登録日:2023/11/01 Wed 01:15:22
更新日:2024/09/20 Fri 13:18:49
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【アウターワールド(Outer World)】とは1991年にフランスのゲームメーカー「デルフィン・ソフトウェア」から発売されたアクションアドベンチャーゲーム。
日本では翌年にビクター音楽産業より
スーパーファミコン用に移植されて販売された。
ちなみに原題は『Another World』だが、アメリカで同名のドラマがあったことから『Out of This World』というタイトルとなり、日本版の発売の際に『Outer World』という邦題となった。
後に2011年のiOS版や2018年の
Nintendo Switch版などでは世界共通で『Another World』に統一されている。
ややこしいね。
概要
粒子加速実験の最中に研究所に落ちた落雷の影響で
異世界へ飛ばされてしまった科学者レスターを操作して、異世界で彼が捕らえられた要塞のような施設からの脱出を目的としている。
当時としてはまだ珍しいフルポリゴンで作られており、また冒頭を除いて文章による説明はないうえにセリフも後述の通称の要因となる理解不能な言語だけで存在せず、場面の表現は効果音と
BGMのみであることが特徴。
そのためステージ内にある仕掛けや相手の動き等を観察して適切な行動をとることで危機を乗り越えていくことが基本となる。
敵からの攻撃を受けると即死なうえにガスや異世界の危険生物など随所に
即死トラップが存在しており、前述の通り文字や言語による説明がないことからほぼノーヒントで攻略しないといけない。また動きも非常に滑らかな故に動きの癖がかなり強いことから全体的に難易度が高い死にゲーとなっている。
とはいえコンティニューは無制限で何度も繰り返していけばクリアできる程度には収まっており、慣れてくれば一時間以内でクリアすることも可能。
発売から15周年記念に発売されたリマスター版の『Another World Anniversary Edition』ではビジュアルの修正の他にも難易度の変更が行えるようになっている。
登場人物
本編の主人公で赤毛の髪が特徴の科学者。
粒子加速実験の事故が原因で異世界に飛ばされてしまい、そこの生物に襲われたり異世界人に捕らわれてしまう等散々な目にあってしまう。
しかし科学者とは思えないほどの身体能力と未知の武器や兵器を使いこなして見せる対応力を兼ね備えており、危険な場面でも果敢に立ち向かう勇敢な人物であることがうかがえる。すぐ死ぬけど。
操作時には敵から奪った
光線銃を駆使して攻略することになる。この銃は通常弾の他にチャージすることで一定回数防げる
バリアを展開/さらにチャージすることで特定の壁やバリアを破壊できる威力にすることが出来る。
ただし敵の異世界人も同様の銃で攻撃してくる上にバリアは防げるのは銃撃のみで敵の接近などは防げない。また一定以上使うとエネルギー切れして使えなくなってしまう。とはいえエネルギーの補充場所は存在し、余程無駄撃ちしなければ早々エネルギー切れにならない程度の余裕は確保されている。
また研究所に残されていた彼が異世界で体験した経験を綴った日記が残されており、冒頭ではその文章が流れている。
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続編では |
重傷を負いながらもピンチに陥った異世界の相棒を救うために立ち向かった末に電撃により死亡してしまう。
遺体は異世界人により火葬されたが、彼が綴った日記が何故元の世界には残されていたかは最後まで明かされることはなかった。脚本の人そこまで考えてないと思うよ。
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レスターが捕らわれた檻に一緒にいた異世界人。のっぺりとした円らな瞳をした大男のような姿をしている。
レスターと共に檻から脱出したことが切っ掛けで彼と協力して要塞から脱出することになる。途中離れてしまい別行動になってしまうが、彼からしたらレスターは異世界人であるにもかかわらずピンチの際に見放さずに助けてくれることから義理堅く善良な性格をしていることがうかがえる。
続編では彼を主人公として操作することになる。銃と同様と思われるエネルギーが流れる
鞭を自在に操って戦い、鞭は銃と同じく光線やバリアも可能なうえにこれを利用して障害物を乗り越えたり仕掛けを作動させることが出来る。
更に元々は要塞から離れた村で平和に暮らしていたが、後述の要塞にいる異世界人に襲撃されて捕らえられてしまったことが明かされる。
本名は続編を含めても明かされることはないが、檻から脱出する際にそれを見つけた兵士が発した言語が「ヤマシタ‼ヤマシタ‼」と聞こえることからファンからは「ヤマシタ」と呼ばれている。
更に脱出した直後にレスターの肩を叩いた後に発する言語が「お前ずるいもん」と聞こえたりなど今作において特に印象が残る場面を提供してくる。
姿は行動を共にする異世界人と区別がつかないが、よく見ると敵の異世界人には赤いベルトのようなものを巻いており、またその首謀格と思われる異世界人は赤い瞳をしている。
相棒の異世界人が住んでいた村をはじめ、他所に住んでいる住人を捕らえて強制労働やコロシアムと思われる場所で戦わせるなど奴隷同然として扱っているようだ。
レスターを見つけると容赦なく銃撃してくる上にぶつかってしまうとマウントポジションを取られてペチペチと音を立てながらフルボッコにされてゲームオーバーになってしまう。
敵は男性のみだが、長い髪を生やした頭頂部は男性と同じように剥げてる女性と思わしき異世界人も大勢で微塵も嬉しくない水浴びしている場面で見ることが出来る。
異世界に生息している真っ黒な体色をした大型のネコ科の猛獣のような生物で異世界にやってきたレスターを見かけると容赦なく襲い掛かってくる。勿論捕まると一発アウト。
しかし続編では異世界人と特に拘束具もなく普通に共存している様子が描かれており、きちんと躾けをすればペットとして飼うことも出来る模様。
レスターの行く先々で出くわす異世界に生息する生物たち。
即死させるほどの強力な猛毒を持った毒針を持つヒルのようなものや、人間一人を容易く捕食してしまう食肉植物のようなもの等どれも触れると一発アウトとなってしまう狂暴で危険な生物ばかりである。
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ネタバレ |
ラストでは黒い ドラゴンのような生物が登場し、レスターと相棒の異世界人はそれに乗って脱出する。
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余談
- 今作はデルフィン・ソフトウェアに勤務していたエリック・シャイ氏が二年かけてプログラムからデザインまで一人で制作している。
またエリック氏は脚本やプロットを作ることはせずに行き当たりばったりの即興で作り上げたのだという。これは「プレイヤーを驚かせるためには自分も予測できないことをしなければならない」という考えからとのこと。……つまり本当に脚本の人そこまで考えていない。
その結果がご覧の通り、初見殺しオンパレードで最初からクライマックス高難易度なわけだけど。
- 高難易度で人を選ぶ作品ではあるが、当時としては高度なグラフィックで描かれる無機質で独特な世界観や映画のような演出などから高い評価を受け、更にメタルギアシリーズで有名な小島秀夫氏やシルバー事件シリーズやkiller7で知られる須田剛一氏は大好きなゲームとして今作を挙げており、ゲーム業界にも多大な影響を与えた。
- 続編としてSEGA CD(メガCD)専用ソフトの『Heart of the Alien』があるが、こちらは日本版での発売はされていない。と言うか移植・リマスターなども全くされていないのでプレイするのはかなり困難。
海外ウィキペディアによれば「失敗だった(大意)」として「正式な続編としては扱わない」とのことなので、移植・リマスターされないのはつまりそういうことなのだろう。
- ゲームセンターCXの第48回で有野課長が挑戦。
独特な操作感や高い難易度に苦しめられたものの約8時間かけて無事にクリアした。
ちなみに面白いか面白くないかでいうと「まあまあ」とのこと。
2019年にオブシディアン・エンターテインメントが開発した『The Outer Worlds(アウター・ワールド)』はタイトルが似てるだけで全く関係がない。実際ややこしい。
『おでかけレスターれれれのれ(^^;』? 主人公の名前が同じなだけで全然違うよ!
いずれ だれかの めにふれる
ことが あろうことを きたい
しながら さいごの ちからを
ふりしぼって わたしの
たいけんの すべてを ここに
追記・修正する ことにする。
おそらく とうてい しんじられ
ることがらでは ないだろう。
しかし どうか さいごまで めを
とおして もらいたい。
- GCCXでヴィクターの画面が出るたびに突っ込んでた課長面白かったわ -- 名無しさん (2023-11-01 02:31:46)
- 有野課長からはデパ地下!デパ地下!と空耳されていた。めでたくそいつはデパ地下男というあだ名をつけられることに。 -- 名無しさん (2024-09-20 13:18:49)
最終更新:2024年09月20日 13:18