クリキング(マリオシリーズ)

登録日:2023/06/25 Sun 00:00:00
更新日:2025/02/24 Mon 12:06:13
所要時間:約 8 分で読めます




クリキングとはマリオシリーズに登場するキャラクターである。

【概要】

名前の通り、王様の格好をしたクリボー
威厳たっぷりに蓄えた白ひげ立派なクラウン
赤白ストライプのおしゃれなパンツ
通常のクリボーより二回りも大きい巨体が特徴。
そして何よりぎょろりとしたガチャ目は一目見ただけで記憶に焼き付く強力なトレードマーク。
常日頃せわしなく動いてる目玉は、どこかコミカルにも恐ろしくも見える。

後述のように『マリオストーリー』初出のオリジナルキャラクターだが、そこから本家シリーズ含む他ゲームにも登場という中々類を見ないキャラクターである*1


マリオストーリー


キサマが マリオか~!
よくぞ ここまで きたものだ!
ほめて つかわそう


記念すべき初登場作品。
クッパの軍団に属しており、彼が手に入れたスターのつえの力で「王様になる」という夢を叶えてもらった。
一方で星のせいの監視任務は与えられておらず、軍団の他部下達と比べると格落ち感がちょっぴり否めない。
配下にこれまた普通のクリボーより一回り大柄な『クリレッドクリブルー』兄弟を迎えている。

そんなクリキングの活躍はプロローグで描かれる。

長年の宿敵、クッパにまさかの完全敗北を喫したマリオ。
クリ村の親切なキノピオやクリボーたちに辛うじて助けてもらい、まずはスターのつえの力を打ち破る方法を知るべく星のせいを探す旅に出ることにした。
マリオに憧れる博識なクリボーの少年『クリオ』を仲間に加え、キノコタウンへと足を進めていく。

クリ村とキノコタウンを繋ぐ唯一の橋、そこにデカデカと陣取っているのがクリキングの砦である。*2
マリオの行手を阻まんと部下たちと共に戦いを挑む!


いくぞ マリオ!
かくご~~~っ!!

【VSクリキング】


負けイベントのクッパ戦を除けば)初めてのステージボス戦!
…とはいったものの、まだプロローグなので難易度は優しめ。ボス戦のチュートリアルといったところだ。
クリキングは基本的にはやたらスタイリッシュな回し蹴りによる攻撃を繰り返すのみ。ダメージも1なので然程脅威では無い。
むしろクリキングに加えてクリレッド&ブルーが控えているため、数だけで見ればマリオ側がやや不利な戦況。
無抵抗だと毎ターン3ダメージも受けてしまうためこれは厄介。

しかしレッド達は先の戦いによる疲れが残っているため、HPは哀れたったの2。マリオとクリオが集中攻撃すればあっさり倒せてしまう。
また背景には立派なクリの木が屹立しているが、注目すべきは「さあ叩け」と言わんばかりの根っこの絆創膏マーク。
ここに攻撃を当てると巨大なイガグリがクリキング達の頭に命中!全体3ダメージという多大なアドバンテージを得ることができるのだ。

一方でクリキングも1度だけ、ジャンプによる振動でこちらにイガグリを落としてくる。
ダメージ2とそれなりに痛いので回復は怠らないようにしよう。
取り巻きが残っている序盤はダメージがかさみやすいため、ピンチになったら迷わずキノコを食べて回復しよう。死んでからでは遅いのだ。

このように「複数体の敵は弱ってる相手から集中攻撃する」「ボス以外にも攻撃できるオブジェがある」といった事を学べる戦闘になっているのだ。
身をもってマリオとプレイヤーの糧となったクリキングに合掌。

ちなみにクリレッド&ブルーより先にクリキングを倒すと専用台詞を見ることが出来る。
レッド達を先に倒してしまわないようにする場合、イガグリを落としたり攻撃アイテムを使用したりするわけにはいかないので少々大変だが、気が向いた人は試しにやってみても良いかもしれない。


こうして蹴散らされたクリキングだったが、意外にもタフなのか戦闘後もぴんぴんしている。
それどころかそそくさと砦へ逃げ込み閉じこもってしまう始末。

砦を退けなければ通れる道もなく、先へ進めなくなったマリオ達。
困り果てる中近辺を探索していると草むらに怪しげなスイッチが……他にやることも無いのでサッサと押してしまおう。

ついでに閉ざされた扉で耳を澄ませるとクリキング達のヒソヒソ話が聞こえる。大事なスイッチのようだがクリレッド・ブルーが砦の外に隠した代物らしい。当然クリキングからは何故中に隠さなかった!と雷を落とされた模様。

マリオがスイッチを勢いよく押し込んだ、その瞬間クリキングが慌てて顔を出して…


もし そのへんで あやしいスイッチを
はっけんしても けっして おすでないぞ
わかったなっ!


…って
キサマ~
もう おしとるではないか〜!!

不気味な地響きと共に砦が揺れ始め、砦に立っている塔の部分がジャバラの如く大ジャンプ!
勢いそのままクリキングは空の彼方へ吹っ飛ばされ、あっという間にお星様になったのだった……
そしてジャバラジャンプした塔は崖にナイス着地、立派な橋が出来上がりました。

こうしてようやくキノコタウンへの道を切り拓いたマリオだが、目指すべきクッパ城は天高く飛び去ったまま。
長い長い冒険は第一歩を踏み出したばかりであった。


チュートリアルバトルとはいえ、実に不甲斐ない活躍を披露してしまったクリキング。
残念ながらというか当然というべきか、上司からの評価も大変厳しいものに。
活躍を期待していたクッパから「せっかく願いを叶えてやったというのにとんだヘナチョコではないか!!」と叱責され、
カメックババからは「クリキングなどただのザコ」「負けることも計算済み」とハナから当てにされておらず、
ノコブロスからは「体が大きいだけの弱っちいクリキングなんかと一緒にされては困る」と当て馬に……と散々なものである。
元より実力に期待してなかったからこそ星のせいの監視も任せなかったのだろうか……

漫画版である『スーパーマリオくん』では「クッパに王にして貰った仕返しにマリオを倒す」とお返しと仕返しを言い間違える、マリオのヒゲとクリオの眉毛を誤認し勝手に間違えて攻撃しておきながら騙されたと憤慨するなど輪をかけてアホになっており、カメックババにも「あんなアホを王にしたのが間違い」となじられる程。
それでも『ビックリキック』やゲーム版同様イガグリやらタライやら変な物を落とす『ビックリ攻撃』、更には逃げ足の速さを利用し砦の上に逃げ込んで翻弄するが、マリオのハンマーナゲールを受けて倒された。

しかし一方でクリキングのような大したことのない存在でも、スターのつえ一つで「王様になる」という願いを叶えられているのも事実。
彼の弱さが逆説的にどんな野望もクッパの思うがままという脅威を暗に示しているキャラクターとも言えるだろう。


エンディングのパレードで久しぶりに登場したものの、何故か街路樹に逆さまで引っかかったままという実に間抜けなシーンに。
おまけにボスキャラクターのパレード登場トップバッターの座をノコブロスに取られるなど最後まで散々な目に遭うのだった。
……クリレッド・クリブルーという未だ慕ってくれる部下がいることだけは幸いか。


ペーパーマリオRPG

ペーパーマリオシリーズ続編の本作にも続投。
といっても作中キャラのセリフやテキストで登場するだけと扱いはか~な~り地味。

マリオがスターストーンを巡る冒険を続ける傍ら、あのルイージもひそかに冒険へ旅立っていた!という内容の本『スーパールイージRPG』にて登場。
ワッフル王国のお姫様『エクレア姫』を誘拐したカイブツとして恐れられており、王国の『クレープ大臣』から依頼を受けたのがルイージの冒険のきっかけでもあった。
前作ではマリオへ最初に立ちはだかるボスとして描かれたのに対して、今作ではルイージの冒険の終着点として倒すべき敵という対照的な存在になっているのも面白い。



スーパーマリオ64DS


ワッハッハ!
ワシこそが クリボーのなかの
クリボー、クリキングさまだ!
ただのクリボーではない、
とてもエラーいクリボーだ。


まさかの本編マリオシリーズへの逆輸入。
リメイクにあたり様々な要素が追加された本作だが、ペーパーマリオシリーズから登場できたボスキャラは彼が唯一である。
ピーチのプレイルーム奥の部屋に飾られたマリオの絵画、その中に広がるステージ「☆おこりんぼクリキング」に登場する。
枯れ木立ち並ぶ空間の中、あちらこちらに毒沼が顔を見せている……というなんだか寂れた雰囲気のステージ。
もちろん毒沼へ落ちればダメージを受けてしまうので避けていこう。ヨッシーのジャンプ力の見せ所だ。

本命のクリキングは最深部の切り株状のフィールドで待ち受けている。
なんとマリオを捕らえるという大金星を挙げているのだ。『マリオストーリー』の頼りなかった姿からは考えられない活躍である。コレならクッパも大満足だろう。

戦闘では部下のクリボー達をゾロゾロと引き連れて悠々と闊歩している。
その巨体ゆえか踏んづけてもダメージを与えられないため、代わりにクリボーをタマゴに変えてぶつけてやろう。

さらにカウンターとしてダメージを受けるたびに真っ赤に怒りますます巨大に!
ヨッシーを踏みつぶさんばかりの図体でズシンズシンと迫ってくるのはインパクト抜群。
特に最終段階ではまず走って逃げられないほどの突進で追い立ててくる。
ここは踏ん張りジャンプで華麗に背後を取ろう。

見事クリキングを打ち倒せばマリオの救出に成功!
以降は操作キャラを入れ替えられるようになる。

マリオ・ルイージ・ワリオを救出した後であれば彼らでも戦いを挑める。
タマゴ……ではなくパンチやキックでクリボーを吹っ飛ばしてぶつけてやろう。

更に各キャラごとに専用の会話が用意されている。実に芸が細かい。
マリオ相手にはリベンジに燃える闘志を見せるが、ルイージはとことん見下した挙句「ルイージ如きに負けるとは」とまで言い放つ。酷え。
面識のないワリオには当初こそ「ヒマつぶし」にと相手をするが、負けた後は潔く実力を認めるなど中々良い相性。(元)ヴィラン同士通ずるものがあったのかもしれない。


マリオカートDS

まさかまさかの3度目の登場。
本作は『スーパーマリオ64DS』に登場したボスキャラが多く再出演しているため、彼もその一環で選出されたのだろうが、それにしてもこの出番の多さは驚異的である。

本作ではミッションラン3面ボスとして立ちはだかる。
レースの舞台は「ベビィパーク」。キノピオとの3ラップ制レース対決を挑んでくる。

そして気になる実力だが、もう王様やめてレーサーに転向した方が良いんじゃないかなと思うほどの爆走っぷりを見せつけてくれる。本作のその後のボス達より苦戦したというプレイヤーも少なくないことだろう。
キノピオのハンドルさばきを軽々と追い抜く俊足であり、ドリフトやミニダッシュを駆使しないとまず追いつけないレベルである。その脚力をマリオストーリーでも活かせていたら…

また時々後ろを振り向いてはクリボーやダッシュキノコを投げつけてくる。
クリボーに当たれば風船が割れてしまい、3つ割れればゲームオーバー。タイムロスも大きいのでしっかり回避。
逆にクリボーをかわしてキノコを取れれば一気に加速して逆転のチャンス!なんとか掻い潜って手にしよう。振り向いてる間はクリキングの足も止まるため追い抜く好機だ。

しかし1周ごとに体を真っ赤に振るわせてはますますスピードが上昇する。最終ラップにもなれば爆速と言ってもいいほどのスピード狂になる。
しかもコース無視のショートカットまでしてくる始末。
こんなインチキする相手に負けるわけにはいかない!最終ラップまでにリードをしっかり稼ぎつつ、クリボーを避けてなんとか逃げ切ろう。

余談

  • マリオストーリーのクリキング戦で流れるBGM『我が名はクリキング』は軽快に奏でられる木琴が心地よい一曲。立ちはだかるボスとしての強大さと、どこか憎めない間抜けな様子が絶妙に合わさったものとなっている。
    同じく会話イベントで流れるBGM「クリキング登場」は、これまたおとぼけなメロディでクリキングの愛嬌、滑稽さを醸し出している。

  • マリオストーリーのハテナ虫が出すクイズとして「クリキングがはいていたパンツの色は何色?」というものがある。画面の前の君も考えてみよう!
    コラそこ!答える前にスクロールしない!


イガグリに気を付けて追記・修正よろしくお願いします。

画像出典:マリオストーリー/インテリジェントシステムズ/任天堂/2000年8月11日発売
(画像は2021年12月10日に配信のNINTENDO 64 Nintendo Switch Online版)


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最終更新:2025年02月24日 12:06
添付ファイル

*1 トゲノコや星のせいなど他にもそういったキャラはいるが、複数作品に登場できたキャラは彼が唯一である。

*2 クリオ曰く以前は砦なんて無かったようで、王様になったクリキングがついでに建ててもらったか自作したのだろう。近隣にはわざわざ看板まで建ててるし。

*3 ちなみにクリキングの英語名は、従来の個体が「Goomboss」になっているのに対してこちらは「Chestnut King」となっており、海外版では別人扱いされている模様。