ディメンションウェーブ(小説)

登録日:2022/10/12 (水曜日) 14:11:18
更新日:2024/11/24 Sun 00:02:33
所要時間:約 26 分で読めます





ディメンションウェーブ』とは、アネコユサギによるライトノベルである。
小説家になろう」で2012年10月から連載されており(但し2012年末~2016年8月まで長期休載)、2019年から書籍化されている。

作者:アネコユサギ
レーベル:ヒーロー文庫
イラスト:植田亮
既刊:7巻(2024年現在)



●あらすじ

(Web版あらすじより)
次元の波。人々は度重なる災いに立ち向かっていく……。
というVRMMOをプレイする事になった主人公が竿を片手に向かったのは、海岸だった。

(公式の1巻あらすじより)
現実の二十四時間で数年分の時間を体験できるという、大人気VRMMOゲーム「ディメンションウェーブ」。
そんなゲームへの参加権を手に入れた姉妹に誘われ、少年は運良くプロジェクト第二弾に参加することになった。
しかし、ゲーム世界へとダイブした少年は、何故か『絆†エクシード』というやや痛い名前の美少女へと変身していた。
姉妹のイタズラで強制的にネカマプレイをすることになった絆だったが、気を取り直してのんびりとVRMMO内での生活を楽しもうと決める。
前衛の戦闘には目もくれず、真っ先に釣りに向かった絆は、姉の奏と妹の紡、和風美少女の硝子やエセ忍者の闇影など、個性豊かな仲間たちと協力して、第二の人生を楽しんでいく――。

●概要

今や「なろう系」では結構あるVRMMOを題材にした作品で、別作者の『Only Sense Online』(2012年3月掲載開始。現在は書籍展開のみ)共々古参の作品にあたる。
ちなみに『Only~』とは「ほのぼの系」かつゲーム大好きな姉妹に挟まれたTSキャラ系主人公なんて共通点もあったり。
また「仮想空間で年単位の長期生活を過ごす」という前提設定のため現実世界の描写はわずかに留められ(キャラがたまにリアル話をする事はある)、半ば異世界モノに近い構造でもある。
なおWeb版と書籍版で大きなストーリーの違いはないが、書籍化時にイベントが追加されたり一部キャラの登場がWeb版時のものから繰り上がっていたりする。

(注:建て主は『盾の勇者の成り上がり』『槍の勇者のやり直し』未読なため既読者追記お願いします)
作者の代表作『盾の勇者の成り上がり』とはほぼ同時期に「なろう」での連載が始まっており、そのせいか各所で似た様で違う描写・名前が登場。
『成り上がり』書籍版での追加キャラ・設定などがこっちに輸入されたりもしている。


●登場人物


◆ディメンションウェーブ対策委員会

主人公が3巻で立ち上げたギルド。なお「闇影と愉快な仲間達」「カルミラ島フィッシング協会」なる案も出たが却下された

  • 絆†エクシード
本作の主人公で、牧場経営系や開拓系のスローライフゲーム好きな(リアル年齢は明記されていないが)少年。ゲーム種族は魂人(スピリット)。通称は「絆」。
VRゲームが人気になった時代に「VR不適合」なる性質を持ち、アクション系が苦手なこともありあまりVRに触れていなかったが、『ディメンションウェーブ』はその障害を克服したと姉妹に言われ参加。
VR長期生活においてのんびり釣りに勤しむと決めガチムチマッチョ漁師キャラを作りダイブしたが、姉妹の悪ふざけのせいで痛ネームの黒髪幼女キャラで仮想空間に降臨
泣く泣く約数年程のオープンネカマプレイを余儀なくされながらも気を取り直し釣りライフへと歩み出し、約2週間程第一都市の港と湾で釣りを楽しんだ後釣り具・釣り場探しの旅の中で様々な人々に出会い成長していく。

主武装は「解体技能」用の刃物と釣り竿。初期では紙装甲しか出来ない解体武器は微妙扱いされていたが、魚を裁く中解体技能で裁くと魔物のドロップ素材が増加する事に気づき、レア素材のいち早いゲットに貢献。
アクション技能自体は普通なので戦闘ではさほど前線には出ないが、解体素材で出来た武器の性能アップにより順調に攻撃時の威力は増しており、中衛くらいには働いている。
一見純採集用な釣り竿でも釣りを極めることで「ルアーでヘイトを集める」「魔物を釣り上げてスタンさせる」等デバフ系技が生えたため、意外と役に立っていたり。
旅の中周囲からの薦めや自身の釣りと戦闘の両立等も考えて弓や罠技能も取り出し、罠を生かして冒険の間水場に大量の籠を設置し後で取り出す・罠で敵を足止めする等している。
またカルミラ島の開拓の報酬で得たスキル「カモンペックル」によって大量のペックルを召喚出来るようになり、用途に応じて様々なペックルを呼び数の力を見せているでも「ペックル使い」技能取得は却下した。
本人はハイテンションな妹とやり込むとガチな姉に比べ普通としているが、釣りに掛ける情熱や別なゲームで設置物を置きすぎて処理落ちさせた過去時間等から「根気の化け物」なる評価をもらい、
各地での(変わった)活躍や(本意ではない)かわいい容姿からいつしか「釣りマスター」「島主」等の異名を頂くことに。
+ そして…
6巻では「狩猟系実績の多大なる積み立て」や「生活の楽しみ度」等から、ゲーム内に12個しかなく一つにつき一人しか取得出来ないとされる「ユニークスキル」の一つ「狩猟具」の取得条件を満たし取得。
これにより戦闘時の大幅なダメージアップクロックアップ並みの認識加速・事前にセットした複数武器を自在に変形させる「狩猟具」装備・専用スキルツリーの獲得と一気に火力と前衛力が向上した。
但しその代償として「人型の敵へのダメージ99%減少」という枷も背負うことになったが、これに関しては少し迷うも「その時は仲間に任せ、釣竿による補助に回ればいい」と考えている。
なお、料理スキルも割りとあるのだが釣り好きから魚ばっかりだったので2巻ではイカ天国・5巻時点では魚だらけの食生活に仲間達が若干うんざりしていた。
ご存知の人はご存知、『盾の勇者』の『狩猟具の勇者』である風山絆のモデル。

  • 函庭硝子
第一都市ルロロナから旅立った絆が出会ったスピリットの少女で、絆の最初の仲間。通称は「硝子」。
絆に出会う前は攻略の「前線組」にいたが、第二都市解放戦にてタンクを引き受けた事で、スピリットの「エネルギー」が大幅ダウンし戦力が低下した事でパーティーから追われ独り稼ぎ戦闘をしていた。
和風お嬢様な見た目と素でそれに似合う古風な口調を持つ優しい真面目な大和撫子だが、内面にはストイックな武術家の面を持ち(リアルでも武術関係な可能性も暗示されている)、釣りバカな絆を時にたしなめ助け、2巻では戦闘指導もしている。
流石に戦闘時にも絆が釣りに拘るのには微妙感を抱いていたが、5巻では感化されたのか本人も釣りを始め絆の弟子になった。
バトルスタイルは扇子による舞踏の様な軽装甲スピードタイプで、リアルスキルも入った回避力で巧みに敵をいなし斬りつけている。
『盾の勇者』の『扇の勇者』ことグラスのモデル。

  • 闇影
絆・硝子が第二都市ラ・イルフィ近くの「常闇の森」で出会ったスピリットの背が高い忍者少女で、絆の第2の仲間。
「ござる」口調に忍者コスとテンプレ的忍者ロールプレイをしているが、本人曰く「コミュ障」なせいかかなりの人見知りで、バトルスタイルが個性的な事もあり絆達に出会うまで独り旅をしていた。
戦闘では魔法使い系で、ロールプレイとの両立も兼ねて近距離でよけながら魔法を使うかなりテクニカルなスタイル。攻撃とスピリットに必須なエネルギー補給を兼務できる闇魔法「ドレイン」を主に使う…のだが、
初期にはやり過ぎてドレイン以外の魔法を覚えていない上にドレインに力を注ぎこみ過ぎて常時行使してないと赤字とピーキー過ぎる事をしていた。
ただ絆達との旅の中でドレイン一辺倒な面は減りつつあり、ドレイン上位の範囲型の他闇属性のデバフ魔法・アンデッド対策の光属性、通常攻撃用の風・雷系魔法とレパートリーを増やしている。
一辺変わり者だがよく考えるとプレイヤースキル自体は高く、会話の中で物語や映画等各種知識の高さをも垣間見せているが、キャラがネタなせいかどうも敵から変な被害を受ける等不憫
特にカルミラ島編では友人が次々消えていく状況に他人から「死神」と言う心無いあだ名をつけられ、やっと島に呼ばれた際「突如語尾がごじゃるになって影武者をしていたり、なんか人相の悪い勇者を陰ながら見守っていたりする夢を見たでござる。どっちが現実でござるか!?」と絶叫。
その後状況が落ち着いた頃絆に「一緒にゲームをしようと約束した相手にすっぽかされた」という悲しい過去を明かし、ゲームで得た絆という新しい友達に対し素と思われる子供らしい口調でお礼を言っている。
『盾の勇者』に彼女をモデルにした人物は登場していないが、『ごじゃる』口調の女王の影なる人物が存在する。

  • しぇりる
絆が第一都市での釣り生活時釣り船を探していた際出会った船大工で、「常闇の森」後本格的に海に出る際の依頼を機に、自らも海に乗り出すため絆達のパーティに入った晶人(ジュエル)の少女。
「そう」等短い単語を重ねることで会話する独特な口調をしているが、各種で高い英語力を見せており、詳細は不明だが「勉強」のためあえて今の様な口調に限定しているそうな。
ゲーム開始時から船作りに精力を注いでいたためその技術は高く、話が進むにつれマシンナリー技能も得た事で各種搭載武器やレーダー等付属品も充実。
さらに6巻では4巻の魔王討伐戦で負けた悔しさからカルミラ島の資源・資金をくすねて大量のタレットや砦を制作。物量でディメンションウェーブを制覇し、他のプレイヤー達に迎撃設備製造の必要性を知らしめた。
また海と冒険への強い想いとリアルで小説『白鯨』を愛読しているためか、戦闘では銛を使っており、「エイハブスピア」・貴族船長風衣装等それっぽい装備も得ている。

  • アルトレーゼ
絆が最初に釣りをしていた頃出会った金髪美形青年商人。通称は「アルト」。
釣りの中で拾ったごみの「空き缶」が「お手軽金属インゴットになるのでは」なんて絆の提案を受け、極秘に空き缶を生産職に売って2人で一儲けする等商売人で、
戦闘があるゲームなのにレベルを上げたくないとまで言う程鑑定等商人系技能しか覚えず非戦闘キャラであることに拘っている(一応短剣は装備)。
…が、商売に凝り過ぎて「死の商人」なんて異名を付けられており、2巻ではしぇりるやロミナにマナーの無い客を多く斡旋し二人に負荷を与え恨まれ、
4巻では副産物でカニ製装備や回復薬も得られるカニバイキングのため、絆の釣り好きと根気をも利用して大量のカニ籠での遠洋蟹工船を始める等、かなりあこぎな面をも見せている。
なお3巻で(アルト以外女性キャラで属性的にはアレだが)「ハーレムでは」と絆に茶化され拒絶した後「そもそも僕は…いや何でもない」と変な反応をしており、もしかしたら…
+ 以下6巻・Web版ネタバレに付き注意
5巻末で突如行方不明となり、開拓イベント時の内界・外界間の様に連絡がつかない状況に。
その後7巻エピローグでは開拓都市が三個解放された状態でも未だ姿を現さず、6巻で「一度開拓イベントに呼ばれた者は他の開拓に呼べなくなる」なんて仮説も出たためその行方は謎に包まれている。
なお作者の活動報告(2022年09月30日版)にて少しだけ彼の現状が明かされており、何でもゲームの一部システムの何かに抵触したせいで、絆達が知らない(一応分かれば行く事は出来る)別な場所に飛ばされたという…。
ちなみにWeb版ではさらに行方不明前、エロ禁止健全ゲームに飽きた一部プレイヤーのための運動(意味深)も出来る過激トーク飲み屋兼宿屋を開いていた事が発覚している。
『盾の勇者』にも同じ名前・肩書きの人物が登場。

  • ロミナ
絆が釣りと解体で得た素材を持ち込み、以降常連客となった晶人の女性鍛冶師。
絆が他者へのアドバンテージのため解体での素材増加を黙っていたため多い素材に疑問を持ちつつ良質装備を作っていたが、絆のうっかりでカルミラ島に召喚
流石に驚くもアルトの呼んだアレな客にNPC扱いされる等酷いモラハラを受け疲弊していたため新天地で心機一転し、以降絆達の正式な仲間となった。
基本戦闘には行かず仕事場での生産オンリーだが、3巻で自分の事を棚に上げたアルトに「レベルも上げれば鍛冶技能も向上するのでは」と指摘され少し実行している。
『盾の勇者』にも同じ名前・肩書きの人物が登場。

  • 紡†エクシード
絆の妹であり、兄を「妹が欲しい」と幼女キャラにした張本人その1。種族は亜人(デミヒューマン)。
ノリとテンションだけで生きている能天気女子で、彼女がゲーム大会でディメンションウェーブの参加権をゲットし売ればいいじゃん派な兄を誘った事から本作はスタート。
最初は定期的にチャットはしても別のパーティーで活動していたが、2巻で本格的に船出した絆たちに(硝子の元仲間や後から来たアルト共々)密航してついていった事からパーティーインした。
戦闘では大鎌を使う戦闘特化のアタッカーで、5巻では亜人の種族クエストをクリアして獣化スキルを身に着けている。


◆その他主要人物


  • 奏†エクシード
絆の姉であり、「妹がもう一人欲しい」と弟を幼女キャラにした張本人その2。種族は人間。
外から見える分にはそんなにはっちゃけた感はしないが、欲しいものを見つけたら周囲を巻き込む勢いで長期貯金する。アルトの蟹工船の工程改良を行う等別な意味で凄い人。
プレイスタイルは堅実に他の攻略情報を元に動き、情報が積み重なるにつれ向上していくタイプだが、
5巻で「長くいたパーティーのリーダーが行方不明になり内部のムードが悪化」→「新リーダーが『いい装備』を他に基準として求めるのに張り合って失敗」→「新装備用貯蓄のため傷ついた装備でテント生活
と凄まじい勢いで転落していった事が分かり、自分の島でホームレス生活をされても困る絆やロミナからの「偏った噂を信じてはいけない」「もっと楽にプレイした方がいい」という言葉を受け仲間入り。
装備資金調達も兼ねてアルトの蟹工船で働く事になり、魚に飽きていた人々にてりすや絆との連携でおいしいハンバーグをプレゼントした。
戦闘では普通に剣と盾を使うオーソドックスなスタイルだが、絆達との合流後は弟のパーティにタンクがいない事から、防御特化で回復も出来るブレイブペックル着ぐるみを使う事に残念な事にイラストは無い
『盾の勇者』に彼女ら姉妹は直接登場しないが絆に言及はされている。

  • らるく
絆が第一都市で最初に出会った、ヤンキーの兄貴分っぽい大鎌使いの青年。種族は人間。
相方のてりすとバカップルレベルで仲が良く、リアルで両方とも社会人のため中々取れない休暇時間を有効活用するためゲームに参加した。
口調は若干粗目だが気のいい兄貴分であり、主にレアなクエスト探しに熱中している。

ちなみにてりす共々書籍版初出のキャラで、Web版では6巻の時期に初めて絆と出会っている。
元ネタは『盾の勇者』の『鎌の勇者』にしてシクールの王様ことラルクベルク=シクール。順番は相方共々『盾の勇者』→本作書籍版→本作Web版となる。

  • てりす
らるくの彼女で、ギャルっぽい口調の晶人の女性魔法使い。
能天気そうなノリだが素の口調は真面目そうで、宝石オタクなので「アレキサンドライト」の特徴をキャラのモデリングに投影している。
元ネタは『盾の勇者』のテリス=アレキサンドライト。

  • m9(^Д^)(顔文字さん)
6巻で絆が突如他の開拓地へと呼ばれた際出会った、のじゃロリの狐耳亜人幼女。
なお直接登場自体は6巻だが、1巻~3巻ではディメンションウェーブ時オープンチャットで指揮を担当しており、声だけなら既に面識はあった。
何でこうなった感がある上に読み方不明な名前はキャラ設定時ネタでうっかり書いた後、改めて書いた素敵な名前をデータ保存し忘れたせいでなってしまったもので、
一部周囲から表記の俗称から「ブギャ子」、奏から「ノジャ子」・らるくから「ノジャの嬢ちゃん」、そして絆は最初「エムナインさん」と呼んでもしっくり来なかったため「顔文字さん」と呼んでいる。
優れた指揮力と補助・回復魔法使いとしての腕前、人柄の良さで奏等多数の仲間を率いていたが、ある日未開の砂漠を探検していた際開拓イベントが発動し独り開拓地「プラド砂漠」に。
知り合いを呼んで開拓にあたるが、人が集まるにつれ良くも悪くもカルミラ島似で最前線地域よりレア度が低めな事、砂漠でウサウニー用農業に取り組むも諸事情で失敗する等のトラブルが頻発し人間関係が悪化。
しまいにはディメンションウェーブ第四波発生を知った不満持つ連中からダイレクトアタックまで浴びせられ、そのせいかそれまでの人員が一斉にシステムの力で放逐された事でやり直しを決意。
ウェーブ第四波後改めて奏らまともそうな連中を呼び、自分も元々余裕があったら開拓無くても農業したかった事もあり農業ゲームに詳しくペックルも呼べる絆に教えを乞う事になる。
そして都市開放を達成し領主となった際、新たに奏・らるく・てりす・オルトクレイ・ミリーをメンバーに新ギルド「ディメンションウェーブ対策研究所」を立ち上げている。
ちなみに無意識にスキル取得が可能な程に鼻歌を口ずさむ癖があるが、なぜか本人はこのゲームでは歌いたくないらしい。
余談だがこのゲームにはアイドルも参加しているという噂があり、なぜか新ギルド名考案時、彼女は最初アイドルが島を開拓しそうな番組っぽい語感の名前を提案していた…

  • オルトクレイ
Web版ではプラド砂漠編開始時、書籍版では5巻で絆と出会った商人の男性。
リアルではらるくが勤める会社の重役で、ゲームでもそのスキルを活かし働いているためアルトからライバル視されている。
ただ商売の理由はそれだけではなく、実はこのゲームは妻と人見知りしがちで物語を愛する優秀な小学生の娘と久しぶりに家族水入らずで過ごすために参加。
ファンタジー好きで自らのキャラ名を「メル」と決めた娘からの提案を受け、娘が考えた「凄腕軍師で錬金術と発明を嗜む最強の魔法使いのお父さん」キャラを制作するも、
プレイ前会社のイベンターから娘へサプライズ演出をとして出た「直前で来れなくなったと法螺を吹いて、後で再会して驚かせる」案を実行したら、すねた娘がキャラアカウントの入れ替えで行方不明に
それ以降娘を探すため、商売やリアル知り合いのらるくへの依頼などに明け暮れている。
なお活動報告によると「長女?いませんね」だそうな。誰の事だろうねー
+ 以下7巻ネタバレに付き注意
実は探してる娘の正体は何となく絆も共通点を感じつつ打ち消していたが闇影
7巻エピローグで、砂漠開拓終了後無事娘と再会出来た。
『盾の勇者』にも元『杖の勇者』『英知の賢王』にして現クズ*1の王配オルトクレイ=メルロマルク32世が登場する。

  • ミリー
オルトクレイの妻で、プラド砂漠で絆と出会った薬学と魔法に長けた女性。
娘から「どんな外交もスパッと解決する一国の女王様で考古学に精通するお母さん」キャラを提案されており、本人自身が考古学好きなので結構化石掘りや遺跡探索に夢中になっている。
『盾の勇者』にはミレリア=Q=メルロマルクという切れ者で考古学好きの女王が登場する。
そちらでもオルトクレイの妻にして二児の母。*2


◆開拓動物


新しい土地の開発事業となるクエストにて、開拓の主導者となったプレイヤーを助けるマスコットたち。
基本働けば働くほどプレイヤー程ではないが成長していき、頭につけている帽子で得意傾向(戦闘型・労働型等)を見分けられるようになっている。
それぞれに決まった餌で「やる気」を補充して働くが、働かせすぎると「ストレス」が溜まり「カルマー化」して暴走する怪物と化すため、定期的な餌支給と休暇が必要となる。
開拓完了後はそこに出来た都市でプレイヤーごとに一体有料で雇用し、餌または餌代となる金銭でやる気を補給して色々と育成出来るように。
また開拓を主導した「領主」のみ、「カモン~」と付くスキルで開拓動物の大量召喚が可能になっている。

なお絆の発見時には「魚」「卵」「肉」「野菜」の4つのマークがあり、それに合わせ作者の活動報告では本編に出て来たものの他「イヌルト」「リスーカ」なる開拓動物の存在が判明している。

ペックル
「コロボックルとペンギンが合体して出来た」ペンギン型マスコット。魚マークにつられ宝箱を開けた絆がゲットした。語尾は「~ペン」。
釣りをしてるとたまに釣れ、魚を餌に働いている。
なお抜け毛を使うとペックル属性が付与されるペックル着ぐるみが創れ、派生として各種職業の着ぐるみや河童モンスターの素材と合わせた河童着ぐるみに進化させられる。

  • クリス(キングペックル)
最初に発見されたペックル。只一匹サンタ帽を被っており、汎用的能力で開拓のチュートリアル&目標提示役を務めている。
初期はまんまサンタ帽ペックルと呼ばれていたが、開拓完了時城の玉座に座りキングにクラスチェンジ。命名を求めて来たためサンタ→クリスマスからクリスと命名された。
なおその時王冠を被ったため放り出したサンタ帽は絆が拾い、その後ペックルパワーアップ効果が判明したため絆の頭部装備になり、クリス自体もよく大きな戦闘時絆の元に呼ばれている。
6巻ではプラド砂漠に絆が呼ばれた際現地のサンタ帽ウサウニーと対話し、協力体制を構築している。
『盾の勇者』には同名の式神が登場する。

  • ブレイブペックル
絆がカルミラ島ダンジョン内で釣ったレア魚の中から見つけた鍵で、ダンジョン深部の扉内の剣・盾・弓・槍が刻まれた部屋で宝箱から見つけたペックルの勇者
他とは違う優秀な能力やアクセサリー制作での付与等レア技能を持ち、攻撃力こそないが装備する盾の力でタンクとしても活躍・主人が盾や素材を与えることでより強くなる最強のペックル。
…但し、その代償かストレスがたまりやすく、ストレス50%以上だと奴隷扱いするなとぐれてしまう。
また3巻では紡がダンジョンで見つけた「赤髪の女の人形」を押しつけられ過ぎた事で、大罪属性を持つカルマー「ラースペングー」に変貌。
黒い巨鳥「ダークフィロリアル」を呼び出し猛威を振るうも、闇影の援軍もあり斃れた後アライグマ風の「ラフぬいぐるみ」が登場。
以降そのぬいぐるみを支えとしたことでストレスが軽減され能力も向上。たまに料理も作ってくれるようになった。

ウサウニー
ウサギとブラウニーが合体して出来た」ウサギ型マスコット。既に他の開拓動物が人手に渡っていたためか、顔文字さんがプラド砂漠で選択無しで入手した。
ウサギだけに野菜を餌にする…のだが、顔文字さんら関係者が農業初心者で、かつ農業システムが異常にリアル寄りで難しかったため餌が増えず活動が停滞。
おまけに呼ばれた連中が戦闘好きだったせいで人のストレス発散からカルマー化しては倒されの連発で無理やり最低限の資源だけ確保される、凄まじくブラックな時代を絆が来るまで過ごしていた。
余談だがその振る舞いやルックスから、絆は昔のゲームを思い出していた。
ちなみに彼らもサンタ帽個体をトップとしており、7巻で開拓完了した際「バーダ」と命名された。

  • ブレイブウサウニー
顔文字さんがプラド砂漠ダンジョン内の土地からゲットした鍵を使って見つけたウサウニーの勇者
槍を持ち服飾技能を得意とするが、なぜか異様に思考ルーチンが面倒で勝手な行動が多く、
「ストレスゲージ50%以下では女性の命令しか聞かず、それを超えると今度は女性を罵り男性の命しか聞かない」
「赤髪人形によるカルマー変異『ラストラビット』戦後『フィロぬいぐるみ』で安定するも、今度はストレスに関わらず女性の命令を全拒否するように」
ポリコレ的にまずそうな感じでこじらせた兎だったが、ブレイブペックルとの遭遇で盛大に頭突きしながら喜び、彼に諭された事で無事性別による命令拒否が全解除された。


◆その他キャラ


  • ロゼット
絆が1巻で出会った紡のパーティーのリーダー。
実力があり人柄も真面目な好青年で、絆も会っていい奴だと思ったのだが、後に紡の証言でデスゲーム隔離ローププレイ派だと判明。そのノリに合わず紡が絆の元に行くきっかけになったという。


  • 絆ちゃんとアクヴォル様ファンクラブ
5巻で登場した釣りギルドで、可愛い最強の釣り人絆の追っかけを主に、絆が4巻で釣りで妨害した「水の四天王アクヴォル」の名も掲げている。
「絆ちゃんはネカマだから結婚とか恋愛することがない」というのも絆ファンの理由の一つで、それを「性転換するクロダイは絆似だ(意訳)」なんて話を切っ掛けに知った本人からドン引きされた。

  • 硝子の元仲間達
硝子が最初にパーティー組むも、弱体化したら追い出した男3人衆。
2巻では絆の船に密航し追い出されシージャック犯として悪名が広がり、3巻ではカルミラ島で見つけた闇影を罵るも、
それをとがめるため絆が他の人々も巻き込んで島主としての特権を見せつけた事で周囲が迷惑な連中として追い出す等、かなりに嫌な性格をしている。
また6巻では顔文字さんが最初に呼んだ連中の中にもいた可能性が示された。懲りろやお前ら。


●設定・用語


ディメンションウェーブ
本作の舞台となるファンタジーVRMMOゲームにして、作中で定期的に起こる大型レイドバトルイベントの名前。
セカンドライフプロジェクト」と題する大型シリーズの一つで、1日で数年分の時間仮想空間での生活を楽しむ高度な作品。
規模故に参加費用は高く、ログインは固定会場内のボッドで実行。キャラデータも事前制作が義務付けられている。ちなみに参加者にはネタバレ禁止令が発令されていたり。
種族は人間(ヒューマン)・亜人(デミヒューマン)・草人(エルフ)・晶人(ジュエル)・魂人(スピリット)の五つで、声もいじれるのでネカマ・ネナベプレイも可能。
システムはレベル・スキルの複合制で、レベルアップで基礎能力を上げつつ、様々な経験で技能を取得・向上させていく。但し魂人のみ特殊である(後述)。
また複数人数が集まる事で「連携技」が発動可能で、作中では生産時の集団作業による質の向上、釣り技能・罠技能持ち複数による地引網、戦闘時のコンビネーションアタックが判明している。
ちなみに子供もプレイするため酒やエロと言った成人向け要素は排除され、入浴時も自動的にタオルが装備されるようになっている。

ガチ戦闘型でも絆のようにのんびり生活型でも楽しめ、金さえあれば街で家を借りて過ごす事も出来る幅の広いゲームだが、話が進むにつれ戦闘イベントでも生産職や戦闘以外の技能を必要とする面が目立つようになり、
3巻での第三波時には海上で開催されたため、船の上で半日過ごさないと取得出来ず、それを獲らないと船でろくに身動きできない「船上戦闘」技能取得者が少なかった事から阿鼻叫喚に…。
また情報共有手段が個人レベルでのフレンド間チャットや一部都市にのみある固定掲示板等限定されているため、
戦闘型の「前線組」の一部が異常に戦闘しか考慮しない偏った生活を送ったり、稀にだがやりたかったゲームとは違うとすっかりやる気をなくしてしまい引きこもる者もいるそうな。

レイドイベントとしてのウェーブは「世界にかつて訪れた『次元の波』の猛威が再び襲い来る」というもので、
発生ごとにランダムで決まる場所での数日後の実施がアナウンスされ専用フィールドが展開。
ウェーブで襲い来るモンスター達とボスを倒す事で新たなる要素が追加され、ウェーブでの実績とウェーブまでの生活・戦闘ランキングによって上位者に賞品が渡される

『盾の勇者』にも同名のゲームが一部の主要人物達にプレイされている。

魂人(スピリット)
絆・硝子・闇影の種族で、かなりくせのあるシステムの持ち主
他の種族と違い、HP・MP・技能維持料・ステータスの全てを兼ねる「エネルギー」と技能取得リソースの「マナ」二つしかバラメータを持たず、
エネルギーとマナが続く限り取得可能な技能を任意に取得・未取得に出来るが、死亡しリスポーンされるとエネルギー全損で大幅に弱体化
一応成長によってエネルギー・マナそれぞれの自家生産技能もとれるのだが、主なリソース取得方は敵を倒すことアイテムを「元素変換」技能でエネルギー化する事だけで通常の回復魔法は無効
このようにかなりピーキーかつ復帰に手間が掛かる上、前回のセカンドライフ時の情報が一部漏洩したせいで弱いと感じて成りたがる人が大幅に少なくなる事態に…。使い込めばドレイン等もあるしHPタンクも出来るのだが。
なおアップデートによって素のエネルギーを守る「シールドエネルギー」と技能ブーストを持つ「媒介石」「媒介結晶」・強敵を倒す事でゲット出来、媒介石にセットして強化する「魂」が解禁。
スピリット専用装備として消費エネルギーで火力が決まるウェーブ賞品「エネルギーブレイド」(追加アタッチメントで性能向上や任意カテゴリへの変形機能追加)が存在。その他7巻では呪詛や怨嗟の力を使う事に長けている事がミリーの調査で判明した、

開拓地
2巻で絆パーティーがルロロナ沖の「還らずの海域」に迷い込み、そこにあった幽霊船での「リミテッドディメンションウェーブ」をクリアした事で解放された隠し?要素。
リミテッドディメンションウェーブのクリア者一人チャットの電波が届かない未開の地に飛ばされ、「開拓七つ道具」と呼ばれる便利ツールで探索・開拓を行い、
途中で見つけた「開拓動物」達、そして開拓イベントの進行・時間経過等により一人ずつ外界から召喚する事が出来る仲間達と共に大地に城を立てるまで発展させ、新たな都市を築くというもの。
限られた人数かつ手探りでの活動、主要労働力となる開拓動物達の維持管理等手間が掛かるクエストだが、達成すればクリア者は土地の領主として、街での一部施設の使用税徴収や開拓動物の使役等多大なる利益を得る事になる。
最も領主になっても今度は街の交易用クエストの解決(または他プレイヤーへの委託)等が定期的に必要なため、余裕は出来てもまったく暇にはならないようだが。
また7巻では開拓地域・都市に魔王軍が攻め入る防衛イベント(タワーディフェンス型)が発生。領主ら現地の面々は防衛戦闘や設備構築に追われる事に…。

開拓を進める過程での副産物の中には、開拓動物が発見した様々な資源が眠るダンジョンが存在。人間用ダンジョンは100層を誇る長大なもの。
但しショートカットとなる「エレベーター」は内部で見つけた基盤を元に、マシンナリー技能を鍛えたプレイヤーが自力修復する必要がある。
ダンジョン内では外と時間の流れが異なり、1回潜る度に1日消費され、中で5日過ごすごとに外で一日が流れるようになっている。
なお最初絆はダンジョン内ならどんなにのんびりしても1日だけと勘違いして15日間地底湖で釣りライフを送り、結果実際には3日経過していたため白い眼で見られた。

7巻時点では海上の離島「カルミラ島」・遺跡クエストから見つかった「プラド砂漠」、絆達の知らない所で開放された第四都市「ノースフェラト」(開拓動物は「リスーカ」)が確認されており、各種描写から後1つ同様の土地がある事が示されている。
ちなみに未開の地に乗り出す冒険心のあるプレイヤーがいなかった場合どうなっていたのかは謎。一応6巻や作者の活動報告を見るに残る開拓地も発見者がいるようだが。

ディメンションウェーブ世界の街

  • 第一都市ルロロナ
プレイヤーが最初に降り立った港町。カルミラ解放後は連絡船も出るようになった。
『盾の勇者』にも同名の土地が登場する。

  • 第二都市ラ・イルフィ
都市解放クエストで使用可能になった山沿いの街。

  • 第三都市カルミラ
絆達が苦労して開拓した離島の街。開発の結果立派なリゾート地兼海上の中継地点となった。
『盾の勇者』にも同名の島が登場する。

  • ミカカゲ国
4巻から登場した、カルミラ島からの船で行ける和風国家。
閉鎖的環境のようで来訪者はクエストクリアを積み重ねることで滞在ピサを取得・ランクアップさせ、少しずつ国の奥へと入っていくことになる。
但しカルミラ島主の絆および仲間達は、領主特権でピサ内にある「滞在期間の制限」が無効となり、かつクリア済みのエリアでは馬車を使えるようになった。
また4巻ではこれからゲーム内でのメインストーリー敵になりそうな「魔王軍」が襲来。地水火風からなる四天王との分割レイドイベントとなった。

  • 第六都市プラド
7巻ラストでようやく開拓完了した街。最初は砂漠のオアシスだったが、開放時の最終イベントと絆・ミリーがものの弾みで踏み込み攻略した隠しクエストの攻略により、砂漠地帯を一部遺した草原へと変化した。

釣り
絆が本ゲームでやり込むと決めた要素。
リアル通り竿と餌・ルアー・フライを使い様々な魚を釣っていくが、独自要素として各漁場ごとの「ヌシ」が存在。
ヌシを釣り捌くことで良質な素材を得ることが出来、稀に隠しヌシや徘徊ヌシも存在。4巻では金魚すくい・6巻では水田・7巻では装備と行動を吟味すれば砂漠やマグマでもヌシが釣れると判明している。
またアップデートによって釣った魚に別なのが食いつく「フィッシングコンボ」も発見され、運が良いと鳥モンスターも釣れる
絆は次々ヌシを釣っていくことで様々な「エピック」釣り具や入れ食い発生の「フィーバールアー」スキルをゲットすることになる。

農業
生産系技能の一つで、カルミラ島でもペックルがサブで行っていたスローライフ系の定番。ゲームなので数日で種まき→収穫出来る便利仕様で、プラド砂漠ダンジョン内でも畑用土地が存在する。
…が、プラド砂漠で失敗して病気まみれになって焼いて浄化した方がいいほど荒れた畑を絆が顔文字さんの証言も合わせ検証した結果、連作障害作物間の距離技能による酸性度測定まで考えないと厳しいマゾゲーと判明。
主導する顔文字さんは最初完全無農薬クリーン農園を目指していたが、別ゲームで農薬の必要性を理解し土地の惨状も見た絆の判断によって、危険性低めの農薬使用を解禁することに。
またダンジョンでは攻撃的な植物も発見されており、防衛戦発生時効果的にダメージを与えられる設備と判明。世代と経験値を重ねての改良が行われている。
そして、奏はノリで農薬ジャブジャブ遺伝子組み換え野菜製造を提案。絆と顔文字さんがそれを間に受けて実際に製造した結果、食うと栄養剤の味を刹那感じて昏倒するが防衛戦では役に立つ猛毒トマトが誕生した。

騎乗ペット
4巻の魔王軍討伐イベント参加者等に提供されたもので、登場用の生き物たち。
種類は馬・猫・河童・もぐらと多岐に渡るが、開拓地領主のみ巨大な直立歩行兎「ライブラリ・ラビット」が支給されている。

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最終更新:2024年11月24日 00:02

*1 そういう名前に改名させられた。

*2 正確には三児。