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マジカルプリンセス(赤ずきんチャチャ)

登録日:2022/05/29 Sun 17:09:57
更新日:2026/10/19 Mon 23:23:32
所要時間:約 8 分で読めます




愛と!勇気と!希望の名の下に!

マジカルプリンセス、ホーリーアップ!!



概要

アニメ版『赤ずきんチャチャ』に登場するオリジナルキャラクターであり、主人公・チャチャの戦闘形態のような何か。
担当声優は鈴木真仁。

チャチャの「プリンセスメダリオン」、リーヤの腕輪、しいねの指輪をそれぞれ掲げ、

チャチャ「愛よ!」
リーヤ「勇気よ!」
しいね「希望よ!」

という掛け声と共に3人の力を合わせることで、チャチャはマジカルプリンセスへとホーリーアップする。
そんな悠長な事をしている間に攻撃してしまえば、マジカルプリンセスに変身させる暇さえ与えずに完封出来るんじゃね?などというツッコミは、どうか無しの方向で。

変身前のチャチャは10歳の少女だが、マジカルプリンセスになると、16~17歳ほどにも見える大人びた姿へと変化する。
衣装も普段の赤ずきん姿から一変、白・赤・青を基調とした、いかにも正統派の変身ヒロインらしい華やかなコスチュームへと変わる。弓矢を構え、長い髪をなびかせて悪に立ち向かうその姿は、普段のチャチャのドタバタぶりを知っているほど、強烈なギャップを感じさせるものとなっている。
出番は基本的にバンク映像で必殺技を撃つだけなので圧倒的な戦闘力を誇り、物語前半までは無敵を誇っていたのだが、物語後半では必殺技が通用せずに敵の反撃に遭い、戦闘不能になってしまうシーンもしばしば見受けられた。

だが、そもそも原作『赤ずきんチャチャ』は、魔法使いを目指すチャチャたちが学園生活の中で騒動を巻き起こす、ギャグ色の強い作品である。チャチャはマジカルプリンセスに変身しないし、戦闘が描かれることがあっても、基本的には作品のコメディ性の中で処理される。
そのような作品をアニメ化するにあたって、マジカルプリンセスのようなキャラクターを出すというのは、もはや路線変更どころの話ではなく、『赤ずきんチャチャ』という作品自体を根本から壊してしまうも同然であった。
それなのに、本作をアニメ化するにあたって、なぜこのような変更が行われたのか。

背景にあるのは、当時の女児向けアニメ市場と玩具展開の事情である。
アニメ版チャチャのスポンサーとなったタカラは、当時絶大な人気を集めていた『美少女戦士セーラームーン』に対抗できるような「変身ヒロイン作品」としての商品展開を求めていた。

「原作をそのままアニメ化しても、この内容では今の情勢で売れるわけがない」と強く主張し、大幅な改変を行ってでもチャチャを変身させ、魔王やモンスターと戦わせる作品にするよう制作陣に強く要求してきたのである。
制作陣も、当初はこの無茶な要求に「原作ファンからの反発を招きかねないのでは」と難色を示していたものの、最終的に原作者の彩花みんがマジカルプリンセスのデザインを気に入り、猛プッシュをかけた事で、マジカルプリンセスの登場と相成った。

当然の事ながら、この大胆な改変は特に原作ファンからの極端な拒否反応を引き起こす事になってしまった。
だがそれでも、マジカルプリンセスが悪党どもを毎回毎回ビューティーセレインアローの一撃で粉砕する光景が好評を得たのか、最終的には多くの人々に受け入れられ、グッズの売り上げも大好評。
当時サービスが提供されていたパソコン通信においては「大チャチャさま」と呼ばれるなど、市場拡大に成功したばかりか、小さなお友達が大きなお友達へと道を踏み外す切っ掛けとしては、仮想ライバルのセーラームーンや後輩のCCさくらにも引けを取らない多大な影響力を発揮。
確かに一部の原作ファンからの批判があったのは事実だが、それ以上に称賛の声が圧倒的だったのもまた事実であり、情勢を見事に読み切ったタカラの下した判断は結果的には大成功だったと言えるだろう。
佐橋俊彦が作曲した専用BGM「マジカルプリンセス ホーリーアップ!」も名曲である。

なお、マジカルプリンセスへの変身に時間や回数などの制限があるのかどうかは不明。
作中で変身を解除した直後、立て続けに再変身するシーンが一度だけある。

主な使用武器

ビューティーセレインアロー


ビューティーセレインアロー!

マジカルシュート!!

物語前半におけるマジカルプリンセスの武器。
聖なる力を宿した弓であり、必殺技「マジカルシュート」によって邪悪な心を討つ。

「セレイン」が具体的に何を意味するのかは、作中では明らかにされていない。フランスの地名などを連想することもできるが、語源について確かな説明がない以上、特定の言葉に由来すると断定するのは難しい。

担当声優の鈴木真仁は一度も「シュート」とは発音しておらず、「シューッ!!」という叫び声に近い感じでアフレコを行っていた。これは制作陣からの指示なのか、鈴木のアドリブでそうなったのかは不明。

マジカルシュートは連射もできる上、敵を追尾し、必ず敵の本体に当たる。
物語前半までは立ちはだかる全ての敵を文字通り一撃で粉砕していたのだが、第25話で登場した魔王軍の幹部・アクセスとの戦いにおいてマジカルシュートを防がれてしまい、ビューティーセレインアローの不敗神話は終わりを迎える。

チャチャたちは新たな力を必要とすることになり、そこで登場するのが後述するウイングクリス。以降、ビューティーセレインアローは主力武器としての役割を譲り、不死鳥を召喚するためのアイテムとして使われることが多くなる。

ちなみに放送当時にタカラから発売されたビューティーセレインアローの玩具は、同社が関わったアニメ『魔法のエンジェルスイートミント』のミントアローのリデコ。

ウイングクリス


ウイングクリス・バーニングフラッシュ!!

物語後半におけるマジカルプリンセスの主力武器。伝説の不死鳥が変身した剣。
アクセスにマジカルシュートを防がれたことをきっかけに、新たな力として登場した。
基本的にマジカルシュートだけで決着していた前半戦と異なり、ウイングクリスの登場後は、この剣での接近戦も重要になっていく。
「クリス」という名称は、インドネシアなど東南アジアに伝わる伝統的な短剣を連想させる。

ウイングクリスの必殺技は「バーニングフラッシュ」。邪悪な心を破壊する聖なる力を放つ技であり、マジカルシュートに代わる新たな決め技となった。

使用する際には、まずビューティーセレインアローを上空に掲げ、「セイントフェアリー、ナビゲーション!」と唱えて矢を放つ。
すると、不死鳥が現れ、マジカルプリンセスの腕に止まり、「ライトニングフェザー、スキルアップ!」の掛け声と同時にウイングクリスに姿を変える。
……いや、だから敵の目の前でそんな事してて大丈夫なのか。

バーニングフラッシュの威力はマジカルシュートを上回るのだが、入手してすぐに使いこなせたわけではない。
チャチャたちは、ウイングクリスを手に入れた直後、慣らし運転をする暇さえもないまま、ぶっつけ本番でアクセスとの再戦に臨む羽目になってしまう。
手に入れたばかりのウイングクリスをまともに使いこなす事が出来ず、接近戦においてアクセスに圧倒されてしまうマジカルプリンセス。
それでもリーヤとしいねの声援を受け、「皆を守りたい」という強い想い──「愛と勇気と希望」の力によって、ついにウイングクリスを完璧に使いこなす事に成功。
バーニングフラッシュを発動し、マジカルシュートが全く通用しなかったアクセスを撃破、リベンジに成功した。

目の前で気絶してしまったアクセスを見せつけられたマジカルプリンセスは「アクセスさんを殺してしまったのでは」と不安になってしまうが、セラヴィーは「ウイングクリスはあくまでも『邪気を払う剣』であって、殺傷能力は無い」とマジカルプリンセスに語っており、実際その後にウイングクリスで受けたダメージを湯治で回復するアクセスの様子が描かれている。おっさんの裸なんか見せられてもなぁ……。
これは恐らくマジカルシュートも同様だと思われる。そうでなかったらマジカルプリンセスは毎回毎回人殺しをしている事になるしな。子供の夢を壊したらいけないなぁ。

その後もビューティーセレインアローに代わるマジカルプリンセスの主力武器として活躍を続け、立ちはだかる全ての敵を全て一撃で粉砕していたのだが、第41話で登場したカザンダンには通用せず、またしても不敗神話が破られる。
その後ブチ切れたマジカルプリンセスに粉砕されたけど。絵本版ではセラヴィーに粉砕されている。

なりきり玩具は不死鳥状態から小剣に変形。
両翼部が刀身、両脚が尾部に収納する簡易変形ギミックで、女児玩具でありながらなかなかのカッコよさ。
緑のボタンを押すことで宝石部が点滅、SEが鳴り響く。

バードシールド


バードシールド・ビルドアップ!!

カザンダンとの戦いを通じて、攻撃力だけでは対処できない敵の存在が明らかになり、
マジカルプリンセスの防御力を強化するために鍛冶職人ムーラマーサから入手した盾がバードシールドである。
……いや、そもそも、あれだけ身軽な衣装で戦っているのだから、防御面に不安があることくらい最初から気づきそうなものだが。セラヴィー先生たちは一体何をやっていたんだろうか。

バードシールドは単なる金属製の盾ではなく、魔力を帯びた障壁を展開する防御アイテムである。
物理的な盾というより、ガンダムシリーズに登場するビームシールドのような防御装置を想像するとわかりやすい。
魔法や物理攻撃を含む多くの攻撃を防ぐことができ、マジカルプリンセスの防御面を補う重要な装備となった。

圧倒的な防御力を誇り、劇中ではほとんどの攻撃をシャットアウトしていたのだが、大魔王には全く通用せず、さらに56話でホーリーバードに粉々に破壊されてしまった。

劇中での活躍

作中に登場したのは1話から56話まで。
大魔王の軍勢との戦いを無事に戦い抜き、50話でついに大魔王を撃破した。

大魔王を倒して平和を取り戻した後も、しばらくはマジカルプリンセスに変身して活躍するシーンが何度かあったのだが、56話でホーリーバードを封印するためにプリンセスメダリオンを手放さざるを得なくなってしまい、二度とマジカルプリンセスに変身できなくなってしまった。
その後はセラヴィーが用意したマジカルプリンセスのコスプレを着こなすシーンが何度か描写されている。未練タラタラ。
この辺については辻初樹監督は「新しい敵を出したら、下手するといじめになってしまうし、だからと言って彼女と張り合える強敵を出すと『DRAGON BALL』の天下一武道会の二番煎じになってしまう」とコメントしている。

マジカルプリンセスになれなくなった後もアニメ版の物語はしばらく続き、最後の1クールほどはようやく原作本来の日常を描いたギャグ作品となった(クレッセント・オーロラ・ブレスレットというオリジナルアイテムもあったが)。

余談

辻初樹監督曰くコンセプトは「チャチャが憧れるだろう女性」であり、「チャチャとマジカルプリンセスは別人格」であるように演出したという。
その神秘性のあるキャラクターを守るために、マジカルプリンセスの「出自」「バックボーン」「プライベート」には敢えて踏み込まなかったそうな。

彼女は声優としては新人だった鈴木真仁のデビュー役でもあるのだが、
これにより声優事務所に入ったばかりの新人でありながら、主役に抜擢されるという、当時でも前代未聞の快挙を成し遂げる事になってしまった。
子役・劇団員としての経歴も、直前のマイクテスト代わりのエキストラとしての出演の経験もない、全くのド新人だったので、
放映当初はその演技力を酷評されていたが、共演していた三ツ矢雄二らベテラン声優たちの演技指導もあって徐々に演技力が改善。
この作品と、翌年の『スレイヤーズ』で演じたアメリア=ウィル=テスラ=セイルーンをきっかけに、鈴木は名実ともに大御所声優へと成長していったのである。
「演技力で言うならリーヤ役の香取慎吾も大概だったろ」とか言ってはいけない。彼はアイドルであってプロの声優ではないんだから……。

前述のようにマジカルプリンセスは原作者の彩花みんのお気に入りでもあり、漫画にアニメ版の要素が採り入れられるような場面こそなかったもののメタネタのような形で言及がされているほか、のちに逆輸入で原作にもアクセスが登場している(が、原作ではアニメ版のようなシリアス要素が全くないためキャラとしてはすっかり別人になっており、他のキャラから「アニメだと渋い人だったのに」とツッコまれていた)。
他にも、ラスカル先生が学園のテストで銅像に化けて隠れる時にマジカルプリンセスのコスプレをする場面があった。

チャチャ・リーヤ・しいねちゃん3人の力を合わせるという設定上、3人の関係もバランスを保つ必要があったためか、原作ではチャチャとリーヤが序盤から実質的な相思相愛関係だったのに対し、アニメ版は「仲のいい幼馴染」レベルに落ち着いている。
それでも原作の名残なのか、マリンがリーヤにアプローチをかけようとしていると反発したり張り合ったりすることも。


また何をトチ狂ったのか、SFC版『デア・ラングリッサー』でも登場を果たしている。

ロウガ「何だ、何だ?」
ヘイン「ヒュ~ッ、カッコいい~!!」
レオン「…ついていけんな。」





追記、修正は愛と勇気と希望の名の下にお願いします。


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最終更新:2026年10月19日 23:23