ジャンヌ・ダルク

登録日:2020/07/24 Fri 05:10:20
更新日:2025/05/11 Sun 14:06:57
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ジャンヌ・ダルク(Jeanne d'Arc 1412年1/6~1431年5/30)は百年戦争時代のフランス王国の女性軍人。カトリック教会の聖人。
ジャンヌ・ダークとかジャネット・ダルクなどとも表記される。

ちなみに彼女の名前は本名が「ジャンヌ」で、ジャネットは愛称。
またダルクという名字は後世でつけられたので彼女が生きていた当時は名字がなく、ただの「ジャンヌちゃん」だった。

概要

・出自

フランス・ロレーヌ地方のドンレミ村出身。
一帯の裕福な名士の農家で家族は両親と兄、妹とされている。羊や家畜の面倒を見るのが好きな優しく信心深い少女であった。
信心深すぎてキリスト教の価値観を絶対視していた節があったらしいが。

ジャンヌが13歳の時に祈りをささげていると天から聖カトリーヌからの声を聞く。
当時は百年戦争の真っ只中の暗黒時代で、当事者のフランスもイギリスも疲弊していた。*1

・旅立ち

そしてジャンヌが17歳の時に遂に神からの「シャルル七世を即位させフランスを救え」とのお告げを受ける。この時に長かった髪の毛を切り男装、騎士の姿となった。
まずロベール守衛隊長の元を訪れて説得、シャルル七世に謁見するチャンスを得た彼女は護衛騎士と共に旅の末にシャルルと面会。
シャルルは側近に化けジャンヌを試すが、ジャンヌはこれを見事見破ったとされる。

ジャンヌはシャルルと二人きりになると、「しるし」*2を見せた。するとシャルルは豹変し、ジャンヌを軍に入れさらにパリ奪還を任せると言う。

ジャンヌは聖女として純潔の「処女」であるか検査を受け、聖職者との面談を受けて軍へ加えられることとなった。


・オルレアン奪還

女性であるために他の軍人から煙たがられていたが、弓矢を受けてなお戦い、敵に容赦なく大砲を撃ち込む*3などの先駆的な戦法で勝利する一方、
戦場外では無類の優しさを発揮するジャンヌを慕うようになる。

さらにオルレアンの奪還に成功し、その後のランスへの進軍でパテーの戦いにも勝利しシャルルの戴冠式を成功させ、彼をシャルル七世に即位させた。

この時、戦争に勝利したジャンヌは戦死したフランス兵は勿論、イギリス兵の為にも祈ったという。


・オルレアン奪還&戴冠式後

オルレアンでの勝利から幾度かの戦争に勝利して領地もある程度元に戻り、ランスで戴冠式も行うことが出来た。
そしてシャルル七世達はパリへ進軍しようとするジャンヌ達を抑え、ブルゴーニュ公国との和平を優先しようとした。

フランスでジャンヌが英雄視されていることからか、このことは歴史家から大失策だとよく糾弾されている。
だが内外の様々な勢力の様々な思惑が絡んでいるため話はそう単純ではない。
まず戦力の温存になったし、巡り巡ってブルゴーニュとの同盟締結&ブルゴーニュとイギリスの同盟解消*4からのノルマンディー地方を制圧、
その後の百年戦争の終結…と大局を動かすことにも繋がっているため、一概に判断を下すのは早計である。
実際、百年戦争の終わり際にはシャルル七世は積極的に攻め込んでおり、
イギリス軍も疲弊していたとはいえ絶望的な状況下から領土をほぼ取り戻す形で戦争終結に持ち込んでいるため、日和っていたわけではないと思われる。


話は変わるが、元はただの村人に過ぎないジャンヌが電撃的な勢いで勝利しまくっていた理由は、
  • とにかく突撃することで、長弓主体だった当時のイングランド軍の戦法の裏を突けたり、準備が始まる前に叩くことが出来た=タイミングが良かった*5
  • 占領した領地は元々フランス(シャルル七世やブルゴーニュ派やアルマニャック派など)に温情的な地区が多く、イギリス兵がいなければ割と穏やかに占領できていった。
の2点が大きかったとされる。

当時の軍は王が自前で雇っている兵、王に協力する諸侯が雇っている兵、これらが集まっているだけの寄り合い所帯であり、現代のような一貫した縦の軍制が敷かれているわけではない。
さらに各諸侯の兵隊なども実態のほとんどは傭兵だったが、当時の傭兵は期間契約であり、傭兵としては戦わない方が儲かるのでずるずる引き延ばす方が得だったのだ。
また、常備軍と違い傭兵は雇い主が敗戦すると報酬を踏み倒されるリスクが非常に高いので、勝ち戦と負け戦で士気の差が見違えるほど現れる。
そういった中でのジャンヌの積極攻勢と成功は軍の士気を大いに高める結果となったのは疑いようもない。
勇敢に戦うとやる気のない敵の軍よりも強い、勝つとますます士気があがるので攻勢に出られるのスパイラルで進んでいく。

……だが、当然それだけで全てが上手くいくはずもなく。


その結果パリ包囲戦ではパリにイギリスの援軍が到着したことに加え、現地・パリ市民は元々シャルル七世達に悪印象を抱いていた。
これはシャルル七世によるものではないが、シャルルの所属しているアルマニャック派(シャルル七世と同じ考えかは怪しいがもちろんジャンヌもこちら側)が、
パリ(他のブルゴーニュに属している町も)を破壊したり略奪したりしているという背景があるためである*6
さらに占領前のフランス統治よりもイギリス統治の方が良かったと判断していたブルゴーニュ派の市民は、この時はイギリスを支持し、一部いたアルマニャック支持派の市民の工作もむなしく頑強に抵抗。
そうした逆風に見舞われ、且つ太ももに矢を受けながらも戦況を進めていたジャンヌだが、シャルル七世の撤退命令によりパリを落とせず(撤退命令がなければパリを落とせていたのかはもちろん不明)。

そして秋の翌年のコンピエーニュ包囲戦においてもやっぱり猛進した。
自ら少数の志願兵と共に勝手にコンピエーニュに向かい、いつもの様に現地の兵(今回は守備隊)を説き伏せていつもの様に奇襲を仕掛けた。
先鋒部隊を蹴散らし当初は優勢だった……が、動きを察知されていた上に戦力差があり過ぎたので逆転されてしまう。
その際も戦友や部下・コンピエーニュ市民を守ろうと勇ましく殿を務めていたが、コンピエーニュの跳ね橋がなぜか上げられていたために捕虜になった。
市の守備隊長フラヴィが裏切ったともいわれるが真偽は不明。
なおこのジャンヌの戦いは小競り合い程度の規模であり、コンピエーニュ包囲戦はその後も続いてフランスが防衛に成功している。



当時は敵に捕虜にされたらその身内が身代金を敵方に払って解放してもらうというのが常識*7だったが、
シャルルからすれば暴走娘ということもあり高い身代金を払う価値などないと見なしたのか、オルレアン市民の哀訴もむなしくそれらに一切関知しなかった。
つまりジャンヌは祖国の王に見捨てられる形となった。

この点、どうもジャンヌは少なくとも戴冠式前後からシャルルとの間に軋轢が生じていた模様。
理由はいくつもあるが、ジャンヌの場合は王や貴族に比べてあまりに身分や権力が軽かった上(一応、親兄弟ともども貴族に列せられているが)、
自身が宮廷らしい作法や在り方に疎く適合しなかった(無欲過ぎたのか多額の身支度金を兄に預け、自らは使おうとはしなかった)のが原因らしい。
又、ラ・トレムイユをはじめとする既得権益に依存しきった佞臣たちがジャンヌの活躍に嫉妬し自らの地位を失うかもしれないと恐れ、
シャルルのジャンヌへの信頼を揺るがすために様々な讒訴を行ったことが考えられる。
…とはいえシャルル七世は前述の通り後々も百年戦争を有利に進めて勝利に導いており、戦略眼がないとは考えづらいためこの件の評価も難しい。
上記を差し引いても父のシャルル六世は狂気王と呼ばれるほど精神を患ってしまっており、その内容には宗教も絡んでいた。
それによりシャルルと母イザボーは公私ともにとんでもなく苦労したため、その経験もあって宗教色が非常に強いジャンヌをそもそも好んでいなかった可能性もある。
ついでにジャンヌの戦争での活躍(少なくとも士気方面)は確実に一定量あったと思われるが、シャルル七世との初会合の神話の様な来歴は事実かどうかかなり疑わしい。

他にもイギリスや攻められたブルゴーニュからの敵愾心がかなり強かったため、助けたくともそもそも難しかったという説もある。
実際内心こそ不明だが完全に否定的に扱っていたわけではなく、後に当のシャルル七世によってジャンヌ・ダルク復権裁判が開かれ、1452年調査開始~1456年(死後25年)に復権している。
遅すぎじゃね?という意見については、裁判の地であるパリやルーアンがイギリスに占領されていたため、復権裁判の調査や開催すらそもそも困難だった。


・監禁

牢に監禁され、まずはベッドフォード公妃の監視下で処女検査を受け、処女認定をされている。
ベッドフォード公妃はこの際「彼女に暴行を働かないように」と牢番に命じたというが、この命令が守られたかどうかは分かっていない。
なお異端審問裁判にかけられる予定のジャンヌは教会の罪人という扱いなので、本来であれば修道女などの女性の牢番の監視下に置かれる。
だが世俗の罪人同様に男性の牢番の監視下に置いている辺り、監禁されたジャンヌが凌辱や暴行に晒される恐れがある事を分かった上でそうしたと思って間違いないだろう。

この暴行から身を守るためにジャンヌは男装するが、これが異端と咎められることになり、男装を止めるように命じられる。
「は? 何それ? どんな格好しようが自由っしょ」と現代の読者諸兄ならお思いであろうが、当時はそんな思想などあるわけもない。
男は男の格好、女は女の格好をすることが正統、それ以外は異端というのが(場所や宗派にもよるだろうが)当時のキリスト教では当たり前だったのである。

ジャンヌは上記の牢番による暴行被害を訴えた(※諸説あり)が、男装を止めなければ即座に火刑に処すと言われたことで、憔悴していたジャンヌはその旨の誓約書への署名に同意。
しかし、ジャンヌは暴行した(とジャンヌが訴えた)牢番を変えられることなく同じ牢に戻されてしまい、一度は女装に身を包んだが結局再び男装している。
これを咎められた際に「身を守るため」「牢番を修道女にしてくれるなら女装に戻る」と答えていることから、男装を止めたことで再び男の牢番からの凌辱を含む暴行を受けた可能性がある。
処刑裁判記録には未遂であったともあり、実際に暴行を受けたのかは不明だが、誓約書に反してでも男装することを決意するほどジャンヌが非常に恐ろしい思いをしたのは確かだろう。

またジャンヌはこんな訴えもしている。
「起床の際、鎖を解いてくれと頼んだ牢番に服(女装)を剥ぎ取られた上で袋に入っていた男装を押し付けられた。
 (上記の誓約書の存在から)男装を拒否しても牢番は他の服を一切与えず、外出の必要に迫られたことで男装せざるを得なくさせられたのだ」
と。
この証言からは、何としても異端認定したいイギリス側に男装を半ば強いられる環境に置かれていたことがうかがえる。


・裁判、そして火刑へ

ジャンヌは監禁されたのち、イギリス占領下のルーアンで二度に渡ってランスを追われたことでジャンヌに私怨を持っていたという、
ボーヴェーの腐敗した司教ピエール・コーションが事実上主催した異端審問を受けた。
この裁判でジャンヌは弁護士もつけられない中、無学な田舎娘とは思えない驚くべき答弁を行い、田舎娘相手と高をくくっていた判事たちを狼狽させる。

最も有名なものは「神の恩寵を受けていたことを認識していたか」と尋問されたときの以下の返答である。

「もし私が恩寵を受けていないならば、神がそれを与えてくださいますように。もし私が恩寵を受けているならば、神がいつまでも私をその状態にしてくださいますように。」

これは非常に上手い返しであり、「この質問を彼女にした尋問者は茫然としていた」と裁判に立ち会った公証人が述べている。
というのも、教会の教理では『神の恩寵は人間が認識できるものではない』とされていたため。
つまり「尋問に肯定すれば自身に異端宣告をしたことになり」「否定しても自身の罪を告白したことになる」という、
判事たちが仕掛けた神学的陥穽であったのだが、ジャンヌは上述した言葉で、それをかいくぐって見せたのである。

ジャンヌはこれ以外にも数限りなく仕掛けられた判事たちの罠の尋問をかいくぐり*8、裁判は長引いた。
しかしながら、その中でジャンヌは尋問と暴力により心身ともに疲労困憊した末に病気になり、その中で男装に関する点を突き付けられて異端宣告されることになる*9

そしてジャンヌは一度目の異端審問裁判で男装をしないという誓約を交わすことで終身刑を宣告されるが、
上述の通り、性的暴行から身を守るためだったり、男装以外の服を渡されなかったりと必要に迫られてジャンヌは再び男装を余儀なくされることに。
これが「一度は異端を悔い改めたにもかかわらずもう一度異端の罪を犯した」と咎められ、二度目の異端審問裁判で死刑を宣告された。

また元々マトモな教育など受けていないジャンヌは文盲で、自分が署名した供述宣誓書がいかに危険な文書かを理解していなかった可能性が高い*10
というかこの宣誓書自体インチキで、裁判の公式記録に基づいたものではなく、「ジャンヌが自身を異端だと認めた」と改竄された宣誓書であった。
内容が読めないのをいいことに、署名する段階になって嘘の宣誓書にすり替えたのだろう*11

こんな具合で、この裁判自体が最初からジャンヌを異端認定し、そして処刑するための出来レースだったのだ。

余談だが、異端審問裁判で死刑になるのはこのように「一度は異端を改めたのに再び異端となった」場合のみである…と言いたいところだが、時と場合によって全く異なる。
初期の頃はキリスト教の教えを理論的にする意味で良い側面もあったとされるが、早々から権力闘争などの影響も受けていたとされる。
そして疑わしきは罰するをしたりだとか、時の権力者やら大衆やらに沿って公正ではない判決をしたりしなかったり、
容赦なく多数を火刑にしたり、尋問に拷問を組み込んだ場合もあるなど適当で横暴な場合も多かった。
そもそも普通の裁判ですら公正な判断というのは難しいのに、異端審問は異端審問官が自らが起訴して自らの裁量で裁く点で抑制がほとんど効かないので不正の温床となっていた。
記録に残っている死刑数はそこまででもなかったり、異端だから必ず死刑というわけではないので死刑数は想像よりは少ない(だろう)が、
異端審問は負のイメージがとてつもなく強いことには変わりなく、現代のキリスト教では廃れている。


そして1431年5月30日、フランスを救おうとした聖女は火炙りをもって昇天していった。
キリスト教徒は死後も肉体を残すことにより「最後の審判」でもって善人認定されれば生き返ると信じており、そのため遺体を焼かれることを何より嫌う。
つまり火刑は復活のための肉体を滅ぼしてしまおうというわけで、異端とはいえ敬虔な信者であった彼女に対する最上位の罰となるのだ。

だがこれは単なる嫌がらせや憎悪でそうしたわけではなく、普通に土葬にして墓を作らせてしまうと、
その墓がジャンヌの死後も彼女の信者の心の拠り所にされるなどの面倒を招きかねないという懸念から。
ジャンヌの死が確認されると、処刑執行人たちはいったん火を遠ざけて黒焦げとなった彼女の遺体を民衆に見せつけた。
これは『間違いなくジャンヌは死んだ』と示して生存説などが流布されないようにするためであり、その後、再び火をつけて灰になるまで遺体を燃やした。
仕上げにその灰を川に流して埋葬すらさせないことで、後顧の憂いを絶ったのである。
しかしこれは逆効果であった。従容と死へと赴くジャンヌの姿を目の当たりにしたルーアン市民たちは心打たれ、激しく怒り且つ嘆き、
翌年のルーアンでの反乱の引き金となっただけでなく、戦友たちが復仇とジャンヌの遺志を継ぐことを固く心に誓ったのである。


・死後の扱い

イギリスからの敵意は激しかったが、彼女の死は当時のフランス全体としては実の所それほど大きな反響も影響も与えてはいない。
元々はただのその辺にいた村人(伯爵相応の貴族に叙せられてはいたが)だったわけで、立場を継ぐとかの話もなく、別におかしな話ではないだろう。
オルレアン~パリ包囲戦前までは凄まじい活躍をしたことは疑いようが無いが、歴史的にはそこまでが活躍場面だったと言える。

百年戦争は彼女の死から22年も続いたが、フランスは彼女の意向と違ってブルゴーニュをイギリスから切り離して逆に同盟を組むことに成功し、
最終的にほぼ元通りの領地を取り戻して終結した。

百年戦争終結後には復権裁判が行われ、異端審問の判決が覆され無罪になったがその後は埋没していった。
近代~現代のジャンヌ・ダルクの研究は彼女とその周辺に関する記録が明確に残っているこの頃が主である。
そのため、実はジャンヌが捕虜になった以後については処刑時以外は確定的なことをほとんど何も言えなかったりする。

時は進んで16世紀頃になるとカトリックと新興のプロテスタントによる宗教戦争が勃発。
フランスにおいてジャンヌは敬虔なカトリック教徒だったことから、カトリック側の象徴の一つとして利用されていた。
…が、カトリックは個人崇拝厳禁であるため、崇拝を反対されたり遺物を破壊されたりしている。

更に時が進んでナポレオンが国威発揚などのために利用。
生前からこれまでのジャンヌの扱いと言えば、現代日本で例えるなら有名な地方武将や隊長程度の扱いだろうか?
アニヲタ的には地方で人気のローカルアイドルみたいな認識でもいいかもしれない。
それが第九の歓喜の歌の原詩の作者として有名な詩人で劇作家のシラーの悲劇「オルレアンの乙女」*12で知名度が爆上がり。
ともあれある程度知名度はあれどそこまで英雄視されてはいなかったのだが、救国の英雄などと国を挙げて祭り上げるようになった。
現代のフランス全体におけるジャンヌ・ダルクの認識(人気)はこの頃に形成されたと言っても過言ではない。
余談だが、このジャンヌ持ち上げとジャンヌを題材にした劇や創作物によってシャルル七世の評価は功績が客観視されることが少なくなり、良く言えば賛否両論、率直に言って地に堕ちたとも言える。

1869年頃からジャンヌを聖人として扱うべきという動きが盛んになっていたが、それは20世紀初頭になっても完了していなかった。
ジャンヌは敬虔な信者だったようだが厳密なカトリック教徒としては許容しがたい発言や行動も多く、
さらに19世紀からは聖人の認定はより厳しく判定されるようになっていったためである*13
だが1909年1月24日に正式に列福の教令が読み上げられ、そして1920年5月16日にはローマ教皇ベネディクトゥス15世によって聖人認定された。


実像

敬虔な信者ということでまさに聖者のようなイメージをもたれがちな彼女だが、
単なる統合失調症の村娘だった、実はシャルル七世の妹であった説まで色々あり実際のところは謎。

聖者かはともかく、クソ真面目な部類だったのは間違いないようで……
  1. 非常に自己犠牲的で行動的。
  2. 信心深いのは本当だが、思い込みが激しく自身の信仰するキリスト教の価値観を絶対視していた(なのでその価値観にそぐわない者は誰であろうと非難した)
  3. 仕方ないことだが所詮は農民なので教育や宮廷マナーの手解きなど受けているはずもなく、聖書の教えと祈りの言葉以外はほぼ無学
  4. 迅速な戦術。又軍規の重要性も理解していたらしい*14
  5. カリスマ性に溢れていたため、彼女に説き伏せられた指揮官や兵は数知れず
……とまあ、「良くも悪くも」信念を地で行く少女であった。これでは味方は多くできるだろうが反感を持つ者も少なからず出るだろう。
娼婦も2020年代の現代日本ならジャンヌの行動もそうおかしくないが、1400年代なら世界中で普遍的な存在であるため*15、規律にプラスだったかというと怪しい面がある。
他にもパリ攻撃の際にブルゴーニュ派を嫌うあまり略奪した、あるいは略奪許可した可能性も高いため*16、本当の意味で軍紀に厳しいかというと怪しい(そもそも後半は命令に従っていない)。

他にも年頃の少女らしい部分や優しさがにじみ出るエピソードも多く、

  1. 子供好きでよく解放した街の子供たちに慕われていた。
  2. 戦場では敵兵のことまで憐れみ、泣いていた(後述するリーリー・ソビエスキー主演の「ヴァージン・ブレイド」によると、出来る限り敵兵の被害を抑えたかったらしい)。
  3. 郷土愛が強く、戦いが終わったら故郷に帰って親孝行したいという記述が残されている。

ちゃんと読んでいればわかるだろうがジャンヌは協力者や戦友(アランソンにラ・イール、そして有名なジル・ド・レェ)にも恵まれており、それが奇跡的にマッチングしたのも手伝って大躍進できた。

・容姿

みんな気になるジャンヌの容姿。
聖女とか呼ばれているぐらいだから美少女だろうと思う方も居るかもしれないが、肖像画は残されていない為容姿は不明。*17
身長こそ推察されているが、生前から有名だった割に美醜に対してとりたてて言及すらされていなかったり、当時としては異端に近い短髪にしていたり、
監禁されていた時にも、男装している間は(女装時と比べると)凌辱や暴行などの被害が少なかったらしいことから、
贔屓目に見ない場合、普通の女の子(少なくとも絶世の美女とかではないだろう)だったと見られている。

余談あれこれ

  • もう一人のジャンヌ・ダルク伝説
フランスにはもう一人の「ジャンヌ・ダルク」がいた。
それはジェヴォーダンの獣事件で獣を討ち取って川に沈める功績を上げたメイドの「マリー・ジャンヌ・ヴァレ」である。

彼女も妹がおり、さらに名前が同じ「ジャンヌ」だったこともあり、
ジャンヌ・ダルクの再来としてフランスの騎兵やカトリック教会からも称賛を受け、ジェヴォーダンには彼女の銅像が建てられた。


また、それとは毛色が大分異なるが、彼女の死後すぐには多くの「自称ジャンヌ」が現れた。
その中でも特に著名なのは4コマ漫画氷室の天地 Fate/school life』でネタにされたことで有名な「ジャンヌ・デ・ザルモワーズ」だろうか。
彼女は本物そっくりの容姿を持っていた上に、なんと本物(と思われる)兄のお墨付きを得て多くの民衆や貴族達から支持されたヤリ手だったが、
シャルルとの面会で正体を見透かされ、罪にこそ問われなかったもののそれ以降は歴史の表舞台からひっそりと姿を消している。
上記したように彼女の処刑は徹底的に行われたが、それでもなおこのような偽物が罷り通った事からも、
「救国の聖女」の死を受け入れられなかった当時の人々の心理を読み取る事ができる。


  • ジャンヌ女優
救国のヒロインなので何度か映画化されており、メジャーなミラ・ジョヴォビッチのジャンヌ、『ジャンヌ・ダーク』のイングリット・バークマン、
『ヴァージン・ブレイド』のリ-リー・ソビエスキーのジャンヌなどがいる。

  • 銅像
フランスの国民的ヒロインである為、オルレアンの街などいたる所に銅像がある。
フランス国外では「新オルレアン」ということで、アメリカのニューオリンズにもある。

  • 手紙
ジャンヌは文盲であった(一応自分の名前は書けたらしいが)ので、残された手紙はすべて口述筆記である。
フス派信徒への脅しの内容の手紙も存在しているが、ジョゼフ・カルメット著のジャンヌ伝では後世の偽文書だと断じられている。

  • フィエルボワの剣
ジャンヌが夢で見た剣を探し出させたところ、フィエルボワの教会から見つけ出された聖剣。
ジャンヌは戦場でこの剣を帯び、大事にしていたが、コンピエーニュで捕虜になる前に行方不明になってしまったという。
カール・マルテルが奉納した剣という尾ひれがついたりしたが、この剣の詳細については不明。

  • ジャンヌの異名をとった者
☆ラクシュミー・バーイー
19世紀インドのジャーンシーの王妃で、一度イギリスに接収された王国を率いて1857年のインド大反乱で英軍と戦う。
決して多くない兵で英軍に激しく抵抗し舌を巻かせた。セポイ/シパーヒーの反乱の主将として伝わる。
最後は狙撃され戦死したがその戦いぶりに「インドのジャンヌ・ダルク」と呼ばれた。
なお、田舎娘で学が無かった本物のジャンヌと違い、ラクシュミーは教養もある人物だったと伝えられている。
これを反映してか、『Fate/Grand Order』に登場するラクシュミー・バーイーは顔がジャンヌによく似ている*18


ジャンヌ・ダルクが登場する創作作品

非常に多い。特に日本では偉人お祭り騒ぎ系の作品では高確率で登場する。
数少ない女性偉人というのもあるが、10代の少女、戦う女の子、男装、悲劇的な最期など創作映えしやすい属性が多いというのも多いにある。
「日本の創作で使われたフランス人」で言えばナポレオンやマリー・アントワネットと並んで多い。
ドミニク・アングルの絵画『シャルル7世戴冠式のジャンヌ・ダルク』(1854年)をモデルに、「金髪色白で銀の鎧と旗を持った美少女」というデザインになることが多い。
炎を武器に使うという皮肉以外の何物でもない属性になってしまうことも…。

漫画

本人。百年戦争を長引かせて更に犠牲者を増やそうと考えたデーモン族に拉致され、デビルマンに救われる。

主人公はジャンヌの生まれ変わりであり、実際に処刑当日の過去に行ってジャンヌ本人と相対するエピソードも用意されている。

作中の敵役の一人としてジャンヌダルクが登場。詳細は当該項目を参照。

  • ブンダバー!
吉田創の漫画作品で、WW2中にフランスの呪術者達が召喚した「亡霊」として登場するエピソードがある。
日本軍の情報将校・三菱と激突するが、自身の信じてきた正義を論破された上に般若心経で成仏させられる羽目に。

  • 魔法少女たると☆マギカ The Legend of "Jeanne d'Arc"
アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の外伝漫画。
現存するジャンヌ・ダルクの署名の一つ「Jeanne Tart」から「タルト」と呼ばれている。
アニメの最終話で一瞬だけ示唆された「ジャンヌ・ダルク(漫画におけるタルト)が魔法少女だった」という設定を下地にした作品。マギレコでのタルトのCVは堀江由衣。

史実上で非業の死を遂げた人物が時を超えて訪れるレストラン「ヘブンズドア」の来客として初登場。
他の客と異なり元の世界に帰ることができず、そのまま現代に居ついてレストランで働くことに。

フランスの回想シーンに登場(CV:ハンガリー)。作中では「あのこ」表記。
イギリスにボコボコにされて消滅寸前になってた頃のフランスがかろうじて首の皮一枚繋がった理由の一人であり、
メシマズマユゲイギリスからは未だにイジリの種にされている。

170cm近い長身でかなりの美少女だが、神の加護故に性的消費されることは無い。
昇天した直後から天界の護衛騎士に任ぜられるも、下界で一向に聖人認定されず、毎年浪人生状態でペトロからお手製聖人認定まで貰っていた。
生前にありとあらゆる裏切りを受けてきたため、何かと地雷が多く悲観的な思考を辿る。

  • レベレーション-啓示-
山岸涼子の漫画。

  • ジャンヌ
安彦良和の漫画。
ジャンヌを戦術家として高く評価したフランス文学者で、ジャンヌ研究家の大谷暢順氏のジャンヌ伝にインスピレーションを受けて書かれた。


小説

  • マーク・トウェインのジャンヌ・ダルク
『トム・ソーヤーの冒険』『アーサー王宮廷のヤンキー』等の作品で知られる作家マーク・トウェインの創作作品。
地味に日本語邦訳の物理書籍は90年代にハードカバーで刊行されたっきりで、電子書籍以外で手に入れようとすると若干手間がかかる一冊でもある。

主人公の一人。ルーラークラスサーヴァント
ブロンドの髪を持つスタイルの良い美少女…という、概ねフィクションのジャンヌに多いキャラクターデザインとなっている一方、
キャラクター像は「真面目で規律正しいが、思考回路は脳筋気味」という、史実のジャンヌ像に寄せたものとなっている。
詳細はジャンヌ・ダルク(Fate)を、Fate/Grand Orderで登場したオルタ化した姿に関してはジャンヌ・オルタを参照の事
ちなみにオルタの更なる派生としてジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィもいる。
ちなみに、本来ならば「オルタ」と付くのは英霊の別側面(概ね悪しき側面が引き出される)であり、故に「反転した姿」とも呼ばれるが、
ジャンヌ・オルタは誕生経緯がやや特殊で、詳細は項目に譲るが、「(本シリーズにおける)ジャンヌに悪しき側面は存在しない」とされている。

勿論とっくに死んでいるが、オルレアン騎士団なる魔術教団がジャンヌの量産というバカげた計画を立ち上げている。
同作においては「傾国の女」と呼ばれる、数世紀に一度生まれる奇跡の子という設定。マリー・アントワネットも傾国の女だという。

本作においては刑死したのは影武者で、30世が登場している。

  • ユリシーズ ジャンヌ・ダルクと錬金の騎士
春日みかげによるライトノベル。

  • 戦国ベースボール
第13巻『VSワールドヒーローズ』で登場。見た目は美少女だが怪力を持つ。

歴史上の人物は実はニンジャだった場合とあくまで非ニンジャ(モータル)の場合とがあるが、ジャンヌ・ダルクは後者。
第2部のとあるニンジャの回想から読者の間ではニンジャであると思われていたが、
note限定エピソードにてそのニンジャの友人であり影武者のような関係だったと明かされている。
明言されていないが、最期は史実通りに処刑されたと考えて良いだろう。
つまりそのニンジャの回想は、本物のジャンヌが処刑されるところを目撃した影武者ということになる。他にクレオパトラの影武者もしていたようだ。

  • ジャンヌ・ダルクですが召喚されて邪メイドやってます
  • 召喚ジャンヌ戦記
  • 恋堕ちジャンヌ・ダルク クーデレ聖女と同棲生活
いずれも美少女文庫による神をも恐れぬ暴挙の数々。まあ、どれも史実よりはマシな扱いだからねぇ…。


ゲーム

ジャンヌ・ダルクの生涯をモチーフにファンタジー要素を多分に絡めた作品。
2006年の作品であり現在では若干知名度が低いが、ファンからは「隠れた名作」の評価を得ている。
ちなみに演者はFateでもジャンヌ役を演じることになる坂本真綾氏。

史実や漫画の人物をモチーフにしたキャラクターが大勢登場する格闘ゲームで、シリーズ一作目から「ジャンヌ」が登場。
ジャンヌ・ダルク本人ではあるのだが、ワガママで高飛車でナルシストと聖女らしさ皆無。武具も武器屋の親父から色仕掛けでちょろまかしたとか。
好きな音楽が讃美歌なので信仰心は史実通りと思われるが、デスメタルが隣に並んでいる。…ホントに聖女なの、この人?
尤も、この項目で書かれているように、史実におけるジャンヌも、その人物像を再現した作品のジャンヌも「相当な石頭の猪武者」であったと推測され、
毛色は違うが、おおよそ一般的な「聖女」のイメージとはかけ離れた人物像であったことには留意したい。絶対そういう意味のキャラ付けじゃないけど
ちなみにゲームでの登場時19歳だが、その後も年齢加算されておらず、その事を「20歳になると歴史と噛み合わなくなるとか、そういうのじゃないから」と誤魔化している。
どうも本作のジャンヌは歴史上の自分の末路を知っているらしい。ってか現住所が明らかに現代なので多分元の時代に帰ってない。
んで、そんな歴史上の自分の末路を気にしてか「自分より強い男と結婚する」というのが目標もあるが、ジャンヌ本人が強すぎて彼女の目に叶う男はいない哀しみを背負っている。*19
雑君保プのコミカライズ版では連載中途からジャンヌの史実上の足跡に着目した「オルレアンの少女編」が展開された。

  • 桃太郎電鉄
WORLD』と『ワールド』に歴史ヒーローとして登場。『WORLD』ではオルレアンの物件を、『ワールド』ではパリの物件を独占することで登場。

『WORLD』では、イギリスとフランスを中心にヨーロッパの物件を奪って来る。ただし1年ちょい経過すると前述の通り処刑される。こうなると、歴史ヒーローから強制的に離脱し、以後オルレアンを独占し直してもそのゲーム中は二度と登場しない。

『ワールド』では他の社長が持っているヨーロッパの物件を1~3件奪ったり、カードを3枚以上持っている他の社長のカードを1~3枚(稀に4枚)消したり、目的地に一気に進撃したりする。独占額が高額に跳ね上がった分、効果も強力になっている。また、今作では独占が崩れない限り処刑による離脱もなくなった。

  • BLADE STORM 百年戦争
コーエーテクモによる部隊戦術アクション。ジャンヌ(CV:冬馬由美)がフランス陣営のヒロイン的NPCとして登場している。
後に『無双OROCHI2』と『無双OROCHI3 Ultimate』にもコラボキャラとして登場した。

  • 英雄*戦姫
神の声を聞いて立ち上がったなどのバックボーンは史実と同じ。背中に羽がある他、目がしいたけ目の中に星がある金髪美少女。
「カミサマは言いました」と言いつつ割と好き勝手に振る舞う電波系で、吸血鬼であるヴラドとは(建前上)犬猿の仲。

元は『神撃のバハムート』のキャラ(CV:潘めぐみ)。神の啓示を受け、世界と民を安寧へ導くことを使命とする聖乙女。
神バハ/グラブル世界においてはキリスト教が無いため、大まかな設定だけ借りているに近い。

聖刻の龍騎姫・ジャンヌダルクと、正月ガチャ限定のカルタ取りの女王・ジャンヌダルクが該当。
前者はスペシャルダンジョン「聖の龍騎姫」に登場し、
後に龍騎姫シリーズのダンジョンがテクニカルダンジョンに常設されるようになったため、いつでも入手が可能になった。

電脳学園ギャラクシーギャルズの伝説レアに聖会長ジャンヌダルクがいる。
赤い敵と浮いてる敵に極ダメージを与える頼もしいお方。
スタイルも伝説的でよく揺れる

「2の力」カリスマディフェンダーを持つ歴史上の偉人(CV:寿美菜子)。
なんと眼鏡っ子だが、当時流通していたものと違い現代の眼鏡に近い。

  • 信長の野望 烈風伝パワーアップキット
家庭用ゲーム機版のみに登場するシナリオ「諸王の戦い」にユリウス(ユリウスカエサル)家の武将として参戦。

ジャンヌ「あなたがロビンフットさんね、確か子供の頭の上に載せたリンゴを弓で撃ち抜いた…」
ロビン「それはウィリアム・テルでしょうが!」

ジャンヌ「あなたの事は知っています。 確か満月の夜に狼になるとか…」
ブラド「ねぇロビン、こいつの血吸ってもいいかな?」
ロビン「お、落ち着いて…」


実写作品

  • コント55号 宇宙大冒険
東宝チャンピオンまつりで公開された、人気芸人コント55号主演のコメディ映画。
楊貴妃・クレオパトラ・マリリンモンローらと共に宇宙人に攫われていた。
ちなみに演者はカルーセル麻紀である。逆じゃん。

ジャンヌ・ダルクゴースト眼魂」が作中に登場。
デザインは一般公募されたもので、作中で仮面ライダーがこれを用いてフォームチェンジする事はない。

  • 舞台「ジャンヌ・ダルク」
2010年に劇団新感線が天元突破グレンラガンで有名な中島かずき脚本・堀北真希主演で上演した舞台作品。
2014年には有村架純主演で再演され、2023年にも清原果耶主演で再演。

その他、ジャンヌ・ダルクをモチーフとしたキャラ・メカニック

アイリス所属のKAN-SEN。
直接のモデルはフランス海軍の軽巡洋艦ジャンヌ・ダルクだが、性格やスキルは聖女の方から採用されている。
最大の特徴は何もしてないのに開幕で燃えること。攻撃されれば確率で延焼し、炎上中は攻撃性能が上がる。あとロイヤル(=イギリス)にも特効。

レイレナードに所属する女性リンクスの一人。
「アンジェ」とはフランスの地名であり、アンジェの一部は百年戦争の発端となるアンジュー家が支配していた土地である事、
愛機の機体名が「オルレア」である事、またフロムお馴染みの月光を装備するもいわゆる剣豪機である事などから、
モチーフはジャンヌ・ダルクと見て間違いない。
過去に幾人ものレイヴンを倒している事から「鴉殺し」の異名を持つ強者であり、
登場ミッション名は「騎士の庭」であるが、主人公との戦闘に心を躍らせるばかりか笑い声すら上げ、フィオナに「戦いを楽しんでいるよう」と称される、
主人公に敗北してもなお「(自分を倒した事を)誇ってくれ、それが手向けだ」と言い残すなど、その振る舞いは 女騎士というよりは武士に近い





追記・修正は百年戦争に参加していた方に御願いします。

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最終更新:2025年05月11日 14:06

*1 この百年戦争、きっかけは2つほどある。まず領土や資源の取り合い(特に重要視されたのは羊毛の産地として有名なフランドル地方)、そして互いの王家が親戚同士だったために起きた内輪揉め。イギリス国王のエドワード3世が「母親はイギリスに嫁いだけど元々はフランス王女、だからワタシはフランス王にもなれるはずなんだ!」とかゴネたせいでフランス側と揉めまくり、結果約120年もダラダラと戦争する羽目になったのだ。ただしその間ずっとやり合っていたわけではなく、休戦状態で平穏だった時期も長い。どちらにせよ、国民にとってはとてつもなく迷惑な話だ。

*2 シャルルがフランス王家の正統な後継者であることを告げたともいわれる

*3 当時、大砲は城壁を破壊するためのものであり、当時こんな使い方をしたのはジャンヌくらいのものである。

*4 その前にジャン一世を暗殺してしまって話がこじれた(らしいが真相は不明)という面もあるが

*5 成功例は華々しいが、パリ包囲戦や捕虜になった時を見るにそこまで計算高くはなかった模様

*6 なお、ブルゴーニュも市民を扇動したりとどちらが潔白などと言える話でもない。

*7 クロスボウのような殺傷力の高い武具が禁じられたこともあったが、これは「捕虜に過剰に傷をつけて身代金の金額を落とさせないため」だったといわれている。

*8 劇作家バーナード・ショーはこの裁判でのジャンヌの答弁に感銘を受け、劇「聖女ジョウン」を書き上げた

*9 逆に言うと、そうする他に判事たちがジャンヌを有罪にする手立てがなかったということでもある

*10 ただしこの当時の読み書きは高等テクニックで専門職すらあるほどだった。なのでジャンヌのような一般人はもちろん、上流階級でも文盲はザラだった。

*11 ただ、ジャンヌは嘘に気づいており署名はあくまでこれに従わないという意味で記したという説もある

*12 史実とは彼女の最後も含めて大きく異なる筋書きである

*13 各地の「おらが街の聖人伝説」をほいほい認定するのをやめ、調査、確認、基準を満たしたものでないと認定しないようになっていった

*14 陣営内で兵士とイチャイチャしていた娼婦たちを追い払い、乱れ切っていた軍の綱紀を粛正した。フランス文学者の村松剛氏はこのことからジャンヌは現実主義者だったと断定している

*15 もちろん年代・場所・団体に応じて娼婦の管理も様々で、娼婦にまつわるいざこざなども昔から数多く記録されているが、略奪や強姦の予防効果(発生確率が現代よりも高いだけで当時でももちろん非難や処罰の対象だった)として公的に娼婦を管理したり、暴走するよりはと黙認するケースは数多かった。

*16 他にも捕虜待遇なのに何度も脱走しようとしたために犯罪者待遇になったのでは?というエピソードもあることから、異端審問は論外でも、ジャンヌにも何かしら問題行動があったので捕虜交換出来なかった説もある。

*17 ちなみに、似たような例として織田信長に仕えた小姓として有名な森蘭丸が挙げられる。

*18 ただし、元々別人故か、担当声優はジャンヌを演じている坂本真綾氏ではなく佐藤利奈氏で、人柄も割と違っている。

*19 惚れた相手もいたのだが、向こうがジャンヌのようなタイプが苦手なせいで400戦400勝してしまった。

*20 ブリタニアは元々イギリスから発展した国なので、レイラはヨーロッパ(EU)本土の守護者という立ち位置であり作中でも言及されている。まあ皮肉も込められてはいるが。