試作品 クロコギア

登録日:2023/11/11 Sat 00:00:00
更新日:2025/07/12 Sat 15:42:37
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クロコギアは、創作したクロスギアのテストをするべくミロクの生み出した魔導生命体である。
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試作品 クロコギア》とは、TCGデュエル・マスターズ」のクリーチャー。
DM23-EX2「頂上決戦!!デュエキングMAX2023」に収録された無色アーマード・ヘドリアン/サムライである。


解説


試作品(プロトタイプ) クロコギア UC 無色 (0)
クリーチャー:アーマード・ヘドリアン/サムライ 0000+
(パワー0以下のクリーチャーは破壊される)
このクリーチャーを出す時、自分のクロスギアを好きな枚数これにクロスする。
アクセル(このクリーチャーにクロスギアがクロスされている時、このクリーチャーは次のAC能力を得る)
AC−このクリーチャーのパワーは、+500される。

コスト0かつパワー0という衝撃のクリーチャーで、メインデッキに入るコスト0のカードとしては《Black Lotus》《ゾンビポンの助》《夢幻なる零龍》に続いて4枚目。
マナを払わずとも場に出せるが、普通に召喚してもパワー0以下のクリーチャーとして即座に自壊してしまう。

このカードを活かすためにはクロスギアの存在が必要不可欠となる。
cipで自分の場にあるクロスギアを任意の数クロスでき、それによってアクセルが起動してパワーが500だけ加算され、自壊を免れる事ができるのだ。
なおテキストにこそ書かれていないが、出す時効果によるクロスはノーコストとして扱われる。
ジェネレートとクロスで二度コストを払わなければならないクロスギアだが、このカードがあればジェネレート後に召喚して即クロスできるので取り回しの悪さを一挙解決してくれる。
更にサムライが持つ侍流ジェネレートと組み合わせれば、ジェネレート分のコストさえも踏み倒せる。

このようにクロスギアを前提とした性能かつ種族にサムライとアーマードも備えている事から、同じコンセプトの【アーマード・サムライ】とは特に相性が良い。
召喚すれば場に並べられたクロスギア群を一気にクロスして活用でき、コスト0なのでサムライかアーマードを指定したメクレイドのどちらからでも踏み倒せる。
また、素では貧弱なパワーも《超銀河弓 ANOTHER》などのクロコギアによるパンプアップで補う事ができる。
ただし、同デッキでは《竜装 ゴウソク・タキオンアーマー》が場にあるとコスト軽減の下限に引っ掛かって逆に1マナ支払わなければならなくなる点、自身のエレメントの色を参照して能力を発揮する《ヴァルキリアス・武者・ムサシ「弐天」》の効果対象にならない点には注意したい。

それ以外にも、《超銀河剣 THE FINAL》をはじめとする重量級クロスギアにとっては特にありがたい存在で、同じくクロス自体を無料化する《ミロクの弟子 ニョライ》と並んで好相性を築いている。
サムライorアーマードでない旧来のクロスギアもかなり遊びやすくなり、クロコギアの登場を機にファンデッキの幅が大きく広がった。

総じてガチとロマンの両面で光る1枚であり、今後はクロスギアを扱う上で選択肢の一つとなるだろう。


相性の良いカード


クロスギア

竜牙 リュウジン・ドスファング  VR 光/火文明 (5)
クロスギアアーマード・ドラゴン/アーマード・サムライ
このクロスギアが出た時、またはこれをクロスしたクリーチャーが攻撃する時、サムライ・メクレイド5する。(サムライ・メクレイド5:自分の山札の上から3枚を見る。 その中から、コスト5以下のサムライを1枚、コストを支払わずに使ってもよい。 残りを好きな順序で山札の下に置く)
このクロスギアをコストを支払わずにサムライ・クリーチャーにクロスしてもよい。

【アーマード・サムライ】の要とも言えるクロスギア。
このカード自体のcip及びクロスしたクリーチャーのアタックトリガーでサムライ・メクレイド5を発動する。
単純にクロコギアにクロスさせてアタックトリガーを発動させるだけでも便利だが、真に強いのがメクレイドによってクロコギアが捲れた時で、攻撃中のクリーチャーから出す時効果でドスファングを吸収して再利用できる。
この時《爆炎ホワイトグレンオー》等でSA化していれば場に出てそのまま攻撃に移れるため、アタックトリガーで連鎖的にメクレイドを発動していくムーブを見せてくれる。
しかも場にドスファングがあればあるほど出す時効果でクロス可能であり、その数だけアタックトリガーのメクレイドが発動するので…

炎刃 イダテン・アクセラー C 火文明 (1)
クロスギア:サムライ
これをクロスしたクリーチャーに「スピードアタッカー」を与える。(「スピードアタッカー」を持つクリーチャーは召喚酔いしない)

スピードアタッカーを付与するだけの恐ろしくシンプルな最軽量クロスギア。
ただそれだけだがクロコギアと組み合わせるとあら不思議、1ターン目から殴れる打点が生成される。
これにアーマードから革命チェンジ可能な《革命の炎 フレア・ハシッチ》も嚙ませると、あくまで上振れた場合の理論値だが2ターンキルできる可能性すらあるとか…。
そうでなくてもSA付与の手段として、上記のドスファングと併用するだけでも十分強力である。

天装 タイショウ・アームズ C 光文明 (3)
クロスギア:エンジェル・コマンド/アーマード・サムライ
このクロスギアが出た時、自分の山札の上から3枚を見る。その中からサムライを好きな数選んで相手に見せ、手札に加える。残りを好きな順序で山札の下に置く。
これをクロスしたクリーチャーに「ブロッカー」を与える。(「ブロッカー」を持つクリーチャーをタップして、相手クリーチャーの攻撃先をそのクリーチャーに変更してもよい)

cipでサムライを対象とした手札補充が行えるクロスギア。
クロスすればブロッカーを付与してくれる反面、わざわざ3マナ払って使うには微妙な能力だった事から専らドローソースとしてのみ使われてきたが、クロコギアなら無料でクロスできる。
タイショウのみだろパワー500しかないのでブロックすれば破壊されてしまうが、ブロッカーとして最低限の役割はこなせる。

クリーチャー

大神秘ハルサ SR 自然文明 (5)
進化クリーチャー:ジャイアント/サムライ 9000
進化−サムライ1体の上に置く。
侍流ジェネレート(このクリーチャーが出た時、クロスギアを1枚、自分の手札からコストを支払わずにジェネレートしてもよい)
アクセル(このクリーチャーにクロスギアがクロスされている時、このクリーチャーに次のAC能力を与える)
AC−このクリーチャーが攻撃する時、相手のクリーチャーを1体選び、持ち主のマナゾーンに置いてもよい。
W・ブレイカー

サムライを進化元とするジャイアント。
クロコギアなら実質ノーコストで進化元となってくれる上に、クロスギアをクロスしたまま進化すればそのままアクセルが起動できる。
ついでに侍流ジェネレートでクロスギアを1枚踏み倒せるため、2体目のクロコギア召喚にも繋がる。

貴星虫イザハヤテ C 闇文明 (4)
クリーチャー:パラサイトワーム/オリジン/サムライ 4000
自分のサムライ・クリーチャーが破壊された時、自分のシールドゾーンから相手にカードを1枚選ばせ、そのカードを表向きにする。それが進化ではないサムライであれば、バトルゾーンに出してもよい。それ以外の場合、そのカードを墓地に置いてもよい。そうした場合、自分の山札の上から1枚目を裏向きのままシールドに加える。

サムライの破壊に対応してシールドから非進化のサムライを踏み倒せるパラサイトワーム。
「アクセルを起動しなければ自壊する」というクロコギアの特性を利用し、敢えてクロスせずに自爆させる事でイザハヤテの効果を発動するというコンボが可能。
このコンボは公式でもオススメされており、実際にチアリがデュエチューブの対戦動画で披露した。

相撲 Dr.ウンリュウ UC 水文明 (4)
クリーチャー:サムライ/グレートメカオー 4000
このクリーチャーが攻撃する時、自分の山札の上から1枚目を見る。そのカードがクロスギアならバトルゾーンに出し、このクリーチャーをアンタップしてもよい。

【ウンリュウビート】で有名なグレートメカオー。
クロスギアを積みまくってウンリュウのアタックトリガーで踏み倒し続け、連族攻撃を仕掛ける事がコンセプトなこのデッキにおいて、大量にジェネレートされたクロスギアをノーコストで全てクロスできるクロコギアの存在はまさに革命であった。
ウンリュウではトドメを刺し切れなくても、返しのターンにクロスさせまくったクロコギアで反撃できる手が生まれたのは大きな進歩である。


備考


クロスギアのイラストで魔導具を装着している人物として描かれてきた全身真っ黒なあの人が単独でのカード化を果たした。
背景ストーリーでは、クロスギアの開発者である《仙界一の天才 ミロク》がテストプレイ目的で作成した魔導生命体であり、実際にカードの性能でもクロスギアありきの効果として再現されている。

名前のモチーフは、黒装束を纏って裏方の舞台装置に徹する「黒子」と「クロスギア」を掛け合わせたものと考えられる。
文字通り真っ黒な身体、そしてあらゆるクロスギアを裏方として握ってきた彼にはピッタリのネーミングだろう。

なお、この「クロスギアを身に纏っている黒い人」には、カードのイラストを手掛ける脳痛男氏によってエンハンスメントという名前が付けられていたが、今回カード化された際にはネーミングに全く反映されなかった。
数あるクロコギアの1体がエンハンスメントという名前なのか、クロコギアは名前の通り試作品であって今後正規品がエンハンスメントとして登場するのか、あるいはイラストレーター個人が考えた設定として没になったのか…真相は黒の中である。


余談


  • 種族の「アーマード・へドリアン」はクロコギアで初めて実装されたもので、これによってへドリアンも22年越しの種族カテゴリ化を果たした。
    また、DM23-EX2時点ではクロコギアしか持っていない単独種族である。

  • クロスギアを纏ってきたクリーチャーらしく、イラストではクロコギアの真後ろに《インビジブル・スーツ》、左後ろに《クルト・アーム》《クエイク・スタッフ》、右後ろに《炎刃 ズバット・アクセラー》《エメラルド・クロー》ら五文明の歴代クロスギアが描かれている。
    しかしコスト1の最軽量クロスギアを中心に集められている中で、どういうわけか《インビジブル・スーツ》のみコスト2となっている。
    一応、水文明のコスト1クロスギアなら《助太刀 メモリー・アクセラー》も存在するが、あくまでも見栄えを重視したのだろうか?



追記・修正はクロコギアに全てのクロスギアをクロスさせてからお願いします。

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最終更新:2025年07月12日 15:42

*1 画像出典:Twitter イラストレーターイシバシヨウスケ氏 @ishibashiyosuke 2023年10月21日投稿 https://x.com/ishibashiyosuke/status/1715622818820575391 ©Wizards of the Coast/Shogakukan/Mitsui-Kids