登録日:2023/07/04 Tue 00:42:42
更新日:2025/01/12 Sun 20:15:10
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【解説】
ラッキー・ダーツ R 光文明 (1) |
呪文 |
自分のシールドを1つ相手に選ばせ、見る。その中から、好きな枚数の呪文を、コストを支払わずに唱えてもよい。 |
コスト設定は最低数値の1コストとなっているが、その理由はその独特な内容にある。
自分のシールドを相手に選ばせて確認し、そのシールドが呪文であれば任意で踏み倒して唱えることが出来る。
呪文を引き当てれば1コストで大きなアドバンテージを得られるが、呪文を当てられなければスカって終わるという正にダーツの名に相応しいギャンブル性の強いカードとなっている。
当然ではあるが1コストということもあるので、踏み倒しを狙うならばゲームエンドレベルに持ち込める呪文を狙いたい。
インビンシブル呪文や《
ティラノ・リンク・ノヴァ》 、《オールデリート》に《ゴッド・サーガ》辺りがよく挙げられる踏み倒し候補。
特に《オールデリート》と
禁断を組み合わせることにより、理論上は事実上
1ターン開始時点で勝利できる
有名なコンボが開発され、【ダーツデリート】と呼ばれる専用デッキにまで発展した。
ちなみにテキストでは「好きな枚数の呪文」となっているので、1枚のシールドが複数枚のカードで構成されている場合はそれらを全て参照できる。
そのことから後に登場したシールド・プラスなどの相性が良く、このカードを投入したデッキを構築するなら是非とも覚えておきたいテクニック。
ところがあまりにも運要素が強いので、安定した運用は極めて難しいカードでもある。
まずシールド自体は相手に選ばせるので自分で仕組んだシールドから踏み倒すと言った動作は不可能であり、相手の引き運の悪さが非常に重要となる。
一応、シールドが無い状態で1枚だけシールド追加をして相手に選ばせるという手段を取らせることやシールドの選択権を逆転させる《メロッペ》などのカードと組みわせると言った戦法もあるが。
呪文を引き当てる可能性を上げるには当然デッキ内の呪文の比率を上げる必要があるため、デッキの構築も基本的に偏って扱いにくい内容となる。
しかも威力の高い呪文の踏み倒しを狙うためにデッキ内にそのような呪文を多く投入すると、当然手札事故の可能性も高くなってしまう。
理論上はオール呪文デッキも可能となる超次元呪文及びサイキック・クリーチャーの登場までは、構築には非常に高度な内容が要求された。
双極篇からは
ツインパクトが登場したことでクリーチャーと呪文の比率を安定化させることが出来るようになったため、組むのは当時よりは楽になったが。
そして、現在はラッキー・ダーツは殿堂入りカードなので、一度選択を外すとリベンジできる可能性が低くなる。
呪文回収カードなどを使えば再度唱えられるが、やはり1枚しか投入できないなら複数回唱える流れは安定しないだろう。
【環境での活躍】
登場初期
登場時点では面白味のある能力であることは認められていたが、ネタカードの領域から評価が出ることはなかった。
これはこのカードが登場した聖拳編時点での呪文カードのスペックがインフレしていなかったことが挙げられる。
ラッキー・ダーツの登場時点で早期に唱えてゲームの情勢を一気に変えるような呪文は、インビンシブル呪文や《
ロスト・ソウル》くらいしかなかった。
そのため、一部の呪文以外は相手からすれば早期に唱えられてもまだ立て直しが可能な影響力に留まる呪文が多かった。
フレーバーテキストの「
当たれ、インビンシブル!」からも、開発がインビンシブル呪文とのロマンコンボを想定していたことが読み取れる。
超次元ダーツ誕生
やがてインフレが進むとそれに応じて超大型級呪文も数を増やしていき、ついに
覚醒編においてこのカードの真価が発揮されることになる。
サイキック・クリーチャーとそれを出すための手段である超次元呪文という新しい概念の登場である。
これにより、1ターン目にラッキー・ダーツから超次元呪文を引き当ててクリーチャーを展開できるという高速化を極めた戦略が完成した。
ラッキー・ダーツと超次元系のカードで構築した専用デッキは【超次元ダーツ】と呼ばれる。
デッキの大半のカードを呪文で構成出来るかつクリーチャーをメインデッキ内に多く入れる必要が無く、ややリスキーではあるがノンクリーチャーデッキも構築できた。
《爆進イントゥ・ザ・ワイルド》などのマナブースト系統カードも入れることにより、超次元呪文を直接引き当てるだけではなく、マナブーストからの超次元呪文の発動という動きも出来た。
【超次元ダーツ】の完成により、ラッキー・ダーツというカードはネタだけでは終わらない実戦的な強さを獲得することになる。
殿堂入りへ
【超次元ダーツ】による最初ターンでのクリーチャーの展開や大型呪文を引き当てることによる運ゲー要素が危険視されてか、2011年に殿堂入り。
運ゲーというだけではなく、先攻1ターン目があまりにも有利になりすぎることも問題視されたのかもしれない。
一方でゲームのインフレと高速化が進むことで呪文もかなり強力なカードが増えていき、ラッキー・ダーツで唱えれば勝ちに繋がるカードは増えている。
特に《オールデリート》と組み合わせた【ダーツデリート】は1ターンキルも可能な性質から
ファンデッキの範囲から頭一つ抜け、環境でも度々入賞する地雷系デッキとして活躍した。
このように殿堂後も場合によっては環境で見かける機会もあり、殿堂入りでファンデッキ向けのカードに戻ったと言ってもポテンシャル自体は健在である。
ラッキー・ダーツの存在は呪文のカードパワーのインフレや外部ゾーンの開発にも影響する可能性が高いため、今後殿堂解除される可能性は低いと思われる。
ある意味運ゲーという面でも
ロマンコンボのパーツという面でも一種の到達点とも言えるカード設計だったと言える。
そしてこのカードの出身シリーズは多くの殿堂入りを生み出した聖拳編であり、聖拳編がDMの歴史に与えた影響を示す1枚でもある。
【派生カード】
森獣妖精ポニーネイチャー R 自然文明 (7) |
クリーチャー:スノーフェアリー/エメラルド・モンスター 6000 |
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分のシールドからカードを1枚相手に選ばせる。そのカードを見て、進化以外のクリーチャーであれば、バトルゾーンに出してもよい。 |
W・ブレイカー |
戦国編で登場したクリーチャー。一見するとラッキー・ダーツとの関連性はないように見えるが、ラッキー・ダーツの効果をクリーチャー踏み倒しにした能力を持っている。
踏み倒し効果はクリーチャー対象なので呪文を対象にするよりは安定はするが、
スノーフェアリーとしては珍しい重量級なのでギャンブルカードとしては手軽さが無いのが難点。
フレーバーテキストの「禁断の秘儀」に関する記述が意味深だが、後にラッキー・ダーツが殿堂入りしたので、恐らく偶然ではあるだろうが類似した能力故に禁断の秘儀っぽさが増している。
アンラッキーダーツ R 闇文明 (3) |
呪文 |
数をひとつ選んで言う。その後、相手の手札を1枚見ないで選び、捨てさせる。そのカードのコストが、選んだ数と同じであれば、カードを1枚引く。 |
ラッキー・ダーツの闇文明版(《滅亡ルーレット》の派生カードという見方もある)。
イラストやギャンブル要素のある性質などは近寄せているが、効果は踏み倒しではなくハンデスとドローになっている。
幸運の伝道師ラッキーダ C 光文明 (4) |
クリーチャー:バーサーカー 5000 |
S・トリガー(このクリーチャーをシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ召喚してもよい) |
ラッキー・ダーツのクリーチャー版。S・トリガーを持つ準バニラ的スペック。
種族も超不遇種族なので実践的な使い道はないが、このカードの持ち味はゲーム面での性能などではない。
実は
王来篇のキャンペーンとして展開された《
ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》の20thSPレアを入手できる引換券版が存在しており、そちらを引き当てれば正にラッキー。
ラッキー・ダーツ R 光文明 (5) |
呪文 |
S・トリガー |
自分のランダムなシールド1つを見る。その中にある呪文をすべて、コストを支払わずに唱える。 |
DMPP-07「超神星爆誕 -GATE OF DISASTER-」において収録。レアリティはTCG版のまま。
S・トリガーが付いたので無料で唱えられるようになっており、シールド選択がランダム化したので相手に選ばせるよりは選んでほしいシールドを引き当てられる可能性が増えた。
一方でコスト設定自体は重量化してしまい、地味に踏み倒しも強制効果に弱体化してたのでシールドを減らしたくない場面でも削ってしまうなど自傷してしまう危険性も生まれてしまっている。
【余談】
- DMX-12やDMEX-08で再録されるなど、ブラック・ボックス・シリーズで収録される機会が多いカードでもある。
- コラボ対象として選ばれる機会も多く、DMX-12版のイラストはあの有名玩具『黒ひげ危機一発』とのコラボとなっている。
コロコロアニキ付録のプロモ版は『ポプテピピック』や『WIXOSS』との複数のコラボレーションだが、WIXOSSのプロモカードである《ラッキー・パンチ》とイラストが繋がっており、ポプ子とピピ美が互いのTCGを煽り合うという内容になっている。
- ラッキー・ダーツが初登場するDM-12の前弾のDM-11では闇文明の呪文として《滅亡ルーレット》というカードが登場しており、こちらはギャンブル要素のある独特なハンデス効果を持つ。
明言はされていないが、対立する文明同士における対照的なカードとしての関係性だった可能性がある。
運も実力のうち?そんなことを言ってるうちは追記・修正が足りない。
- これも聖拳編か…どうなってんだあのシリーズは -- 名無しさん (2023-07-04 16:06:45)
最終更新:2025年01月12日 20:15