夜蛾正道(呪術廻戦)

登録日:2022/07/02 (土) 00:40:39
更新日:2024/01/13 Sat 19:25:31
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死に際の心の有り様を想像するのは難しい

だがこれだけは断言できる


呪術師に悔いのない死などない



夜蛾(やが)正道(まさみち)は漫画「呪術廻戦」の登場人物。

●目次

【プロフィール】

年齢:47歳
等級:1級呪術師
趣味:グラサン集め カワイイ物が好き
好きな食べ物:いぶりがっこ
嫌いな食べ物:甘い酒
ストレス:五条に直接言えや案件
備考:バツイチ



※以下の項目にはアニメ未収録のネタバレが含まれます。


【概要】

東京都立呪術高等専門学校(以下「東京校」)の学長を務める、サングラスを掛けた強面の男性。
モデルは作者に明言されてはいないが、その出で立ちからプロレスラーの蝶野正洋氏と思われる*1
東京校の入学後には、彼による面接を受ける必要がある。

かつては五条悟夏油傑・家入硝子らの学生時代の担任として彼らを教え導いている。
呪術廻戦の前日譚である「呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校」(以下「呪術高専」)の時点では既に学長に就任しており、
呪詛師に堕ちた夏油率いる夏油一派が起こした大規模呪術テロ「百鬼夜行」に対抗して
全国から呪術師を召集し、新宿と京都で彼らを迎え撃った。


【人物】

五条悟の数少ない理解者であり、常識人。
見た目は怖いが「気づきを与えるのが教育だ」と語っていたり、
後述の星漿体護衛任務の説明の際には、五条と夏油に罪を意識させる意味を含ませるなど、教育者に相応しい思慮深さを持っている。
なおサングラスは学長に就任してからかけはじめた。

なお見た目に反して可愛い物好き。彼の使用する呪骸は彼が一つ一つ心を込めて作り上げた物であり、どれもこれも愛嬌のあるデザインである*2

突然変異呪骸であるパンダとは彼が生まれた時から育ててきた事もあり、今では親子のような関係になっている。


【使用術式】

高専の等級としては1級呪術師であり、呪骸を操る傀儡呪術学の第一人者としても名を馳せる。
傀儡を操り敵と戦うが、その反面本人自身の戦闘力は(あくまで他の術師と比べて)それ程高くはない。

傀儡操術

傀儡を自在に操作する能力。
京都校のメカ丸と同じタイプの術式だが、メカ丸が傀儡を手動操作しているのに対し、夜蛾は自動的に動く呪骸を生み出し使役する。
ただしパンダを除く通常の呪骸は夜峨(もしくは他の呪術師)が呪力を供給し続けないと、いずれ稼働を停止してしまうという弱点を持つ。
物質に呪いを籠めて動かす技術は平安時代発祥であり、現代では枝分かれした用途の一部が「傀儡呪術学」へと昇華した。

呪骸一覧


パンダ

突然変異呪骸と呼ばれる夜蛾の最高傑作にして、表向きは唯一無二の存在である「完全自立型人工呪骸」。

外見はそのままパンダであるが、構造は縫いぐるみや人形と同じで、体内には綿が詰まっている。
呪術師が近くにいなくとも呪力を自力で生み出し稼働しているだけでなく、自我が芽生えており会話による人間とのコミュニケーションも可能。
その為、呪骸でありながら呪術師として扱われ、現在は東京校に通学している。
詳細は項目参照。

キャシィ

ズングリした体型のカッパのような呪骸。一般人相手であれば軽く殴り倒すだけの力を持つ。
劇中では虎杖の東京校入学の面接時に使用された。

ツカモト

CV:黒田崇矢
ボクシンググローブをはめたクマのような呪骸。
普段は大人しいが、誰かが触れている時に呪力を流し続けていないとパンチをお見舞いしてくる。
劇中では虎杖の呪術の修行の為に、五条が虎杖に手渡した。

護衛の呪骸(仮称)

渋谷事変において数体が登場。棍棒を持った呪骸や複数の脚が生えた呪骸がいる。
結界近くの首都高速渋谷料金所に設置された拠点の防衛の為に配備されていた。





【劇中での活躍】


過去

本編より遡ること十年前、五条悟・夏油傑・家入硝子の担任として彼らを教え導く。
三人の学生は無下限呪術・呪霊操術の使い手の特級術師コンビ・貴重な反転術式の使い手と
彼らに夜蛾から教えられる技術は殆ど無いため、彼はもっぱらメンター的な立場であったと思われる。
星漿体護衛任務の際には、五条と夏油に任務の内容を「星漿体の護衛と“抹消”」と敢えて伝える事で、彼らに罪の意識を与えさせ(正しくは天元様と星漿体との“同化”であるが、星漿体はその時点で消えるのと同然の為)考えさせるように導いた。

その約一年半後に夏油が闇落ちし一般人を大量に殺害、呪詛師として逃亡した際には
「俺も何が何だか分からんのだ」と五条に己の複雑な心境を吐露していた。


呪術高専

東京校の学長として登場。
かつての教え子である夏油傑が予告した呪術テロ「百鬼夜行」に対抗すべく、主戦力となる高専では彼が中心となり会議を開かれる。
高専の全戦力を結集し、御三家やアイヌ呪術連の協力も得て、万全の態勢で12月24日の当日を迎える事になる。


今度こそ夏油という呪いを完全に祓う!!!


しかしながら百鬼夜行では呪術師の指揮もしくは後方支援に徹していた為か、彼の戦闘シーンは存在せず。
「劇場版 呪術廻戦0」では呪術廻戦本編から登場した呪術師の活躍が追加で映像化されたが、夜蛾については殆ど描かれる事は無かった。


本編

呪術廻戦本編での初登場は、第三話。
呪術師を目指す虎杖にその覚悟と心構えを問う。

京都校との交流会では、少年院編で死亡したと思われていた虎杖が実は生きていたことを当日になって知らされ、一切報告していなかった五条に関節技を極めた。
その後の交流会一日目では京都校の楽巌寺学長や五条と共に試合を見守るが、真人一派の高専敷地内への乱入により交流会は一時中断。
教師たちに指示を行った後、彼は「(高専の結界の維持を担う)天元様の所に向かう」として一度フェードアウトする。

事態の収拾が終わった後で交流会の二日目をどうするか学生たちと話し合い、五条のアイデアで二日目は恒例の個人戦ではなく草野球を行う事になる。
その試合中には宿儺の器としての虎杖を危険視し、交流会一日目に彼の抹殺を企んでいた楽巌寺に対し、虎杖が危険な存在である一方で彼が助けた命もあるという事実を述べ、

虎杖についての判断が正しいかどうかは 正直私にも分かりません

ただ今は見守りませんか

大人(わたしたち)の後悔は その後で良い

と説得するのだった。
「お前はまず五条をどうにかしろ」とすかさずカウンターされたが。


渋谷事変

渋谷事変では渋谷の結界の外に設置された拠点(首都高速渋谷料金所に仮設置された)で、貴重な治療術の使い手である家入硝子の護衛と拠点防衛、呪術師の指揮を行っていた。
事態の深刻さを予測して家入をいち早く渋谷に出動させており、本来は連絡役として結界の外にいなければならなかった七海をすぐに任務へと戻す事が出来た。
虎杖の身体の主導権を一時的に手に入れた宿儺が負傷した伏黒を拠点まで運び、すぐさま立ち去った所を目撃する。


死滅回游編



呪術総監部より通達

夜蛾正道を五条悟と夏油傑を唆し渋谷事変を起こしたとして 死罪を認定する


呪術界の上層部である呪術総監部により、教え子である夏油傑と五条悟が渋谷事変の共同正犯として扱われ、かつて彼らを指導していた夜蛾も「二人を教唆していた」というでっち上げの罪で死罪を認定されてしまう。

実の所は上層部には死罪の免除と引き換えに夜蛾に「完全自立型人工呪骸」の製造方法を語らせるのが目的であった。
呪術師の補助を必要とせず自我を持ち活動する呪骸は、仮に量産できればそれだけで脅威となる。
パンダが生み出された際に総監部は夜蛾を特級呪術師として認定し、無期限の拘束を行おうとしたが、
夜蛾は「パンダは意図して生まれたわけではない“突然変異呪骸”である」という主張を崩すことは無かった。

天元様の森でタケル達と最後のお別れをした夜蛾は、総監部に捕らえられたパンダの救出の為夜の街を走るが、そこに総監部からの使者が現れる。
使者は死罪の免除と引き換えに夜蛾に完全自立型人工呪骸の製造方法を教える事を要求するが、
夜峨はそれを拒否したため、刺客として連れてきていた楽厳寺に夜蛾の始末を依頼し、こうして学長同士の戦いが始まった。

しかしながら逃亡中で手持ちの呪骸が無い夜蛾は、楽厳寺に敢え無く敗れて致命傷を負う。
余命幾ばくも無い彼は、楽厳寺が使者を下がらせ一人になった所で、秘匿していた「完全自立型人工呪骸」の製造方法について語りだす。

  • 肉体の情報から魂の情報を複製し、それを呪骸の核に入力する。
  • 同じ要領で三つの核を用意するが、その三つは相性が良くなくてはならず、それを一つの呪骸に埋め込む。
  • お互いの魂を常に観測させることで、初めて魂が安定し自我が芽生える。そしてやがて呪力の自己補完が始まり、完全自立型の呪骸が完成する。

夜蛾の思わぬ行動に驚愕した楽巌寺は瀕死の夜蛾に問う。
何故今更話したのだと。
何故こうなる前にもっと早くに秘密を語り、生き延びようとしなかったのだと。



呪い…ですよ 楽巌寺学長

私から アナタへの 呪いです



そう言い残して息絶える夜蛾。
その直後に現れ、死に目に間に合わなかったパンダの慟哭と共に、夜蛾は物語から静かに退場した。


その後


死滅回游の東京第2結界(コロニー)にて、パンダは400年前の呪術師「鹿紫雲一」と戦うが、鹿紫雲の圧倒的な実力の前にパンダは劣勢になってしまう。
切り札である「お姉ちゃん」核による攻撃も通じず、逆にパンダは全身をバラバラにされ倒れ伏すのだが…

その次話である185話冒頭で描かれたのがパンダ・ゴリラ・お姉ちゃん(トリケラトプス)の物語であった。
喧嘩しつつも確かな絆で結ばれたきょうだいの物語の最後には、ゴリラとお姉ちゃんがパンダの下を去る事になるのだが、そこでゴリラ達を連れ去る為に現れたのが

…パンダとはお別れだ

夜蛾のサングラスをかけたバーバパパ人形であった。
ゴリラが「父ちゃん」と呼ぶ人形は、ゴリラとお姉ちゃんを連れてパンダの下から旅立つ。

置いていかれるのは 俺たちなんだ

見送ってやれ お兄ちゃんだろ


【余談】

ストーリーの序盤から(彼の場合初登場は「呪術高専」ではあるが)登場した主要キャラとしては七海に続いて早々に退場してしまった。
どっちも貴重な常識人枠だったのに…

しかしながら
  • 天元様とは総監部を飛び越えて独自の繋がりを持っているのは何故か
  • パンダの正体は一体何なのか
など、幾つかの謎を残したままの人物でもある。


パンダの正体とは?

今までに出た情報としては

  • 夜峨とパンダは親子の様な関係である
  • パンダの体内にあるパンダ核以外の二つの核「ゴリラ」は「お兄ちゃん」、もう一つの核(トリケラトプス)は「お姉ちゃん」
  • 第185話の扉絵に並んで描かれた「三つの位牌」*4
  • 夜蛾のことをゴリラも「父親」だと認識している

以上の情報から推測するに
  • パンダ核、ゴリラ核、お姉ちゃん核の元になったのは三人のきょうだいの魂の情報である
  • 更に彼らは夜蛾の実の子供たち、または血縁者に当たる
可能性は高い。
夜蛾は離婚経験があり、その原因はもしかしたら子供たちを喪ったからなのかもしれない。
そして彼が愛した子をどうにかして取り戻そうとしたのならば…?


特級認定について

パンダを造り出した際、上層部によって特級呪術師に認定されかけた過去を持つ夜蛾。
劇中に登場する他の特級呪術師(五条、夏油、九十九、乙骨)とは実力に大きな隔たりがあるのに何故?と思う読者もいるかもしれないが、
特級の基準とは「単独での国家転覆が可能であること」であり、単純な強さの格付けという訳ではない。
つまり、夜蛾は「パンダのような完全自立型呪骸という戦力を量産すれば単独で国家を制圧できるのでは?」と懸念されて仮の特級認定を下されたことになる。

ただし、この処遇は上層部が完全自立型呪骸の製造方法を知らないが故のもの。
実際のところ完全自立型呪骸の製造には上述のように難しい条件が要るため、夜蛾は無限の呪骸軍団を作り出せるような脅威には成り得なかった可能性が高い。
目先の危険は僅かでも徹底的に排除しようとする上層部らしい大袈裟な判断だったのかもしれない。


追記・修正は学生を教え導いてからお願いします。


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最終更新:2024年01月13日 19:25

*1 呪術廻戦の前日譚である「呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校」では、蝶野氏の代名詞である「ガッデム!」を叫んでいる

*2 ただし彼自身は呪骸製作時に特に可愛くしようと思って作っている訳では無い

*3 ただしタケルの存在は秘匿されている為、一緒に暮らす事は出来ず定期的に森に会いに来るらしい

*4 なお位牌の下部にはそれぞれ別の花が描かれている