マジカルプリンセス(赤ずきんチャチャ)

登録日:2022/05/29(日) 17:09:57
更新日:2022/06/22 Wed 18:51:21
所要時間:約 8 分で読めます




愛と、勇気と、希望の名の下に!!

マジカルプリンセス、ホーリーアップ!!



概要

アニメ版「赤ずきんチャチャ」に登場するアニメオリジナルキャラクターで、主人公のチャチャの戦闘形態のような存在。
アニメ版の実質的な主人公。
担当声優は鈴木真仁。

チャチャが変身用のプリンセスメダリオンを掲げ、

チャチャ「愛よ!!」
リーヤ「勇気よ!!」
しいね「希望よ!!」

の掛け声と共に、リーヤの腕輪、しいねの指輪の力を合わせる事でマジカルプリンセスへと変身する。
そんな悠長な事をしている間に攻撃してしまえば、マジカルプリンセスに変身させる暇さえ与えずに完封出来るんじゃね?などというツッコミは、どうか無しの方向で。

変身前は10歳のょぅι゛ょ少女であるチャチャだが、マジカルプリンセスへと変身する事で16~17歳位の外見に成長する。
変身前は赤を主体とした服装をしているチャチャだが、マジカルプリンセスへの変身後は青を主体とした服装になる。
ただし、(後述のバードシールドを入手するまでは)防具を一切装備していないので、防御面には不安が残る。
出番は基本的にバンク映像で必殺技を撃つだけなので圧倒的な戦闘力を誇り、物語前半までは無敵を誇っていたのだが、物語後半では必殺技が通用せずに敵の反撃に遭い、戦闘不能になってしまうシーンもしばしば見受けられた。

だがそもそも原作は、あくまでもチャチャたちのドタバタを描いた日常色の強い「ギャグ漫画」であり、当然ながらチャチャが変身などしないばかりか、たまに戦闘シーンがあっても殆どギャグのネタで済まされるような作品である。
そのような作品をアニメ化するにあたって、彼女のようなキャラクターを実質的な主人公に据えるなど、それは最早路線変更どころの話ではなく、「赤ずきんチャチャ」という作品自体を根本から壊してしまうのも同然であった。
それなのに本作をアニメ化するにあたって、何故このようなキャラクターが生み出されたのか。

それは本作のアニメ化に伴いメインスポンサーを務める事になったタカラ*1の上層部が、当時放映中で絶大な人気を誇っていた、バンダイの「美少女戦士セーラームーン」に対抗出来る「変身美少女物」を強く求めており、その対抗作品として本作が適していると判断。

「原作をそのままアニメ化した所で、この作品の内容では今の情勢で売れる訳が無い。」

と強く主張し、路線変更を行ってでもチャチャを「変身美少女」へと変身させ、大魔王率いる悪党共と戦わせる作品にするよう制作陣に強く要求してきたのである。
制作陣は当初はタカラからの無茶な要求に「原作のファンからの反発を招きかねないのでは」と難色を示していたものの、最終的に彼女の事を気に入った原作者の彩花みんからの猛プッシュを得られた事で、路線変更が決定。
彼女を主役にした変身美少女物として本作のアニメ化が作られる事になったのだが、それでも戦闘シーンをメインとする中でも原作本来の、ほのぼのとした日常描写もしっかりと描かれている。

こうしてアニメの放送が始まった訳だが、この大胆な路線変更には当然の事ながら、特に原作のファンからの極端な賛否両論を巻き起こす事になってしまった。
だがそれでも彼女が悪党共を毎回毎回バッタバッタと一撃で粉砕する光景が好評を得たのか、最終的には多くの人々に受け入れられ、グッズの売り上げも大好評。
当時サービスが提供されていたパソコン通信においては「大チャチャさま」と呼ばれるなど、大きなお友達を沢山獲得して市場拡大に成功したばかりか、姉妹と一緒に視聴した小さなお友達が大きなお友達へと道を踏み外す切っ掛けとしては、同期の大御所セーラームーン後輩のCCさくらにも引けを取らない多大な影響力を発揮。
確かに一部の原作ファンからの批判があったのは事実だが、それ以上に称賛の声が圧倒的だったのもまた事実であり、結果的に情勢を見事に読み切ったタカラの下した英断は大成功だったと言えるだろう。
何気に佐橋俊彦の手掛けた専用BGM「マジカルプリンセスホーリーアップ!」も名曲。

なおマジカルプリンセスへの変身において、時間や回数などの制限があるのかどうかは不明。
ただし作中で変身を解除した直後に、立て続けに再変身するシーンが一度だけある。


主な使用武器

ビューティーセレインアロー



ビューティーセレインアロー!!マジカルシューッ!!


物語前半までのマジカルプリンセスの主力武器の弓。
「セレイン」が何を意味するのかは不明。セレインというフランスの地名があるのだが。あるいは「セイレーン」をもじった造語なのかもしれない。
この弓から放たれる必殺の射撃「マジカルシュート」が、マジカルプリンセスの物語前半までの決め技となっている。
ただし担当声優の鈴木真仁は一度も「シュート」とは発音しておらず、「シューッ!!」という叫び声に近い感じでアフレコを行っていた。
これは制作陣からの指示なのか、鈴木真仁のアドリブでそうなったのかは不明。

物語前半までは立ちはだかる全ての悪党共を文字通り一撃で粉砕していたのだが、第25話で登場した魔王軍幹部・アクセスに大剣で容易く防がれてしまい、遂に不敗神話が崩れ去る事になる。
これにより今後の戦いにおいてビューティーセレインアローだけでは限界があると悟ったチャチャたちは、後述のウイングクリスを手に入れる事になり、それ以降は専らウイングクリス召喚アイテムと化してしまった。
ただし時々は武器として使用する描写がある。

ちなみに放送当時、スポンサーのタカラから発売されたなりきり玩具は同スポンサーのアニメ『魔法のエンジェルスイートミント』のミントアローの流用製品だったりする。


ウイングクリス



ウイングクリス!!バーニングフラッシュ!!


物語後半からのマジカルプリンセスの主力武器の小剣。
アクセスに破られたビューティーセレインアローに代わる、新たな武器として入手した。
「クリス」は恐らくインドネシアに伝わる小剣を意味している物だと思われる。
この剣から放たれる必殺の一撃「バーニングフラッシュ」が、マジカルプリンセスの物語後半からの決め技となっている。

この剣を使うにあたっては、まずはビューティーセレインアローを上空に向かって掲げ、「セイントフェアリー、ナビゲーション!!」の掛け声を共に矢を上空に向けて放つと、どこからともなく飛んできた不死鳥が「ライトニングフェザー、スキルアップ!!」の掛け声でウイングクリスに変身するという流れになっている。
そんな悠長な事をしている間にさっさと攻撃してしまえば、ウイングクリスを使う暇も与えずにマジカルプリンセス如き完封出来るんじゃ?などというツッコミは、どうか無しの方向で。

その威力はビューティーセレインアローを遥かに上回っているのだが、ウイングクリス入手直後に慣らし運転をする暇さえも与えられずに、ぶっつけ本番でアクセスとの再戦に臨む羽目になってしまい、当初は手に入れたばかりのウイングクリスをまともに使いこなす事が出来ず、格闘戦においてアクセスに圧倒されてしまう。
それでもリーヤとしいねの声援を受け、マジカルプリンセスの『皆を守りたい』という強い想いの力によって、遂にその力を完璧に使いこなす事に成功。
バーニングフラッシュを発動し、ビューティーセレインアローが全く通用しなかったアクセスを遂に撃破。リベンジに成功した。

目の前で気絶してしまったアクセスを見せつけられたマジカルプリンセスは「アクセスさんを殺してしまったのでは」と不安になってしまうが、セラヴィーは「ウイングクリスはあくまでも『邪気を払う剣』であって、殺傷能力は無い」とマジカルプリンセスに語っており、後にウイングクリスで受けたダメージを湯治で回復するアクセスの様子が描かれている。おっさんの裸なんか見せられてもなぁ…。
これは恐らくビューティーセレインアローも同様だと思われる。そうでなかったらマジカルプリンセスは毎回毎回人殺しをしている事になるしな。子供の夢を壊したらいけないなぁ。

その後もビューティーセレインアローに代わるマジカルプリンセスの主力武器として活躍を続け、立ちはだかる全ての悪党共を全て一撃で粉砕していたのだが、第41話で登場したカザンダンには通用せず、またしても不敗神話が打ち破られる事になる。その後ブチ切れたマジカルプリンセスに粉砕されたけど。絵本版ではセラヴィーに粉砕されている。

なりきり玩具は不死鳥状態から小剣に変形。
両翼部が刀身、両脚が尾部に収納する簡易変形ギミックで、女児玩具でありながらなかなかのカッコよさ。
緑のボタンを押すことで宝石部が点滅、SEが鳴り響く。


バードシールド



バードシールド!!ビルドアップ!!


カザンダンとの戦いでマジカルプリンセスの弱点が防御面だと思い知らされたチャチャたちが、新たに手に入れる事になる盾。
いやいや、あんな防具をほとんど纏わない軽装(一応肩パッドがあるくらい)なんだから、防御面に不安があるのは誰が見ても明らかだと思うのだが。もっと早くから指摘してやらないといけなかったセラヴィーら周囲の大人たちは、一体何をやっていたんだろうか…。

物理的な盾ではなく魔力を帯びた障壁を展開する代物で、ガンダムシリーズでいう所のビームシールドのような物だと言えば分かりやすいだろうか。
圧倒的な防御力を誇り、劇中ではほとんどの攻撃をシャットアウトしていたのだが、大魔王には全く通用せず、さらに56話でホーリーバードに粉々に破壊されてしまった。


劇中での活躍



作中に登場したのは1話から56話まで。
アニメオリジナルエピソードの大魔王の軍勢との戦いを無事に戦い抜き、50話で遂に大魔王を撃破した。

大魔王を倒して平和を取り戻した後も、しばらくはマジカルプリンセスに変身して活躍するシーンが何度かあったのだが、後に56話でホーリーバードを封印する為にプリンセスメダリオンを手放さざるを得なくなってしまい、二度とマジカルプリンセスに変身出来なくなってしまった。
その後はセラヴィーが用意した、マジカルプリンセスのコスプレを着こなすシーンが何度か描写されている。未練タラタラ。

マジカルプリンセスに変身出来なくなった後もアニメ版の物語はしばらく続き、最後の1クールほどはようやく原作本来の日常を描いたギャグ作品となっている(クレッセント・オーロラ・ブレスレットというオリジナルアイテムもあったが)。


余談

作中で巨大赤ん坊のフランケンちゃんにミルクを与える為に、チャチャがマジカルプリンセスに変身して母乳を与えようとするシーンがあるのだが、流石に周囲に慌てて止められている。
母乳っていうのは大人になるだけで出るものではないんだよなぁ…。まずは妊娠しないといけないんだよなぁ…。

なお、チャチャはその場に居合わせた大人の女性であるどろしーにも乳をあげるようねだった(当然拒否される)。セラヴィーがどろしーを「役立たず」呼ばわりしてブチギレられている。
お前のはただのセクハラだろ!
結局リーヤの祖父の雌牛がフランケンちゃんにミルク(牛乳)をあげる事になったが、数秒で吸い付くされていた(どろしーは「吸われなくてよかった…」とつぶやいていた)。

彼女は声優としては新人だった鈴木真仁のデビュー役でもあるのだが、これにより新人でありながら主役に抜擢されるという前代未聞の快挙を成し遂げる事になってしまった。
流石に全くの新人だという事もあって放映当初はその演技力を酷評されていたが、共演していた三ツ矢雄二らベテラン声優たちの演技指導もあって、徐々に演技力が改善。
この作品と、翌年スレイヤーズのメインキャラクターのアメリア=ウィル=テスラ=セイルーンを演じた事をきっかけに、鈴木真仁は名実ともに大御所声優へと成長していく事となる。
演技力で言うならリーヤ役の香取慎吾も大概だっただろとか言ってはいけない。彼はアイドルであってプロの声優では無いのだから。

前述のように彼女は原作者の彩花みんのお気に入りでもあり、漫画にアニメ版の要素が採り入れられるような場面こそなかったもののメタネタのような形で言及がされているほか、後に逆輸入で原作にもアニメオリジナルキャラクターのアクセスが登場している(が、原作ではアニメ版のようなシリアス要素が全くないためキャラとしてはすっかり別人になっており、他のキャラから「アニメだと渋い人だったのに」とツッコまれていた)。
他にも、ラスカル先生が学園のテストで銅像に化けて隠れるときにマジカルプリンセスのコスプレをする場面があった。


チャチャ・リーヤ・しいねの3人の力を合わせるという設定上、3人の関係もバランスを保つ必要があったためか、
原作ではチャチャとリーヤが序盤から(実質)相思相愛な関係だったのに対し、アニメ版は仲のいい幼馴染レベルに落ち着いている。
それでも原作の名残なのか、マリンがリーヤにアプローチをかけようとしていると反発したり張り合ったりすることも。


また何をトチ狂ったのか、SFC版デア・ラングリッサーでも登場を果たしている。

ロウガ「何だ、何だ?」
ヘイン「ヒュ~ッ、カッコいい~!!」
レオン「…ついていけんな。」





追記、修正は愛と勇気と希望の名の下にお願いします。


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最終更新:2022年06月22日 18:51

*1 2006年3月にトミーと合併し、タカラトミーへと社名を変更している。