THE SECOND 〜漫才トーナメント〜

登録日:2023/05/28(日)16:49:48
更新日:2025/07/09 Wed 21:13:21
所要時間:約 10分で読めます





漫才師たちのセカンドチャンス

彼らは今、全盛期。



THE SECOND 〜漫才トーナメント〜とは、吉本興業・フジテレビ主催のお笑いコンテストである。

●目次

【概要】

結成16年以上の漫才師のみを対象にした新しいお笑い賞レース。
「結成から16年以上」という応募資格は言わずもがな「結成から15年以内」の漫才師のみが出場できる『M-1グランプリ』の対になっており、確かな実力・才能を持ちつつも既にM-1の出場資格を失効し、ブレイクの兆しを失ってしまった中堅・ベテラン芸人に“セカンドチャンス”を掴んでほしいという願いを込めて設立された。

もう一つの参加条件として、結成16年以上でも全国ネットの漫才賞レース(M-1グランプリ、THE MANZAI)での優勝経験があるコンビ*1は参加が不可能となっている。一方、両大会のファイナリストやKOCチャンピオンは出場可能。
当然本大会で優勝したコンビも参加不可能となるため、M-1グランプリと異なり優勝者が再び参加することはできない。
また、当然ながらアマチュアや即席ユニットのエントリーも不可能となっている。

芸歴自体の高さもあってかエントリー数は130組台と控えめだが、芸歴50年を超える大御所が電撃参戦を発表したりM-1でラストイヤーを迎えた直後の漫才師が翌年の本大会に即出場を表明するなど話題性は非常に高い。
年々大会への注目度は増し、第3回ではエントリー数が140組に達した。
優勝賞金は1000万円で、加えて優勝トロフィー、さらには高級オーダースーツの仕立て券が贈られる。
冠スポンサーありの場合、そのスポンサーからの副賞も追加される。

ファイナリスト達が皆場慣れしたベテランということもあり、他のお笑い賞レースと比べても良い意味で緊張感が無いのもこの番組ならではの特色といえる。事実本番ではファイナリスト達がのびのびとネタやトークを行う姿も見られ、特に自身の得点の低さをファイナリスト自らがネタにするのみならず、対戦相手の得点すらもイジり倒すなど他のお笑い賞レースではあり得ないような一幕も見られた。

次述するコンセプトの徹底から賞レースでは異例なほど好評な滑り出しを見せ、年1回の漫才賞レースとして2024年以降も定着した。


【特徴】

大会コンセプトや力の入った煽りV等演出など、元となったM-1グランプリと似通った部分こそ多いものの、大会の細部はM-1の対になるよう徹底したこだわりが見受けられる。
本項ではそれについて解説する。

  • ネタ時間
時間が6分。これは同じフジテレビで放送し、スタッフも一部共通している賞レース時代の『THE MANZAI』に準じたものとなっている。
これはM-1が4分、KOCでも5分であることを考えるとかなり長い持ち時間であり、これに関して第1回でアンバサダーを務めたダウンタウン松本は「ネタ時間が6分あるのがいいよね」「2分以上の素晴らしいものが生まれるのではないか」とこの新たな試みに強い関心を寄せていた。
トーナメント戦ではネタ時間が6分30秒を超えると10点減点、更にそこから15秒超過ごとに10点減点される。

  • 審査員
一般の観客である。これは、笑いのプロが審査するM-1の対という意味に加え、他のお笑い賞レースのような審査員の炎上を防ぐというのが目的。
そのため、予選から本戦まで全て観客が審査員を兼任している。
100人の観客が審査員となって、それぞれ3点満点*2で審査を行い、合計点(300点満点)が高い方が勝ち上がるという仕組みとなっている。なお点数は2組のネタを比較した相対評価ではなく、披露されたネタの面白さを個別に評価する「絶対評価」で付けるのがルールとなっている。
同点だった場合は3点を入れた人数で勝敗を決する。
初年度のノックアウトステージでは先攻コンビの漫才→採点→後攻コンビの漫才→採点という順序で行われていたが、出場者から「先攻が不利すぎる」との声が上がり*3、グランプリファイナルから先攻コンビの漫才→後攻コンビの漫才→2組それぞれ採点という順序になり、第2回大会からはノックアウトステージ含めこの順序で採点が行われている。

このシステムに関しては他のお笑い賞レースで一切導入されてない独自の試みであるが故に、当初のM-1グランプリが視聴者による一般審査で大失敗したこともあって発表当時は一部からは心配の声も多く賛否が分かれた*4
勿論番組側も同じ過ちを繰り返さぬ為に、審査に責任感を持ってもらうために否が応でも抜き打ちで観客に採点理由を聞く審査員の嗜好が被らないよう観客は事前にアンケートを実施した上で選出するなどといった入念な対策を行い、男女・年齢・居住地に偏りが無いようにしたという。
アンケート以外では、選考会に来た観客から審査員の2割を選出している。これは選考会からわざわざお金を払ってやってきた客の熱量は絶対に高いと判断したことによる。

また、採点に責任感を持たせるため、採点後にMCが審査員1~2名を指名し、漫才の感想とその点数を付けた理由についてコメントを求めることが行われている。
ネタ直後の漫才師の面前で発言しなければならないことや、地上波ゴールデンの生放送だろうとお構いなしにコメントを求められるので、審査員はとんでもない緊張を強いられる。
…のだが、いざコメントを求めると「まず"2組ともお疲れさまでした"と挨拶してからコメントに入る」「"NGKでワンステ"といった用語がポンポン飛び出す」などMC陣もたじろぐほどの客の熟練ぶりが明らかに。
審査することやコメントを求められることが分かったうえで観覧に応募しているため、必然的にお笑いガチ勢で占められるようだ。

そのガチ勢ぶりは、ネタ時間の兼ね合いもあって収録時間が長くトイレ休憩が取りづらいということで紙オムツを履いて観覧していたツワモノがいたほどであり、第3回大会では東野が「ただでさえ尺が長い上に諸事情によりCMスポンサーが激減しましたのでさらに伸びています!誰かが漏らしても黙っていてください!!」とネタにされた程。

  • 美術
「それまでの大会と逆にする」というコンセプトから、セットはM-1やKOCで使用している赤と金色の反対で青と銀色をメインカラーとしている。特に銀色については「いぶし銀」の意味もあることからテロップの文字や優勝の紙吹雪、トロフィーの色にも使用する徹底ぶり。
各種使用曲も大会テーマ曲にTHE YELLOW MONKEYの「バラ色の日々」、登壇時の出囃子には10-FEETの「2%」、最終決戦ではOKAMOTO'Sの「BROTHER」*5、最終決戦結果発表前のハイライトに泉谷しげるの「春夏秋冬」等全て国内アーティストの作品が使用されており、これも洋画のサントラを使用することが多いM-1とは真逆となっている*6

  • その他
お笑い賞レースでは唯一「決勝」の名称を使用しておらず、「グランプリファイナル」とフィギュアスケートのような名称を使用している。また、敗者復活戦やそれに準じた制度は開始から一切実装されていない。

第2回ではメインスポンサーとしてアサヒビールがついていたが、これはM-1のスポンサーであるサントリーのライバル会社であり、サントリーがストロング系、アサヒはノンアル系*7がメインとRTDで真逆の商品展開を実施していることが理由。

上記のような過去の前例がない画期的な取り組みに関しては当初こそ不安の声も多々あったものの、番組側の入念な対策もあって実際に蓋を開けてみれば特に荒れる事も無く寧ろファイナリストの選出、決勝での採点、ネタ時間の長さ共に視聴者からも好評であった。
当の総合演出も後日インタビューで「炎上していないことが理想だった」と語っているほど。


【大会の流れ】


選考会

2月に東京・大阪の2会場で選考会が実施され、スタッフで構成される選考委員による審査が行われる。エントリーを表明した中から続くノックアウトステージに進出する32組を決定する。
有観客で行われており、まだ採点こそしないものの会場のウケが選考に影響を与えることになる。
東京会場のMCはキクチウソツカナイ。・大阪会場のMCはヒューマン中村で定着している。
公平を期するためその場では合格者を決めず、何度かVTRを見直して32組を決定するという。

ノックアウトステージ

選考会を勝ち抜いた32組が抽選で4組ずつ8ブロックに分けられ、トーナメント形式でタイマン勝負をする。各ブロックのトーナメントを制した計8組が、地上波生放送のグランプリファイナルに進出する。ここから審査方法も観客が審査員を行うシステムに移行。
選考会通過者に辞退者が出た場合は、選考会(33-シード組数)位のコンビが繰り上がりでノックアウトステージに進出する*8*9
32組から16組に絞られる「開幕戦ノックアウトステージ32→16」は3月下旬に、8組に絞られる「ノックアウトステージ16→8」は4月下旬に実施される。
32→16は抽選で自動的に先攻・後攻が決まる。16→8は32→16での点数が高かった方のコンビが先攻・後攻を選べるシステムになっている*10*11
32→16と16→8は必ず異なるネタを披露しなければならない。2ネタのうち1ネタは選考会で披露したものと同じでも構わない。
それぞれフジテレビオンデマンドで有料生配信される。ノックアウトステージで披露したネタはグランプリファイナルでも披露できるため、出場者に配慮し配信のアーカイブ期限は翌日までと非常に短く設定されている。
なお、点数発表及び決着のシーンはYoutubeの THE SECOND公式チャンネル にアップロードされる。ネタの内容に関する部分や審査員のコメントはカットされる。

抽選会

ノックアウトステージ開幕前とグランプリファイナル開幕前にはトーナメントの組み合わせを決めるための抽選会が行われる。
グランプリファイナル開幕前の抽選会は抽選終了後に初戦で対戦する2組による記者会見も併せて行われる。
対戦前の緊張感がありつつも、全員がベテランだからかどこか和気藹々とした雰囲気があるのが特徴。
初年度のノックアウトステージ抽選会はほとんどのコンビがリモート参加の小規模なものだったが、それ以降の抽選会は多くの芸人が会場に駆けつけ、意気込みを述べたり思う存分ボケ倒したりセカおじが興奮しまくったりする大規模な中継となっている。
この抽選会の様子もYoutubeの THE SECOND公式チャンネル でライブ配信される。アーカイブも残るので、初年度から現在までの抽選会の様子はいつでも見ることができる。

ポットA

選考会で特に会場のウケがよく、なおかつ選考委員の評価が高い上位8組は「ポットA」として、各ブロックの第2試合後攻に配置される。
第3回時点でポットAに選ばれたコンビのグランプリファイナル出場はのべ24組中15組で、毎年半数以上がグランプリファイナル進出を決めている。また第3回までの王者はいずれもポットA出身である。
各ブロックのポットAがグランプリファイナルへの壁となっており、ポットA以外の芸人がどう立ち向かうかがノックアウトステージの見どころとなっている。

前年ファイナリスト

前年にグランプリファイナルに出場したコンビが引き続き参戦を表明すると、選考会が免除*12された上で各ブロックの第1試合後攻に配置される。
第3回時点で前年ファイナリストのグランプリファイナル出場はのべ11組中2組と非常に少なく、勝ち抜けた2例はいずれも金属バットである。
「前年のグランプリファイナルで賞レース用のネタを消費してしまう」「前年活躍したコンビよりも他の報われていないコンビにグランプリファイナルに行ってほしいという客心理が働く」などの理由が考察されているが、いずれにしても連続でのグランプリファイナル進出は困難なことがうかがえる。

グランプリファイナル

ノックアウトステージを勝ち抜けてきた8組によるトーナメントを制した漫才師が優勝となる。
毎年5月下旬に開催。フジテレビのゴールデンタイムで4時間超の生放送が行われる。
ノックアウトステージと同様に初戦のみ抽選、準決勝以降は得点の高いコンビが先攻・後攻を選択する。他のルールも基本的にノックアウトステージと共通。
普段劇場やライブでしか見ないベテラン芸人の名前が地上波ゴールデンのテレビ画面にズラリと並ぶ様は圧巻。東野「日本テレビにこれができますか!?」
勝ち進めば最大3試合を戦うことになるので、優勝するにはノックアウトステージで披露していないネタが最低1つは必要になる。そのためネタ切れに陥る可能性も高く、第1回・第2回の準優勝コンビは決勝戦の得点がその回のグランプリファイナルの最下位だった。
M-1R-1THE Wは4分ネタ2本、KOCは5分ネタ2本で優勝が決まるため、6分ネタ3本という長さは放送時間の長さにもつながっていると言えよう。
なお、ノックアウトステージ16→8で敗れたコンビの中で最も高得点を出していたコンビがスーパーサブとしてフジテレビ楽屋で待機している。

【出演者】

東野以外の芸人出演者にはカタカナの肩書きがついているが、全て見届け人的ポジションとなっている。

  • 東野幸治
司会進行担当。皆さんご存知人の心を持たないチリチリサイコパスモンスター。なおWコウジの片割れでもある今田耕司はM-1グランプリの司会を務めている。
大会アンバサダーの松本とは長らく同局の「ワイドナショー」で共演していたこともありその掛け合いは見事なもの。隣の松本やネタを終えたファイナリストのみならず審査を行う観客や、鼻うがいのCMに出演している今田をもネタにし、イジり倒すその手腕はまさに彼だからこそできる芸当といえるだろう。
また、ルール説明などの補助業務はフジテレビの女性アナウンサーが担当する。

  • 有田哲平
第2回、第3回大会ハイパーゼネラルマネージャー。ご存じくりぃむしちゅーのアゴの方。
「海砂利水魚」として「ボキャブラ天国」での大ブレイクという「ファーストチャンス」から一旦はくすぶったものの、TBS「新・ウンナンの気分は上々」でのさまぁ〜ずとの対決で敗れ改名。そこからセカンドチャンスを掴み、今や「全力!脱力タイムズ」総合演出を務め、アンタッチャブルのコンビ活動再開をお膳立てした、実は面倒見の良い兄貴分。
芸歴30年以上を誇るベテランだが、「くりぃむナンタラ」でやっている妙な賞レースを除けば賞レース番組に出演するのは今大会が初。

  • 博多華丸・大吉
第2回・第3回大会スペシャルサポーター。
九州吉本で人気を博す「ファーストチャンス」を得るも、「吉本超合金」など大阪のお笑いも福岡に流れ込み下火に。M-1グランプリにも芸歴制限で初回から出られない*13という中で東京進出。華丸の「細かすぎて伝わらないモノマネGP」「R-1グランプリ」制覇、大吉の大喜利力や「アメトーーク」での注目と実績を積み上げでセカンドチャンスをものにし、今やNHKの朝の顔となった「九州の大スター」。
大吉先生は2016・2017・2022年以降M-1の審査員を担当。それもあってかゆるめとはいえ時折批評も混じる大吉先生に対し、華丸はほぼボケっぱなし。
トーナメント形式で3回ネタを披露するというSECONDの大会形式について、「過酷すぎてK-1でもやめた形式ですよ」とイジった。

  • 松本人志
初回のアンバサダー兼マスコットキャラクターダウンタウンのボケ担当にしてM-1KOCでは審査員を務め、IPPONグランプリのチェアマンも兼任するなど言わずと知れた笑いのカリスマ。
しかし本大会ではあくまでも審査員ではなくその立ち位置はどちらかというと司会に近い立ち位置にあり、感想こそ言えどもネタの批評等は一切述べることはない。
審査員を担当しているM-1やKOCの時とは違って、本大会ではその重荷がないためかと普段と比べてものびのびと気軽にボケる姿を拝むことができた。
2024年1月以降、諸事情により芸能活動を休止。そのため番組の出演は現状初回大会のみに留まっている。

  • 宮司愛海・小室瑛莉子
フジテレビアナウンサー。ノックアウトステージから芸人と共にMCを担当している。宮司はトーナメント組み合わせ抽選会のMCも担当。
グランプリファイナルでは宮司が東野と共にMC、小室が舞台裏のレポーターを担当する。

【歴代王者】

  • ギャロップ(2023)

「パンが一番おいしかった」
パアアアアアアアン!!

初代王者。吉本興業大阪所属。2003年結成。ファーストチャンスは2018年。
競馬とチャーハンをこよなく愛するハゲの林健と、DJとしての活動もしている毛利大亮によるコンビ。
2018年のM-1グランプリでラストイヤーにして決勝進出を果たすも、得意とするネタとM-1の制限時間と相性が悪く十八番ネタを披露できず敗退。オール巨人から「なぜそのネタを選んだのか?」と指摘され、更には上沼恵美子から「自虐のネタをするには暗く、観客からも受け入れられなかった」と辛辣な公開説教を食らうというあんまりな仕打ちを受けてしまう。
当然ラストイヤー故にリベンジすることもできず出場資格を失効。不完全燃焼のまま終わってしまい賞レースへの未練が残っていたため、本大会への出場を決めた。

ノックアウトステージ32→16でHi-Hiを大差で下すと、16→8では大阪吉本の後輩ラフ次元と対決。1点差の大接戦をモノにしてグランプリファイナル進出を決めた。
1回戦は関西ダービーと銘打たれたテンダラーとの激戦を制し、準決勝では囲碁将棋と激突。ともに284点という高得点で並ぶハイレベルな戦いとなったが3点を投じた審査員の多さから決勝へ駒を進めた。
決勝ではネタ不足故に失速したマシンガンズとは対照的に3本目かつフリの長いネタながら爆笑をかっ攫い、文句なしの優勝を決めた。
そして第2回大会決勝にもゲストとして出演し、番組冒頭のオープニングアクトにて再び漫才を披露している。
第3回大会でも優勝記者会見のMCを務めるなど、初代王者として大会に関わり続けている。

  • ガクテンソク(2024)

そのままやったらどうやって食べんのん
ずっと醤油もってんねん俺!!

2代目王者。吉本興業東京所属。2005年結成。ファーストチャンスは2005年。
教師志望だったが母校でカツアゲにあったジャニオタの狩人つくねよじょうと、造園業職人として働いていたドルオタでクレゲオタの奥田修二からなるコンビ。
元々は大阪出身で、2005年にアマチュアながらM-1準決勝進出を果たしオーディション経由で吉本入りした経歴を持つ。当時のコンビ名は『学天即*14』。
賞レース時代のTHE MANZAIで決勝進出したり平成25年度NHK新人演芸大賞演芸部門で大賞を受賞するなど確かな実力はあったものの、M-1グランプリで決勝進出はついにかなわずラストイヤーを迎えてしまっていた。

THE SECONDは第1回大会から出場。選考会を突破するもノックアウトステージ32→16でマシンガンズに敗北。
第2回大会では予選会をポットAで通過すると32→16で大阪の大先輩シャンプーハットを破り、16→8では因縁のマシンガンズにリベンジを果たしグランプリファイナルへ進出。
1回戦でラフ次元を、準決勝で金属バットを下し決勝戦ではザ・パンチと相対し294点の大会最高得点(当時*15)をたたき出し優勝を果たした。
優勝後にはコンビで国分寺市観光大使に就任したり、奥田が有吉の壁でぱーてぃーちゃん・金子きょんちぃと披露したシリーズもののミニコント『京佳お嬢様と奥田執事』が大バズりし漫画化されるなど、着実にブレイクの階段を上っている。
第3回大会ではオープニングアクトで漫才を披露。奥田はかなり緊張していたらしく、珍しくネタを嚙み倒していた。

  • ツートライブ(2025)

すだまさる知らん?口癖は『本当に美味い肉は固くてまずい』
もうええねん!!

3代目王者。吉本興業大阪所属。2008年結成。ファーストチャンスはなし。
高身長で今大会のビジュ爆枠と噂されるたかのりとイきり芸を得意とし正味なニュアンスを染み込ませる周平魂によるコンビ。
M-1グランプリでは準々決勝進出が最高であり、第3回ファイナリストの中では吉田たちに次ぐ7年連続準々決勝敗退という記録を残している。
本人たちも自らをダークホースと称するほど注目度は高くはなかった。
その一方、関西ではテレビ番組のゲスト出演も多くそこそこ知名度はあり、周平魂はダイアン津田軍団の一人でもある。

初参加となった第2回は選考会落ちを喫していたが、第3回は選考会をポットAで通過。
ノックアウトステージ32→16では強敵ジャルジャルと当たってしまうが、まさかの大差で圧勝。16→8では付き合いの長い先輩で前年のファイナリストななまがりと対戦し勝利。
初の全国区賞レース決勝は本人たちにも感慨深かったようで、たかのりは「俺らの漫才っておもろいと思ってもらえるんですね」と溢している。
そして迎えたグランプリファイナルでは1回戦の先攻、すなわちトップバッターで出場すると295点のグランプリファイナル歴代最高得点をたたき出しモンスターエンジンに勝利。
準決勝では大先輩のはりけ~んずを下し決勝で囲碁将棋を下し優勝を果たした。決勝戦では後攻だったため、ツートライブで始まりツートライブで締める大会となったことも話題に。グランプリファイナル最高得点と併せて記録にも記憶にも残る優勝となった。なお彼らの前にオープニングアクトを務めたガクテンソクのことは皆忘れていた模様。


【主なファイナリスト】

  • マシンガンズ(2023・2025)

…優勝させてくれ!!

第1回準優勝。第3回ベスト8。太田プロダクション所属。1998年結成。ファーストチャンスは2007年。
本業がゴミ清掃員で、芸人は副業」と語るほどゴミ清掃員の仕事に力を入れている自撮りビジュ爆イケオジ滝沢秀一と、発明学会員で自身の発明が商品化*16されている西堀亮からなるコンビ。
世の中の不満や自らの境遇などにがなり立てながら二人でツッコミを入れていく、コンビ両方がツッコミという世にも珍しいコンビ。
ファーストチャンスの2007年には爆笑レッドカーペットで頭角を現すも、M-1グランプリでは準決勝進出が最高成績でブレイクには至れず不遇を託つ芸人人生を歩んでいた。
第1回準優勝をきっかけに再ブレイクを果たす。「THE SECONDに人生を変えてもらった」とは本人たちの弁。トロフィーに手は届いていないものの、セカンドチャンスを掴み蘇ったコンビと言えるだろう。
アドリブに極振りしたネタ、ネタ中に観客やMCに思いっきり話しかけてイジり倒す、紙を持ち込んで読み上げるなど一般的に漫才賞レースでは御法度とされる行為を連発しながら勝ち上がったことで、大会の方向性に大きな影響を与えたコンビでもある。

+ 戦績
  • 第1回(準優勝)
ノックアウトステージではTHE MANZAIファイナリストのガクテンソク、M-1ファイナリストのランジャタイを倒すというまさかのジャイアントキリングを成し遂げグランプリファイナルへの切符を掴んだ。
本戦でも松本人志からイジられつつ持ち味を大いに発揮し、金属バット・三四郎と優勝候補・売れっ子を倒し、まさかの決勝にまで駒を進める。
最後こそネタ不足も祟って最低得点となり敗れるというオチがついたものの、結果として準優勝に輝き、ブレイクを果たす。
  • 第2回(ノックアウトステージ16→8敗退)
第2回大会にも継続参加。シード権は与えられたが、エキシビション扱いで選考会に参加している。
32→16では対戦相手のヤングが不調だったこともあり難なく勝利したが、16→8ではガクテンソクにリベンジされ、連続でのグランプリファイナル進出は逃した。
  • 第3回(ベスト8)
選考会をポットAで通過。ノックアウトステージ32→16では今をときめく人気者見取り図と対戦するも圧勝。続く16→8でも祇園を破り2大会ぶりにファイナリストに返り咲いた。
グランプリファイナル初戦では心の師と仰ぐはりけ~んずと対戦。エピソードをネタに昇華する同タイプの漫才対決となったが滝沢がかかりすぎたためか1回戦敗退となった。
過去2回はギャロップ・ガクテンソクに敗れていたためマシンガンズに勝ったコンビは優勝するというジンクスがあったが、はりけ~んずが準決勝で敗退したためそのジンクスもなくなってしまった。


  • 囲碁将棋(2023・2025)

…身分証明書がねーから揉めてテメー呼んだんだろうが!
人として終わりだよテメエ!!

第1回ベスト4。第3回準優勝。吉本興業東京所属。2004年結成。ファーストチャンスは今(第1回出場時)。
解体業者の勘違いで家を破壊された文田大介と、ホンダ・シビックタイプRをこよなく愛する根建太一からなる、双方185センチ越えの高身長コンビ。
「文化系」と自評する理屈っぽいしゃべくり漫才が持ち味。マヂカルラブリーやすゑひろがりずといった面々が集う「大宮セブン」のメンバーでもある。
かねてより芸人内での評価が高かったがM-1グランプリでは最高が準決勝どまりであり、「なぜ彼らがM-1決勝に進めないのか」と言われる芸人の筆頭クラスだった。
THE MANZAIではファイナリストに選ばれるもブレイクには至らず。第1回大会時点では本人たちも自身を「ダントツ無名」と評していた。
M-1出場権を失った後活動休止(当初は解散の予定だった)を宣言するも、コロナ禍に巻き込まれて活動休止自体が目立たなくなってしまったことも。
元々ネタに定評があり劇場や営業に引っ張りだこだったが、第1回大会での大健闘を機に知名度が上昇。メディア露出が増加し冠番組が始まるなど活躍の場が広がった。

+ 戦績
  • 第1回(ベスト4)
選考会をポットAで突破。ノックアウトステージでは大先輩であるシャンプーハット、KOC王者のかもめんたるを圧倒し本戦への出場を果たした。
グランプリファイナルでも超新塾を大差で下し、準決勝へ駒を進める。
準決勝では先攻でギャロップと戦い284点をマークし同点に。「3点をつけた審査員が多い方が勝ち」という大会のルールに則り惜しくも敗れたものの、そのレベルの高さは「実質決勝戦」と高く評価された。
  • 第2回(ノックアウトステージ16→8敗退)
第2回大会にも継続参加。ショウショウ、ヘンダーソン、タイムマシーン3号と強豪ひしめくブロックに入ってしまうも、32→16ではなんとかショウショウに勝利した。
16→8ではタイムマシーン3号と対戦、決勝トーナメントでもおかしくない好カードで激戦を繰り広げるも5点差で敗北。
得点は高かったためスーパーサブとしてフジテレビ楽屋からグランプリファイナルを見届けた。
  • 第3回(準優勝)
今大会では選考会から下馬評通りの圧倒的な実力で選考会をポットAで通過。
ノックアウトステージ32→16でシャンプーハットと対戦。第1回大会以来の再戦となったが、大会史上最高得点の297点を叩き出し完勝。続く16→8では大宮セブンの同僚タモンズと対戦。長年苦楽を共にした後輩相手に圧勝し、2大会ぶりにファイナリストに返り咲いた。
優勝候補筆頭と噂される中で迎えたグランプリファイナル初戦では西のネタ職人吉田たちと対戦。ネタ師同士のガチンコ対決を真正面からねじ伏せ準決勝に駒を進める。
準決勝では金属バットとのハイレベルな戦いを僅差で制する。しかしコメントを振られた審査員の発言内容は、長丁場の大会の中で囲碁将棋の緻密なネタにやや観客の集中力が追い付かなくなっているととれるものだった。
そして迎えたツートライブとの決勝では、とうとう囲碁将棋の集中力が限界に達したのか、最後に文田が少しネタを飛ばしてしまう。致命傷になるネタ飛ばしではなかったものの、これが響いてかツートライブの後塵を拝して準優勝に終わった。

  • 金属バット(2023~)

いや~恥ずかしい話なんやけどさあ…
うわ、オンラインカジノややめてよお前ホンマ

第1回ベスト8。第2回・第3回ベスト4。吉本興業大阪所属。2007年結成。ファーストチャンスはなし。
高身長坊主の小林圭輔と、ガリガリ猫背ロン毛の友保隼平からなるコンビ。
その特徴的過ぎる外見や、覚醒剤や反社会勢力といったブラックなものを堂々とネタにする、お茶の間受けとは真逆のスタイルを貫く漫才が売りで、中田カウス、ザ・ぼんち、海原ともこといったベテランからの評価も非常に高い。
M-1グランプリでも2回ワイルドカードで準決勝進出する、友保がケータリングのどん兵衛を大量にガメて日清食品から目を付けられるなど注目はされていたがついに決勝進出は叶わず、そのままTHE SECOND出場を決めた。
金属バットにとっては本大会が初の全国区漫才賞レース決勝進出。元々あった劇場人気がさらに加速し、大阪を中心に東京・福岡の劇場を飛び回る多忙な日々を送っている。

+ 戦績
  • 第1回(ベスト8)
M-1グランプリラストイヤー終了からすぐにTHE SECONDに参戦。強敵タイムマシーン3号を破り初の全国区漫才賞レース決勝進出。
第1試合のマシンガンズとの対決にて敗れたものの、この日が初共演だった松本人志からは「金属バットはめちゃくちゃ下馬評が高かったから、いつかM-1で見れると思って、ずっと見なかったのよ。だからこんな漫才なんやと思って、ちょっと感動してます」と賞賛を受けた。ただし、対戦相手のマシンガンズと名前を間違えられていたが。
  • 第2回(ベスト4)
第2回大会にも継続参加。マシンガンズ、囲碁将棋、超新塾といった第1回大会のファイナリストが次々敗退する中唯一のグランプリファイナル連続進出を果たした。
グランプリファイナル初戦では客席に致死量の大阪弁を浴びせ291点という高得点でハンジロウを圧倒し準決勝進出。
準決勝では初戦の高得点を武器に後攻を確保するも、ネタの毒性が裏目に出たのか得点が伸びずガクテンソクに敗北。
  • 第3回(ベスト4)
ノックアウトステージ32→16ではエル・カブキと対戦。勝利はしたものの(金属バットにしては)低得点であり、やや不安定な出だしとなった。
しかし16→8では調子を取り戻しポットAのリニアに圧勝。前年同様シード勢で唯一ノックアウトステージを勝ち抜き、前人未到の3年連続ファイナリストとなった。
グランプリファイナル初戦では懇意にしている大先輩ザ・ぼんちと対戦。祇園花月支配人の声援を背に受けて持ち味を存分に発揮したブラックなネタで異種格闘技戦と称された激戦を僅差で制する。
準決勝は囲碁将棋とTHE SECOND常連対決。共に実力者同士の激戦の末に2点差で敗北したが、年1レギュラーの自称に違わぬ活躍でハイレベルな名勝負を量産し、大会を大いに盛り上げた。
一方で3年連続グランプリファイナル出場の代償は大きいようで、敗戦直後には友保が「何本ネタせなあかんねん!」と嘆く場面も見られた*17。実力は確かなだけに、第4回大会での動向が注目される。

  • ザ・ぼんち(2025)

メッシ、メッシ…おかずも食べなさい!!

第3回ベスト8。吉本興業大阪所属。1972年結成。ファーストチャンスは1980年。
「おさむちゃんで~す!」のギャグでおなじみ、元祖ハチャメチャ芸人のぼんちおさむと、かつては男前としてならし現在は落語や講談家としての活動もしている里見まさとからなるコンビ。吉本興業大阪所属。
1972年にコンビ結成*18芸歴50年以上を誇る漫才界の生き字引で、同期はツービートB&B笑福亭鶴瓶など錚々たる面々である。1980年には賞レースになる前の初代THE MANZAIに出演している*19
1980年代の漫才ブームのけん引役であり、発売したシングルレコード「恋のぼんちシート」は80万枚を売り上げ日本武道館で公演まで行われた*20
ブーム終息後は解散→再結成・ソロ活動*21を挟み、当時は賞レースだった2014年のTHE MANZAIに「年齢制限がないから」と軽い気持ちで出場したところ、そこに出ていた若手芸人が血眼になってネタ合わせをしている様を見て発奮、若手中心のライブや学園祭にも積極的に参加するようになった。

+ 戦績
  • 第2回(ノックアウトステージ32→16敗退)
第2回からまさかの電撃参戦。選考会を突破し、芸人界隈やお笑いファンたちを驚かせた*22
ノックアウトステージ32→16ではハンジロウと対戦。奇しくも沖縄返還年に結成されたコンビと沖縄出身コンビの対決となったが、互いに280点越えの激戦の末に2点差で惜敗。
  • 第3回(ベスト8)
第3回大会にも引き続き参加。ノックアウトステージ32→16では昨年M-1出場資格を失効したばかりの結成16年目モグライダーと対戦し、コンビ歴38年差対決を制する。そしてまさと師匠が芝にキスをした。
続く16→8で昨年敗北した因縁のハンジロウと再戦。タイムオーバーで10点減点されながらも*23リベンジを果たしグランプリファイナル進出を決めた。そしてまさと師匠がしゅうごパークにキスをした。
グランプリファイナル初戦では日頃から可愛がっている大阪吉本の後輩金属バットと対戦。2点差で惜敗し初戦敗退に終わったが、齢70を超えてもなお漫才ブームを牽引していた実力が健在であることを世に示した。

【大会結果】


【第1回大会】

成績 コンビ名 所属 一回戦ネタ順(得点) 準決勝ネタ順(得点) 決勝ネタ順(得点)
優勝 ギャロップ 吉本興業 第3試合先攻(277) 第2試合後攻(284) 後攻(276)
準優勝 マシンガンズ 太田プロダクション 第1試合後攻(271) 第2試合先攻(284) 先攻(246)
ベスト4 囲碁将棋 吉本興業 第4試合後攻(276) 第2試合先攻(284) -
三四郎 マセキ芸能社 第2試合後攻(278) 第1試合後攻(256) -
ベスト8 テンダラー 吉本興業 第3試合後攻(272) - -
金属バット 吉本興業 第1試合先攻(269) - -
スピードワゴン ホリプロコム 第2試合先攻(257) - -
超新塾 ワタナベエンターテイメント 第4試合先攻(255) - -
スーパーサブ ラフ次元 吉本興業 - - -

エントリー数は133組。
選考会、ノックアウトステージの通過者は以下の通り。

+ ノックアウトステージ32→16出場コンビ
太字は16→8へ進んだコンビ。

囲碁将棋、インポッシブル、COWCOWかもめんたる、ガクテンソク、金属バットギャロップ三四郎、シャンプーハット、ジャルジャル、スーパーマラドーナ、スピードワゴン、スリムクラブ、タイムマシーン3号、タモンズ、超新塾、ツーナッカン、テンダラー、東京ダイナマイト(棄権)、Dr.ハインリッヒ、流れ星☆、なすなかにし、2丁拳銃、Hi-Hi、フルーツポンチ、プラス・マイナス、マシンガンズ三日月マンハッタン、モダンタイムス、モンスターエンジン、ラフ次元ランジャタイ
  • 東京ダイナマイトは出場辞退したため不戦敗となった。対戦相手の金属バットは不戦勝ながら会場でネタを披露している。

+ ノックアウトステージ16→8出場コンビ
太字はグランプリファイナル進出を決めたコンビ。

2丁拳銃、スピードワゴン、流れ星☆、三四郎、COWCOW、超新塾、ラフ次元、ギャロップ、三日月マンハッタン、テンダラーマシンガンズ、ランジャタイ、かもめんたる、囲碁将棋、タイムマシーン3号、金属バット

記念すべき第一回目となる大会で、フジテレビ開局65周年×吉本興業110周年特別番組として2023年5月20日に生放送された。放送時間は脅威の4時間越えとなる。
予選が始まると、選考会の段階でかねてより優勝候補と目されたトータルテンボスや三拍子などのビッグネームが敗退したり、ノックアウトステージではジャルジャルやプラス・マイナスといった多くの優勝候補がまさかのダークホースの前に散る等、まだ初回の大会であるにもかかわらず高い注目を集めた。

グランプリファイナルでもこれまで同様トーナメント戦を採用。先攻、後攻のコンビがネタを披露した後に採点を行う。そして一回戦、準決勝そして決勝の三連戦を勝ち抜いたコンビが優勝となる。
ネタに関する細かなルールは時間制限以外に特になく、基本的にM-1では御法度とされる小道具の持ち込みや下ネタも観客にウケるのであれば問題はない。

そして本番でもファイナリスト達のレベルの高さ、一般審査員の公平さ等が非常に高く評価され、初回放送ながら大きなトラブルもなく蓋を開けてみれば大成功に終わるという快挙を成し遂げた。多くの賞レースの第一回大会ではそれなりの課題点が残っていることもあって初回から大成功に終わるというのは非常にレアなケースである。



【第2回大会】

成績 コンビ名 所属 一回戦ネタ順(得点) 準決勝ネタ順(得点) 決勝ネタ順(得点)
優勝 ガクテンソク 吉本興業 第2試合後攻(288) 第1試合先攻(283) 後攻(294)
準優勝 ザ・パンチ 吉本興業 第4試合後攻(284) 第2試合後攻(278) 先攻(243)
ベスト4 金属バット 吉本興業 第1試合後攻(291) 第1試合後攻(273) -
タモンズ 吉本興業 第3試合後攻(269) 第2試合先攻(264) -
ベスト8 タイムマシーン3号 太田プロダクション 第4試合先攻(273) - -
ハンジロウ マセキ芸能社 第1試合先攻(271) - -
ななまがり 吉本興業 第3試合先攻(268) - -
ラフ次元 吉本興業 第2試合先攻(255) - -
スーパーサブ 囲碁将棋 吉本興業 - - -

エントリー数は133組。
選考会、ノックアウトステージの通過者は以下の通り。

+ ノックアウトステージ32→16出場コンビ
太字は16→8へ進んだコンビ。

囲碁将棋、インポッシブル、LLR、かもめんたるガクテンソク金属バット、祇園、ザ・パンチ、ザ・ぼんち、シャンプーハット、ショウショウ、ジャルジャル、タイムマシーン3号タモンズダブルアート、超新塾、テンダラー、東京ダイナマイト、流れ星☆、ななまがり母心ハンジロウ、ヘンダーソン、プラス・マイナスマシンガンズ、三日月マンハッタン、モンスターエンジン、ヤング、ラフ次元、ランジャタイ、リニアロビンフット
  • プラス・マイナスは出場できなくなったため、選考会次点のCOWCOWが繰り上がり出場。選考会次々点のツーナッカンがスーパーサブ。

+ ノックアウトステージ16→8出場コンビ
太字はグランプリファイナル進出を決めたコンビ。

ダブルアート、タモンズハンジロウ、リニア、ロビンフット、ななまがり、母心、金属バットザ・パンチ、かもめんたる、囲碁将棋、タイムマシーン3号、マシンガンズ、ガクテンソクラフ次元、モンスターエンジン

出場数こそ前年大会と差はないものの、昨年の大成功を受けてかM-1グランプリ2023年大会にて出場資格を失効したばかりのヘンダーソン・ななまがり・馬鹿よ貴方は等といった錚々たる顔ぶれが新たに出場を表明。更には1980年代の漫才ブームのけん引役で知られ、結成52年目のザ・ぼんちが参戦を発表するなど選考会の段階で多くの話題を呼び、高い注目を集めた。

その一方で上述の通り松本が諸事情により活動休止を発表したほか、前年ファイナリストのスピードワゴン小沢や超新塾アイクもそれぞれが活動休止*27 、選考会を勝ち上がったプラス・マイナスが突然岩橋良昌の吉本興業との契約解消により解散となるなどのトラブルもあった。

本大会ではアサヒビールがスポンサーにつき、優勝コンビには副賞としてスマドリ1年分が支給された。

この年から公式サイトでコンビ歴が「結成〇〇年」と表記されるようになった。


【第3回大会】

成績 コンビ名 所属 一回戦ネタ順(得点) 準決勝ネタ順(得点) 決勝ネタ順(得点)
優勝 ツートライブ 吉本興業 第1試合先攻(295) 第1試合後攻(288) 後攻(287)
準優勝 囲碁将棋 吉本興業 第3試合先攻(294) 第2試合後攻(285) 先攻(279)
ベスト4 金属バット 吉本興業 第4試合先攻(289) 第2試合先攻(283) -
はりけ〜んず 吉本興業 第2試合後攻(288) 第1試合先攻(275) -
ベスト8 ザ・ぼんち 吉本興業 第4試合後攻(287) - -
吉田たち 吉本興業 第3試合後攻(283) - -
モンスターエンジン 吉本興業 第1試合後攻(278) - -
マシンガンズ 太田プロダクション 第2試合先攻(277) - -
スーパーサブ ななまがり 吉本興業 - - -

エントリー数は過去最多の140組。
選考会、ノックアウトステージの通過者は以下の通り。

+ ノックアウトステージ32→16出場コンビ
太字は16→8へ進んだコンビ。

アモーン、囲碁将棋、エル・カブキ、祇園金属バット、ザ・パンチ、ザ・ぼんち、三拍子、ジャルジャル、シャンプーハット、タナからイケダ、タモンズ、チャーミング、ツートライブ、ツーナッカン、天津、トット、ドドんななまがり母心はりけ~んずハンジロウヘンダーソン、本田兄妹、マシンガンズ、見取り図、モグライダー、モンスターエンジン吉田たち、ラフ次元、リニア、レイザーラモン
  • 選考会次点のLLRがスーパーサブ。

+ ノックアウトステージ16→8出場コンビ
太字はグランプリファイナル進出を決めたコンビ。

囲碁将棋、祇園、金属バットザ・ぼんち、タモンズ、ツートライブ、ドドん、ななまがり、母心、はりけ~んず、ハンジロウ、ヘンダーソン、マシンガンズモンスターエンジン吉田たち、リニア


フジテレビを巡る騒動のあおりを受け開催が危ぶまれていたが、関係各所の尽力で無事開催された*31
本大会ではスーパーオーディエンスと称す観覧ゲストが登場。大会のPRや出場者へのケータリング提供など、抜けてしまったスポンサーの穴埋め要員ともなっていた。
サポーターは髙橋ひかる・数原龍友・片寄諒太・花澤香菜*32・本田真凛・望結姉妹の6名。
この大会から副賞として、フジテレビ22番組出演権が追加されている。

大阪吉本勢が躍進しグランプリファイナルに5組進出する一方で、非吉本は同じ事務所の芸人がノックアウトステージで同ブロックに配置される不運もあってか*33太田プロ1組のみとなった。
ザ・ぼんち(結成54年目)・はりけ~んず(結成35年目)が勝ち上がったことで、過去大会に比べファイナリストの平均年齢・平均芸歴が大幅に上がった。


【余談】

  • 大会発起人はおいでやす小田
実は本大会の発起人はおいでやす小田であると本人が証言している。同氏曰く吉本の上層部との食事会があった際に直談判したという。
小田は上層部からリニューアルして芸歴制限制度がかかったR-1グランプリの失敗を受け、「年齢制限を撤廃するべきか否か」を尋ねられたと言い、小田はそれは撤廃しない方が良いと助言した上で「芸歴10年以上の新しい賞レースを作ってください」とTHE SECONDの原案となる大会の開催を提案。
元々小田本人は「ピン芸人と漫才とコント、全部合わせた異種格闘技で芸歴10年以上の大会」を提案し、上層部もそれに食いついたもののその後紆余曲折を経て、結果として漫才に絞った本大会の開催につながったとのこと。
なお、この大会の影響もあってか、R-1については再度年齢制限が撤廃されている。
  • エントリーは無料
第1回はエントリーに1組2千円が必要だったが、第2回以降は無料でエントリーできるようになった。
ちなみにM-1グランプリキングオブコントは1組2千円のエントリーフィーが必要である。
  • 最高得点は囲碁将棋の297点
大会史上最高得点は囲碁将棋が第3回ノックアウトステージ32→16で記録した297点
内訳は1点0人・2点3人・3点97人。3点100人まであと一歩であり、夢の300点満点が決して不可能な数字ではないことが示された。
グランプリファイナルに限れば第3回1回戦でツートライブが出した295点
内訳は1点0人・2点5人・3点95人。あまりの高得点に本人たちも若干引き気味であった。
  • 決勝戦は大阪芸人vs東京芸人
第3回までのグランプリファイナル決勝戦は全て大阪漫才師*35vs東京漫才師であり、いずれも大阪漫才師が勝利して優勝を決めている。
奇しくもM-1グランプリも第3回まで関西勢が連覇しており、東京漫才師の優勝は第4回のアンタッチャブルまで待たなければならなかった。
第4回大会では東京ベテラン芸人の逆襲が見られるのか注目される。



追記修正はセカンドチャンスをつかんでからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2025年07月09日 21:13

*1 これらのコンビは結成年数に関わらず各選考会で司会進行を担当している。

*2 選択肢は「とても面白かった:3点」、「面白かった:2点」、「面白くなかった:1点」の3通りで、両組に同じ点数をつけてもよい。

*3 初年度ノックアウトステージは全24試合中20試合が後攻勝利だった。16→8に至っては先攻勝利は1組のみ。

*4 初年度ノックアウトステージ敗退後自身のTwitterにて一般審査員に不満を爆発させた流れ星☆のたきうえは結果大炎上。後にダウンタウン松本や、この時の対戦相手であり間接的に批判の対象となった三四郎小宮にも散々ネタにされることに。

*5 元々は芸人をテーマとした「火花」(Netflix版ドラマ)の主題歌として書き下ろされたものである。

*6 現実的な理由としては著作権処理が容易で配信にそのまま使える点があり、実際M-1のDVD・配信では出囃子が全て似たようなものに差し替えられている。

*7 提供クレジットも同社のキャンペーンである「スマドリ」名義となっている。

*8 第2回大会ではプラス・マイナスが選考会突破後に突如解散したため、選考会次点(シード5組のため28位)のCOWCOWが繰り上がった。

*9 第1回は東京ダイナマイトが出場辞退したが繰り上げはなく不戦敗となった。ノックアウトステージの繰り上げとスーパーサブ制は第2回から実施。

*10 同点の場合は3点をつけた人数の多い方。

*11 初年度ノックアウトステージはトーナメント表通りに先攻・後攻が決まっていた。グランプリファイナルから現行のシステムに移行。

*12 エキシビション扱いで出場することは可能。

*13 実際は改名して出場し準決勝進出したものの結局失格扱いに。

*14 元々『学天則』という名前にしようとしたがM-1エントリー用紙に書いた字が汚すぎてこの漢字になってしまった。2021年に現在のカタカナ表記に変更。

*15 翌年に囲碁将棋が297点で更新。グランプリファイナルに限ってもツートライブが295点で更新している。

*16 子供用の上履きやベルトなどを洗濯機で洗濯できるようにするネット

*17 グランプリファイナル通算ネタ披露数は囲碁将棋と並んで5本だが、3年連続でネタを消費したのは金属バットのみ

*18 同年には沖縄の本土復帰・あさま山荘事件などが起こっている。

*19 1980年代に単発特番として放送され漫才ブームの一翼を担ったのが初代。これにあやかり同名で年1の賞レースとして2011-2014年に放送していたのが2代目。現在年1特番で放送されているTHE MANZAIマスターズは3代目。

*20 芸人で単独武道館公演を行ったのはザ・ぼんちとかまいたちのみの偉業。

*21 おさむははぐれ刑事純情派等に出演し俳優業を、まさとは亀山房代と「里見まさと・亀山房代」を結成し上方漫才大賞を受賞するなど精力的な活動をしていた。

*22 前述のTHE MANZAI参戦のように、元々芸歴にとらわれず積極的に若手と戦おうとするコンビではあった。

*23 タイムオーバーによる減点を告げられた2人は呆気にとられ、その後まさと師匠は勝ったにも関わらずガチ凹み。この様子はキスシーンも含めて公式YouTubeに残っている。またまさと師匠は終了後情けなさから「品川駅のトイレで泣いた」とのこと。

*24 なお、超新塾のオリジナルメンバーは全員が大阪吉本で芸人デビューをしており、元メンバーのDRAGONタカヤマ(現・コウカズヤ)はザ・プラン9の浅越ゴエと「デモしかし」というコンビを組んでいた。

*25 元々現在の5人に今は筋肉系Youtuberとして活動中のコアラ小嵐が在籍していたのだが、元よりピンでの活動が主になりスケジュールが合わなくなったことなどを理由に脱退。イーグル曰く5人組となった直後の初めての舞台がTHE SECONDの予選だったとのこと。

*26 尤も、コンビは2017年以降「東京センターマイク」という漫才ライブを毎年主催している。

*27 その後、アイクは芸能活動を再開し、舞台には復帰しているもののテレビ復帰は果たせておらず、超新塾はアイクを除いた4人で予選に挑む形となった。

*28 ヘンダーソンが32→16で、リニアが16→8で敗れている

*29 2024年12月に『くすぶりの狂騒曲』として公開。和田正人と駒木根隆介がタモンズを演じる。

*30 ラストイヤーで決勝最下位のコンビは2025年現在でも唯一。

*31 なお、騒動の影響でスポンサーは足りなかったためMCの東野がそこをイジる場面もあった。

*32 氏のみ当日の生放送を欠席。

*33 浅井企画2組・人力舎2組・マセキ芸能社2組が抽選の結果それぞれ同ブロックに配置された。人力舎に至っては初戦で対決が組まれてしまい潰し合うことに。

*34 当時のM-1の芸歴制限は10年

*35 ガクテンソクは東京吉本所属だが経歴的に大阪漫才師と言って差し支えない。