魔族(葬送のフリーレン)

登録日:2024/05/12 Sun 18:21:17
更新日:2025/04/23 Wed 13:31:26
所要時間:約 15 分で読めます





お前達魔族は人の声真似をするだけの、言葉の通じない猛獣だ。

●目次

概要

葬送のフリーレンに登場する種族の一つで、本作における敵キャラ。
本作では、人間を捕食する危険な人食い種族を「魔物」とし、その魔物のうち人語を話す個体を「魔族」とする形で定義されている。


大魔法使いフランメは、魔族を「物陰で声真似をして獲物を誘き寄せる魔物から進化した存在」と定義している。
また、一部の魔族は自分たちが人間に似ているのは一種の「収斂進化」の結果なのではないか、という説を唱えている。
そもそも魔物と人間は祖先からして異なるとされ、人類と異質な存在であるらしい。

魔族を含めた魔物は死ぬと体が魔力の粒子となって消滅するという特徴がある。

特徴・精神性

ほとんどの魔族が整った顔立ちをしており、一見すると人間に見えるものもいる。
しかし、下記の精神性の関係からか常時無表情な魔族がほとんど。
頭から角が生えているものが多い。

人類と同等の知能と強力な魔法を扱う能力を持つ亜人のような存在で、意思疎通も可能。
だが、その実態は愛情、思い出、正義感、悪意といった社会的感情を一切持ち合わせないサイコパスじみた生物であり、どこまでも自己利益だけを追い求める害獣。
そのため魔族と人間の意思疎通は可能でも相互理解は不可能であり、あくまで人間を欺いて食うor利益を引き出すためにしか言葉を用いない。
それでいて人が情に流されることを知識としては知っているため、情に訴えかける言葉を巧妙に使い人間を出し抜くことも。*1
死ねば魔力の粒子となって消える故か『埋葬』『墓』といった文化も持たず、人間の持つそれらについては『人間の習性』と認識している。
種族単位で「相手がどう思うか」を理解していないため、人間の言葉をそれっぽく真似る以外ではデリカシー皆無の暴言を何の気なしに放ったりもする。

また、身体や脳の構造からして人類と魔物には根本的な差異がある。
そのため魔族にしか使えない魔法があったり、魔族には精神に作用する魔法が通じ難かったりする。
全く無感情という訳でもなく、警戒心やプライドと怒りや恐怖といった感情は持ち合わせており、感情をあらわにする個体もいるにはいる。
思考回路は人間のものと決定的に異なるが。

上記の理由により、フリーレンは「人の声真似をするだけの言葉が通じない猛獣(だから見つけ次第殺す、慈悲はない)」というスタンスをとっている。

サンデーうぇぶりのコメントでは
  • 「豚が人語を話せるようになったとき、情が湧いて食べられなくなるのが人間、構わずに食べるのが魔族」
  • 寄生獣のミギーのようなもの」
  • ナキカバネ
など、その異質な精神性を形容する読者もいた。

魔族の魔法

魔族は基本的に一つの魔法を開発、研鑽、発展させていく習性がありその練度と効果は人間の魔法を軽く凌駕する。
人類の天敵たる魔族の性質故か攻撃的な物が多いのも特徴。
魔族の脳や肉体からくる特殊な精神構造を前提としているのか、人類が理解できない難解なものが多い様子。
このうち未解明である状態変化系の魔法(毒、石化、黄金化など)はひとくくりにまとめて「呪い」と呼ばれている。

「ゾルトラーク」は元々魔族の魔法だが、解析の結果、人類も使用可能になり、更に対魔族への改良も施されている。
これに対して「ゾルトラークは人間でも理解できる程構造が洗練されていた事が唯一の欠点」と述べられているシーンがある。

なお、飛行魔法も元々は魔族の魔法で人類も使用可能になったが、こちらは原理がわからないため魔族の魔法術式をそのまま使っている。
そのため、改良などはできていない。

魔族の社会性

生まれ落ちてから単独で成長する種族のため、父や母といった、人間なら持っているはずの概念をほとんど理解していない。
どうやって生まれてくるのかも不明。

このため、精神性の項にもあるように社会性はほぼ皆無。
同族殺しにしても「理由がなければ殺さない」程度で、「自己利益に役立ちそう」「興味がある」という風に利害が一致した場合のみつるんだりはするが、その間柄はやはり利己的なものであり信用ならない。ただし人間と違い、『憎いから同族を殺す』『権力が欲しいから同族を殺す』『楽しいから同族を殺す』といった行動はとらない。
明確に利害が対立し、目的の障害になるようであれば同族でも殺すといったスタンス。

物理的な損得でしか行動しないこのスタンスは人間に対しても同様であり、「自身の安全を確保する」「領土を奪う」「命令の遂行」「力の誇示」等の理由で容赦なく人殺しに手を出すことはあれど、嗜虐心を満たすために不必要に痛めつけたり殺したりする事はなく、標的でない人間に「興味がないので見逃してやる」と魔族側から交渉し、実際にそのまま放置することもある。


なお、一部の魔族は「友人」「仇討ち」と言った言葉も発しており、他者の為に全く動かないわけではないようだ。

だが、社会性はなくともヒエラルキーはあり、その階級は「いかに強大な魔力を有しているか」で決まる。
すなわち純粋な強さのみによって決められているようで、それぞれが固有の魔法を持ち、その魔法ひとつをひたすら研鑽することに誇りを持つ*2
また、魔法を使う相手を自分の魔法で下すことに価値を見出しているため、奇襲できる状況でも相手が魔法使いとみるやわざわざ姿を現したりする。
フランメはこの気質を逆手に取り、「体外に放出される魔力を1/10以下にまで抑え、魔族の油断を誘って不意打ちで殺す」という戦法で勝利を重ねていた。
この「卑怯千万」な戦法は弟子のフリーレン、そしてフェルンにも受け継がれることになる。

一部の魔族は格上に褒められることを喜び彼のために動く魔族や、犠牲になったときには感謝の言葉を述べたり自らを超えた人間を称賛したりと変なところで人間っぽく見える一面もある。
故に「仲良くなれる」と勘違いする人間も多く、魔族も人間とわかり会えると思ってる物が多い。


かつては魔王を頂点にある種の軍が形成されており、「将軍」として知られる魔族も存在する。
しかしそれでも、上意下達の命令をする際はわざわざ「従わなければお前を殺す」と明言しながら指示を出すなど、社会性のなさ故に統率が困難であることも匂わせる。

魔王が死んだ現代では統率が取られておらず、実力者が個別に動いている。
「七崩賢」と呼ばれた幹部格の魔族も存在する。強さが地位に直結する魔族の例にもれず、その戦闘能力は異次元クラス。ヒンメル一行でさえ彼らを始末しきれないまま冒険を終えている。


登場した魔族

家族という概念がない関係上、苗字は持たず、個人名(+二つ名)という構成の名前をした者が多い。

勇者ヒンメル一行に討たれたのですでに存在しないが、フランメやゼーリエの言葉から少なくとも千年前から存在が確認されている。
上述の社会性、実力主義&個人主義である魔族を束ねていたことから最強の魔族であったと推測される。
姿や詳しい性格などは不明だが人類との共存を望んでいたらしい。
しかしそのせいで人類の勢力圏が全盛期の三分の一になるほど多くの国と民族を滅ぼすことになった。
かなりの博識であり、後述のソリテールに「収斂進化」について教えている。


  • 全知のシュラハト
これは魔族の存亡を懸けた戦いであり、敗戦処理であり、千年後の魔族のための戦いだ。

かつて存在した魔族。
「七崩賢」ではないが魔王の腹心とされており、地位は「七崩賢」と同格以上だと思われる。魔王討伐前に戦死したため、回想でのみ登場。

千年先の未来を観測できる未来視の魔法の使い手であり、その力を活かした司令塔のような役割を担っていた模様。
マハトの回想の中で未来で何者かがマハトの記憶を読んでいることを未来視で察知してマハトから要点の記憶だけをあらかじめ消しておく、自身の死後になんらかの計画を仕込んでいたなど、とんでもなく頭の切れる御仁。
そもそも戦死した理由も、シュラハトと同じく未来視の魔法の使い手だった南の勇者との相打ち、という壮絶なものであり、
物語が進み登場する回想シーンが増えていくにつれて株が上がっていく恐るべき魔族。クヴァール枠
魔族からも「彼が何を考えていたかはわからない。しかし自分たちは彼の掌の上で踊っているだけで千年後の魔族の繁栄までシュラハトの意志が導いてくれる」ともはや神様かなにかのような扱いをされている。

名前の由来はドイツ語で「戦闘」を意味する"Schlacht"。


七崩賢(しちほうけん)

魔王直下の七人の大魔族。
北側諸国を中心に大陸の要所を支配していたフリーレン曰く当時の人類にとっての最大の脅威。
七崩賢の魔法は人知も人の理も超えており、身体や脳の構造などの生物的な違いから、人類には決して扱えない魔法とまで言われる。
現代で生きているのは断頭台のアウラ黄金郷のマハトのみ。
下記の他に後三名いるが、南の勇者が道連れにしたため詳細不明。
七崩賢とシュラハトの集合絵では描かれているため姿は判明している。
ショートカットの女性の様な姿、マハトと似た服装の背の低い姿、アウラとほぼ同じ背丈の少女の様な姿が確認できる。

私の勝ちよ。後はこの私直々にあなたの首を落としてあげる。


劇中で初めて登場した七崩賢。
魂の魔力を比べる「服従の天秤」を持っており、自分より魔力量が劣っている者を操る魔法を扱う。
魔族の固定観念に囚われていたり優勢と見るや侮るそぶりを見せたりと、魔族の中では表情豊かで人間臭い性格。

名前の由来はドイツ語で「人が発するとされる、輝きや香気に例えられる生体的エネルギー」を意味する"Aura"。
文学や哲学を学んだ人なら、哲学者ヴァルター・ベンヤミンの示した概念として言葉を聞いた人はいるかもしれない。*3
……まあ、たぶん一般的には横文字で"オーラ"と言ってしまうのが一番分かりやすいと思われる。

詳しくは個別項目で。


好きなだけ俺の記憶を見るといい。
そして共存のために殺し合おう。フリーレン。

「城塞都市ヴァイゼ」を根城にする、紫の髪をオールバックにした魔族。
名実ともに「七崩賢」最強の魔族であり、物質を問答無用で黄金に変える魔法の使い手。
この力でヴァイゼは住民もろとも純金に変えられた死の街と化している。戦闘能力も桁外れで、過去にフリーレンと戦い負かしたこともある。
インチキじみたスペックゆえ、大陸魔法協会も彼をヴァイゼごと結界の中に閉じ込めることでしか対処できなかった*4
ちなみに、黄金と言っても通常の黄金と違って加工できない。つまり、見た目が黄金の謎物質であり、金銭的な側面から言えば全くの無価値である。

名前の由来はドイツ語で「力」を意味する"Macht"。
Kraftが筋力など直接的な力を指すのに対し、こちらは権力などを含む語。

詳しくは個別項目で。


  • 不死なるベーゼ
人類には決して破れないとされる結界魔法を操る魔族で、勇者ヒンメル一行が閉じ込められた際フリーレンは脱出不可能と判断した。
しかし化け物ヒンメル達の協力によって解析と解除に成功、ベーゼも討ち取られた。

名前の由来はフランス語で口づけの意…ではなく、ドイツ語で「邪悪な」を意味する"böse"だろう。


  • 奇跡のグラオザーム
現実と見紛う程の美しい幻影の中で、貴方達は安らかに眠るのです。

マハトの記憶を消した張本人。
マハト曰く「俺との相性は最悪」「グラオザームとは敵対したくない」とのこと。
対象に自由自在な幻覚を見せたり夢の中に閉じ込めたりする魔法「楽園へと導く魔法(アンシレーシエラ)」の使い手。
見かけは某兵長みたいな髪型のイケメンだが、扱う魔法の性質ゆえ、その姿が真の姿である確証はどこにもないという。
余談だが
  • "ヒンメル一行は二体しか七崩賢を倒していない"
  • "南の勇者が三体の七崩賢を道連れにした"
  • "現代に生き延びた七崩賢が二体(アウラ、マハト)"
  • "マハトの記憶を削除したのが南の勇者戦後"
という事実からヒンメル一行が倒したもう一人の七崩賢はこいつだと思われており、後に実際にヒンメル達が彼と戦うシーンが描かれたことで確定となった。
その戦闘のさなか、「楽園へと導く魔法」を使ってヒンメルとフリーレンを術中に嵌めたが、その夢の内容がよりにもよって二人が結婚式で誓いのキスをするシーンだった為一時話題となった。

名前の由来はドイツ語で「残酷な」を意味する"grausam"。

将軍

熟練の魔族の戦士達に与えられる称号。
強大な魔力で身体能力を強化して武術を使いこなす上に、求道者のように数百年かけて武を極める者もいるという。
フリーレンによればアイゼンよりずっと強い将軍が魔王軍に在籍していたとのこと。

  • 神技のレヴォルテ
随分と歪んだ認識だ。我らには言葉があるというのに。

現代でも生存していた魔族の将軍。剣術の達人で3体の魔族を部下に持つ。
見た目は両目を眼帯のようなアイマスクで覆い、下半身が白銀の鱗の蛇になった四本腕の異形の男。
冷徹な性格で自分では理解できない人間の行動を「習性」と切って捨てる傲慢さも見受けられた。
自身の魔法で作った4本の剣「神技の砕剣」を武器としており、剣の重さを自由自在に変えることが可能。
人間とはかけ離れた強靭な肉体と無尽蔵な体力、鍛え抜いた四刀流の剣技が最大の武器だが、人間の情を利用した狡猾な戦術も躊躇いなく取る猛者。


  • 血塗られし軍神リヴァーレ
誇りに思え。
お前の目の前に立ちはだかるのは、魔族最強の戦士だ。

現存する大魔族の1人にして、魔族の中で「将軍」と称されている武に特化した魔族。
魔族最強の戦士を自負しており、戦う事が大好きなバトルマニア。
少々タレ目気味で特に老いているようには見えないが、自身を数百年以上生きるグラオザームやソリテールと比較して「老いぼれ」と言っており、悠久の時を生きた魔族であると推測される。
その実力は常軌を逸しており、フリーレンの魔力感知が追いつかないほどの速度で接近したり、人類最高峰の戦士であるアイゼンをして足止めをするのがやっとなほどの化け物。
武器は斧を使っていたが、これは斧使いのアイゼンに合わせていただけで実際の得物は不明。何なら拳一つでも生半可な相手では防ぐことも出来ない(彼の拳を防いだのがアイゼンで一世紀ぶり)。
容貌が酷似していることから、シュタルクの故郷である戦士の村を滅ぼしたのも彼であると思われる。

名前の由来はドイツ語で好敵手、ライバルを意味する"Rivale"。


現代の魔族

そうか。では敵討ちといこうかのう。

CV︰安元洋貴
かつての魔王軍でも有数の実力を誇った魔法使い。
自ら編み出した「人を殺す魔法(ゾルトラーク)」によって彼のいた地方の冒険者の四割、魔法使いに至っては七割を屠り去った
当時のヒンメルやフリーレンらでさえ封印という手段でしか対抗できなかった強敵。

名前の由来はドイツ語で「苦悶」を意味する"Qual"。

詳しくは個別項目で。


  • リュグナー
天才は嫌いだ。積み重ねたものの美しさが無い。

CV︰諏訪部順一
アウラ配下の魔族「首切り役人」の一人。
グラナトの下を訪れた魔族側の和睦の使者。
しかしそれは表面上のことで、正体は街の防護結界を破るために遣わされたアウラの尖兵。
生涯をかけて魔法の研鑽をする魔族の生き方に誇りを持っており、その努力を飛び越えていく天才を忌み嫌う。
己の血を変幻自在に扱う魔法「血を操る魔法(バルテーリエ)」を使い、ある程度のダメージも血液で覆う事で補うことが出来る。
最後は魔力をあえて抑えるという、魔族の常識からすれば非常識な行為*5で騙された事で、卑怯者と罵りながら死亡。
家族を理解できない点を含め、人間とは異なる魔族独特の思考回路が垣間見えるエピソードとなった。

名前の由来はドイツ語で「嘘つき」を意味する"Lügner"
ドイツ語に堪能であれば彼が名乗った時点でその本性に気付けただろう。


  • リーニエ
観戦でもするかな。リュグナー様邪魔すると怒るんだよね。

CV︰石見舞菜香
アウラの配下の「首切り役人」の一人。
リュグナーの側近の魔族。
見た目はかわいいロリだが、性根は魔族の例に漏れず冷酷。
漫画版ではりんごを食べるシーンがないにもかかわらず柱の紹介文でやたらりんご好きであることをプッシュされていたが、アニメ版で晴れてりんごを頬張るシーンが追加された。

扱う魔法は相手の体内の魔力の流れを記憶して動きを模倣する「模倣する魔法(エアファーゼン)」で、ストックした模倣に応じて斧や剣などの武器も再現している。こらそこ無限の剣製とか言うな
作中では主に幼少期に見たアイゼンの技の模倣を駆使してシュタルクを圧倒するが、相討ち覚悟で飛び込んだシュタルクの捨て身の腹筋ガードでとどめの一撃を食い止められ、その一瞬の隙を突いた渾身の必殺技「閃天撃」を食らい、あえなく退場。

シュタルクの方は文字通り捨て身のつもりだったのだが、エアファーゼンはあくまで対象の「動きを模倣できるだけ」で、魔法使用者本人の体格や腕力は一切変化しないため、生粋の戦士でないゆえに小柄で非力なリーニエにはシュタルクの腹筋もろとも両断できるほどのパワーがなかったのである。
恐らく今まで敗北を経験したことがなかったのか、本人はその弱点を認識できておらず終始余裕な態度で圧倒しており、シュタルクの素の実力を最後まで見誤ったまま侮り続けるという、魔族らしい油断と慢心の末に敗北を喫した*6

名前の由来はドイツ語で「線」を意味する"Linie"。


  • ドラート
だがこの糸の強度は魔族の魔法の中でも随一。人類の魔法ではどうにもなるまい。
お前の魔力ごとその首を断ち切ってやろう。

CV:大鈴功起
アウラの配下の「首切り役人」の一人で、リュグナーの側近の魔族。
シュタルクと同年代くらいの若い男のような姿。
魔力の糸の魔法で衛兵の首を刎ねるのが得意技。魔法名が無いのが個性
フリーレンにも同じ手口で糸をかけ首吊りにしたが、逆に手と頭を魔法で吹き飛ばされて退場。
領主を懐柔して結解を解除させる作戦もご破算にしてしまった。
戦闘の最中に相手に背を向ける&調子に乗りドヤ顔で講釈を垂れるなど、実戦経験の少ないへっぽこと思しき描写が散見され、リュグナーには「能なし」と罵倒されるなど散々な評価であった。

名前の由来はドイツ語で「針金(と言うか鉄製のワイヤー)」を意味する"Draht"。


大丈夫。怖くないよ、おいで。お姉さんと一緒にお話ししよう。
君達のことをたくさん教えて。

マハトの協力者であり、人間を知ろうとする変わり者の女魔族。
自身を「お姉さん」と呼ぶ程度には性別や年齢についての意識があり、穏やかな物腰で話しかけてくる。
だがそれは会話ではなく一方的な質問であり、知りたいことを思うままに投げかけているだけである。
フェルン曰く物凄い死臭がするとのことで、話に支障がない程度であれば気軽に「無力化」を試みてくる。
二つ名を持たない、無名の大魔族。このことが意味するのは人間に危険として認識されていない、すなわち交戦した相手および目撃者は例外無く殺してきたということである。
でも「無名の大魔族」という二つ名で紹介されて台無しになったことも

名前の由来は…ドイツ語でこのように発音する語はなく、フランス語で「孤独」の意の"solitaire"と思われる。*7彼女の異端さ故だろうか?
幻影鬼アインザームと同じ意味を持つが幻影使いかつ雑魚のあちらとはあまり共通点がない。
アニヲタ諸君にはカードゲームでよく使われる英語読みのソリティアが身近だろうが
フランス語読み由来のカタカナ語「ソリテール」は宝石を一粒だけあしらった指輪を指すことが多い。

詳しくは個別項目で


  • 終極の聖女トート
魔王様のためとか、魔族の存亡のためとか、どうでもいいんだよね。

現代でも生き残っている大魔族の一人。ベリーショートヘアにした頭に褐色肌という、刺さる人には刺さる見た目。
「星を覆いつくす呪い」という正体不明の呪いを構築しており、80年前の時点で3割ほど、あと100年(作中では20年後程度か)もすれば完成するらしい。

名前の由来はドイツ語で「死、消滅、死神」を意味する"Tod"と思われる。


過去の魔族

  • 玉座のバザルト
魔王軍の将軍で、巨躯であり鎧兜に身を固めた姿をしている。
千年前にフリーレン達エルフの村を襲撃したが、フリーレンにより倒された。

名前の由来はドイツ語で「玄武岩」を意味する"Basalt"か。


  • クソみたいな驕りと油断で死んだ魔族
バザルトに次いで、一人残されたフリーレンとそれを保護したフランメを襲撃した魔族の三人組。
酷い名前だが、何しろ固有名が存在しないまま滅ぼされた上に3人もいるので、公式企画上でももまとめてこう扱われている。
二つ名付きの将軍を単独で撃破したフリーレンが自分よりはるかに強い魔法使いと称したフランメから見ても全員が「格上の卓越した魔法使い」だったようだが、魔力量の多寡を誤認させる戦法のお披露目台として瞬殺されてしまった。


  • 少女型の魔族
あなたから毎日のように殺意を感じていました。私は平穏に過ごしたい。
ですから用意しました。私が食べてしまったあなたの娘の代わりを。

CV:内藤有海
かつてフリーレン達がとある村で出会った魔族。
少女を食べたことによりヒンメル、そしてフリーレンに殺されそうになるが、「痛いよ…お母さん」という呟きが村長の同情を誘い、その庇護下で暮らすようになる。
しかし娘を食べられた夫婦が向けてくる殺意にストレスを覚え、平穏に過ごすために夫婦に対し「食べた少女の代わり」として村長の娘を差し出す。
そして、同じ失敗を繰り返さないよう娘を奪う前に村長を殺害
当然ながらそんな理屈は受け入れられず、村長の娘を人質に逃げようとするが今度こそ仕留められる。
前述の「お母さん…」については「そう言うと人間は自分を殺せなくなるから」言っただけだと述べ、「魔法のような素敵な言葉」とまで呼んでいた。

この一件でヒンメルたち、そして読者は「魔族の言葉は人間を欺く(すべ)でしかなく、魔族は滅ぼすべき人類の敵」だということを学ぶのであった。


余談

  • 概要の通り作中で魔族の外見は収斂進化という推測がなされているが、収斂進化は正確には「全く別のルーツを持つ生物が同じような環境に適応した結果、同じような形質を得る」現象であり、魔族が人間に対して一方的に似せているのは「擬態」に該当する。
    擬態の中でも魔族のような、捕食者が狩りのために獲物にとって無害な姿を装うケースは「攻撃型擬態(ペッカム型擬態)」と呼ばれる。



追記・修正は魔力を制限して油断を誘ってからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 魔族
  • 葬送のフリーレン
  • 魔物
  • 七崩賢
  • アウラ
  • グラオザーム
  • シュラハト
  • マハト
  • クヴァール
  • 種族
  • 世界観
  • 収斂進化
  • ソリテール
  • 人類の敵
  • 共存不可能
  • 対話可能共存不可能
  • 害獣
  • 異種知性体
  • 擬態
  • 人喰い
  • サイコパス
  • 魔法使い
  • ノンデリ
最終更新:2025年04月23日 13:31

*1 幼い見た目の魔族が「お母さん」と呟いたり、魔族との戦争で息子を失った人物に対して「私の父上の部屋も死んだ時のままにしてある」など、特に肉親の存在を匂わせる事を常套手段にしている節がある。

*2 ただし、他者の魔法を解析するだけの知識があったり、飛行魔法のように魔族にとっては特別でない魔法は普通に使用したりなど「一種類の魔法しか使えない」というわけではない。

*3 高校国語の教科書に載っていたこともある

*4 厳密にはゼーリエなら倒せた可能性が高いが、倒すだけでは黄金状態を解除できず、術者本人を始末してしまっては解呪のすべを探ることすらもできなくなってしまうことから弟子達に説得されて戦闘を中止した(ゼーリエ本人は黄金化の被害者たちの行く末と今後の黄金化の拡大の危険性を天秤にかけた上で、マハトを始末する方を優先していた)。

*5 魔力量が強さ・偉さに直結して生死に関わるので魔族社会では隠す意味がない。

*6 この戦いで模倣した動きが偶然にもシュタルクの師匠のものだったという点から、相手の動揺を誘えたという慢心もあったと思われる

*7 ドイツ語で同語源のSolitärはゾリテァに近い発音