ミロク

登録日:2022/11/05 Sat 18:00:00
更新日:2025/05/04 Sun 18:06:05
所要時間:約 2 分で読めます







ついに失われた秘技は復活した。

仙界一の天才ミロクが魔導具に更なる力を与えた事を、巡礼者は知ったのだ。




ミロクとは、TCGデュエル・マスターズ」のフレーバーテキストに登場するキャラ。

概要

DM-15「転生編 第2弾 神滅奥義継承」に収録された《巡霊者シリアス》のフレーバーテキストにて示唆された存在。

魔導具…すなわちクロスギアに更なる力を与えたようで、その事をコスモ・ウォーカーのシリアスに感知されている。
あの自然文明の秘境・仙界で一番の天才らしく、クロスギアに多大な影響力を持つ人物である事が仄めかされている。
DM-15と言えばかの《バジュラズ・ソウル》が収録された弾でもあり、他にもS・トリガーXなどクロスギア関連の能力が幾つか新登場している事から、ひょっとしたらそれらの武具はミロクの恩恵なのかもしれない。

しかし、当時のフレーバーテキストにおける出番としては本当にたったこれだけ
同じくテキストでのみ存在が示唆された《サファイア・ウィズダム》や《サファイア・ミスティ》のように、シリーズ初期特有の死に設定とファンからは目されている。




ついに失われた秘技は復活した。
wiki一の天才メイデンが記事に更なる追記・修正を与えた事を、閲覧者は知ったのだ。
























転生編から15年が経った2020年。
DMEX-08「謎のブラックボックスパック」に収録された一部オレガ・オーラのフレーバーテキストより、突如としてミロクの名が浮上した

伝記『仙界一の天才 ミロク』第七章と題されたこれらのテキストから、
  • 恐ろしく長生きなクリーチャー
  • 地の文で「彼女」と呼ばれている事から性別は♀と推察され、喋り方も「~ようね」と女性的
  • 「仙界一の天才」の称号は伊達ではなく、アイデアさえあれば容易に実行できる程の大天才
  • EP世界のみならず新章世界にも関与しており、世界線を越える能力を有している
以上の情報が明らかになった。老獪な婆といった印象を受けるが…?

その後もDMEX-08を皮切りにフレーバーテキストで度々名前が挙がっており、彼女と繋がりのあるクリーチャーも何体か登場。
上述したウィズダムやミスティらが十年越しにカードになっている事から、ミロクもいずれカード化するのではないかと注目が集まっていた。


そしてDMEX-08発売から更に2年の歳月が過ぎた2022年10月29日。
DM22-EX1「黄金戦略!!デュエキングMAX 2022」の大トリを飾るカードとして、ついに神秘のベールを脱ぎ…























登録日:2022/11/05 Sat 18:00:00
更新日:2025/05/04 Sun 18:06:05
所要時間:約 24 分で読めます







アイデアさえあれば、実行するのは簡単だ。

彼女が天才なのはそれゆえだ。




仙界一の天才 ミロク》とは、TCGデュエル・マスターズ」のクリーチャー。


仙界一の概要


《巡霊者シリアス》のフレーバーテキストより存在が仄めかされてから17年、DM22-EX1にて満を持してカード化した。

仙界出身のクリーチャーらしく多色獣であり、種族スターノイドとまさかのマシン・イーター持ち。
スターノイドに関しては背景ストーリーでの次元を越える能力などから以前より一部で予想されていたが、古参種族にしてどちらかと言えばマイナー寄りなマシン・イーターが選抜された事はファンを大いに驚かせた。
同時に、種族として「武器屋」の性質が強いマシン・イーターはクロスギアを始めとした様々な魔導具に携わっているミロクのイメージにピッタリであり、種族チョイスの秀逸さも評価されている。

しかし何よりも驚かれたのはそのビジュアル。
年老いた老婆といった当初の印象を大きく覆し、ロボ風のテイストが入った紫肌の幼女が露わになったのである。
所謂ロリババアとでも表すべき属性だが、へそチラしてたりミニスカを履いていたり、ピンクの装飾で固めていたりマシン・イーター特有のクリッとした目だったり色々とあざとすぎる…お前のようなババアがいるか !!

また、これまでわずかなフレーバーテキストに留まっていた背景ストーリーでの詳細な活躍経歴も判明した。
歴史の裏で超獣世界に与えてきた影響の数々、そしてあのシーザーさんが可愛く見えるくらいの元凶っぷりも明らかになり…(後述)


仙界一の解説


仙界一の天才 ミロク SR 光/火文明 (5)
クリーチャー:スターノイド/マシン・イーター 5000
このクリーチャーが出た時、または自分のターンのはじめに、自分のクリーチャーを1体選ぶ。その後、その選んだクリーチャーよりコストが小さいウエポンまたはクロスギアを1枚、自分の超次元ゾーンから、その選んだクリーチャーに装備またはクロスして出す。
自分の他のクリーチャーに、クロスギアがクロスされているかウエポンが装備されていれば、このクリーチャーは相手の呪文によって選ばれない。

魔導具の扱いに長けているという従来の設定とパンドラ・スペースに関わっていたという新設定を反映して、その効果はドラグハートサイキック・クロスギアを主体としたものになっている。

cipまたは自ターンの開始時に自分のクリーチャーを1体選択し、そのクリーチャーよりコストの低いウェポンかクロスギアを超次元ゾーンより場に出し、選んだクリーチャーに無料で装備またはクロスできる。
ミロク自身は4コスト以下のウェポンorクロスギアにしか対応していないものの、代わりに自分の他のクリーチャーが装備またはクロスしている状態であれば呪文に対するアンタッチャブル効果も得られるため、除去を免れつつターン毎にウェポンorクロスギアを展開していく事が可能。
地味に「サイキック・クロスギア」ではなく「クロスギア」指定のため、デッキのクロスギアを《轟く覚醒 レッドゾーン・バスター》等で超次元ゾーンに送ればミロクの効果で場のクリーチャーにクロスさせる事も出来る。

似た効果を持つ《最終龍覇 グレンモルト》と比べると、クロスギアにも対応している上にマナゾーンによる文明の縛りもなく、クリーチャー次第では6コスト以上にも対応していて自身以外にも装備orクロスさせる事が出来る点で優れている。
その反面、あちらはドラゴン持ちである事から種族面で大きく優っており、ウェポンを超次元ゾーンに送り返すのと引き換えに場に留まるアンタッチャブル以上の除去耐性も備えているので、ドラゴンを扱うデッキなら基本的にモルトの方が採用されるだろう。
逆に言えばミロクはそれ以外、非ドラゴンデッキで採用の余地があるクリーチャーと言える。

なお、外部ゾーンを利用するクリーチャーには共通の天敵だが、相手の場に《とこしえの超人》がいると完全な機能不全に陥るため要注意。


仙界一の好相性なカード


ドラグハート

銀河大剣 ガイハート 火文明(4)
ドラグハート・ウエポン
このカードを装備したクリーチャーは「スピードアタッカー」を得る。
龍解―これを装備したクリーチャーが攻撃する時、そのターン2回目のクリーチャーの攻撃であれば、攻撃の後、このドラグハートをクリーチャー側に裏返し、アンタップする。
龍解後⇒《熱血星龍 ガイギンガ》

熱血星龍 ガイギンガ 火文明(7)
ドラグハート・クリーチャー:ガイアール・コマンド・ドラゴン
パワー9000+
スピードアタッカー
W・ブレイカ―
このクリーチャーが龍解した時、相手のパワー7000以下のクリーチャー1体を破壊する。
バトル中、このクリーチャーのパワーは+4000される。
相手がこのクリーチャーを選んだ時、このターンの後にもう1度自分のターンを行う。

ドラグハートを代表するご存知ガイギンガ
ミロクに装備すればスピードアタッカーを得て召喚したターンでも直ぐに殴れる反面、相手のターンでタップ状態で隙を晒してしまうため次のターンに装備orクロス効果を発動しづらくなる。
他のクリーチャーに装備orクロスさせてアンタッチャブル効果を得るか、ミロクにガイハートを装備してガイギンガに龍解させるか場面毎に使い分けていきたい。

無敵剣 プロト・ギガハート P(VR) 火文明 (2)
ドラグハート・ウエポン
龍解:相手の呪文の効果またはクリーチャーの能力によって、これを装備したクリーチャーが離れる時、離れるかわりにこのドラグハートをクリーチャー側に裏返し、アンタップする。
ゲーム開始時、ドラグハートは自分の超次元ゾーンに置き、ドラグハートまたはそれを装備したクリーチャーが離れた場合、そこに戻す)
龍解後⇒《最強龍 オウギンガ・ゼロ》

最強龍 オウギンガ・ゼロ P(VR) 火文明 (7)
ドラグハート・クリーチャー:ガイアール・コマンド・ドラゴン 9000+
W・ブレイカー
バトル中、このクリーチャーのパワーを+4000する。

クリーチャーか呪文の効果でウェポンを装備したクリーチャーが除去されそうになった際に龍解する事で除去を回避できる、という疑似的な破壊耐性を付与できるドラグハート。
アンタッチャブル効果持ちのミロクとは効果がやや被る一面もあるが、龍解したオウギンガ・ゼロにミロクの効果で装備orクロスさせて盤面を充実させられるという利点も。
…ドラグハート・クリーチャーがウェポンを装備するのは何ともシュールだが。

邪帝斧 ボアロアックス P 自然文明 (4)
ドラグハート・ウエポン
このウエポンをバトルゾーンに出した時またはこれを装備したクリーチャーが攻撃する時、自然のコスト5以下のクリーチャーを1体、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出してもよい。
龍解:自分のターンの終わりに、バトルゾーンにある自分のクリーチャーのコストの合計が20以上であれば、このドラグハートをフォートレス側に裏返してもよい。
龍解後⇒《邪帝遺跡 ボアロパゴス》

邪帝遺跡 ボアロパゴス P 自然文明 (7)
ドラグハート・フォートレス
クリーチャーを自分の手札から召喚した時、自然のコスト5以下のクリーチャーを1体、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出してもよい。
龍解:自分のターンのはじめに、バトルゾーンにある自分のクリーチャーのコストの合計が30以上であれば、このドラグハートをクリーチャー側に裏返し、アンタップしてもよい。
龍解後⇒《我臥牙 ヴェロキボアロス》

我臥牙 ヴェロキボアロス P 自然文明 (10)
ドラグハート・クリーチャー:ジュラシック・コマンド・ドラゴン 15000
自分の手札からクリーチャーを召喚した時またはこのクリーチャーが攻撃する時、自然のクリーチャーを1体、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出してもよい。
T・ブレイカー

場に出た際または装備したクリーチャーが攻撃する際に、マナゾーンからコスト5以下の自然クリーチャーを1体踏み倒せる殿堂入りウェポン。
これまではコスト6の《龍覇 サソリス》が呼び出せるドラグナーの中で最軽量だったが、ミロクならより軽い5マナで場に出せる。
クリーチャーを複数展開しつつミロクの効果で増強させる事が可能。

クロスギア

ミロクと同時に多数登場したサイキック・クロスギアだが、残念ながら現状のカードプールではミロクとの相性があまり良くない。
と言うのも、ミロクがクロスできる4コスト以下のサイキック・クロスギアの大半が《次元のスカイ・ジェット》や《次元のイモータル・ブレード》などクロスされていない時に有効な効果を発揮する仕様であり、場に出た際にはクロスも強制であるミロクとあまり噛み合っていないのである。

ただしミロク単体とは噛み合っていないだけで、他のクリーチャーへとクロスさせる分には強力なサイキック・クロスギアも存在する。

龍剣 星王紅鬼勝 VR 火/自然文明 (6)
サイキック・クロスギア
クロスギア:このカードバトルゾーンに置く。クリーチャーにクロスするには、このカードのコストをもう一度支払う。そのクリーチャーが離れても、このカードは残る。
これがクロスされている間、自分の多色クリーチャーすべてに「スピードアタッカー」を与え、パワーを+3000する。
これをクロスしたクリーチャーが攻撃する時、コスト6以下の多色クリーチャーを1体、自分のマナゾーンから出してもよい。
このクロスギアを、コストを支払わずにドラゴンにクロスしてもよい。
裏面⇒《爆剣士グレンモルト剣》

蒼き団長 ドギラゴン剣》の咥える剣がサイキック・クロスギアとして登場。
本家と同様に多色クリーチャー全員にSAを付与し、アタックトリガーでマナゾーンからコスト6以下の多色クリーチャーを踏み倒せる。
地味にパワーも+3000されるため、基礎パワーがやや貧弱なミロクも8000まで引き上げられバトルに対してそこそこ強気に出られるように。

既存クロスギアのリメイクといった趣きが強くカードパワーとしては時代遅れなものが多いサイキック・クロスギアの中でも一際強力な1枚であり、コスト7以上のクリーチャーには積極的にクロスさせたい。

クリーチャー

蒼き団長 ドギラゴン剣 火/自然文明 (8)
クリーチャー:メガ・コマンド・ドラゴン/革命軍/ハムカツ団 13000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
革命チェンジ―火または自然のコスト5以上のドラゴン
自分の多色クリーチャーすべてに「スピードアタッカー」を与える。
T・ブレイカー
ファイナル革命―このクリーチャーが「革命チェンジ」によってバトルゾーンに出た時、そのターン中に他の「ファイナル革命」をまだ使っていなければ、コストの合計が6以下になるよう、進化ではない多色クリーチャーを好きな数、自分のマナゾーンまたは手札から選び、バトルゾーンに出す。

蒼き守護神 ドギラゴン閃 LEG 光/火文明 (8)
クリーチャー:メガ・コマンド・ドラゴン/革命軍/ハムカツ団 14000
革命チェンジ:光または火のコスト5以上のドラゴン
ブロッカー
T・ブレイカー
自分のターンの終わりに、自分の多色クリーチャーをすべてアンタップする。
ファイナル革命:このクリーチャーが「革命チェンジ」によって出た時、そのターン中に他の「ファイナル革命」をまだ使っていなければ、自分の山札の上から4枚を表向きにする。その中から進化ではない多色クリーチャーを、コストの合計が6以下になるように好きな数選び、出す。残りを好きな順序で山札の下に置く。

殿堂入りにまでなったハムカツ団団長とその調整版。
ミロクは両方のファイナル革命による踏み倒しに対応しており、ミロクにボアロアックスを装備させて打点を増強するなり、ドギラゴンに星王紅鬼勝をクロスさせて更なる踏み倒しを狙うなり、戦略の幅は非常に広くなっている。

覇王類虹色目 イメン=ボアロ P 自然文明 (7)
クリーチャー:ビーストフォーク號/ジュラシック・コマンド・ドラゴン 7000
W・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、または攻撃する時、コスト5以下のクリーチャーを1体、自分のマナゾーンから出してもよい。
バトルゾーンと山札にある自分のカードを、すべての文明のカードとして扱う。

ボアロアックスの効果を内蔵したジュラシック・コマンド・ドラゴン。
cipでマナゾーンよりミロクを呼び出して星王紅鬼勝をクロスすれば、ボアロの効果で場の味方クリーチャー全員が多色として扱われるためSAとパワー+3000の恩恵を受けられる。


仙界一の背景ストーリー


スターノイドであるため、《サファイア・ウィズダム》や《サファイア・ミスティ》らと同様に世界線を越える能力を有しており、その力で様々な並行世界へと影響を及ぼしている。
またミロクは何人か弟子を取っていて、魔導具を調査するためにそれぞれの世界へと派遣する事も時としてあるようだ。

神歌創世記前五文明紀行

むかしむかし、まだ超獣世界が五つの文明に分かれるよりも前の時代。
世界は五大龍神と呼ばれる5体のドラゴンの統治下に置かれていた。

そんな遙か昔から生きるミロクは、五龍神きっての武闘派だった《天龍神アークゼオス》よりとある依頼を受ける。
それは、同じ五龍神である《炎龍神ヴォルジャアク》が技術の炎で生み出した兵器の数々をどんな超獣でも扱えるようにしてくれ、というものであった。
強き戦士を渇望するアークゼオスとしては自身に仕える部下達の戦力底上げを図りたかったと思われ、そんな意図を汲んでか汲まずかミロクは依頼を受諾し、研究を開始する。

その後、暴嵐の龍を操る蒼狼の一族が台頭し、五龍神は依頼主であるアークゼオスも含めてミロクの研究成果を見ることなく別々の地に封印されてしまう。
更には世界の文明までもが一族の采配で再編され、旧来の世界は分割を免れたわずかな土地を残すのみとなった。
後に「仙界」と呼ばれるようになるその土地で、依頼主を失ってもなおミロクはヴォルジャアク製兵器を改造した武器「魔導具」に関する研究を続ける事とした。

彼女が《仙界一の天才 ミロク》と呼ばれるようになるのはしばらく後の事である。

EP世界への影響

転生編の時期にかつてミロクが開発した魔導具の数々が古代遺跡より出土した。
クリーチャー達はそれらに調整を施した上でクロスギアとして装着し始めるように。
それぞれの文明が各々の方法でクロスギアの研究と開発を進める中で、ミロクもまた秘技によってクロスギアに更なる力を施したらしく、その事をコスモ・ウォーカーの《巡霊者シリアス》に感知されている。

最終的に加速したクロスギアの開発は進化クロスギアの暴走という最悪の事態に発展。
多数の犠牲を出した事でクロスギアは恐怖の象徴となり、超獣達から忘れ去られていった…。


それでもミロクは引き続き魔導具の研究を続け、今度は「魔弾」と呼ばれる呪文の性質を帯びた魔導具の開発に着手していた。
その中には一際強力な性能を持つ魔銃「M( マッド )R( ロック )C(チェスター)」もあり、強力極まりないためにフェニックスの手で煉獄へと封じられる事になる。
後に《キング・ロマノフ》なるクリーチャーが煉獄にてM・R・Cを手にし、身体を三つに裂かれながらもやがて煉獄自体を支配してのけ、ロマノフ一族の始祖として煉獄より力を与えていく事になるのだが、それはまた別のお話…

五元神が降臨して世界に平和がもたらされていた頃、ミロクは自身が開発した魔弾と弟子の一人である《ミロクの弟子 ニョライ》が開発した新たなクロスギアをテストプレイするため、自分達の技術を超獣達に与えた上で競わせる「戦国武闘会」なる競技大会を開く事とした。
殺し合いではなくあくまでも力を競い合うための場、といった大会初期の雰囲気にはこのような出自が関係していたものと思われる。


しかし第100回を迎えた戦国武闘会では、クロスギアを操るサムライと魔弾を操るナイトの両陣営がヒートアップするあまり、次第に戦争の様相を呈し始めていた。
ついにはニョライを通して二つの勢力に渡していた三つの大型魔導具《超銀河剣 THE FINAL》《超銀河弾 HELL》《超銀河槍 THE END》が決勝の舞台で動員されようとしていた。
ミロクは三つの魔導具が暴走した時に備えて完全停止の矢《超銀河弓 ANOTHER》も製造していたのだが、肝心の使い手を用意していなかったという致命的なミスを犯したために失敗。
更には魔導具ではなく使い手が暴走するという予期せぬトラブルも重なり、暗黒王の意志に導かれたナイト側の代表《暗黒皇グレイテスト・シーザー》は超銀河弾の乱射という暴挙に出た。

最終的にはサムライ側の代表《超聖竜シデン・ギャラクシー》が超銀河剣を振るう事で事態は終息したものの、様々な条件が重なった事で時空の裂け目が開いてしまう。
穴の向こう側よりかつて封じられた蒼狼の一族が出現し、超獣世界は再び災禍に見舞われるのだった…。

パンドラ・スペースへの影響

EP世界がエイリアンに襲撃されるより前の時系列。
パンドラ・スペースやDS世界といったEP世界以外のパラレルワールドの存在を以前より認知していた*1ミロクは、自身の魔導具を改良する上でパンドラ・スペースの性質が利用できる事に気付いた。

彼女が思いついた改良方法とは、パンドラ・スペースに魔導具を配置して必要な時に呼び出す「サイキック・クロスギア」というものであった。
それと並行して現地住民であるパンドラの民に魔導具が触れられぬよう、魔導具と魂を共有できる超獣「魔導」の存在を内部に封じ込め、番人として守護させていた。

その後にサイキック・クロスギアの開発は一先ずの成功を収めたため、この世界にはそれ以上干渉する事なく去っている。

DS世界への影響

偽りの名 13》の《種族選別(パンドラ・インパクト)》によって世界間の繋がりが断たれ、EP世界と異なる歴史を歩むよりも前の時系列。
パンドラ・スペースにてサイキック・クロスギアの技術を確立させたミロクはその機能を実戦で確かめるべく、EP世界より第100回戦国武闘会に参加していた最中の一部サムライ*2を強制的にDS世界へと呼び寄せ、彼らにサイキック・クロスギアの力を与えた上で競わせた。
この大会こそ、後世のDS世界にてレースとして繰り広げられる『デュエル・マスターズ』の第1回目であった。

ランド大陸より緊急参戦したツインパクトの力を宿すウェーブストライカーも入り乱れ、混沌極まりない大会となったものの何とか決勝まで滞りなく進んで無事閉幕。
実戦形式でサイキック・クロスギアの動作確認が出来た事に満足したのか、ミロクは大会の主催を降りてDS世界を発った。

ところでミロクに連れてこられたサムライ達だが、なんと元の世界には返してもらえなかったようだ…。
まあEP世界に戻った所で待っているのはシーザーの暴走とオリジンの襲撃なので、幸運にもそれらの惨劇を回避できたとも言えるか。
その後はDS世界に根付き、後世に和風な衣装などサムライの文化を伝達させていった模様。


その大会にはサムライでもウェーブストライカーでもないにもかかわらず、準決勝まで勝ち進み決勝で惜しくも敗れた猛者がいた。
かつて禁断龍王の死闘を目撃していたそのドラゴンは、見知らぬサムライ達が扱う魔導の封じられたサイキック・クロスギアを目の当たりにし、その技術を応用して強力な龍の魂を武器に封じればあの禁断にも対抗できるのでは?という狂気の発想に至る。
そのドラゴンはやがて、パンドラ・スペースを介したアンノウンとの接触や龍素の研究を経て新たな武具「ドラグハート」を開発。
ミロクが去った後も『デュエル・マスターズ』主催権を乗っ取って大会を開催し続け、その度に大会の優勝者の魂を封じては強力なドラグハートを増やしていった。

そのドラゴンの名は────ザ=デッドマン
後の世で憎しみを撒き散らし、世界に破滅をもたらす者だった。


そして第1回『デュエル・マスターズ』より幾万年が過ぎたDS世界では、デッドマンが討たれて以降久しく開催されていなかった武闘レースが、
ドラグハートという自分も知らない魔導具の存在を知ったミロクの手によって再び開かれようとしていた…。

新章世界への影響

自分が開発したものと同じ名前ながらも全く異なる性質の「魔導具」がこの世界に存在する事を知ったミロクは、闇文明に弟子の一人《魅力医(みろくい) ミョウオウ》を派遣。
ミョウオウは自分自身の身体を魔導具と化しながら次々と新しい魔導具を生み出していった。
また、闇文明が水文明よりオレガ・オーラの技術を取り込もうとする際にも尽力したようだ。

更にミロクはミョウオウと別にもう一人の弟子も送り込んでいたようで、その弟子は水文明の魔導具が誕生した背景に関係しているとされている。

そしてミロク自身も新章世界に生じた超GRの力を拝見し、クロスギアと組み合わせる事を考え付く。
使い手が場に出ると同時にクロスギアが出現するサムライの侍流ジェネレートから発想を逆転させ、魔導具が出現した際に使用者をガチャレンジの力でもって呼び出すアイデアを発案。
過去に製作した幾つかのクロスギアを造り替えていき、それらの魔導具は偶然にも超GRを由来とする武装「オレガ・オーラ」と酷似していた。


どのような歴史を歩んだかは不明だが、新章世界でもまたクロスギア及び進化クロスギアが製造されていた模様。
王来大戦において《禁時混成王 ドキンダンテXXII》が引き起こした滅亡現象によって地中深くに眠っていた5つの進化クロスギアが暴走し、それらはディスペクター達に力を与えながら全てのクロスギアと禍々しい融合を起こして生命体のようになった。
これらの現象は魔導具に精通しているミロクにも予想外だったようだ。


仙界一の備考


全ての元凶?

カード化と同時に明らかになったシーザーさんもかくやのやらかしっぷりはファンの間でも話題になった。
それぞれのシリーズにおける影響をまとめていくと、
…こんな調子である。
特に戦国編に関しては、魔弾の提供からM・R・Cロマノフの誕生までナイトという種族の根本に携わっており、実質的にミロクの掌の上にあったと言って良い。

ただ彼女も悪意を持ってこれらの行為に及んだわけではなく、偏に「自分が開発した魔導具の性能を試したい」という思いがあってこそ。
実際、ミロクが開催した戦国武闘会も第1回デュエル・マスターズも初期はあくまで競技大会としての側面が強く、戦争や殺し合いにまで発展したのは邪悪な意志が介入した後の出来事である。
積極的な破壊を望んでいるわけではない…のだが、意図しないやらかしが結果として大きな災いに発展してしまう点はシーザーさんと似通っているか。


仙界一の関連カード


五大龍神

  • 天龍神アークゼオス
光文明を司るファイブ・オリジン・ドラゴン。
アークゼオスがミロクに依頼したところから全てが始まった。

どんな超獣でも扱える強力な武器を欲していたアークゼオスだが、遙か未来ではディスペクターとして利用され自分が剣として振るわれる事になるのは皮肉と言う他ない…。

  • 炎龍神ヴォルジャアク
火文明を司るファイブ・オリジン・ドラゴン。
何でもかんでもミロクのせいにされつつあるので麻痺しそうになるが、武装関連の全てがミロク製というわけではない模様。
例えばアーマード・ドラゴンが装着する鎧の由来はヴォルジャアクらしい。

後に五大龍神を一つに圧縮した最悪のディスペクタとして魔合成させられた際には、自身の炎を魔導具に利用しようとしていたアークゼオスを逆に双剣として振るう事になる

スターノイド

上位存在として初めて登場したスターノイド。
世界に干渉しまくっているミロクと異なり「監視」を徹底していて、そのスタンスは同じスターノイドでありながらかなり対照的。
まあ気紛れに天門から降臨して光文明に技術供与したりもするが…。

なおミロクのイラストをよく見てみると、奥の方にウィズダムの周囲に浮いている羽の付いた球体が確認できる。
ウィズダムにとってはミロクもまた監視対象の一つ、ということだろうか。

ウィズダムの嫁。
夫が気紛れに作った構造を監視する事を生き甲斐としており、その監視が邪魔されれば実力行使も辞さない。

クロスギアに関連する種族として突如出現したコスモ・ウォーカーは、後にミスティが超獣世界の監視者として送り込んだ種族の一種である事が明らかになっている。
どうやら夫婦揃ってミロクとその作品を監視下に置いているようだ。

仙界より現れた五体の王の一角にして初代スターノイド。
同じ種族かつ出身地という関連性の塊に感じられるものの、ミロクとの具体的な繋がりは2022年現在では分かっていない。

サファイア夫妻とミロクの登場でスターノイドに上位存在としての印象が根付きつつある現状において、王の一人として出現して瞬殺されたスターマンは最初に登場したスターノイドであるにもかかわらず逆に浮いた存在となっている
お前何者なんだマジで。

家族

  • 《戦術の天才 マロク》
  • 《戦闘の天才 ムロク》
姉と妹。
そのマ行を移動させただけの名前の雑さには目を見張るものがある。(この後にバ行を移動させたバロムシリーズが出たあたり、このネーミングは開発のお気に入りのようだ)
《マロク》はミロクの「作った武器をろくに使い方も教えず放置する」という行為の尻拭いとして、現地民に武器の使い方を教えているらしい。
《ムロク》は「ですわ」口調でしゃべり、どんな武器をも扱うことができるようだ。

弟子

  • ミロクの弟子 ニョライ
EP世界に送り込んだ弟子の一人。
師匠と同じくスターノイドであり、こちらは水文明。名前の由来は「如来」。
転生編のクロスギアを製造したのがミロクなら、戦国編のクロスギアを担当したのがニョライであり、サムライという種族の誕生に深く関わっている。
カードとしての効果もクロスギアに関連したもので、2コストながらフリークロスやジェネレート毎のドロー効果を発揮してくれる。
あと師匠よりかなり胸がデカい

  • 魅力医(みろくい) ミョウオウ
新章世界に送り込んだ弟子の一人。名前の由来は「明王」。
自分自身の身体を魔導具へと改造しており、実際に種族でも魔導具として扱われている。
カードとしても場と墓地のマフィ・ギャング全員に魔導具を追加する効果を持ち、自分どころか他者まで改造してしまえるようだ。
魔導具のみならずオレガ・オーラの技術吸収にも貢献するなど、師匠と同様に魔導具の扱いにはかなり長けている模様。

  • 《語られぬ者 シンゴン》
新章世界に送り込んだもう一人弟子。名前の由来は「真言」。
ミョウオウとは別に水文明の魔導具の開発に関わった模様。
今のところは名前と設定のみの存在だが、師匠の例を見るにいずれカード化すると思われる。

製造した魔導具

  • 転生編のクロスギア
古代遺跡に眠っていた魔導具たち。
後にミロクも掘り起こされた事を知り、何らかの手段でクロスギアに力を与えている。
これとは対照的に、戦国編のクロスギアは弟子のニョライ製である。

  • 魔弾
ナイト達が扱う銃。サムライクロスギアとは別に師匠も師匠でこさえていた模様。
中でも特に強力だった「M( マッド )R( ロック )C(チェスター)」は煉獄へと封じられてしまった。

戦国編に導入されようとしていた四つの魔導具。実際に運用されたのは二つだけだが。

  • 魔導
魔導具と魂を共有できるクリーチャー達。サイキック・クロスギアとも。
後のドラグハートの原型となっており、
魔導獣ギガントレット》⇔《次元のハングリー・ガントレット
魔導の剣聖》⇔《次元のロード・オブ・レジェンドソード
魔導器プロテクト》⇔《次元のクイーン・オブ・プロテクション
の三体を作成した。
なお、ギガントレットに関しては目が存在しないパンドラの民を皮肉ったかのような全身に瞳が付いた姿をしている。

  • オレガ・オーラに酷似した魔導具
超GRの力に着目し、過去のクロスギアを次々と造り替えて製造した魔導具たち。
元の性能そのままだったりある程度改変されたりしながら、以下のようにオレガ・オーラとして再現されている
インフェルノ・シザース》→《アウトヘルノ・シザーズ
インビジブル・スーツ》→《インビジブル・オーラ
メガ・イノセントソード》→《メガ・イノポンドソード
グロリアス・ヘブンズアーム》→《グロダルマチア・ヘブンズアーム
影武者 ソウル・ブリンガー》→《幽武者 ソウル・ブリンガー

ミロク関係の疑惑が掛かっている魔導具その1。
転生編終盤に突如として発生した進化クロスギアだが、その裏でミロクが関係しているのでは…?という仮説。
ミロクのイラストにも他の魔導具と共に《エクスプロードカタストロフィー》の図面が描かれており、少なくとも存在は把握しているようだ。

ミロク関係の疑惑が掛かっている魔導具その2。
キング・コマンド・ドラゴンが纏う鎧はパンドラの技術によって作られており、そこにミロクが関与しているのでは…?というもの。
実際パンドラ・スペースには魔導の存在を配置しているため、それらの技術が利用されていてもおかしくはない。


仙界一のイラスト


イラストを担当した風太郎氏曰く「超高齢だが幼いデザイン」がデザインコンセプトだったようで、そこにあざとさを追究した形で現在のデザインに仕上がったようだ。
また、背景にはクロスギアやドラグハートを始めとした歴代の様々な武器が確認でき、氏がTwitterで公開した全体像ではよりハッキリと見られる。

画面右から反時計回りに挙げていくと、

他にも、イラスト左下の机に広げられている図面には《エクスプロード・カタストロフィー》らしき設計画がデザインされている。


仙界一の余談


  • 文明に関しては、恐らくミロクが関わったヴォルジャアクの火文明とアークゼオスの光文明を反映した形と思われる。

  • 実はマシン・イーター初のスーパーレア。
    というかレア以上が長らく《放浪の勇者ジージョ》1体しか存在しなかった。どんだけ不遇だったんだ…。

  • ニョライ(如来)とミョウオウ(明王)という弟子の名前を鑑みるに、名前のモチーフは恐らく弥勒菩薩だろう。
    エピソード2の時期に登場した、同じ名を持つオラクルの《告別のカノン 弥勒》との関連性は不明。

  • 近年の女性型クリーチャーとしては珍しくゴーグルをかけ、直接目が見えないデザインになっている。
    これは現行のデュエマプレイヤーでもある風太郎氏が女性型クリーチャーを使う事が憚れた少年時代の経験からパッと見女性型だとわかりにくくする事で現代の少年達が気兼ねなく使えるように配慮したためとの事。


追記・修正は17年越しにカード化してからお願いします。

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最終更新:2025年05月04日 18:06

*1 並行世界の存在自体を知ったのは神歌繚嵐よりも更に前の出来事とデュエチューブでは解説されている

*2 《神影剣士ジュウベイ》と戦国編に収録されていた《鬼神装甲クロウ・トドロキ》のフレーバーテキストで互いに対応した形となっており、まさに大会が行われている最中に拉致された事がうかがえる

*3 デュエチューブでは進化クロスギアの発生に関わっている可能性にも触れられているが、こちらはあくまでも疑惑扱いとなっている。

*4 形状が全く同じであるため、どちらなのか断定できない