登録日:2023/05/28(日)16:49:48
更新日:2023/07/08 Sat 11:02:02
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THE SECOND 〜漫才トーナメント〜とは、吉本興業・フジテレビ主催のお笑いコンテストである。
●目次
【概要】
フジテレビが創設した、
結成16年以上の漫才師のみを対象にした全く新しいお笑い賞レース。
本大会の最大の目玉ともいえるこの「結成から16年以上」という応募資格は言わずもがな「結成から15年以内」の漫才師のみが出場できる『
M-1グランプリ』の対になっており、確かな実力・才能を持ちつつも既にM-1の出場資格を失効し、ブレイクの兆しを失ってしまった中堅・ベテラン芸人に“
セカンドチャンス”を掴んでほしいという願いを込めて設立された。
またもう一つの特殊な参加条件の一つに全国ネットの漫才賞レース(M-1グランプリ、THE MANZAI)での優勝経験があるコンビは参加できないというものがある。しかしファイナリストやKOCチャンピオンは出場可能。
また、当然ながらアマチュアや即席ユニットのエントリーも不可能となっている。
優勝賞金はM-1、KOCと同等の1000万円。さらにそれに加えて優勝トロフィーと副賞がつく。
そもそもの大会コンセプトや、力の入ったクオリティの高い煽りV等演出など、元となったM-1グランプリと似通った部分こそ多いものの審査方法や細かなルール、大会の形式等その多くの部分がM-1のそれと大きく異なる。
まず最も大きな違いとしてあげられるのがネタ時間が4分ではなく6分であること、そして極めつけは審査員がネタを見に来た一般の観客であることが挙げられる。
スタジオのセットにも相当のお金をかけたらしく、その荘厳さや力の入れようはM-1のそれと遜色はない。
但し「それまでの大会と逆にする」というコンセプトから、M-1やKOCで使用している赤と金色の反対で青と銀色をメインカラーとしている。
特に銀色については「いぶし銀」の意味もあることからテロップの文字や優勝の紙吹雪、トロフィーの色にも使用する徹底ぶり。
大御所のゲスト審査員がいないことや、ファイナリスト達が皆場慣れしたベテランということもあり、他のお笑い賞レースと比べても良い意味で緊張感が無いのもこの番組ならではの特色といえる。事実本番ではファイナリスト達がのびのびとネタやトークを行う姿も見られ、特に自身の得点の低さをファイナリスト自ら即座にネタにするなど他のお笑い賞レースではあり得ないような一幕も見られた。
登壇時の出囃子には10-FEETの「2%」、最終決戦ではOKAMOTO'Sの「BROTHER」が使用されており、他にも番組のコンセプトに非常に似合った曲選や、映画『
007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』をモチーフとしたハイセンスなファイナリストの紹介映像などは視聴者からも高い評価を得た。
【ルール】
前述した通り本大会では他のお笑い賞レースのように審査を担当した審査員が炎上したり叩かれたりするのを防ぐため、著名な芸人等は審査員を担当せず、予選から本戦まで全て観客が審査員を兼任するという他では見られない審査方法を採用。
100人の観客が審査員となって、それぞれ3点満点で審査を行い、合計点(300点満点)が高い方が勝ち上がるという仕組みとなっている。なお、同点だった場合は3点を入れた人数で勝敗を決する。
しかしこのシステムに関しては他のお笑い賞レースで一切導入されてない独自の試みであるが故に、かつてのM-1グランプリが視聴者による一般審査で大失敗したこともあって発表当時は一部からは心配の声も多く賛否が分かれた。
勿論番組側も同じ過ちを繰り返さぬ為に、例えば審査に責任感を持ってもらうために否が応でも抜き打ちで観客に採点理由を聞く、審査員の嗜好が被らないよう観客は事前にアンケートを実施した上で選出するなどといった入念な対策を行い、男女・年齢・居住地に偏りが無いようにしたという。
アンケート以外では、選考会に来た観客から審査員の2割を選出している。これは選考会からわざわざお金を払ってやってきたお客さんの熱量は絶対に高いと判断したことによる。
そしてもう一つの特徴がネタ時間が6分であるということ。トーナメント戦ではネタ時間が6分30秒を超えると10点減点、更にそこから15秒超過ごとに10点減点される。これはM-1が4分、KOCでも5分であることを考えるとかなり長い持ち時間であり、これに関してアンバサダーを務めるダウンタウン松本は「ネタ時間が6分あるのがいいよね」「2分以上の素晴らしいものが生まれるのではないか」とこの新たな試みに強い関心を寄せていた。
上記のような過去の前例がない画期的な取り組みに関しては当初こそ不安の声も多々あったものの、番組側の入念な対策もあって実際に蓋を開けてみれば特に荒れる事も無く寧ろファイナリストの選出、決勝での採点、ネタ時間の長さ共に視聴者からも好評であった。
当の総合演出も後日インタビューで「炎上していないことが理想だった」と語っているほど。
【大会の流れ】
選考会
2月に東京・大阪の2会場で選考会が実施され放送作家、ディレクター、AD2名がVTR審査を担当。エントリーを表明した総勢133組の中から続くノックアウトステージに進出する32組を決定する。
ノックアウトステージ
選考会を勝ち抜いた32組が4組ずつ8ブロックに分けられ、各ブロックのトーナメントを制した計8組が、続くグランプリファイナルに進出する。ここから審査方法も観客が審査員を行うシステムに移行。
32組から16組に絞られる「開幕戦ノックアウトステージ32→16」は3月下旬に、8組に絞られる「ノックアウトステージ16→8」は4月下旬に実施され、それぞれフジテレビオンデマンドで生配信された。
開幕戦ノックアウトステージ32→16
選考会を勝ち抜いた32組を更に16組まで絞るトーナメント戦。選考会の上位8組は「ポットA」として、トーナメントの後攻に自動的に配置されるシステムが採用された。
ノックアウトステージ16→8
ノックアウトステージ32→16を勝ち抜いた16組からグランプリファイナル(本戦)へ進出する8組を決める最後の予選。
ここを勝ち上がればグランプリファイナルへの切符をつかみ取ることができる。
しかしながらトーナメント形式の宿命からか、先攻が勝利したのはFブロック(マシンガンズ)のみで、他のブロックはいずれも後攻が勝利する事態となりこれに関しては一部の出場者から疑問の声も上がる結果に。
グランプリファイナル
2023年5月20日19:00 - 23:10に、フジテレビ開局65周年×吉本興業110周年特別番組『THE SECOND~漫才トーナメント~』として、フジテレビ系列で生放送された。ノックアウトステージを勝ち抜けてきた8組によるトーナメントを制した漫才師が優勝となる。
ノックアウトステージと同様、観客100人による3点満点の採点の合計点を競う。ただし、ノックアウトステージでは演者の漫才の終了毎に採点を行っていたのに対し、グランプリファイナルでは先攻後攻の両演者の漫才が終了してから、先攻後攻それぞれの採点を行い、各審査員の得点が席ごとに表示される。
グランプリファイナルのトーナメントの組み合わせ、および一回戦の先攻後攻は、ノックアウトステージのブロックとは無関係に5月9日の抽選会で改めて決定された。準決勝以降の先攻後攻は、1つ前の対戦の得点の高かった組が選択できる。
【出演者】
番組を盛り上げる出演者達。本大会にはゲスト審査員等の席は設けられていない。
司会進行担当。皆さんご存知人の心を持たないサイコパスモンスター。なおWコウジの片割れでもある今田耕司はM-1グランプリの司会を務めている。
大会アンバサダーの松本とは長らく同局の「ワイドナショー」で共演していたこともありその掛け合いは見事なもの。隣の松本やネタを終えたファイナリストのみならず審査を行う観客や、鼻うがいのCMに出演している今田耕司をもネタにし、イジり倒すその手腕はまさに彼だからこそできる芸当といえるだろう。
本大会のアンバサダー兼マスコットキャラクター。
ダウンタウンのボケ担当にしてM-1や
KOCでは審査員を務めている言わずと知れた笑いのカリスマだが、本大会ではあくまでも審査員ではなくその立ち位置はどちらかというと司会に近い。
審査員を担当しているM-1やKOCの時とは違って、本大会ではその重荷がないためかと普段と比べてものびのびと気軽にボケる彼の姿を拝むことができる。
【大会結果】
順位 |
コンビ名 |
所属 |
1回戦ネタ順(得点) |
準決勝ネタ順(得点) |
決勝ネタ順(得点) |
優勝 |
ギャロップ |
吉本興業 大阪 |
第3試合先攻(277) |
第2試合後攻(284) |
後攻(276) |
準優勝 |
マシンガンズ |
太田プロダクション |
第1試合後攻(271) |
第2試合先攻(284) |
先攻(246) |
準決勝敗退 |
囲碁将棋 |
吉本興業 東京 |
第4試合後攻(276) |
第2試合先攻(284) |
- |
準決勝敗退 |
三四郎 |
マセキ芸能社 |
第2試合後攻(278) |
第1試合後攻(256) |
- |
一回戦敗退 |
テンダラー |
吉本興業 大阪 |
第3試合後攻(272) |
- |
- |
一回戦敗退 |
金属バット |
吉本興業 大阪 |
第1試合先攻(269) |
- |
- |
一回戦敗退 |
スピードワゴン |
ホリプロコム |
第2試合先攻(257) |
- |
- |
一回戦敗退 |
超新塾 |
ワタナベエンターテイメント |
第4試合先攻(255) |
- |
- |
総エントリー数は133組。
選考会、ノックアウトステージの戦績は以下の通り
+
|
ノックアウトステージ32→16出場コンビ |
太字は16→8へ進んだコンビ
囲碁将棋、インポッシブル、COWCOW、かもめんたる、ガクテンソク、金属バット、ギャロップ、三四郎、シャンプーハット、ジャルジャル、スーパーマラドーナ、スピードワゴン、スリムクラブ、タイムマシーン3号、タモンズ、超新塾、ツーナッカン、テンダラー、東京ダイナマイト(棄権)、Dr.ハインリッヒ、流れ星☆、なすなかにし、2丁拳銃、Hi-Hi、フルーツポンチ、プラス・マイナス、マシンガンズ、三日月マンハッタン、モダンタイムス、モンスターエンジン、ラフ次元、ランジャタイ
|
+
|
ノックアウトステージ16→8出場コンビ |
太字はグランプリファイナル進出を決めたコンビ
2丁拳銃、スピードワゴン、流れ星☆、三四郎、COWCOW、超新塾、ラフ次元、ギャロップ、三日月マンハッタン、テンダラー、マシンガンズ、ランジャタイ、かもめんたる、囲碁将棋、タイムマシーン3号、金属バット
|
記念すべき第一回目となる大会で、フジテレビ開局65周年×吉本興業110周年特別番組として生放送された。放送時間は脅威の4時間越えとなる。
その今までに前例のない大会コンセプトもあって開催前から大きな反響こそ呼んだものの、初回であることと同局が賞レース版「THE MANZAI」を開催した際にイマイチ盛り上がらなかったもあってか、エントリー数は133組と控えめに。
滑り出しこそイマイチだったが実際に予選が始まると、選考会の段階でかねてより優勝候補と目されたトータルテンボスや三拍子などのビッグネームが敗退したり、ノックアウトステージではジャルジャルやプラス・マイナスといった多くの優勝候補がまさかのダークホースの前に散る等、まだ初回の大会であるにもかかわらず高い注目を集めた。
グランプリファイナルでもこれまで同様トーナメント戦を採用。先攻、後攻のコンビがネタを披露した後に採点を行う。そして一回戦、準決勝そして決勝の三連戦を勝ち抜いたコンビが優勝となる。
ネタに関する細かなルールは時間制限以外に特になく、基本的にM-1グランプリでは御法度とされる小道具の持ち込みや下ネタも観客にウケるのであれば問題はない。
そして本番でもファイナリスト達のレベルの高さ、一般審査員の公平さ等が非常に高く評価され、初回放送ながら大成功に終わるという快挙を成し遂げた。
順位は得点順から算出
8位 超新塾
第4試合先攻。結成21年。ワタナベエンターテイメント所属。ファーストチャンスは2007年。
唯一のツッコミ担当イーグル溝神、素顔が笑い飯西田にそっくりなタイガー福田、滑舌が悪い嘆き担当サンキュー安富、ぽっちゃりリーゼントのブー藤原、追加メンバーながら今や超新塾一の稼ぎ頭アイクぬわらの5人からなるお笑いロックンロール集団。
今大会唯一の5人組で、この人数は他のお笑い賞レースを含めても2006年にM-1ファイナリストとなったザ・プラン9以来2組目。
ロックンロール漫才と銘打たれたイーグル以外の4人のボケが交互交互順番にハイスピードでボケていき、それをイーグルがテンポよくツッコミを入れていくコント・漫才の中間のような芸風が持ち味。「超新塾は知らないけどネタは知ってる」なんて人も多いのではないだろうか。
ファーストチャンスとなる2007年に
爆笑レッドカーペットで名を馳せ、それ以前も
爆笑オンエアバトルでは21戦20勝の好成績、
エンタの神様でもコンスタントに出演機会をつかんでいたものの芸風故かM-1には縁がなく結果ブレイクには至らず。それ以降はYoutubeや劇場での活動がメインとなってはいるが、今もなお劇場人気は抜群なスベり知らず。
THE SECONDではジャルジャル・COWCOW相手にジャイキリを成し遂げグランプリファイナルへの切符を掴んだ。
本戦でも最早職人技ともいえる抜群のチームワークで会場を大いに沸かしたが、またまた芸風故か正統派漫才師である囲碁将棋相手に敗北。一回戦で敗れたものの囲碁将棋に「正」という漢字でエールを送った。
余談になるが、本大会唯一の5人組として歴代最多ファイナリストとしてザ・プラン9に並んだ超新塾だが実は大会開始直前までは
6人組であった。
7位 スピードワゴン
第2試合後攻。結成24年。ホリプロコム所属。ファーストチャンスは2002年。
SEKAI NO OZAWAことボケの小沢一敬と、ハンバーグ師匠でお馴染みツッコミの井戸田潤からなるコンビ。
ファーストチャンスとなる2002年にM-1グランプリ敗者復活戦から決勝進出を果たしたことでブレイク。その後は一時期の停滞期を経てコンビともに「テレビタレント」としての活躍が主となり、今や完全に売れっ子のベテランとなった。しかしながらそれ故に彼らが漫才をテレビで披露する機会はめっきりと減り、お互いのキャラの確立によりテレビでは個々での活動が目立っていたこともあって原点に立ち返るためにも出場を表明した。
漫才では両者のキャラを生かし、クールでキザな小沢のボケに井戸田がテンションの高いメリハリある大声ツッコミを入れるという芸風。今ではすっかりタレント、MC芸人のイメージが強い彼らだが毎年新ネタライブを主催で行うほどに漫才への熱は強く、その技量は全くさび付いていない。
本戦では初戦から優勝候補三四郎との売れっ子対決が実現。会場を大いに沸かしたものの三四郎の前に敗れた。
ネタ終了後には小沢が感極まって涙ぐみ、ほか出演者から総ツッコミを貰うなど安定の小沢節をさく裂させる一幕も。
6位 金属バット
第1試合先攻。結成16年。吉本興業所属。ファーストチャンスはなし。
高身長坊主なボケの小林圭輔と長髪ガリガリ猫背な友保隼平の二人からなるコンビ。本大会のファイナリストの中では最も芸歴が若く、M-1出場資格も昨年失効したばかり。2021年には敗者復活戦2位にまでなり、ワイルドカードで2度準決勝に進出していたこともあって実力は確かだが、結果ラストイヤーは準決勝に敗れたこともあって決勝進出は果たせず。そういった経緯もあって本人たちは自身たちのファーストチャンスを「なし」としている。
選考会では上位8組(通称「ポットA」)に入り、32組から16組に絞られるトーナメント戦「ノックアウトステージ 32→16」では東京ダイナマイトとの対戦が決定。しかし東京ダイナマイトがハチミツ二郎の体調不良で出場を辞退。不戦勝となったが予選には出場し、東京ダイナマイトがM-1グランプリ2004決勝で披露した漫才「タクシー」を完璧にカバーしてみせ、話題を集めた。その後もタイムマシーン3号との直接対決に勝利し、グランプリファイナルに進出。これが金属バットにとって初の全国区賞レース決勝進出となった。第1試合のマシンガンズとの対決にて敗れたものの、この日が初共演だった松本人志からは素でマシンガンズと呼び間違えられながらも「金属バットはめちゃくちゃ下馬評が高かったから、いつかM-1で見れると思って、ずっと見なかったのよ。だからこんな漫才なんやと思って、ちょっと感動してます」と賞賛を受けた。
5位 テンダラー
第3試合後攻。結成28年。吉本興業所属。ファーストチャンスは2001年
象使いの免許を持つツッコミの白川悟実と松本にしつこく過去のやらかしをいじられていたボケの浜本広晃からなるコンビ。
結成28年という芸歴は本大会ファイナリストの中でも最長となる大ベテランだが今もなお大阪の劇場を沸かし続ける「怪物」
THE MANZAIでは二度の決勝進出、上方漫才大賞受賞などの輝かしい実績の一方で、芸歴の長さ故にM-1創設時にすでにキャリアはベテランの域へとさしかかっており、わずか4回の出場のみかつすべて準決勝敗退という成績で出場資格を失った過去を持つ。
とはいえそのネタは一級品であり、なんとあのビートたけしすらもファンを公言しているほど。
THE SECONDへは劇場の芸人の面白さを証明すべくエントリーを表明。予選を難なく勝ち上がり本戦ではギャロップとの関西ダービーが実現した。本戦ではこれまでのテンダラーの集大成ともいえるネタで挑むもあと一歩及ばず無念の敗退となった。
4位 三四郎
第2試合後攻。準決勝は第1試合後攻。結成18年。マセキ芸能社所属。ファーストチャンスは2018年。
言葉遣いも滑舌も悪い小宮浩信とラジオだと饒舌なのにテレビだと無口な麒麟児・相田周二からなるコンビ。
相田が繰り出す予測不能な突拍子のないボケを小宮がどこか印象に残る独特な表現を多用したツッコミで制する漫才が持ち味。
その芸風で知名度を高め、それ以降は漫才でも活きる小宮のキャラクター性がウケて
有吉の壁などで大ブレイク。
しかし漫才師としてはM-1、THE MANZAI共にファイナリストに名を連ねることが出来ずして売れたことに強い遺恨が残り、漫才師と思ってもらうため、「ファイナリスト」の肩書きを得るためにも出場を表明した。
ノックアウトステージでは三四郎としての漫才スタイルを残しつつ内容を完全にお笑い好きの観客に振り切った超マニアックかつ放送コードギリギリなバチボコにヤバイネタを披露し最高得点を記録。その勢いはグランプリファイナルでも止まらず、一回戦最高得点でスピードワゴンを圧倒した。準決勝ではマシンガンズと対戦するも得点は伸び悩み、敗退となった。
余談だが本大会の小宮は緊迫状態で興奮しているのかいつも以上にハイテンションでボケまくる姿を拝めるので一見の価値あり。
3位 囲碁将棋
第4試合後攻。準決勝は第2試合先攻。結成19年。吉本興業所属。ファーストチャンスは今。
ボケの文田大介、ツッコミの根建太一共に身長185cmの高身長コンビ。
マヂカルラブリーらが所属する「大宮セブン」の一員。
都落ちとか言わない
「文化系」と自評する理屈っぽいしゃべくり漫才が持ち味。
M-1では7度の準決勝進出、THE MANZAIではファイナリストに選ばれた文句なしのエリートだがブレイクには至らず。本人たちも自身を「ダントツ無名」と評していた。
テレビ出演こそあまりないものの、年間1000近くの舞台に立ち続けてきたその実力は本物。ノックアウトステージでは大先輩であるシャンプーハット、KOC王者のかもめんたるを圧倒し本戦への出場を果たした。グランプリファイナルでもダークホース超新塾を大差で下し、準決勝へ駒を進める。準決勝では先攻でギャロップと戦い284点をマークし同点に。「3点をつけた審査員が多い方が勝ち」という大会のルールに則り惜しくも敗れたものの、そのレベルの高さは「実質決勝戦」と高く評価された。
2位 マシンガンズ
第1試合後攻。準決勝では第1試合先攻。決勝は先攻。結成25年。太田プロダクション所属。ファーストチャンスは2007年。
ゴミ清掃員としての活動で知られ何故かこの大会がきっかけで「ルックスが良い」との評価が高まっている滝沢秀一と有吉弘行のラジオのアシスタントを務めており発明家としても活動する西堀亮からなるコンビ。
一応のボケ・ツッコミの区別はあれど、基本的には二人が腹が立つことを述べて二人でツッコむ独特なスタイルの漫才を展開する。
ファーストチャンスは超新塾と同じ2007年であり、彼らもまた爆笑レッドカーペットにて頭角を現した世代の一人。しかしその人気とは裏腹にM-1グランプリでは決勝進出を果たせずブレイクすることはなかった。しかしノックアウトステージではTHE MANZAIファイナリストのガクテンソク、M-1ファイナリストのランジャタイを倒すというまさかの逆転劇を成し遂げグランプリファイナルへの切符を掴んだ。
本戦でも松本人志からイジられつつ持ち味を大いに発揮し、金属バット・三四郎と優勝候補・売れっ子を倒し、まさかの決勝にまで駒を進める。最後こそネタ不足も祟って最低得点となり敗れるというオチがついたものの、結果として準優勝に輝いた。
1位 ギャロップ
第3試合先攻。準決勝では第2試合後攻。決勝は後攻。結成19年。吉本興業所属。ファーストチャンスは2018年。
競馬とチャーハンを愛するハゲの林健とDJとしても活躍する毛利大亮からなる西の大御所コンビ。
ファーストチャンスの2018年にはラストイヤーにしてM-1決勝進出を果たしたものの、4分という時間制限に泣かされ十八番ネタを披露できず敗退。更には審査員の上沼恵美子から「自虐のネタをするには暗く、観客からも受け入れられなかった」と辛辣な公開説教を食らうというあんまりな仕打ちを受けてしまう。当然ラストイヤー故にリベンジすることもできず出場資格を失効。不完全燃焼のまま終わってしまい賞レースへの未練が残っていたため、本大会への出場を決めた。
1回戦は関西ダービーと銘打たれたテンダラーとの激戦を制し、準決勝では囲碁将棋と激突。ともに284点という高得点で並ぶハイレベルな戦いとなったが3点を投じた審査員の多さから決勝へ駒を進めた。決勝ではネタ不足故に失速したマシンガンズとは対照的に3本目かつフリの長いネタながら爆笑をかっ攫い、文句なしの優勝を決めた。
【余談】
実は本大会の発起人はお笑い芸人・おいでやす小田であると本人が証言している。同氏曰く吉本の上層部との食事会があった際に直談判したとのこと。
小田は上層部からリニューアルして芸歴制限制度がかかった
R-1グランプリの失敗を受け、「年齢制限を撤廃するべきか否か」を尋ねられたと言い、小田はそれは撤廃しない方が良いと助言した上で「芸歴10年以上の新しい賞レースを作ってください」とTHE SECONDの原案となる大会の開催を提案。
元々小田本人は「ピン芸人と漫才とコント、全部合わせた異種格闘技で芸歴10年以上の大会」を提案し、上層部もそれに食いついたもののその後紆余曲折を経て結果として漫才のみに絞ったTHE SECOND開催につながったとのこと。
ここでもチャンスを失ったピン芸人が不憫でならない
追記修正はセカンドチャンスをつかんでからお願いします。
- 観客や他の出場者をイジる、ネタが尽きたと言い出すなど自由にノビノビやってる感じがした -- 名無しさん (2023-05-28 17:25:04)
- この大会でもイジられたTHE MANZAIの項目は保留? -- 名無しさん (2023-05-28 18:13:05)
- 優勝した芸人はM-1のように大ブレイクするのかR-1のように一時のブレイクになるのかは今後次第か。 -- 名無しさん (2023-05-28 21:14:05)
- 地肩1グランプリ「ワイの項目は」 -- 名無しさん (2023-05-28 21:30:52)
- ウマ娘関係でギャロップが知名度を上げてきたところでこの結果だから更なる追い風になると信じたい -- 名無しさん (2023-05-28 21:32:21)
- 観客審査員も「1ステ」などの用語が飛び出したり、決勝でネタ終了後に「お疲れ様です」と一声かけて演者側が思わずお辞儀したりと「お笑いガチ勢」が多かった。三四郎のネタはそんな観客に向けた「芸人あるあるネタ」だからネタのチョイスは上手かった -- 名無しさん (2023-05-28 22:59:28)
- さんまさんが「ステージが広すぎる」って言ってたな こういうのは芸人ならではの視点でとても良かった -- 名無しさん (2023-05-29 03:21:33)
- 点数の低さをその場で自虐するのは他の賞レースでもよくあるのでは? -- 名無しさん (2023-05-29 06:03:21)
- かつて東野から大阪一ウザい男と評されたギャロップ毛利だが、これがどう影響するか -- 名無しさん (2023-05-29 14:36:20)
- 実力者たちの高級寄席番組っぽくて新鮮だった -- 名無しさん (2023-05-30 10:55:09)
- この項目自体もきれいにまとまってる上に愛が詰まってていいな。読んでて楽しかった -- 名無しさん (2023-06-07 19:13:51)
- G-1グランプリがもっとメジャーに慣れていたらなぁ吉本無関係だから仕方ないか…マシンガンズとかは配信の視聴者が10倍とかになってたなあ -- 名無しさん (2023-06-20 01:30:35)
最終更新:2023年07月08日 11:02