アンザーティ

登録日:2024/01/17 Wed 17:30:00
更新日:2025/01/25 Sat 10:12:16
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アンザーティ(Anzati)とは、SF『STAR WARS』シリーズに登場する種族の名前。

銀河系中縁部(ミッドリム)の惑星アンザットを故郷とする。
いくつかの点から、銀河全域でもっとも恐れられ忌み嫌われる種族の一つとなっている。







……以下、グロテスクな表現が含まれています。
くれぐれも閲覧は自己責任でお願いします。これを読んでからSAN値直葬されたりニューロンが焼き切れたりしても、アニヲタWiki(仮)および編集者は一切責任を負いません。





















































「アンザーティのほうが……まし……」
「あの脳みそを食らう連中か?」

前ナブー王ヴェルナ
シスの暗黒卿を前にして


アンザーティは銀河の人々からもっとも恐れられ、忌み嫌われる種族の一つである。
なぜなら彼らは「をすすり食らう種族」として知られているからだ。
しかも種族全体がフォース感応者の素質を持って生まれてくると言う。

本稿での設定は基本的にほぼ全てレジェンズ分類となっている。
ただしカノン設定においても、存在することだけは示唆されている。カノンのアンザーティに対しては【余談】を参照。


【生物的特徴】

アンザーティについて分かっていることは少ない。と言うのも、彼らは全銀河で非常に希少な種であり、研究する機会がほとんどないからであった。
彼らの母星アンザットに向かった学者たちも、生きて帰ったものはほとんどいない。

見た目はほとんど人間同然。外観の露骨な差異と言えば、鼻が大きく、よく目立つというところぐらいか。
身長・体格はほぼ人間と同じ。肌は少し浅黒いが、人間の中にも充分いるレベルで、見分けは付けにくい。

しかし中身はまるで違う。
最大の特徴は、人間で言うところの頬骨のあたりから細い触手を出せること。
普段は頬骨あたりの畏怖の下にくるくると巻いて収納・隠しているのだが、「食事」をするときにだけにゅるりと引っ張り出す。長さは一メートルほどあり、相手の鼻の穴に突き刺して脳まで達し、そのまま相手の脳を吸い上げる

この時吸い上げるのはただ脳細胞だけではなく、相手の生命エネルギー、またはフォースを摂取するという。
アンザーティはこの生命エネルギーを「スープ」と呼ぶ。
完全に吸い上げるにはそれなりに時間を要するが、一部でも吸われれば人はすぐに廃人になってしまうため、弱点や問題などとはとても言えない。

これに関連して、周囲にいる人間の「生命力の強さ」や「フォースの密度」「質」などを感じ取る謎の感知能力がある。
鼻や舌のような感覚器官があるというわけではないらしい。フォースを介して感じるのかも知れない。

そのほかの肉体は一見人間そのものだが、実は脈拍がなく、体温も非常に低い。循環系がどのように機能し、生きているのか、生物学者たちにとっても全くの謎であるという。
寿命は極端に長く、軽く千年以上生きる。長期間食事を取らなくても餓死しない。飢えは感じるが、胃袋と言うより脳を吸収する感覚が……と言った形で、明らかに不自然。
ある場面では、顔が腐っているような相貌を見せたこともある。


ただし、フィジカル面では限界がある。
その身体能力や反射神経、敏捷性などは人間の最高レベルに達しているが、同時に、人間のレベルを超えるようなパワーやスピードは出せない。
フォース使いの種族なので、ジェダイと同じスキルを用いているのかも知れない。
実際、少なくともジェダイが得意とするフォースのマインドトリックは使える。もちろん、用途は獲物の警戒心を解いて油断させるためであるが。

また「生命力の強い相手を狙いたい」が「身体能力の限界値は低い」ことから、後者を補うために奇襲能力・捕獲能力・暗殺手腕を技術として磨き抜いている。
何せ何百年も生きるだけに、暗殺武術を極める余裕があった。
接近を許せば頭を強く押さえつけられ、鼻に迫る触手を避けることもできず押し込まれるという。

大勢のアンザーティが連携することもある……のだが、たいていの場合は獲物を押さえ込んだ後、誰が捕食するのかで揉めるため、連携はめったにしなかったらしい。
とはいえ実際に大勢で群がりかかる場面も結構あって、本当に連携が珍しかったのかは結構怪しい。

アンザーティにとって、脳から吸い上げる生命エネルギー「スープ」は極上のごちそうである。それ故、彼らはこの味を積極的に追った。
アンザーティ自身は、少数種族だった。繁殖するのかも怪しいところがある。
そのため他の人種が大量発生するアンザーティに襲われて絶滅するような状況にはならなかったのだが、逆にアンザーティにとっては餌になり得る相手がいくらでもいると言うことであり、銀河の人々にとっては恐るべき伝説として忌み嫌われていた。


銀河のあらゆる人々から恐れられる存在ではあったが、一面では獲物を狙うために暗殺技術を磨き抜いたことから銀河有数の暗殺者集団として、そのスキルを傭兵や殺し屋として雇われることもあった。
相手に気付かれずに接近する隠密技術、有効攻撃範囲に到達してからの奇襲技術、獲物を探す探査能力。それらはフォースなどを使わない純粋な「技術」であるため、その気になれば学ぶこともできた
実際、オーラ・シングなどはアンザーティから暗殺スキルを仕込まれたことで知られている。


文化面では不思議と、ジェダイに共通するところがある。
まず、彼らの伝統衣装はなぜかジェダイの衣装とよく似ていた。ダークジェダイが着ていたのはまだしも、ジェダイ経験のないアンザーティまでもが着用していた例がある。
また、アンザーティは上述通りその潜伏・奇襲スキルを伝授することがあったが、そのやり方は「師匠一人に弟子一人のマンツーマンで指導する」というもので、なぜかジェダイやシスのやり方に近い。


◆亜種?

  • フェラル・アンザティ
亜種、または突然変異のアンザーティ。
後述の、千年以上封印されていたダークジェダイヴォルフェ・カーコに引き寄せられたアンザーティがこのような姿に変異していた。
カーコの暗黒面のフォースに引かれたアンザーティが彼の牢獄の周囲に集まっていたが、なぜか彼らは変貌してしまった。
肌は真っ白または群青色となり、目は全体が赤く染まり、唇が消失して牙と触覚をむき出しにし、爪をとがらせ、理性までなくした、まるでゾンビか何かのような姿になった。
しかも肋骨のあたりから縄のような謎の液体?触手?を放って、相手を繭のようにくるんで捕えるという、どういう変化をすればそうなるんだと聞きたくなるような謎の能力も発揮した。

見た目は完全に怪物だが、ヴォルフェ・カーコや彼に操られていたアイラ・セキュラのフォースを介した命令には従っていた。


【人物】

  • ヴォルフェ・カーコ(Volfe Karkko)
歴史上でもっとも有名な、アンザーティ出身のジェダイ騎士
彼は昔からフォースの光明面の修行をしており、何百年も「スープ」への欲求を感じたことがなく、彼はその欲求を克服したとさえ考えていた。
しかしそれはやはり錯覚であり、一度味わってしまえばあっという間に暗黒面に落ちてしまった。
ダークジェダイとなった彼は大暴れしたあげくジェダイ騎士団に敗れ、千年にわたって封印されていた。
が、EP1の二年後、アイラ・セキュラにより解放される。全銀河を舞台に暴れ回るところだったが、最後はクインラン・ヴォスに討たれる。
なお、彼がジェダイとなったのはまだ「幼児だけを入門させる」という縛りのなかった時代なため、彼がジェダイに入門した時点で八百歳だったという。それからジェダイ騎士団で何年も修行し、やがて暗黒面に落ちてから千年も封印されたので、映画本編の時期には1800歳以上。修業時代を考えると2000年近いかも知れない。
しかも、千年間の封印ではまったく獲物を捕えていなかったのに、餓死しなかった。一体どういう生物なのか……

  • ニッコス・ティリス(Nikkos Tyris)
これもジェダイ騎士となったアンザーティで、やはり暗黒面に落ちた。
折しも分離主義危機~クローン戦争の時期だったため、ドゥークー伯爵門下のダークアコライトの一員となり共和国に牙を剥いた。
彼の特徴は、シスの歴史資料を研究するうちに「シスの教えはジェダイの教えのそれを内包する」「ジェダイ哲学の源流はシス哲学にこそある」として、暗黒面をベースにジェダイ哲学とシス哲学の双方を修める新たなる分派「ジェンサライ」を創始したこと。
とはいえその教えの実際は、古いシスの哲学そのものであった。「ジェンサライ」という名前自体、古代シスで「真の道」を意味する「サーライ」と言う言葉に由来し、「真実を密かに探る者」という意味だった。
彼は自分に同心した二人のジェダイとともに騎士団を離反し、辺境の星で入信者をあつめながら修行を開始。
現役のシス卿であるドゥークー伯爵も(その哲学の内面は無視しつつ)接触し、上記のヴォルフェ・カーコの遺品を融通するなどして支援した。……本心はジェダイ騎士団の戦力を分散させる駒としか思わなかったようだが。

最終的に、ニッコスと二人の高弟はジェダイ騎士三名と相打ちになりつつ戦死。
ニッコスに集められた弟子たちは生き残り、ジェンサライも数人という小さな規模で残り続けたが、開祖がすぐに死んでしまったことから却って弟子筋はシスの教えには疎いままとなり、暗黒面に没頭することはなかったという。

  • サジェ・ターシャ(Sajé Tasha)
クローン戦争中に独立星系連合に雇われたアンザーティの殺し屋。
女性で、豊かな白銀の髪と豊満なスタイルを誇り、痩せぎすながらも迫力のある美人といった風貌。
コートシス鉱という、ライトセーバーの光刃も跳ね返す材質で作られた銀色のガントレットと鉤爪を装着した。
ソーラ・バルクの部下として銀河共和国の前任の最高議長フィニウス・ヴァローラムの暗殺に参加。
その後はコルサントに残ってスパイ活動を続け、クインラン・ヴォスの愛人カリーン・ヘンツを殺そうとするが、こちらは逃げられる。

  • アック・セイ(Akku Seii)
サジェ・ターシャの仲間。ともに独立星系連合に雇われた。
老人の姿をしたアンザーティで、髪は白いがターシャと違って加齢による白髪の可能性がある。
長寿で知られるアンザーティのさらに老人という見た目にそぐわず超高齢者で、クインラン・ヴォスの老マスター、ソルメ(推定七十代)がまだ若いころにスパイとしての潜入技術を学んだという異色の経歴の持ち主。
あらゆる武術を研究し、全てを体得してアンザーティたちから「老師」と尊敬された傑物。

アンザーティも暗殺や潜伏、襲撃の技術を弟子に伝授する。ただしそのやり方は、一人の師匠に一人の弟子がつくというジェダイと同じやり方だった。ソルメもそのようにして彼に弟子入りした。
しかし独立星系連合軍は、惑星サルーカマイにてクローン兵士「モアグカイ」の訓練教官としてアック・セイ老師を雇っており、彼の伝統に反した、老師一人に大勢の弟子がついて訓練する、と言う形式にせざるを得なかった。
これはモアグカイ計画の担当者ソーラ・バルクの無理解と言うより、アンザーティに老師役のできる人材が少なかったから、と言うのが原因。

いずれにせよ、共和国軍は「サルーカマイ包囲作戦」を展開して進行。ソルメは特殊工作隊としてモアグカイの基地に潜入し、アック・セイと再会した。
かつての弟子とは言え敵となった以上無視はできず、と言って戦うつもりもなかったアック老は、即席ながらも鍛えたモアグカイの戦士をソルメに戦わせる。
しかしソルメは一人も傷つけずに圧倒し、静かに去った。アック・セイは彼らを追わず、ソーラ・バルクが倒れるとどこへともなく姿を消した。

  • ラース・ケルコ(Rath Kelkko)
上記二名とともに独立星系連合に参加した暗殺者。
見た目は中年男性。アック・セイと同じく、モアグカイのクローン戦士にアンザーティの戦闘技術を教え込んでいた。
また他のアンザーティ十数名も率いている。彼らも、普段はクローン戦士を鍛えていた。
サルーカマイ包囲線が佳境に入ると、ソーラ・バルクの指令によりラース・ケルコたちを暗殺チームに再編、星に上陸した共和国軍司令官オポー・ランシセスを仕留めるべく送り込まれた。
しかしオポー・ランシセスはフォースを通じてアンザーティの奇襲を察知。素早く反撃して暗殺団を返り討ち、ラース・ケルコも戦死した。
……が、その暗殺団を囮にしたソーラ・バルクが突入。オポー・ランシセスは一瞬で討ち取られた。


  • ダニク・ジェリコ(Dannik Jerriko)
EP4に登場。映画本編に出ていたことで、カノン設定にとどまり続けたほぼ唯一の人物。
普段は賞金稼ぎをやっていたが、普通の賞金首だけではなく、依頼に失敗した賞金稼ぎ・暗殺者・泥棒などの粛清をも請け負っていたという変わり種。
また、たとえ依頼主や顧客であっても「愚か者」と見なせば闇討ちしてしまうという点でも危険だった。

タトゥイーンの酒場でオビ=ワン・ケノービや若きルーク・スカイウォーカーハン・ソロなどを発見して狙ったが、いずれもチャンスを掴めないまま逃げられ(しかもオビ=ワンには気付かれていた模様)、最後はジャバも狙うが彼まで殺される。
何度も目標に逃げられ怒り狂った彼は暴走し、ジャバの宮殿で多くの生存者を殺戮した後タトゥイーンからも離れたが、あまりの暴走から高額の懸賞金を掛けられたという。生死不明。


◆関連人物

銀河系指折りの賞金稼ぎ。
ハットの奴隷だった幼少期に、暗殺技術を徹底的に叩き込まれた。彼女の賞金稼ぎとしての技量はその時期に学んだものが基礎となっている。

  • ソルメ
クインラン・ヴォスの師匠でアイラ・セキュラの師匠筋という老ジェダイ。
ジェダイの中でも潜入・破壊工作を得意とする異色の人物で、暗黒面の境目を渡ることが多い。
彼も上記の通り、若いころはアンザーティに師事して、潜伏や逃走、奇襲のスキルを学んでいた。
なお彼はダークジェダイではなく、ジェダイ騎士団に所属し評議会からの信任もある立派なジェダイである。

  • クインラン・ヴォス
もう一人のアナキンと言わんばかりの人生を送った、闇と光をさまようジェダイ。
生後間もなく両親をアンザーティに殺され、しかも少年時代に両親の遺品に触れた際、彼の持つ強いサイコメトリーが発動。
「アンザーティに殺される瞬間の両親の記憶」を体感してしまったことで、少年にして初めて暗黒面に落ちた。
その後も何かとアンザーティと戦う任務が多かった。


【余談】

アンザーティの数々の描写や、暗黒面のフォースを浴びたフェラル・アンザティの変貌を考えると、彼らの肉体はフォースで操られる傀儡のようなものであり、触覚を出している生物が本体ではないかという考察も。


カノン設定ではほとんど言及されていないが、少なくとも
  • ミッドリム宙域の惑星アンザットの実在
  • 種族としてのアンザーティの存在
  • 他人の生命を吸い取ることで恐れられている
  • オーラ・シングに戦闘技術を仕込んだエピソード
  • ヴォルフェ・カーコがアイラ・セキュラに暗示を掛ける場面
  • EP4に登場するダニク・ジェリコの存在
以上の設定が回収されている。




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最終更新:2025年01月25日 10:12