オニシスター/前田真利菜

登録日:2022/05/15 Sun 00:37:00
更新日:2025/02/04 Tue 22:56:38
所要時間:約 6 分で読めるというお話






知ってました?虹の写真を狙うには、雨が上がる前から準備しないといけないんです。

雨が止んだ時、奇跡みたいな瞬間はきっとやって来る……!



前田(まえだ)真利菜(まりな)とは、スーパー戦隊シリーズ第46作『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』の登場人物である。

演:片田陽依


【概要】

ドンブラザーズの一員で紅一点。
年齢は明かされていないが、恐らく高校生程度。

元々はカメラマンの卵であり、同じくカメラマンの父親の影響で虹をテーマに写真を撮っていた。
幾つかの賞も取る程の実力を持っていたが、ドンブラザーズに選ばれたことを境に、自信作*1を「佐野進」なる人物に盗作されてしまい、その上彼女の方が盗作疑惑を掛けられ、自身の言葉を受け入れて貰えぬままに全てを失ってしまう。
以後、自身の新たな目標と居場所として戦隊活動に没頭するようになった。

また、平時では「喫茶どんぶら」でアルバイトをしている。

【人物像】

一人称は「私」で、他者と話す際には基本的に敬語を常用する。
常に謙虚で、コミュニケーションでは一歩引いた態度を取っている他、チームメイトの素性も全員分把握しており、普段から彼らとの交流を欠かさないという、社交的なひたむきな人物。
加えて世話好きで家事も得意でもあり、マイペースな猿原真一を心配して彼の家に押しかけては掃除をしたり、桃井タロウの昼食を作ってシロクマ宅配便のオフィスにまで持っていっており、その人当たりの良さから、彼らからも好感情を抱かれている。
ドンブラザーズとしての使命感も強く、ヒトツ鬼に狙われそうな人物に予め目を付けて守ろうとしている等、確かな行動力もある。

その一方、真面目故に融通が利かない面もあり、海賊鬼に狙われている漫画家・鬼頭はるかのサイン会に出た際に、唐突に自身の連絡先を彼女に渡して困惑させ、更にはボディガードが目的とは言えストーカーの如く彼女を付け回して不審者に思われてしまった*2他、タロウの同僚から冗談として昼食を作ってくれとせがまれた時にも「駄目ですよ?私が尽くすのはタロウ様だけ」ときっぱり言い切っている。
また、タロウには平時から様付けしてまるで従者にように接している他、戦闘時でも彼に本心から跪く等、どこか心酔しているかのような姿を度々見せている。

尚、先述の盗作騒動が相当根深いトラウマになっており、カメラを持っただけでも手が震えて写真が取れなくなっている他、はるかと共に入ったレストランで件の写真を見かけた際には、血相を変えて思わずナイフをその写真に突き立てている

総じて、「真面目で協調性もあるが、その分背負い込み安くどこか精神的に不安定」という、人としては成長過程にあるといえる。
また、過去の一件のせいで彼女自身はもうプロカメラマンへの道を諦めたようだが……?


オニシスター



アバターチェンジ!


よぉ~!


ドン!ドン!ドン!ドンブラコ!

アバタロォ~!

フクハウチ!オニモウチ!


オニシスタァ~!

よっ、鬼に金棒!


スーツアクター:下園愛弓

前田真利菜が、ドンブラスターと「アバタロウギア オニシスター」で変身した姿。
メインカラーは黄色。

モチーフは桃太郎のお供……ではなく敵側であるはずので、その名の通り頭部や肩アーマーに角の意匠がある。あと、何気に戦隊シリーズ初の妖怪モチーフの戦士でもある。
それでも全体的に奇抜なビジュアルのメンバーが多いドンブラザーズの中では、ドンモモタロウと同じくらいオーソドックスなビジュアルに入る。
他のメンバーが戦隊ヒーローとして奇抜すぎるだけなのだが
スーパー戦隊の女性戦士にお約束のスカート要素も抑え気味で、トップスの裾が男性戦士より長い程度となっている。

他の面々に比べると特化したバトルスタイルは持っていないものの、真利菜自身の一生懸命さもあって地道かつ勇猛果敢に相手に立ち向かっていく。


【余談】


◆苗字と名前の始めの文字が同じと言う、同じ東映特撮で鬼をモチーフにした『仮面ライダー響鬼』の登場人物と同じ命名の仕方になっているが、狙ったのか単なる偶然なのかは不明。

尚、区切りを変えると「まえ、だまりな」→「前黙りな」となるが……?


追記・修正は、夢を諦めても邁進する人にお願いします。


この項目が面白かったなら……\アバタロォ~/




























※推奨BGM:「Don't Boo!ドンブラザーズ」


じか~い、次回。

私はすべてを取り戻した。

もう戦士ではない。


はるかドンブラザーズ脱退!?


漫画家を襲うヒトツ鬼と戦う、新しいドンブラザーズ。

関係ない!

これが本当の私!


ドン10 オニがみたにじ


…という、お話。











登録日:2022/05/15 Sun 00:37:00
更新日:2025/02/04 Tue 22:56:38
所要時間:約 8 分で読めるというお話




【真実】

真利菜の正体は、ドンブラザーズを脱退したはるかの代わりとして選ばれた、言わば『2代目オニシスター』である。


【事のあらまし】



(これは夢ではない。私の本来の人生だ。)


ドン9話にて、ボロボロの絶不調状態のタロウの復活に大いに貢献したことで、大量のキビ・ポイントを獲得したはるか。
続くドン10話にて、五色田介人からそのポイントで元の日常を取り戻す事を提案されたはるかは、一切の迷いなくそれを了承し、ドンブラザーズを脱退すると同時に自身の盗作疑惑が完全に無くなった新たな世界線で、失った栄光と人望を取り戻した。

そうして空席になったオニシスターの変身者枠を埋めるべく新たに選ばれた人物こそ、真利菜だったのである。

サイン会で顔を合わせ、更には海賊鬼に襲われた所を助けられたことで真利菜と知り合ったはるか。
そのまま新しいドンブラザーズのことも知りつつ、親交を深めていく両者だが、再び海賊鬼がはるかに襲来。
はるかを守るべくオニシスターになって戦う真利菜だが、突如その手が震えてドンブラスターを落としてしまう。

彼女の経緯を聞いていたはるかは、本当は真利菜が今尚カメラマンの夢を諦めきれておらず、心の中で大きな葛藤を抱いていることを悟る。

自分が幸せを取り戻したせいで彼女が代わりに不幸になった――
そうとも取れる状況に、はるかは激しく動揺し、自己嫌悪と自己肯定の間で大きく揺れ動く。



(私のせいだ……)

(ん?私のせいなのか?盗作なんかしてないのに?)

(私が悪い?)

(いや、悪くないんじゃない?)

(なりたくてなった訳じゃない)

(やっぱりオニシスターは私がやるべきなんじゃ……)

(真利菜さんだってなりたくてなったわけじゃないのに……)


(決めなきゃ……私が決めなきゃ!)


悩み抜いた末にはるかは、編集者からの電話を取り、「今までお世話になりました。私、漫画家辞めます!」と宣言。
そのまま喫茶どんぶらに向かって走り出した。

そう、幸せを追い求めていたとは言っても、自分の幸福のせいで無関係だった誰かが苦しむことをはるかは見過ごせなかった。
そして、再び自分が不幸を被ってでも真利菜を解放する道を選んだのだ。

そうしてはるかは喫茶どんぶらに乗り込み、鬼気迫る表情で介人を脅して叶えた願いを取り消すよう要求する。



マスター!本当は私の事覚えてるよね!?

何せ管理人なんだから!

覚えてるんだろコラァッ!!

……覚えてます……。

やっぱドンブラザーズ辞めるのやめた!

だから私を、元のオニシスターに戻して!!


介人が取り消しの操作を行うと一瞬はるかの視界が眩み、気付けば再びオニシスターとしてアノーニと交戦中だった。



真利菜さん、貴方は自分の人生を……!こっちは、私がああああッ!!!



更に仲間達と共にロボタロウにチェンジし、見事海賊鬼を討ち取ったのだった。

元に戻った世界では、真利菜は写真芸術大賞を受賞したのに対し、はるかはキビ・ポイントを全て使い切り、再び「トウサク」と同級生達から馬鹿にされることになったが、彼女に後悔はなかった。

そんなはるかを祝福するかのように、空には大きな虹がかかっていた。



【余談2】

◆ある意味スーパー戦隊シリーズの歴史の中でも数少ない「テレビ本編におけるゲストヒロイン」と言えるキャラクターである。

◆真利菜を演じた片田陽依は、実際にも本作のオーディションの最終選考まで残っており、メタ的な面から見ても、あり得たかもしれない世界が見られたと言える。

◆志田と片田は体格が異なるが、真利菜が変身したオニシスターのスーツアクトレスも下園が務めている。これはドンブラザーズの変身した姿がアバターであり、変身前と変身後の体格が必ずしも同じとは限らないためである。
ただし、身長自体は志田、片田、下園各氏とも158cmとのこと。

◆メタ的にはゲストとは言え、正式に変身資格を先代から受け継いだのは、『獣電戦隊キョウリュウジャー』のスピリットレンジャーとキョウリュウバイオレット、キョウリュウシルバー以来約9年ぶりである。
また、経緯は違えど最終的に最初の変身者に戻る展開は、同じ色なのも相俟って『秘密戦隊ゴレンジャー』のキレンジャーを彷彿とさせる他、女性イエローの2代目戦士は『超電子バイオマン』のイエローフォー/矢吹ジュン以来となる。
その上、前任者など最初からいなかったかのような、有り体に言えば歴史改変のような形でそれを描いたのは他に例がない。

◆彼女が登場したドン10話にて、ドンブラザーズから脱退した場合、新しい人物が選ばれて不幸になるという事実が発覚した為、キビ・ポイント登場より考察されていた、現在のメンバーより前にも選ばれた人物がおり、その人々もキビ・ポイントで戦隊を脱退したのではないかという疑惑がより有力視されることとなった。
その後、ドン21話ではるか達の前にも約5000人もの人物がドンブラザーズに選ばれていたことが判明したが、その殆どがヒトツ鬼との戦いを拒否して私欲のために力を使ったことで資格を剥奪されており、中には自分が倒すはずだったヒトツ鬼になってしまった者まで出る始末であった。
前任者であるはるかの鋼メンタルぶりもあって「豆腐メンタル」「良くも悪くも一般人寄り」と評されることの多かった真利菜であったが、これを踏まえると彼女もまた手にした力に決して溺れず、心の傷に苦しみながら見知らぬ誰かを守ろうとヒトツ鬼に立ち向かうだけの勇気を備えた、立派にヒーローと呼ぶに相応しい人物だったと言えるだろう。

◆ドン10話で彼女と共に戦っていた際のタロウは、それまでの妖怪縁結び要素や、変身後の大胆不敵な自信家ぶりが無くなり、(その世界線では)初対面のはるかを目障り呼ばわりするどこか排他的な部分を見せ、変身後では王道な熱血漢になっているという、人格改変まで起こっている。
こうなると、世界改変と共にタロウの人格も変わり続けているという可能性が出てくるのだが、その後も作中でこの辺りが深掘りされることはなかった。




追記・修正は、他人の為に自分を犠牲にできる人にお願いします。

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最終更新:2025年02月04日 22:56

*1 スカイツリーの真上に虹がかかり、更にその真下に傘を差した子供が水たまりを踏んでいるもの。真利菜の写真ではその子供が少女だが、盗作された物は少年になっている

*2 しかも、逃げ込んだ先に海賊鬼の正体である男がいるという不運ぶり。