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ダイ・ハード(映画)

登録日:2010/10/10 Sun 19:12:34
更新日:2026/10/06 Tue 13:48:07
所要時間:約 25 分で読めます


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地上40階!高層ビルは戦場と化した!

「勝ち目があると思うのか? カウボーイくん」
「イピカイエー、ざまぁみろ」

『ダイ・ハード(原題:Die Hard)』は、1988年7月に公開された米国のアクション映画。
製作・配給は20世紀フォックス。撮影も本社ビルで行われ、社員に多大な迷惑をかけた。
それまでのアクション映画のお決まりやお約束から外れた数々の斬新な演出と構成、脚本の完成度から本作以降のアクション映画の金字塔となった。

日本では1989年の正月に公開される予定だったが、昭和天皇の崩御に伴い、一月遅れの2月より公開された。
監督は『プレデター』や『ラスト・アクション・ヒーロー』でも知られるジョン・マクティアナンで、後に『ダイ・ハード3』にてシリーズに復帰して監督をしている。

「ダイ・ハード」とは、邦訳すると「なかなか死なない(死に損ない=しぶとい野郎)」となる。


概要

原作は1979年に出版されたロデリック・ソープの小説『Nothing Lasts Forever(訳:何事もいつまでも続かない)』だが、日本では映画の公開後に邦訳された為に、タイトルは映画と同じく『ダイ・ハード』になっている。

ただし、原作の主人公は警官を引退して私立探偵をやっている初老の男であり、テロリストグループの目的も金ではなく政治的な思想によるもので、どちらかと言えば人質のほうが悪人に近かったりと、映画のイメージとは異なる、やや暗めの作品である。

原作はソープが1966年に執筆した『The Detective』の続編に当たり、1968年に邦題『刑事』としてフランク・シナトラ主演で映画化されている。
今作も、元々は原作に近い設定で映画化しようとしており、『刑事』で主演を務めたフランク・シナトラも主役の候補に挙げられていたものの断られた。

他にも、クリント・イーストウッドやアル・パチーノ等のベテラン俳優にもオファーを入れたが断られ、最終的にはTVシリーズ『こちらブルームーン探偵社』等で名を知られつつあった、新進気鋭のブルース・ウィリスが起用された*1。

ちなみに、ブルースの前にはシルヴェスター・スタローンやアーノルド・シュワルツェネッガー、バート・レイノルズ、リチャード・ギア等が候補に挙がっていたのだとか*2。
本作の主演に抜擢されたことにより、ブルース・ウィリスは映画界にてスター街道を歩むことになる。

ブルースの起用に伴い主人公は30代の現役の警官に、テロリストの目的も政治絡みではなく金目的で、自分達の能力を欲のままに使う知性的で残酷な悪党として描く……等の、原作からの大幅な改編がされることになり、作品の雰囲気もエンターテインメントに大きく舵を取った作品となっている。
特に、演出面においては現場の判断で即興的に決められた部分も多かったらしく、それでいて脚本の細かさが更に感じられるようになっているのだから驚きである。

2024年にブルースの俳優引退後に『Detective Knight』シリーズが『ダイ・ハード~』シリーズとして公開されたが、日本側でそのようなタイトル名になっただけで、本シリーズとは一切関係はない。

物語

ある年のクリスマス。
アメリカの正反対の位置にあるニューヨークから夕刻のロサンゼルス空港に降り立ったジョン・マクレーンを出迎えたのは、妻のホリーではなく、彼女勤務する日系企業“ナカトミ”より依頼されてリムジンで送迎にやってきた黒人運転手のアーガイルだった。

リムジンの中でマクレーンは、自分がロサンゼルスとは真逆の位置にあるニューヨークから遥々とやってきた刑事であること、ホリーは西海岸へ進出した日系企業“ナカトミ”に職を得て子供たちと共に引っ越したこと、そして、そのホリーが竣工中の超高層ビルで開かれるクリスマスパーティーに自分を招待したことを語る。

やっと到着したナカトミ・ビルでは、久々にホリーと再会できたものの、甘い雰囲気に浸る間もなく、余計な一言からいつもの喧嘩をしてしまい落ち込むマクレーン……。
その頃、ビルの一階では駐車場から10数名の男達がビルに侵入。警備網を容易く破りビルを占拠してしまうと、シャッターを下ろし電話線を切断する。
そして、パーティー会場に乱入した男達のリーダーはハンス・グルーバーと名乗り、全社員を人質に取ったと宣言するのだった。

運良く(悪く)ホリーのオフィス──ハンスのグループが最初に確認できる位置──から逃れられていたマクレーンは、グループの手下共が確認に来るまでの間に脱出すると、外部との連絡を遮断され応援も望めない中で、携帯していた拳銃1丁と刑事として鍛えた頭脳を武器に孤立無援の死闘を繰り広げ始めるのだった……。

本作の特徴と解説

これまでのアクション映画は(1980年代当時)超人的な能力を誇る主人公が、前半までに敵を倒す理由を描かれた後は敵をスマートに圧倒していくといったストーリーが一般的になっていたが、本作はどちらかと言えばごく普通の外見の男が愚痴を言いながら、怪我しまくりボロボロになってもテロリストに立ち向かうといった当時としては変わった展開であると共に、ビルという狭い場所でのテロリスト死闘も上手く描かれている。
本作のヒットにより、閉鎖的な空間、状況に置かれたごく普通の主人公が知恵と機転を活かして逆転する映画が流行するようになり、そのタイプの脚本は「Die Hard on a─」……つまり、日本語的に言えば「ダイ・ハード式(スタイル)」と呼ばれているという。

企画段階では前述のように、それまでのアクション俳優の代名詞であったスタローンやシュワルツェネッガーの起用も考えられていた本作だったが、本作のヒット後はそのような筋肉モリモリマッチョマンを起用したアクション映画は「古い」と見なされるようになり、アクション映画であっても練り込まれた展開が二転三転してどんでん返しまでする脚本と、普通の見た目や体格の主人公が傷つきながらも戦う作品が好まれるようになり、スタローンやシュワルツェネッガーといった見た目からしてただ者では無いマッチョマン達もコメディや人情物に挑戦したりと、新路線を開拓していかなければならなくなった。
そして、本作の大ヒットにより、それまではTVで活躍していたブルース・ウィリスは映画に進出すると共に、筋肉モリモリマッチョマンとは別タイプの1990年代を代表するアクション俳優として活躍するようになる(実際にはブルース・ウィリスも長身だし普通にマッチョなのだが)。
なお、ブルースの場合は最初からロマンスやコメディ、悪役など多様な路線に挑戦していたものの、キャリアを通して見れば、やはりアクション俳優としてのイメージが強い。

本作の脚本が特に見事なのが、原作があるとはいえ、ピンチと逆転に関する伏線が序盤で張られており、その伏線が作中で無理なく全て回収されている点。
その為、中には本作を「伏線回収のお手本」「アクション映画の教科書」と呼ぶ人も居るほど。
この練り込まれた脚本とどんでん返しも『ダイ・ハード』シリーズの特徴となっていった。

登場人物

枠内は追録ノーカット版での配役。

警察、およびその関係者

  • ジョン・マクレーン
    演:ブルース・ウィリス
    日本語吹替:樋浦勉(機内上映版、ソフト版)/野沢那智〈岩崎ひろし〉(テレビ朝日版)/村野武範(フジテレビ版)
ニューヨーク市警の刑事。階級は警部補*3。
妻のホリーに誘われてナカトミビルにやってくる。
長年追いかけている犯人がおり、それを捕まえるまでは家族のいるロサンゼルスに引っ越すことは出来ないらしい(ただし、アーガイルに見透かされていたようにホリーについていかない為の方便ともとれ、実際にダイ・ハードの1年後の設定となる『ダイ・ハード2』では普通に引っ越してきていた)。
演者の都合で左利き。自動拳銃ベレッタM92を使用している。
“ただの警官”のはずだったのだが、テロリストに挑む中で才能を覚醒させた傷だらけのワンマンアーミーで、プロのはずのハンスからも「化け物」呼ばわりされる場面も。まあ大体合ってる。
ボロボロにはなるが、訓練や技能の差をタフネスと機転で乗りきってしまうチートキャラで、特にキレた時には鼻歌混じりに相手を殺すことも躊躇しなくなる危険な男である。
なお、優秀な刑事だからかアクション映画の主人公としてはかなり頭脳が回るタイプで、今作でも僅かな疑問から用意周到なハンス達の計画を見事に打ち砕いている。

最後の「イピカイエ、クソったれ!」は『ダイ・ハード4.0』の黒幕ガブリエルにも使っている。

  • ホリー・マクレーン(ジェネロ)
    演:ボニー・ベデリア
    日本語吹替:横尾まり(機内上映版)/駒塚由衣(ソフト版)/弥永和子〈宮島依里〉(テレビ朝日版)/吉田理保子(フジテレビ版)
ジョン(マクレーン)の妻。
ナカトミ商事の中心的役割を担っている。美人ながらも気が強く、脅迫に屈せずに敢然と立ち向かう。
キャリアウーマンで、旧態的で短気なジョンとは愛し合っているもののいがみ合いが耐えず、ナカトミに誘われた時にも言い合いの末にマクレーン一人がニューヨークに残ることになった。
ルーシーとの会話では「サンタさんと何とかパパを連れ帰る(意訳)」旨を伝えており、何だかんだで今回のクリスマスを仲直りの場としたかったのが窺える。……やっぱりジョン(マクレーン)が悪いよな。
曰く“日本企業では既婚者は受けない”という理由から、会社では旧姓の「ジェネロ」を名乗っていたのだが、そのせいで仲直りのために呼んだマクレーンに噛みつかれてしまい、事件の直前に再び喧嘩となっていた。マクレーンの反撃が始まってから直ぐにハンス達の様子からマクレーンが動き出したことを悟り、さらに後半にはカールの様子からマクレーンの生存を確信していた(ホリー曰く「あんなに人を怒らせることが出来るのはジョンだけ」)。
そして、タカギ社長が殺害されていたこともあってか、責任者という立場で自分なりにマクレーンを援護してハンス達に立ち向かう。

  • ジョセフ・ヨシノブ・タカギ
    演:ジェームズ・シゲタ
    日本語吹替:桑原毅(機内上映版)/宮田光(ソフト版)/阪脩(テレビ朝日版)/藤本譲(フジテレビ版)/橋本しんめい(追録:機内上映版、フジテレビ版)
ナカトミ商事北米支部社長兼ナカトミ投資グループ副会長。
1937年京都生まれで5児の父。日系人という境遇から、苦労してここまでのしあがってきた人物。
テロリストには屈しない偉い社長だが……金庫の暗証番号について頑として口を割らなかったことから業を煮やしたハンスに射殺されてしまった。
マクレーンには当初「妻を自分から遠ざけたにっくき上司」としてあまり快く思われておらず、対面時には「日本人もクリスマスを祝うんですね」と人種がらみの嫌味*4を言われていた*5。
しかし脅迫されても決して口を割らなかったその気概は、物陰で一部始終を見ていたマクレーンに「なんであんな立派な男を見殺しにしたんだ*6!」と強い自責の念を抱かせ、彼の義侠心に火を点けることとなった。
一方でカールとテオは社長が口を割るかどうかで賭けをしていたことがわかる*7。

  • ハリー・エリス
    演:ハート・ボックナー
    日本語吹替:林一夫(機内上映版)/納谷六朗(ソフト版)/石丸博也〈志村知幸〉(テレビ朝日版)/朝戸鉄也(フジテレビ版)
ナカトミ商事の役員。コカイン常習者で躁病気質。
夫がいると知りながら食事に誘うなど、ホリーに気がある。
エリート意識が非常に強く、やたらと他者を見下す傾向がある反面、最近の仕事は失敗続きらしく、ストレスからか少し人目につかなくなるだけで直ぐにコカインを吸引している様子が見られる。
人質になってからは更に不安定で落ち着きがなくなり、周囲に大勢の人間が居るにもかかわらずコカインを吸引してホリーに呆れられていた。
遂には、自意識過剰とクスリでハイになっていたためかハンスと直接に交渉しようという無謀な真似をするが、その内容はハンス達に抵抗しているマクレーンの素性をハンス達に明かして不利な立場に追い込んで自主的に投降させるという短絡的で超絶ありがた迷惑なもので、(マクレーンが殺されたら殺されたで手を出すつもりだったのか)ホリーの存在こそ明かさなかったものの、やり取りの中であっさりとマクレーンと親友という話が「嘘」だと見破ったハンスにHSで殺害されることになる。

  • アル・パウエル巡査部長
    演:レジナルド・ベルジョンソン
    日本語吹替:飯塚昭三〈辻親八〉(機内上映版)/内海賢二(ソフト版)/坂口芳貞〈石田圭祐〉(テレビ朝日版)/富田耕生(フジテレビ版)
ロス市警の警察官。トゥインキーが大好物で、妊娠中の妻がいる。
偶然、ナカトミプラザの付近を巡回していたためにビルの偵察を頼まれた。
当初はただの惚けたパトロール警官かと思われたが、異常無しとして帰ろうとしていた所でマクレーンから死体のクリスマスプレゼントを貰い、更にテロリスト達からの銃弾(当初はハンス達も当たり障りのない所だけ見せて穏便に帰ってもらうつもりだったのだが、マクレーンから死体をプレゼントされたのを確認した時点でマシンガンを乱射した)をパトカーに受けたことでマクレーンの通報が真実だと本部に知らせる。
更に、慌ててバックさせて逃げたので縁石を越えてパトカーを下の通路に落としてしまい大破させるオマケつきである。
なお、そんな目に遭わせる切っ掛けを作ったマクレーンは「メリークリスマス」と言いながら高笑いしていた*8。
そんな散々な目に遭いながらも現場に残り、以降は無能で楽天家な副本部長率いる本部に替わり、マクレーンの話し相手となると共にサポート役として重宝されるようになり、相棒と呼ばれるまでの信頼を寄せられる。
そして、そのやり取りの中で元の警察官としての生き甲斐を取り戻していく。
過去に間違って子供を撃ってしまったトラウマで人が撃てないらしい。
余談だが、パウエルが店で大量に買い込んでいる(そして、後で空腹のマクレーンがオフィスで見つけて食べて余りのマズさをボヤいている)のは米国のお菓子の定番トゥインキーなのだが、日本では普通の店舗で購入できる形では輸入されていない等、まったく知名度が無かったため、邦訳字幕や吹き替えでは単にドーナツとされてしまっている。

  • ドゥエイン・ロビンソン
    演:ポール・グリーンソン
    日本語吹替:小島敏彦(機内上映版)/嶋俊介(ソフト版)/小林修 〈仲野裕〉(テレビ朝日版)/屋良有作(フジテレビ版)
ロス市警の副本部長(本部次長)で、階級は警視。
パウエルからの通報でSWATチームを率いて現場に駆けつけてくるが、キャリアらしく(?)何よりも自身の思い込みを優先し、ステレオタイプ以下の作戦行動しか取れない無能であり、30人もの人質が居るという情報を確かめもせずに噓と断じ、マクレーンからミサイルも持ってる普通じゃない奴等という情報があったにもかかわらずSWATを正面から突っ込ませて多数の被害を出した。
更に言えば、当の到着したSWAT隊長も下手をするとロビンソン以上の現場知らない人間であり、肝心のSWAT隊すらも現場慣れしていない様子が演出される等、短いながらも更にグダグダ感を強めている。「口だけは達者なトーシローばかりよく揃えたもんですな。」
……にもかかわらず責任すら感じていなかったが、マクレーンにTVでも流れている一般チャンネルの無線で堂々と批判され、その後は挽回のチャンスもなくFBIに主導権を握られることに。
ついでに言うと、FBIに状況説明する時には散々にバカにしていたマクレーンが命がけで収集した情報を殆どそのまま伝えており、流石にカチンと来たのかパウエルに「ジョン・マクレーンからの情報」と訂正された時には余計なことを言うな、とばかりのリアクションをバツの悪そうな顔で取っていた。マジでクズで無能である。
━━というわけで、批評家や一般層問わずに高い評価を受けた本作だが、あえて欠点を上げればこいつ(等)がバカ過ぎて不自然という声もある。

  • ビッグ・ジョンソン&リトル・ジョンソン
    演:ロバート・デヴィ&グランド・L・ブッシュ
    日本語吹替:稲葉実(機内上映版)/広瀬正志(ソフト版)/麦人(テレビ朝日版)/有本欽隆(フジテレビ版)&荒川太郎(機内上映版)/星野充昭(ソフト版、機内上映版追録)/谷口節(テレビ朝日版)/伊藤栄次(フジテレビ版)
FBIのテロ対策特別捜査官で、白人でベテランのビッグ・ジョンソン(ロバート・デヴィ)と、黒人で若手のリトル・ジョンソン(グランド・L・ブッシュ)のコンビ。同じ名字だが、特に親戚関係ではない。更に言えば、原語では本部との連絡の中で「どっちのジョンソン?」とでも聞かれたのか「白い方」と答えるというセンシティブなやり取りがある。吹替では当時でも配慮されており「そっちじゃない」程度に改められているが。
来て早々にロス市警から指揮権を奪って作戦行動を始めたがやっぱり無能。
矢張りありきたりな作戦行動しか取れず、しかも人質に多数の犠牲者が出てもテロリストを皆殺しに出来ればいいという目的のためのみに行動する。
ちなみに、ベトナムへの従軍経験があるベテランのビッグ・ジョンソンの方が危ない性格。
同じくハンス達には行動を読まれており、人質達はマクレーンにより逃がされたものの、二人のジョンソンは屋上の爆破に巻き込まれてヘリと共に墜落して死亡した。
直に顔を合わせてはいないのだが、余りにも印象的だったのかマクレーンは『ダイ・ハード4.0』にて「ジョンソン」の名前に反応していた。

  • アーガイル
    演:デヴロー・ホワイト
    日本語吹替:山寺宏一(機内上映版)/麦人(ソフト版)/江原正士(テレビ朝日版)/竹村拓(フジテレビ版)
マクレーンをナカトミプラザまで運んだリムジンの運転手。
以前はタクシーの運転手だったらしく、言葉使いや態度が畏まったものでないところと、口と頭が回りすぎるところを逆にジョンに気に入られる。
ホリーと上手くいかなかった場合を見越してビルの地下駐車場でマクレーンを待つが、事件のせいで出られなくなる。
当初は大音量で音楽を流していたので事態に気づかず、吞気に恋人に電話を掛けたり酒に手を付けたりしていたが、よりによってニュースで目と鼻の先でテロ事件が発生していると知って動揺して駐車場に逃げ込み自主的に避難。このことが思わぬ大金星を生むことに。
そして、事件の経過に耳を傾けている内にマクレーンが当事者としてテロリストと戦っていると知ると大喝采をすると共に大胆な行動に出ることに。
パウエルと並ぶ今作でのマクレーンの味方枠である。

  • リチャード・ソーンバーグ
    演:ウィリアム・アザートン
    日本語吹替:西村知道(機内上映版)/江原正士(ソフト版)/安原義人(テレビ朝日版)/村山明(フジテレビ版)
WZDC(チャンネル5)のリポーターで、自分の看板番組も持てず、クリスマスの夜に暇を持て余している程度の二流以下のリポーターだったが、暇だったのが功を奏し、偶然にもマクレーンが発した通報を誰よりも早く聞きつけることになり、強引に上司に掛け合ったことが更に運が良いのか悪いのか功を奏して、どのマスコミよりも早く現場に駆けつけて特ダネを報じられることになった。
典型的なマスゴミを体現したような男で、ソーンバーグ自身は勿論、そのチームもかなりのイエロー・ジャーナリズム*9を掲げるマスゴミぶりであり、エリスのチクリでマクレーンの名前が流れた後は、マクレーンの家族=ホリーの家がロスにあるということで強引に押し掛け、娘のルーシーの姿をカメラの前に晒し、それを見ていたホリーの表情からハンスにホリーが画面に映っている娘の母親=憎きマクレーンの妻であることを悟らせて人質に取られる切っ掛けとなった。
事件の解決後、ドヤ顔でマクレーン夫妻にインタビューしようとしたものの、ホリーのパンチを食らう。残念でもないし当然*10。
ちなみに、中の人は本作と続く『ダイ・ハード2』でソーンバーグを、更にそれ以前には『ゴーストバスターズ』でも嫌味で無能な小物役人を演じていたが、いずれも話題作となったのと引き換えにプライベートにてバーで絡まれたり、子供に石を投げられたりしたこともあって辛い思いもしたという。

強盗グループ

ドイツ人のハンスがリーダーを務めているからか、作中のメンバーはヨーロッパ人が大半を占めており、特にドイツ系の比率が多い(非ヨーロッパ人なのはアメリカ人のテオとエディ、中国人のユーリのみ)。

  • ハンス・グルーバー
    演:アラン・リックマン
    日本語吹替:筈見純〈山野井仁〉(機内上映版)/小林勝彦(ソフト版)/有川博〈土師孝也〉(テレビ朝日版)/内海賢二(フジテレビ版)
強盗グループのリーダーで、かつては西ドイツの左翼テロ組織に所属していた。
テロリストを名乗るが、常に高級なスーツを着こなしており、言動や振る舞いは紳士的な態度を見せる。がしかし、その本性は利己的で残酷でセコいだけの外道な泥棒。
ナカトミ商事を占拠するが、マクレーンにたくさん妨害される。「ハァァァァンス!!」
中の人は後のスネイプ先生。
尚、演じたリックマンは元々が伝統ある舞台畑の人間で、これが42歳にして映画初出演であった。
ちなみに、マクレーンと初めて顔を合わせる場面にて社員を装うというシーンは、吹き替えだと単に一般人を装っただけに見えてしまうが、実際にはそれまではドイツ語訛りの英語(・・・・・・・・・・・・・・)を喋っていたのが、ちゃんとアメリカ英語を喋って演技(・・・・・・・・・・・・)しているというシーンである。
よって、本来の音声だとハンスの機転とマクレーンが声だけでハンスの正体を見抜いたことの凄さがいっそう際立つ場面となっている。
このシーンは、リックマンがアメリカ英語を話せることがわかったので途中で加えたシーンだったとのこと。
英国で古典劇をメインに活動してきたという経歴を考えると意外すぎる位に意外だったことだろうし監督としても嘸かし嬉しい誤算であったことだろう。
余談だが、クライマックスにてハンスは「とてもいい驚き顔」を見せているが、実は監督に噓のタイミングを教えられて待機していた所を急に落とされたことによるマジのビビり顔で、監督の目論見どおりにいい表情は撮影できたが、当のリックマンはしばらく人間不信に陥ったという。

  • カール
    演:アレクサンダー・ゴドノフ
    日本語吹替:秋元羊介(機内上映版、フジテレビ版)/大塚明夫(ソフト版)/玄田哲章(テレビ朝日版)
ハンスの部下のテロリストで、ハンスの右腕的存在の実働部隊リーダー格。
かなり好戦的な上、計画の段取りを無視する悪い癖があるのでハンスもやや手を焼いている様子。
弟のトニーを殺されたことから、マクレーンを付け狙う。マジゾンビ。
余談だが、中の人はソ連時代に米国に亡命したバレエダンサーという、波乱万丈な経歴の持ち主だったりする。

  • トニー
    演:アンドリアス・ウイスニウスキー
    日本語吹替:星野充昭(機内上映版)/田原アルノ(ソフト版)/牛山茂〈宮島依里〉(テレビ朝日版)/真地勇志(フジテレビ版)
テロリストの一人でカールの実の弟。七三分けの金髪と眼鏡が特徴。
粗暴な兄と違って慎重な性格をしており、電話線の配線操作中にカールが段取りを無視した際にはかなり焦っていた。
火災報知器を鳴らしたマクレーンを始末しに単身向かったが返り討ちにされてテロリストグループ初の死亡者となる。揉みくちゃとなった末に一緒に階段落ちして首の骨が折れたのが死因。吹替のバージョンによっては首が折れる音が強調されており、後のカールとの戦いでマクレーンがトニーの死に様を話し煽り散らかす場面を強調させている。

  • テオ
    演:クラレンス・ギルヤード・Jr.
    日本語吹替:堀内賢雄(機内上映版)/小室正幸(ソフト版)/田中亮一(テレビ朝日版)/小野健一(フジテレビ版)
テロリストの一員でアメリカ人。グループ内唯一の黒人である。
本人曰く「人柄が良い」らしいが、実際には悪い意味で陽気な性格をしており、迎撃された特殊部隊を嬉々として嘲るなど人間性にかなり難がある。
コンピュータに詳しく、主にビルの金庫破りを担当。

  • ユーリ
    演:アル・レオン
    日本語吹替:田原アルノ(機内上映版、ソフト版)/広瀬正志〈関口雄吾〉(テレビ朝日版)/鈴木勝美(フジテレビ版)
テロリストの一員で中国人。グループ内唯一のアジア人である。髭面に長髪、額が広いのが特徴。
吹替によって名前が「ウリ」だったりする。
玄関での見張りを担当していたが、その際に売店のお菓子を盗み食いしていた。
演じるアル・レオンはハリウッド映画ではお馴染みの殺され役*11。

  • マルコ
    演:ロレンゾ・カッチャランツァ
    日本語吹替:広瀬正志(機内上映版、ソフト版)/喜多川拓郎〈松田裕市〉(テレビ朝日版)/大滝進矢(フジテレビ版)
35階で爆破工作を担当していた黒髪のイタリア人。
優位に立つと油断する悪癖があるようで、マクレーンとの会敵後はわざわざテーブルの端まで追い詰めた挙句、「馬鹿が!引き金を引く時はな、躊躇うんじゃねーよ!」といらん忠告を送りながら弾倉を交換する舐めプを披露。結局、忠告を聞き入れたマクレーンにその通りにされてしまった。
[ズドンズドンズドンズドン!]「アドバイスありがとうよ*12!」
彼の死体は、パウエルへのメッセージとして利用された。
また彼の遺した言葉は、後のマクレーンに大きな影響を与えている。

  • ハインリッヒ
    演:ゲイリー・ロバーツ
    日本語吹替:荒川太郎(機内上映版)/津田英三(ソフト版)/沢木郁也〈山橋正臣〉(テレビ朝日版)/相沢正輝(フジテレビ版)
マルコと組んで作業にあたっていたドイツ人。
マクレーンと鉢合わせたマルコを援護すべく参上するが、即座に射殺される。おまけに作戦上重要な起爆装置入りのバッグを持ったまま参戦するポカをやらかしたおかげで、装置はバッグごとマクレーンに奪われてしまう。この装置を奪還すべく、中盤にハンス自らが動くハメに。

  • フリッツ
    演:ハンス・バーリンガー
    日本語吹替:山寺宏一(機内上映版)/沢木郁也(ソフト版)/曽我部和恭(テレビ朝日版)/飛田展男(フジテレビ版)
カールやフランコと組み、マクレーンと銃撃戦を繰り広げた長髪のドイツ人。
トニーの死体に最初に気づいたのが彼。

  • フランコ
    演:ブルーノ・ドヨン
    日本語吹替:星野充昭(機内上映版)/田原アルノ(ソフト版)/荒川太郎(テレビ朝日版)/中博史(フジテレビ版)
黒髪で黒シャツ姿のフランス人。屋上や33階にて、マクレーンと銃撃戦を繰り広げる。
フリッツ共々、33階の戦いで死亡。

  • ジェームズ
    演:ウィルヘルム・フォン・ホンブルグ
    日本語吹替:稲葉実(機内上映版)/笹岡繁蔵(ソフト版、フジテレビ版)/郷里大輔(テレビ朝日版)
ポニーテールに革ジャン姿のドイツ人。
犯行の露見後はアレクサンダーと組み、SWATの特殊装甲車をロケット弾で砲撃した。砲撃シーンは同じ映像を別アングルで映しているだけなので一発目も二発目も同じようにガラスが割れているのはご愛敬。
イカついテロリストには違いないが、他の強盗メンバーとの愚痴を交えたやり取りはどこか微笑ましい。
後述のアレクサンダー共々、マクレーンが投下したプラスチック爆弾によって葬り去られる。

実は犯行開始時に、彼にはマクレーンを見つけるチャンスがあった……のだが、恋人と情事に及んでいた人質女性の裸身にうっかり気を取られた隙をついて逃げられてしまった。
よってある意味強盗グループの大戦犯と言える。

  • アレクサンダー
    演:ジョーイ・プルーワ
    日本語吹替:小室正幸(機内上映版)/稲葉実(ソフト版)/田原アルノ(テレビ朝日版)/桜井敏治(フジテレビ版)
ジェームズと組み、SWATをランチャーで砲撃したドイツ人。パウエルのパトカーにマシンガンを乱射したのはこいつ。
短気な性格なのか、危険なロケット弾を投げてよこす、台車から零れ落ちた弾を拾おうとするジェームズに「そんなもん後にしろ!」と怒鳴りつける等、余裕のない行動を見せる。
結局、この性格が仇となって、彼らは追撃のチャンスを一つ失うことになった。

  • クリストフ
    演:ジェラール・ボン
    日本語吹替:不明(機内上映版追録)/沢木郁也(ソフト版、テレビ朝日版)/飛田展男(フジテレビ版)
テオの補佐を勤めていたフランス人。終盤、鉢合わせたマクレーンに殴られて昏倒する。
これといったセリフもアクションもないため、強盗グループの中では最も地味な奴。
そんな彼の唯一の見せ場は、金庫に保管されていた像のバストを指でピンと弾くところ。

  • エディ
    演:デニス・ヘイデン
    日本語吹替:石塚運昇(機内上映版)/有本欽隆(ソフト版)/池田勝(テレビ朝日版)/若本規夫(フジテレビ版)
アメリカ人のメンバーで、序盤ではビルのガードマンになりすまし、巡回に来たパウエルの応対にあたり、一時は彼を追い払うことに成功した。
犯行の露見後は、ユーリと共にSWATの迎撃を担当。終盤まで生き延びたが、最後の最後にマクレーンの「万策尽きて頭がおかしくなった」演技を見抜くことができず、不意をつかれて射殺された。

余談

  • 実は、インターネット等ではテレビ朝日版の吹き替えを推す声が根強く、2013年7月3日に往年のTV吹き替えに注目した『吹替の帝王』レーベルからテレビ朝日版も収録したDVDが発売された。
    ちなみに、それ以前の『ダイ・ハード4.0』にはファンの声に応えて野沢の吹き替えも収録されていた。
    なお、ソフト版でのマクレーンの吹き替えは以前より樋浦勉が専任しており、那智マクレーンは那智の演技が面白いだけで、マクレーン(というかブルース・ウィリス)そのものの声は樋浦勉の方があってるとして、樋浦勉版もレンタル&購入派からは人気があった。
    周囲のキャストの吹き替えも含めて、那智版と樋浦勉版が本作の吹き替えの王道だろう。
  • 「孤立無援の閉鎖空間で、有り物を駆使して一騎当千の大立ち回りを演じる」というシチュエーションはゲームとも親和性が高く、1996年には本作にインスパイアされたベルトアクションゲーム『ダイナマイト刑事』がリリースされた。
    実際、版権の問題をクリアした国外版は『Die Hard Arcade』としてリリースされており、主人公のブルーノ・デリンジャーもジョン・マクレーン本人ということになっている。さらに、後に『プロジェクトクロスゾーン』にてデリンジャー警部補を演じた樋浦勉は、上記の通りソフト版にてマクレーンの吹き替えを担当している。
  • パウエルが買い物をしていた内装の特徴的なコンビニはam/pm。
    かつて日本でもエーエム・ピーエム・ジャパンとして展開していたが、2010年にファミリーマートに吸収合併される形で消滅した。





マクレーン「どぉして俺ばっかり追記・修正しなけりゃなんねえんだ!?」


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最終更新:2026年10月06日 13:48

*1 実は、ウィリスも出世作となった『こちらブルームーン探偵社』の撮影が続いている、として当初は断っていたのだが、もう一人の主演のシビル・シェパードが妊娠により休業することになったので再びオファーをを出された上に、当時のキャリアからは分不相応なトップ俳優クラスの報酬(約500万ドル)を提示されたことで受けることを了承した。

*2 ちなみに、ここで言うシュワちゃん版は『コマンドー2』になってた説あり。原作をアレンジしてハイテクビルに囚われたシンディとジェニーをメイトリクスが救い出すストーリーだった……らしい。

*3 ちなみに、警部補という階級は日本でも普通に偉いが米国では更に偉く、はみ出しを自称しつつも実は結構なキャリア持ちであると推察出来る。偽造された身分証を見破ったり、何気にC4(プラスティック爆弾)の扱いを理解していたことからも文句を言いつつも一通りの訓練や講習は受講済みだったのだろう。

*4 作品の背景について補足をしておくと、この映画が制作・公開された1980年代後期は日米貿易摩擦の真っ只中。「日本企業のせいで自国が不況に陥った」というルサンチマン感情はハリウッド映画にも影響を及ぼし、『ライジング・サン』や『ロボコップ3』といったジャパン・バッシングの気運に追随した作品がこの時期には多く作られている。

*5 なお、タカギはこれに対しすぐさま「日本人は柔軟ですからね。パールハーバーで失敗したのでテープデッキでお返しをしてるんですよ」と自国の歴史を踏まえたジョークで返している。

*6 直後、「出てったら俺も殺された。」とセルフツッコミしている。

*7 社長の死には動じていないことから彼らの悪どさが伝わると同時に、ハンスとしても自分達の素性や真の目的をべらべら喋ったのだから元から生かしておく気などなかったということなのだろう。まさに外道!

*8 なお、このシーンについてマクレーンがマシンガンも撃ったと勘違いしている視聴者も存外に多いのだが、流石にそこまではしていない。撃った人間の顔が見えないのが状況確認を難しくしてしまっているのは確かではあるが……。①持っている銃が違うことと、②銃撃した人間が撃った時に初めてその場所のガラスが割れていること。……なので、わざわざガラスを割ってから死体を投げ落としたマクレーンの居る場所でないと解る訳である。

*9 新聞の発行部数等を伸ばすために、事実報道よりも扇情的である事を売り物とする形態のジャーナリズムのこと。

*10 続編では、それを逆恨みして裁判所に訴えたことが語られている。

*11 有名どころだと『リーサル・ウェポン』『ブラック・レイン』『ラスト・アクション・ヒーロー』等で悪人の手下役でよく主人公に殺される人。

*12 なお、このシーンにて耳栓をしていなかったせいで、ブルース・ウィリスは片耳が一生聞こえなくなる障害を負ってしまっている。