登録日:2015/12/30 Wed 23:44:57
更新日:2025/04/01 Tue 01:02:13
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Manners…(礼節が、)
maketh…(人を、)
man.(作る。)
表の顔は、高級テーラー。
しかしその実態は、世界最強のスパイ機関「キングスマン」。
全世界メガヒット!スパイ映画の常識をブッ飛ばす、キレッキレの超過激アクション!
『キングスマン(Kingsman: the Secret service)』とは、2015年に公開された米映画。
『シビル・ウォー』『スーパーマン レッド・サン』『キック・アス』といったアメリカンコミック作品を執筆したマーク・ミラーのコミック『ザ・シークレット・サービス』の映画化作品である。
【概要】
ゴロツキの不良少年が一流スパイへと成長し、人類間引きの計画を企てる悪の組織と対決するアクション活劇映画。
監督は『
キック・アス』『
X-MEN:ファースト・ジェネレーション』のマシュー・ヴォーン。
アメコミものではあるが、スーパーヒーローは登場しない(ただし、原作の世界観は『キック・アス』と共有している)。
原作は
『007』シリーズなどの古き良き
イギリスのスパイ映画の
オマージュとして製作されており、日用品に似せた便利アイテムや世界を股にかける悪の組織といった、いい意味で古風なロマンを感じる作品。
なお、映画版は原作から大幅なアレンジが加えられており、「表向きは紳士服店」「MI6ではなく架空の秘密組織」といったオリジナルの要素が加わり、
「お高く留まった貴族主義」「差別主義」「選民思想」といった社会問題に問題提起……というより思い切り喧嘩を売るような過激な作風と合わさって弩級の激辛エンタテインメントと化している。
その過激さは後半のある二つのシーンに集約されており、ここで爆笑するか、ドン引きするかでこの作品に対する姿勢が決まると言っていい。
ちなみに公開された2015年には通算4本もののスパイ映画(『
ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション』『コードネーム U.N.C.L.E.』『
007/スペクター』等)が
日本で公開されており、スパイ映画豊作の年である。
その中でも、近年のような政府の陰謀が主体となるリアル路線が流行りの中で、今作のような超展開の連続かつ荒唐無稽な展開が目白押しなスパイ映画は実にユニーク。
終盤はSF要素が強く、伊藤計劃の『
虐殺器官』を彷彿とさせる展開になる。
なお、本作の製作はいわゆるハリウッドメジャーの中でも日本で劇場公開される作品が少ない傾向にある20世紀フォックスであったため、日本では劇場未公開となっていた可能性も高かった。
だが、KADOKAWAが日本での配給権を獲得した事で、全世界から半年遅れでの劇場公開が実現した。
本作のヒットを機に、2017年に続編の製作が決定し、翌2018年に『
キングスマン:ゴールデン・サークル』が、2021年には前日譚である『キングスマン:ファースト・エージェント』が公開。2024年にはクロスオーバー映画『ARGYLLE/アーガイル』が公開された。
【物語】
幼い時に軍人の父を亡くし、貧乏でどん底な生活を送り、最低な母の恋人の暴力に苦しめられる青年・エグジー。
そんな中、車の窃盗で警察に捕まった彼は、父の死を報告しにきた男に「困った時に電話しろ」という言葉とともに渡されたペンダントに書かれた電話番号に電話をかける。
すると彼はあっという間に釈放され、ハリーと名乗る男……父の死を報告しに来た張本人に引き取られる。
実は、エグジーの父は軍人ではなく、国際スパイ機関「キングスマン」の一員であり、ハリーは彼の恩師であったという。
「人間の一生は生まれや家柄によるものではない。努力によって培われる」というハリーの言葉に励まされたエグジーは、家を飛び出し、紳士服店の入り口を通ってキングスマンの基地へと招待される。
そこで彼は、メンバーが一人殉職して穴が開いたキングスマンの新人エージェントの選抜試験を受けることになる。
そんな中、ハリーはキングスマンを襲う新たな脅威の正体について調査していた。
その裏にいたのは、ITビジネスの王者・ヴァレンタイン。彼は危険な思想に取り憑かれ、「人類間引き」というとんでもない計画を実行に移そうとしていたのだ!
迫りくるヴァレンタインの魔の手に、追い詰められるハリー。
果たして、エグジーは一人前の紳士=キングスマンになれるのか? そして、ヴァレンタインの野望を止めることが出来るのか?
【登場人物】
演:タロン・エガートン/吹き替え:
木村昴
ロンドンの貧民育ちの青年。
父が死んで以来、自堕落になった母に育てられ、いつしか自分も「下級階層」の呪縛に捕らえられ努力を忘れてしまい、窃盗などケチな犯罪に明け暮れていた。
しかし根は熱い情熱家で、動物や仲間に情をかけるなど、優しい性格。要するにゲロ以下じゃなかった
ディオ。
ハリーを通じてキングスマンの新人として推薦され、訓練では貧民生活で培ったノウハウと生まれ持った才覚を生かしてクリアしていく。
しかし「犬を撃つ」最終試験に失格となってしまうが、予期せぬ事態で再びキングスマンに舞い戻る。
演:コリン・ファース/吹き替え:森田順平
キングスマンのエージェント。
礼儀正しい英国紳士だが、下衆な人間に時折感情的になりやすいのが玉に瑕。
かつてエグジーの父・リーの後見人として彼をエージェントとして育てていたが、任務中彼が殉職したことに責任を感じており、
エグジーの成長に期待を寄せ、彼に深い愛情を持って接する。
ランスロットの死に不信を抱き、単独でヴァレンタインの事件を追うが、その現場で信じられない「罪」を犯す。
演:マーク・ストロング/吹き替え:加藤亮夫
新人訓練の教官兼エージェント。
冷静沈着で時折怖い冗談も言う茶目っ気もある。
任務では主に電子戦・情報分析を担当。
ちなみに先代ランスロットの後見人でもあった。
演:マイケル・ケイン/吹き替え:佐々木敏
キングスマンのリーダー。
誇り高き老エージェントであるが、エリート特有の選民思想の塊であり、下流市民を見下している。
そのためハリーとは反りが合わず、彼の推薦したエグジーにも選抜に反対している。
なお、彼の喋り方から「実は労働階級出身ではないか」という説が存在する。
演:ジャック・ダヴェンポート/吹き替え:桐本琢也
キングスマンのエージェント。
エグジーの父の同期であり、図らずも任務中の彼の死によって、代わりにエージェントとなった。
アーノルド教授の救出任務に向かうが、ガゼルに縦に真っ二つにされ殺される。
演:ソフィー・クックソン/吹き替え:下山田綾華
新人候補の一人で、成績トップの優等生。
周囲に見下されるエグジーに対して唯一優しく接する心の広い才女。
高所恐怖症なのが弱点。
最終試験までクリアし、次期「ランスロット」の称号を得る。
演:エドワード・ホルクロフト/吹き替え:櫻井トオル
新人候補の一人。
貴族の家系出身で、典型的な貴族主義者&エリート主義者であり、貧民出身のエグジーを見下し、取り巻きとともにチンケな嫌がらせをする。
キングスマンに対する忠誠心もなく、最終的にヴァレンタインに取り入るなど、紳士とは程遠いクソ野郎。
演:サミュエル・L・ジャクソン/吹き替え:
玄田哲章
ITビジネスの成功で世界的大富豪に成長した天才エンジニア。
一見享楽的で能天気な遊び人だが、地球温暖化防止といった「地球救済」事業の投資に熱を上げている。
しかし次第に「人間こそが地球に害を及ぼす病原菌」という危険な思想に取り憑かれ、持てる財力と技術を駆使し、無料SIMカード配布を利用した「人間を凶暴化させ、殺し合わせる」という最悪の計画を企てる。
そのくせ、血や暴力的なものを嫌う傲慢さも持つ。
その名前の大きさを活かして世界中の首脳陣を仲間に引き入れるが、自身の野望を阻むキングスマンを敵視するようになる。
昔の007映画が好き。
演:ソフィア・ブテラ/吹き替え:
沢城みゆき
ヴァレンタインの右腕の男前女子。
ヴァレンタインとは私生活も共にするパートナーであり、彼のギャグにも一々ツッコんであげている。
両脚は人体を豆腐のように切断するほど切れ味鋭い剣を仕込んだ義足で、戦闘ではダンサーめいた華麗な動きから放たれる抜群の足技で敵を斬り刻む。
ちなみに原作では男。
演:マーク・ハミル/吹き替え:あべそういち
ロンドン大学の気候変動学の教授。
ヴァレンタインに拉致され、彼の思想に賛同するが、ハリーの尋問を受け、口封じのために味方に殺害される。
昔は
最後のジェダイだった。
演:サマンサ・ウォマック
エグジーの母。
夫の死以来廃れ、最底辺のゴロツキと交際を始め、相手の暴力に耐え続ける。
演:ゲオフ・ベル
ミシェルの恋人。
地元の不良集団のボスで、エグジー一家を暴力で支配している下流市民の中の最底辺の男。
演:ハンナ・アルストロム/吹き替え:佐古真弓
スウェーデン王女。
ヴァレンタインの計画に反対し、彼に拉致監禁される。
後ろの穴でもOKなビッチ。
エグジーが訓練で育てた愛犬。
ブルドッグと思ったらパグだった。
「ジェームズ・ボンド」ではなく「ジェイソン・ボーン」でもなく、「
ジャック・バウアー」である。
【紳士に相応しいキングスマンの装備】
特殊繊維で出来た完全防弾仕様。
なぜか旧ソ連のトカレフがベース。
トリガー・ガード前方からはショットガンの散弾を発射できる。
アサルトライフルの集中砲火でも無傷で耐え切る防弾仕様で、非殺傷のSTUN(鎮圧)と殺傷のSHOTGUN(散弾銃)の機構も組み込まれている。内側にはスクリーンがあり、傘を開いて防御していても、視界を遮らずに攻撃と周囲の確認が可能。
5万ボルトものの電撃を流し、相手を感電させる。
手榴弾。投げるとたちまち炎が上がる。
遠隔作動式の
猛毒を内蔵しており、相手に飲ませた後、スイッチを入れると効果を発揮。
爪先に即効性の猛毒を塗った刃を内蔵している。
私達が大好きな映画なら、ここで私は計画を話し、思いもよらない方法でコメ欄を荒らして、君はありえない方法で追記・修正して切り抜けようとする。
でも残念ながら―――
これは映画じゃない。
- マッドマックスが下品な見た目の上品な映画なら、キングスマンは上品な見た目の下品な映画 という表現に妙に納得してしまった。俺はどっちも大好きだけどな。 -- 名無しさん (2015-12-31 07:45:06)
- タイトル見て「キングすまん」って謝ってるのかと思った -- 名無しさん (2015-12-31 08:44:45)
- 終盤のシーン見てなんとなくマーズアタック思い出した。 -- 名無しさん (2015-12-31 14:21:43)
- manners maketh manじゃなかったっけ? -- 名無しさん (2015-12-31 20:37:25)
- 威風堂々の流れるアレで笑ってしまった。本当、良い意味でヒドイ -- 名無しさん (2016-01-01 09:35:25)
- ↑不謹慎だけどそのシーンでざまぁとか思ってしまった… -- 名無しさん (2016-01-01 12:29:56)
- カオスであればある程面白い映画 -- 名無しさん (2016-10-31 18:01:27)
- 汚いスパイキッズ -- 名無しさん (2016-11-08 11:40:39)
- 汚え花火大会だったな -- 名無しさん (2017-01-12 22:40:47)
- 前から気になってるけどグロいんかな…? 調べてたどり着いた威風堂々のアレは笑ってしまったけど -- 名無しさん (2018-12-24 21:16:25)
- スーパーマンのレッド・サンでキック・アス。キングスマン -- 名無しさん (2018-12-24 22:09:58)
- ↑2 腕が飛んだり先代ランスロットが正中線でぶった切られたりはするが中は見えない感じ -- 名無しさん (2019-01-02 02:11:20)
- 最後のバーのシーンでの取り巻きの反応に笑う。結構色んなセリフや行動が伏線になってるのは凄いと思った(小並感) -- 名無しさん (2019-01-02 02:30:22)
- 靴の刃は踵じゃなく爪先だよな?踵を打ち付ける事で出る仕掛けではあるが -- 名無しさん (2019-01-05 01:59:42)
- 森田順平氏によるコリン・ファースの吹き替えがドがつくぐらいのハマり役 -- 名無しさん (2021-11-23 23:17:59)
- 一部声優の名前が抜けてるね -- 名無しさん (2022-02-23 16:27:52)
- TSUTAYAで借りて家族と見た。結果王女とアレするシーンで場が凍った。必死の弁明で事なきを得た。グロのみかと思ったら… -- 名無しさん (2022-02-23 17:58:29)
最終更新:2025年04月01日 01:02