ムルムクスモン

登録日:2023/05/29 Mon 17:34:20
更新日:2023/05/30 Tue 18:08:38
所要時間:約 9 分で読めます





30の魔軍団を率い、亡者を苛む業火の堕天使伯爵!


『ムルムクスモン』とは、『デジタルモンスター』に登場するキャラクター。


【基本データ】

世代 究極体
タイプ 魔王型
属性 ウィルス種
必殺技 ゲヘナ・フレイム
業火を吐き出す技。この技を受けた敵は、死してなお永遠に苦しむと言われる。
「ゲヘナ」とはキリスト教の世界観で「地獄」を意味する単語。
奇しくも、初登場と同作品のラスボス最終形態(サタンモード)も同名の球体を持つ。
得意技 ネクロインテロゲイション
効果は不明、だが、元ネタから推測すると…?(後述)

【概要】

貴重な七大魔王に属さない魔王型デジモン。

元々は上級天使型デジモンだったが、堕天して魔王型デジモンになった。
ナイトメアソルジャーズの幹部クラスであり「伯爵」の名で呼ばれており、30の魔軍団をまとめている。
また、同じく究極体のグリフォモンを従えており、自らの手足として使役しているという。

元ネタはソロモン72柱の序列54位「ムルムクス*1」。
彼は、30の軍団を率いる地獄の大公爵にして伯爵。
召喚に際しては、トランペットが高らかに鳴り響く中、2人の家臣の先導のもと、公爵冠を被った兵士の姿をとって、グリフォン(またはハゲワシ)に騎乗して現れるという。
哲学、音楽に長じており、また、死者の魂を呼び出して質問に答えさせることが出来るネクロマンサーでもあるという。

…と、上述のムルムクスモンの設定を見てみると、かなり元ネタ から丸パクリ に忠実である。

なお、得意技の「ネクロインテロゲイション」だが、“Necro(ネクロ)”が「死の~、死者の~」などを意味する英語の接頭辞。
Interrogation(インテロゲイション)”は「尋問」を意味する英単語である。
なので、恐らくは悪魔ムルムクスのネクロマンシー能力に倣った能力であろうと思われる。

初登場は、劇場アニメ『デジモンフロンティア 古代デジモン(オニスモン)復活!!』。
作中では、ダルクモンとヒポグリフォモンの姿を使い分け、オニスモン復活のために暗躍をしていた。

そのため、ムルムクスモンの容姿はその二者の特徴を引き継いでいる
ダルクモンと同じデザインの仮面を着け、マフラーと軽鎧を纏った人型であり、
ピポグリフォモンのような猛禽の顔を胸部と肩部に付け、素肌の体色も同系色。
また、脚部も二重関節になっているほか、鉤爪のデザインもヒポグリフォモンと同じである。
そして、どちらとも似ていないブロッコリーアフロな頭部


【関連種】

◆ダルクモン

天使隊の先陣を切って戦う“戦場の女神”!
世代 成熟期
タイプ 天使型
属性 ワクチン種
必殺技 バテーム・デ・アムール
細身剣「ラ・ピュセル」を使った華麗なる剣技。
得意技 ラ・ピュセル
手に持つ細身剣による攻撃。
公式絵だと、割と幅広だが。
初登場は同じく劇場版フロンティアで、ムルムクスモンが変身していた姿の一つ。

種族本来の設定としては、女性の姿をした下級天使型デジモンで、天使デジモンの尖兵であるという。
いたずらに戦いは望まないが、襲い来る敵には勇敢に立ち向かう。
常に先陣を切って戦う姿は「戦場の女神」とまで言われるほど。
天使型らしく、エンジェモンよりは少なく、ピッドモンよりは多い4枚の翼を持つ。
その顔は仮面に覆われ、フード付きのマフラーを巻いているため、素顔は窺い知れない。

なお、公式絵や劇場版フロではややイカつい顔立ちであったが、その後のアプリ「デジモンコレクターズ」や「デジモンクルセイダー」では他の女性型デジモンと同じく、色っぽいイラストを描かれている。

元ネタはほぼ間違いなく、ジャンヌ・ダルク
La Pucelle(ラ ピュセル)”もフランス語で「乙女」*2を意味する単語であり、ジャンヌ・ダルクの異称でもある。
また、“Baptême d’amour(バテーム デ アムール)”も「愛の洗礼」を意味するフランス語である。

なお、同じく姿を借りられていたヒポグリフォモン同様、元ネタは「虚偽」や「偽物」に縁がある。
  • ジャンヌ・ダルク … 神のお告げを受けて戦に臨むが、捕虜となった後、異端であるとされた
  • ヒポグリフ    … 元々は「存在しない」「ありえない」事を示す例え

進化ルートと言う意味では天使型デジモンにして成熟期の女性型デジモン
という意外と貴重な立ち位置のデジモン.
……であるのだが、初登場作品の影響で天使型なのに悪堕ちルートが正規ルートと思われているというかなり悲惨なデジモンでもある(デジモンに正しい進化ルートは本来存在しないのではあるのだが)。
上記の通り、ダルクモン自身には天使型として極めて真っ当な設定しかないため余計に涙を誘う。
順当な進化形態に当たりそうなエンジェウーモンの進化前がテイルモンのイメージが強いのも向かい風か。
真っ当に聖なるデジモンとして努力する彼女の将来に希望はないものか…

と思いきや、実はムルムクスモンの方では、意外なことにダルクモン(やヒポグリフォモン)からルートが繋がることは稀。
旧カードゲームでも進化元はフェレスモンインダラモンスカルサタモンであった。
また、フロ世代が多く収録された『デジモンペンデュラムZ』では、ムルムクスモンは未収録
ダルクモンとヒポグリフォモン、オニスモンは収録されたのに…。
更に、デジヴァイス-V-ではブリッツモンDimに集録されたが、このDimのメインはの闘士なので、ダルクモンらなんて当然いない。

なので、ダルクモンからのルートは、ヒポグリフォモン以外にはやはりエンジェウーモンのような人型になることが多い。
他の天使系デジモンに関係する完全体としてはチョ・ハッカイモンがいる、…いやこいつも悪事働いてますやん
まあ一応女性型だし、改心しようとしている分、魔王型になる未来よりかは遥かにマシなんではあるのだが。

他にも神聖系女性形デジモンということで新デジモンカードの同弾ではサンゾモンやオリンポス十二神族のウェヌスモンと同じ黄色で収録されてたのでこういった進化ルートも似合うかも知れない。
また意外なことに『デジモンペンデュラムZ』ではまさかの通常進化先が、図鑑が謎ポエムだとして名高い デュラモン*3
違和感がバリバリのようだが、デュラモンの元ネタはフランスの叙事詩「ローランの歌」に登場する聖剣であるため、恐らくはその繋がりなのであろう、と推測されている。
ダルクモンの聖なる将来への道は存外明るいのかも知れない。


◆ヒポグリフォモン

世代 完全体
タイプ 幻獣型
属性 データ種
ダルクモンと同じく、劇場版フロンティアでムルムクスモンが変身していた姿の一つ。
詳細はグリフォモンの項目にて。

ちなみにピポグリフォモンの首飾りはダルクモンが所持している杖の先端とモチーフが共通してるという特徴がある。


【関連作品でのムルムクスモン・ダルクモン】

劇場アニメ『デジモンフロンティア 古代デジモン(オニスモン)復活!!』

CV:山口健
全ての黒幕。

かつてデジタルワールドを混乱に陥れた罰で追放され、“彷徨える島”に流れ着いた経緯を持つ。
そして、地下遺跡でオニスモンに関する石碑を発見し、真実を隠蔽するため、一部を破壊する。

その後、ダルクモン(CV:上原多香子*4)とヒポグリフォモン(CV:緑川光)の姿を使い分け、ヒューマン族とビースト族の対立を煽ることで紛争状態へ突入させる

なお、ボコモン曰く
「ありゃあ、魔力でいろんなデジモンに化けることができるムルムクスモンじゃい」
「デジタルワールドで悪さをして追放されたやつじゃい」
とのことなので、この変身に関しては本作での固有能力として姿を借りているだけと思われる*5
一方で、本性を現す際に「スライドエボリューション」(ヒポグリフォモン→ダルクモン)と言っているため、進化・退化を自在に行える種である可能性もある*6

最終的には、泉や幼年デジモンらの活躍で欺瞞が暴かれるが、時すでに遅し。
“海鳥の羽”に手に入れたデジコードを満たす事でオニスモンを復活させることに成功する。

以降はオニスモンに騎乗し、破壊と攻撃を行う。
…のだが、ムルムクスモンになってからの活躍はイマイチパッとしない

各ハイブリッド体の攻撃をほとんど意に介さず、「歯ごたえの無いヤツラめ」と一蹴する程の強さはあるのだが…。
なお、その最期はアグニモンの「サラマンダーブレイク」であっけなくやられるのであった。


漫画『デジモンネクスト

バルバモン配下のコマンドメンツ三将軍の一画として、ムルムクスモンが登場。
なお、残りの二体はザンバモンにカオスドラモン
三将軍最後の一人としての、満を持しての登場であった。

元々はホーリーエンジェモンだったが、ある時、人間に捨てられたチビモンを拾うが、看病の甲斐もなく死亡してしまう。
この、テイマーの身勝手に振り回される人工卵(アート)デジモンの境遇に怒りを覚えた所に、バルバモンの囁きを受け、堕天。
『元々は上級天使型デジモンだったが、堕天して魔王型デジモンになった』という設定が拾われる形となった。

最終決戦ではレイヴモンと交戦し、敗北した。
しかし、死んだ訳ではなく、NEOとの決戦ではホーリーエンジェモンの姿に戻ってツルギ達に力を貸す。

また、決戦終了後もザンバモンやピッコロモン、(ポンコツになった)カオスドラモンらと一緒に、ツルギ達に礼を述べている。


アニメ『デジモンゴーストゲーム

第35話「人狼」の最終盤でダルクモン(CV:斎賀みつき)が登場。

一夜町の事件を引き起こしていたマンティコアモン。
それと対峙し、トドメを刺そうとしていたラモールモンと、宙らの前に姿を現す。

実は、マンティコアモンの飼い主であり、脱走したマンティコアモンが、更に偶然にその地の“人狼(ヒトオオカミ)”のデータを吸収してしまっていたのが今回の事件の原因であった。

曰く「この地に根付く伝説のデータを食べてしまい、自身をヒトオオカミとやらと思い込んでしまったよう」

そしてマンティコアモンから、件のデータを抜き取り、共に何処かに(恐らくデジタルワールド)へ帰還していくのであった。

ちなみに、「二度と同じ事は起こさない。ダルクモンの名において」と誓ってはくれたが、明確な謝罪はしてくれなかった…。
せめて、上司であるオファニモンやセラフィモンにコッテリ絞られてください。
あいつらも大概だよとか言うのは禁句



wiki籠りよ、まだ歯向かうか!!よかろう、オニスモンよ、コイツ等を追記・修正し…アニヲタwikiを我が手に!!

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最終更新:2023年05月30日 18:08

*1 ムルムル、ミュルミュールとも

*2 または「使用人」等とも

*3 ズバモン系譜の完全体で、武器デジモン

*4 本作が声優初挑戦であるのだが、その出来に関しては色々と厳しい意見も多い。なお、本項目ではこれ以上取り上げないものとする。

*5 公式のデジモン図鑑では変身応力に関する言及はない

*6 ただし「スライドエボリューション」は本来であれば同世代への進化(変化)を意味する単語なので、世代が変わるこの場合に適用されるのはややおかしい