黄金郷のマハト

登録日:2022/05/20 (金) 00:12:34
更新日:2022/06/21 Tue 13:53:07
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相手を理解したい。この感情も知っている。これは好意だ。

俺は人類のことが好きになった。



概要

『黄金郷のマハト』とは『葬送のフリーレン』の登場人物であり、本作の敵である魔族の一人。

紫の髪を長く伸ばし、頭頂部から大きな角を二本生やした魔族の男。
魔王直属の幹部『七崩賢』の一角にして最強の名をほしいままにする存在であり、後述の魔法から『黄金郷のマハト』の異名を持つ大魔族。
断頭台のアウラと共にフェルンの時代まで生き残っていた七崩賢の一人でもある。
どうやら勇者ヒンメルの時代では消息不明であり、ヒンメル達は討伐を断念したようだ。

腐敗の賢老クヴァール』とは旧友。
人間の魔法使いであるデンケンとは師弟関係にあり、
特にデンケンは彼が子供だったころから一人前になるまで魔法を教え続けていた。
このことから人類の扱う魔法にも造詣が深い。

本編の50年前、北部高原にある『城塞都市ヴァイゼ』を自身の魔法『万物を黄金に変える魔法(ディーアゴルゼ)』で、
丸ごと黄金に変えた際に街もろとも閉じ込められる形で封印されており、そこから身動きをとることができずにいる。
封印されながらも後述の魔法で周囲の土地を黄金へと変え続けており、その範囲は少しずつ広がっている。
封印の意味がないようにも見えるが、この地方全域が黄金郷に飲み込まれる前にマハトの寿命がきてしまうという理由から、関わりさえしなければ脅威度は低い。
確実にマハトに勝ち黄金化を解除したいなら、何百年とかかっても結界によるマハト封印が最善手、というのが魔法教会の見方である。

危険な魔族ではあるが、現在の彼は上記の封印に加えて魔族の心を操る呪いの腕輪『支配の石環』をはめられており、
腕輪の効果で「ヴァイゼの民に悪意ある行為は出来ない」という制約を課せられている。
このことから、元「ヴァイゼの民」であるデンケンの存在が打倒マハトの糸口になると思われたのだが……?

人物像

力と殺戮を好み、欲望のままに勢力を拡大しようとする者の多い魔族の中では珍しく大人しい性格。
争いも好まず「穏健派」と自称もする。
であると同時に「人間好き」を公言し、「人間と共存したい」という夢を掲げる変わり者でもある。

しかし他の魔族がそうであるように、マハトもまた人間を殺したり食べたりすることに抵抗感を抱くことはなく、思いやりや罪悪感や悪意のような社会的な感情を持つこともない。
魔族にとって人間を殺すのは、人間が三大欲求を満たすのと同じくごく普通の事だからである。

マハト本人は人間の価値観を理解したがってはいるものの元の感性が魔族のそれなので、(他の魔族に比べれば有情だが)時として残酷な対応をとることもある。
現在の彼は「彼の封印結界の中に入り込んでくる人間は容赦なく殺害するが、マハトから人間を襲いに行くことはない」というスタンス。
この時侵入した人間を串刺しにするなど残虐な方法で殺害してから黄金にするが、
これは本人曰く「こうしとくと後から来た人間がビビッて引き返すだろうから、というかこっちも殺したくないし入ってこないでね」ということらしい。


経歴

とある村を襲った時の事。
魔王の命令でいつも通り村を全滅させたのだが、その際神父から「悪意や罪悪感はないのか」と責められる。
それ自体はいつもの人間の命乞いのセリフと聞き流したが、その態度を見た神父は魔族には悪意といったものはないのだと理解し、マハトを哀れみながら殺された。

その神父の「わからないのか」と言う言葉を聞いた時、マハトは疑問を抱く。
「哀しみ」「恐怖」「怒り」これらの感情は言葉としても知っているし魔族であるマハトにも理解できる。
しかし「悪意」「罪悪感」は言葉として知っていても、それは魔族が抱く事はない感情であり、マハトには理解できない。
これをきっかけにマハトは人間を知りたい。そう思ったのだ。
そして「「相手を理解したい」という感情は「好意」という感情に違いない」と思ったマハトは「人類を好きになった」と認識する。
「人間の事を知りたい」「罪悪感を知りたい」そう思ったマハトは、人類を知るために実験を始める。
そうそれはまるで、小学生が「昆虫が好き」といいつつも虫相撲させたり解体したり、世話をサボったりしているのと同じようなものだった。

村一つ殺戮して罪悪感を知ろうともしてもダメだった時、一組の幼馴染の男女を殺し合わせ、ある事に気付く。
「何も知らない人間を多数殺したところで罪悪感を抱ける訳がない」と気付いたマハトは、
特定の人類と仲良くなったうえで殺すことで「悪意」「罪悪感」を学ぼうと考える

そして白羽の矢が立ったのがヴァイゼの領主グリュックだった――


上記の「人物像」で気づいた人もいるかもしれないが、
悪意を理解できない=悪意なく人を殺害できるマハトにとって、彼がつけている『支配の石環』は何の効力もない。
そもそも『支配の石環』をつけるに至った経緯自体、マハトと彼の雇い主であったグリュックとで共謀して行った茶番であり、
グリュックを含めたヴァイゼの民を殺そうと思えばいつでも殺せる状態にあった。
そうしなかったのは、グリュックの「お前に『悪意』ってのを教えてやる」という提案に乗ったからであり、
マハトは彼自身の意思で、グリュックの従者としての地位に甘んじていたのであった。


戦闘能力

自他ともに認める『七崩賢』最強の魔族。
その強さはフリーレンが600年前にマハトに勝負を挑んで勝てず、魔王を倒した今になっても勝てるイメージが湧かないほど。
ただフリーレンの発言的に、魔力量自体はフリーレンに劣る模様。
南の勇者との戦いでは、「そこに立っているだけでも南の勇者の手数が減らせる」と全知のシュラハトが言っているため、直接戦闘はしなかったようだ。
またソリテールという人類について研究している魔族から人類の魔法を学んでいるため、他の魔族と異なり人類の魔法も使える。
しかし七崩賢の一人である奇跡のグラオザームはマハトとは相性最悪で、少なくとも彼とは敵対したくないらしい。

  • 万物を黄金に変える魔法(ディーアゴルゼ)
マハトが『黄金郷のマハト』と呼ばれる所以たる魔法。
あらゆる万物を黄金に変える凄まじい魔法であり、人類はこの魔法を知覚・解析できないので『呪い』と扱われている。
しかもマハトのディーアゴルゼは僧侶が使う『女神様の魔法』でも解除できず、
さらに広範囲に凄まじい速度*1で効果が表れる上、使用もノーモーションかつ知覚できないので回避も防御も不可能
これこそがマハトが七崩賢最強と呼ばれる理由であり、本人が争いを好まない理由でもある。

この魔法で黄金化されたものは魔法使いには普通の黄金としか認識できない。
それこそ黄金郷と化した街を見て頭では「魔法による産物」と理解できるのに、
魔力感知では魔力反応を感じないため「普通の黄金」としか認識できず、魔法使いは黄金郷に近づくと気分が悪くなる。

さらにこの魔法で生れる黄金には特徴がある。それは絶対に壊れないということ。
なのでマハトの黄金を硬貨や装飾に加工する事は出来ず、実は金銭としての黄金の価値はない。
「絶対に壊れない」と言う特徴を生かし、美術品にするか武器として利用するくらいか……。
実際にマハトは「絶対に壊れない」という特徴を生かし、身に付けているマントを黄金化して武器や盾として使用している。

これだけの性能を誇っていながら、「特定条件下でしか発動できない」という条件もない
マハトが戦闘でこの魔法を使うか使わないかは本人の気分次第。

またこの魔法はマハトが自分の意思で解除しない限り、マハトが死のうと維持し続ける。
なので黄金郷の解除を目論むならマハトは殺せない。
しかし実は、マハトは黄金化した人間を元に戻せない
というのも前述した通りマハトは「人間を理解したい」と思っているという事は、「人間を理解していない」ということである。
魔法はイメージの世界である。そのため人間を理解できないマハトは「人間を元に戻す」というのはイメージできないため不可能なのだ。
逆に自分の体や衣服などイメージできる物は黄金化を解除できる。

  • 人を殺す魔法(ゾルトラーク)
旧友であるクヴァールが開発した貫通魔法も習得している。それも人類がゾルトラークを解析・取得するずっと前から。
そのうえ人類が使う一般攻撃魔法よりはるかに上手く使える。




追記・修正はマハトと共存してからお願いします。

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最終更新:2022年06月21日 13:53

*1 具体的には、都市一つを住人ごと黄金に変えた際、住人は異常を感じたようなそぶりもなく黄金に変えられている