ダイ・ハード(映画)

登録日:2010/10/10(日) 19:12:34
更新日:2020/12/30 Wed 17:32:35
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FBIが死んでも代わりはいるもの…… あああああああああああ! ←叫びすぎ なかなか死なない アクション イピカイエ、クソったれぇ!! カウボーイ カールさんマジゾンビ クリスマス ジョン・マクレーン ダイナマイト刑事 ダイ・ハード テロ テロリスト ハァァァァンス!! パーティー ブルース・ウィリス ホリィィィィィィィ! ランニング ロサンゼルス ロデリック・ソープ 不朽の名作 伏線回収 奥浩哉 敵を怒らせるのに定評のある主人公 映画 最強打線 樋浦勉 漢の義務教育 爆発 福岡ダイエーホークス 臼井儀人 裸足で足を揉む 野沢那智 野沢那智 ←大量のアドリブ 銃撃戦 高層ビル 鬼畜主人公



「勝ち目があると思うのか?カウボーイくん」
「イピカイエー、ざまぁみろ」






『ダイ・ハード(原:Die Hard)』は、1988年7月に公開されたアメリカ映画。
日本では1989年の正月に公開される予定だったが、昭和天皇の崩御に伴い、一月遅れの2月より公開された。
監督は『プレデター』や『ラスト・アクション・ヒーロー』でも知られるジョン・マクティアナンで、後に『3』でも監督している。

“ダイ・ハード”とは、邦訳すると“なかなか死なない=しぶとい野郎)”となる。

原作は79年に出版されたロデリック・ソープの『Nothing Lasts Forever(何事もいつまでも続かない)』だが、日本では映画の公開後に邦訳された為に、タイトルは映画と同じく『ダイ・ハード』になっている。
ただし、原作では主人公は既に警官を引退して私立探偵をやっている初老の男であり、テロリストグループの目的も金ではなく政治的な思想によるもので、どちらかと言えば人質のほうが悪人に近かったりと、映画でのイメージとは大きく雰囲気の異なる作品である。
原作はソープが66年に執筆した『The Detective』の続編に当たり、同作は68年に邦題『刑事』としてフランク・シナトラ主演で映画化されている。
今作も、元々は原作に近い設定で映画化しようとしており、主演として『刑事』で主演を務めたフランク・シナトラも候補に挙げられていたが断られた。

他にも、クリント・イーストウッドやアル・パチーノ等のベテラン俳優に声をかけたのだが断られ、最終的にはTVシリーズ『ブルームーン探偵社』等で名を知られてきていた、新進気鋭のブルース・ウィリスが起用されることになった。

因みに、ブルースの前にはシルヴェスター・スタローンやアーノルド・シュワルツェネッガー、バート・レイノルズ、リチャード・ギア等が候補に挙がっていたという。
本作の主演に抜擢されたことにより、ブルース・ウィリスはスター街道を歩む切欠を掴むことになる。

ブルースの起用に伴い主人公は30代の現役の警官に、テロリストの目的も政治絡みではなく金目的で、自分達の能力を欲のままに使う知性的で残酷な悪党として描く等の大幅な改編がされることになり、作品の雰囲気もエンターテインメントに大きく舵を取った作品となっている。


○あらすじ
クリスマス。夕刻のロサンゼルス空港に降りったジョン・マクレーンを出迎えたのは、妻であるホリーではなく黒人運転手のアーガイルだった。


リムジンの中でマクレーンは、自分がニューヨーク市警察の刑事であること、ホリーは西海岸へ進出した日系企業に職を得て子供たちと共に引っ越したこと、成功した妻が竣工中の超高層ビルで開かれるクリスマスパーティーに夫を招待したことを語る。


到着したナカトミ・ビルで、久々に会うホリーと喧嘩をし、落ち込むマクレーン。
一方、別のフロアでは10数名の男達がビルに侵入し、警備網を容易く破りビルを占拠、シャッターを下ろし電話線を切断する。
パーティー会場に乱入した男達のリーダーはハンス・グルーバーと名乗り、全社員を人質に取ったと宣言する。
幸運にも強盗グループから逃れたマクレーンは、外部との連絡を遮断され応援も望めない中で、携帯していた拳銃1丁と刑事として鍛えた頭脳を武器に死闘を繰り広げる。



○特徴
これまでのアクション映画は(80年代当時)超人的な能力を誇る主人公が、前半までに敵を倒す理由を描かれた後は敵をスマートに圧倒していくといったストーリーが一般的になっていたが、
どちらかと言えばごく普通の外見の男が愚痴を言いながら、怪我しまくりボロボロになってもテロリストに立ち向かうといった当時としては変わった展開であると共に、ビルという狭い場所でのテロリスト死闘も上手く描かれている。
本作のヒットにより、閉鎖的な空間、状況に置かれたごく普通の主人公が知恵と機転を活かして逆転する映画が流行するようになり、そのタイプの脚本は“Die Hard on a─”…つまり、日本的に言えば“ダイ・ハード式(スタイル)”と呼ばれているという。

企画段階では前述の様に、それまでのアクション俳優の代名詞であったスタローンやシュワルツェネッガーの起用も考えられていた本作だったが、本作のヒット後は彼等のような筋肉モリモリマッチョマンを起用したアクション映画は“古い”と見なされるようになり、アクション映画であっても練り込まれた展開が二転三転してどんでん返しまでする脚本と、普通の見た目や体格の主人公が傷つきながらも戦う作品が好まれるようになり、スタローンやシュワルツェネッガーといった見た目からしてただ者では無いマッチョマン達もコメディや人情物に挑戦したりと、新路線を開拓していかなければならなくなった。
そして、本作の大ヒットにより、それまではTVで活躍していたブルース・ウィリスは映画に進出すると共に、筋肉モリモリマッチョマンとは別タイプの90年代を代表するアクション俳優として活躍するようになる。
尚、ブルースの場合は最初からロマンスやコメディ、悪役など多様な路線に挑戦していたものの、キャリアを通して見れば、矢張りアクション俳優としてのイメージが強い。

本作の脚本が特に見事なのが、原作があるとはいえ、ピンチと逆転に関する伏線が序盤で張られており、その全てが作中で無理なく全て回収されている点。
その為、中には本作を「伏線回収のお手本」と呼ぶ人も居るほど。
この、練り込まれた脚本とどんでん返しも『ダイ・ハード』シリーズの特徴となっていった。



○登場人物


  • ジョン・マクレーン
(ブルース・ウィリス)
ニューヨーク市警の刑事。階級は警部補。
妻のホリーに誘われてナカトミビルにやってくる。
長年追いかけている犯人がおり、それを捕まえるまでは家族のいるロサンゼルスに引っ越すことは出来ないらしい。(ただし、アーガイルに見透かされていたようにホリーについていかない為の方便ともとれ、実際にダイ・ハードの1年後の設定となるダイ・ハード2では普通に引っ越してきていた)。
左利き。自動拳銃ベレッタM92を使用している。
“ただの警官”の筈だったのだが、テロリストに挑む中で才能を覚醒させた傷だらけのワンマンアーミーで、プロの筈のハンスからも“化け物”呼ばわりされる場面も。
ボロボロにはなるが、訓練や技能の差をタフネスと機転で乗りきってしまうチートで、特にキレた時には鼻歌混じりに相手を殺すことも躊躇わなくなる危険な男である。
尚、優秀な刑事だからかアクション映画の主人公としては、かなり頭脳が回るタイプで、今作でも僅かな疑問から用意周到なハンス達の計画を見事に打ち砕いている。
実は、ネット等ではマクレーン=野沢那智のイメージを推す声が根強いが、野沢の吹き替えはTV版専用なため、ソフト版では見れなかった。
しかし、近年になって往年のTV吹き替えに注目した『吹き替えの帝王』レーベルから野沢版も収録したDVDが発売された。
因みに、それ以前の『4』にてファンの声に応えて野沢の吹き替えも収録されていた。
尚、ソフト版でのマクレーンの吹き替えは以前より樋浦勉が専任しており、野沢マクレーンは野沢の演技が面白いだけで、マクレーン(というかブルース・ウィリス)その物の声は樋浦の方があってるとして、樋浦版は樋浦版でレンタル&購入派からは人気があった。
周囲のキャストの吹き替えも含めて、野沢版と樋浦版が本作の吹き替えの王道だろう。
最後の「イピカイエ、クソったれ!」は4のガブリエルにも使っている


  • ホリー・マクレーン
(ボニー・ベデリア)
ジョンの妻。
ナカトミ商事の中心的役割を担っている。美人ながらも気が強く、脅迫に屈せずに敢然と立ち向かう。
キャリアウーマンで、旧態的で短気なジョンとは愛し合っているもののいがみ合いが耐えず、ナカトミに誘われた時にも言い合いの末にジョン一人がニューヨークに残ることになった。
日本企業では既婚者は受けないという理由から、会社では旧姓の“ジェネロ”を名乗っていたが、そのせいで仲直りのために呼んだジョンと事件の直前に再び喧嘩となっていたが、ジョンの反撃が始まってからはカールの様子からジョンの生存を確信し*1、責任者という立場で自分なりにテロリストに立ち向かう。


  • ジョセフ・ヨシノブ・タカギ
(ジェームズ・シゲタ)
ナカトミ商事社長兼ナカトミ投資グループ副会長。
1937年京都生まれで5児の父。日系人と言う境遇から、苦労してここまでのしあがってきた人物。
テロリストには屈しない偉い社長だが……


  • ハリー・エリス
(ハート・ボックナー)
ナカトミ商事社員。コカイン常習者で躁病気質。
夫がいると知りながら食事に誘うなど、ホリーに気がある。
エリート意識が強い反面、最近は失敗続きらしく、ストレスからか大勢と会社内にも関わらずコカインを吸ったりと不安定な様子が見られる。
自信過剰なためかハンスと交渉という無謀な真似をするが、その内容はマクレーンの素性を明かして投降させるという短絡的なもので、ホリーの存在こそ明かさなかったものの、やり取りの中であっさりとマクレーンと親友という話が“嘘”だと見破ったハンスにHSで殺害されることになる。


  • アル・パウエル巡査部長
(レジナルド・ベルジョンソン)
ロス市警の警察官。
偶然ナカトミプラザの付近に居たために、ビルの偵察を頼まれた。
当初は、ただの惚けた巡回警官かと思われたが、マクレーンから死体のプレゼントを貰い、更にテロリスト達からの銃弾(当初はハンス達も当たり障りの無い所だけ見せて穏便に帰ってもらうつもりだったのだが、マクレーンから死体プレゼントされたのを確認した時点で恐らくはカールからマシンガンを乱射された。)をパトカーに受けたことでマクレーンの通報が真実だと本部に知らせる。
更に、慌ててバックさせて逃げたので縁石を越えてパトカーを下の通路に落としてしまい大破させるオマケつきである。
尚、そんな目に遭わせる切欠を作ったマクレーンは“メリークリスマス”と言いながら高笑いしていた*2
そんな散々な目に遭いながらも現場に残り、以降は無能で楽天家な副署長率いる本部に替わり、マクレーンの話し相手となると共にサポート役として重宝されるようになり、相棒と呼ばれるまでの信頼を寄せられる。
そして、そのやり取りの中で元の警察官としての生き甲斐を取り戻していく。
過去に子供を撃ってしまったトラウマで人が撃てないらしい。
余談だが、パウエルが店で大量に買い込んでいるのは米国のお菓子の定番トゥインキーなのだが、日本では全く知名度が無かった為に、邦訳字幕や吹き替えではドーナツとされている。


  • ドゥエイン・ロビンソン
(ポール・グリーンソン)
ロス市警の副本部長(本部次長)で、階級は警視。
パウエルからの通報でSWATチームを率いて現場に駆けつけてくるが、何よりも自身の思い込みを優先し、ステレオタイプ以下の作戦行動しか取れない無能であり、30人もの人質が居るという情報を確かめもせずに嘘と断じたり、マクレーンからミサイルも持ってる普通じゃない奴等という情報があったにも関わらずSWATを正面から突っ込ませて多数の被害を出した
にも関わらず責任すら感じていなかったが、マクレーンにTVでも流れている一般チャンネルの無線で堂々と批判され、その後は挽回のチャンスもなくFBIに主導権を握られる。
批評家、一般層ともに高い評価を受けた本作だが、敢えて欠点を上げればこいつがバカ過ぎて不自然という声もある。


  • ビッグ・ジョンソン&リトル・ジョンソン
FBIのテロ対策特別捜査官で、白人でベテランのビッグ・ジョンソン(ロバート・デヴィ)と、黒人で若手のリトル・ジョンソン(グランド・L・ブッシュ)のコンビ。同じ名字だが、特に親戚関係ではない。
来て早々にロス市警から指揮権を奪って作戦行動を始めたがやっぱり無能。
やっぱりテンプレ的な作戦行動しか取れず、しかも人質に多数の犠牲者が出てもテロリストを皆殺しに出来ればいいという、目的のみの為に行動する。
因みに、ベトナムへの従軍経験があるベテランのビッグ・ジョンソンの方が危ない性格。
同じくハンス達には行動を読まれており、人質達はマクレーンにより逃がされたものの、二人のジョンソンは屋上の爆破に巻き込まれてヘリと共に墜落して死亡した。
直に顔を合わせてはいないのだが、余りにも印象的だったのかマクレーンは『4』にて“ジョンソン”の名前に反応していた。


  • ハンス・グルーバー
(アラン・リックマン)
強盗グループのリーダー。テロリストを名乗るが、常に高級なスーツを着こなしており、言動や振る舞いは紳士的な態度を見せる。
しかし、紳士的に見えて本性は利己的で残酷でセコいだけの外道。
ナカトミ商事を占拠するが、マクレーンにたくさん妨害される。
ハァァァァンス!!
兄がいる。
中の人は後のスネイプ先生。
因みに、マクレーンと初めて顔を合わせる場面にて社員を装うというシーンは、吹き替えだと単に一般人を装っただけに見えてしまうが、実際にはそれまではドイツ語訛りの英語(・・・・・・・・・・・・・・)を喋っていたのが、ちゃんとアメリカ英語を喋って演技(・・・・・・・・・・・・)しているというシーンである。
よって、本来の音声だとマクレーンが声だけでハンスの正体を見抜いたことの凄さがより際立つ場面となっている。
このシーンは、リックマンがアメリカ英語を話せると解ったので途中で加えたシーンだったとのこと。
更なる余談だが、クライマックスにてハンスは“とてもいい驚き顔”を見せているが、実は監督に嘘のタイミングを教えられて待機していた所を急に落とされたことによるマジのビビり顔で、監督の目論見通りにいい表情は撮影できたが、当のリックマンは暫く人間不信に陥ったという。


  • カール
(アレクサンダー・ゴドノフ)
ハンスの部下のテロリストで、ハンスの右腕的存在の実働部隊リーダー格。
弟のトニーを殺されたことから、マクレーンを付け狙う。
マジゾンビ。


  • アーガイル
(デヴロー・ホワイト)
マクレーンをナカトミプラザまで運んだリムジンの運転手。
普段はタクシーの運転手らしく、言葉使いや態度が畏まったものでないことと、口と頭が回りすぎることを反対にジョンに気に入られる。
ホリーと上手くいかなかった場合を見越してビルの地下駐車場でマクレーンを待つが、事件のせいで出られなくなる。
当初は事態に気づかず、呑気に恋人に電話を掛けたりしていたが、よりによってニュースで目と鼻の先でテロ事件が発生していると知って動揺していたものの、運んできたジョンが当事者としてテロリストと戦っていると知ると大喝采をすると共に後には大胆な行動に出る。
パウエルと並ぶ今作でのジョンの相棒である。


  • リチャード・ソーンバーグ
(ウィリアム・アザートン)
WZDC(チャンネル5)のリポーターで、自分の看板番組も持てない程度のクリスマスの夜に暇を持て余している程度のリポーターだったが、偶然にもマクレーンが発した通報を早くに聞きつけ、どのマスコミよりも早く現場に駆けつけて特ダネを報じる。
ソーンバーグ自身は勿論、彼の連れてきたチームもかなりのイエロー・ジャーナリズムを掲げるマスゴミぶりであり、エリスのチクリでマクレーンの名前が流れた後は、マクレーンの家族=ホリーの家がロスにあるということで強引に押し掛け、娘のルーシーの姿をカメラの前に晒し、それを見ていたホリーの表情からハンスにホリーが画面に映っている娘の母親=憎きマクレーンの妻であることを悟らせて人質に取られる切欠となった。
事件の解決後、ドヤ顔でマクレーン夫妻にインタビューしようとしたものの、ホリーのパンチを食らう。
続編では、それを逆恨みして裁判所に訴えたことが語られている。
因みに、中の人は本作と『2』、更にその以前には『ゴーストバスターズ』でも嫌味で無能な小物を演じているが、いずれも話題作となったのと引き換えにプライベートにてバーで絡まれたり、子供に石を投げられたこともあって辛い思いもしたという。



マクレーン「どぉして俺ばっかり追記、編集しなけりゃなんねえんだ!?」


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最終更新:2020年12月30日 17:32