味の悪い答えだが。

……最後の12000年後の物語は泣く。


◆エクリプス
悠久のティアブレイド最後の物語。
『プロローグ』と『フラグメント』を踏まえた上でのストーリー。
月に向かったイヴたちが出会ったのは謎の騎士『デゾイド』と全滅したはずの完全自立型AIのひとつである『エリシオン』。
黄金期から続いてきた歴史の闇に、イヴたちが終止符を打つ物語。

イヴたちの物語はこれ以上続編が作れないほどきれいな完結編
言うなれば『劇場版悠久のティアブレイド -Fragments of Memory-』。


◆フューチャー
前作各ルートのエンディング後の物語。
この手の物語にしては珍しく甘い展開はかなり控えめ。前作で残ってしまっていた問題にどうケリをつけるかに焦点が当てられている。










画像出典:悠久のティアブレイド -Lost Chronicle- アイデアファクトリー オトメイト 2016年9月8日発売
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  • 乙女ゲーム最年長レベルの主人公←精神年齢は最年少
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最終更新:2025年03月12日 18:56

*1 代表作はヒロインが心臓病に罹りイケメンにときめくと死ぬ『Glass Heart Princess』など

*2 シンガルに見つかると危険であるため地上に自ら向かうことは許されなかった

*3 あくまで機械であるため彼女の外皮を剥ぐと無骨な金属の骨組みが現れる

*4 章タイトルは基本章の初めに表示される。だが最終章のみ最後の最後で表示されるという演出が入る