登録日:2024/03/01 Fri 00:01:31
更新日:2025/04/16 Wed 23:19:38
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『ウルトラマンブレーザー THE MOVIE 大怪獣首都激突』とは2024年2月23日より劇場同時公開された作品である。
【概要】
特撮テレビドラマ『
ウルトラマンブレーザー』の
最終回後の話となる後日談。
新たに襲来した敵や、その敵が送り込む怪獣の暴走に立ち向かうSKaRDやその仲間となったゲストキャラの奮戦を描く。
これまでのウルトラシリーズの劇場公開作品が、本編で明かされなかった謎等を解き明かしていく一種の補完とも言える内容となっていたのに対し、今作は完全オリジナルストーリーとして独立したエピソードが展開されている。
また、客演や劇場版限定という扱いでも、主役となるウルトラマンブレーザー以外のウルトラヒーローが一切登場しない作品でもあり、これは
ニュージェネレーションヒーローズのシリーズでは初となる。
これは
例年のようにゲストウルトラマンを出したとなると、そのウルトラマンが登場する理由などに本編の少なくとも3分の1くらいを割かないといけないため、直近のヒーローであるウルトラマンデッカーを出すという方向性もあるが、『デッカー』と『ブレーザー』ではそもそもの世界観が異なり、映画自体が『デッカー』の話となる。
ただ、最初から『ブレーザー』では新しいユニバースのウルトラマンをすると合意できていたため、劇場版の際にもそういった話にならなかった
という。
そのためどちらかといえば本編の延長線にあるエピソードと言える。
監督は『ブレーザー』本編のメイン監督である
田口清隆、脚本は中野貴雄が担当する。
田口監督らしく、大迫力の特撮は健在。
本作の特撮的な見どころのひとつは国会議事堂の破壊であり、非常に大きなサイズに作られたミニチュアの国会議事堂が戦いの中で破壊されていく様子をじっくりと見ることができる。
尚、直近2年間はTSUBURAYA IMAGINATIONでの配信も公開と同時に行われていたのだが、今作では新型コロナウイルス感染症の流行についての緩和が見られたことからか、劇場公開のみとなった。
【あらすじ】
宇宙爆弾怪獣ヴァラロンとの死闘からはや数か月。
ヒルマ ゲント達SKaRDは相変わらず怪獣対応に追われる日々を送っていた。
そんなある時、巨大企業ネクロマス社の工場が地球怪獣に襲われる事態が発生。
調査の結果、怪獣達はネクロマス社が開発中の新型ナノマシン・ダムドキシンを狙っていたことが判明し、SKaRDはネクロマス社社長のマブセ イチロウとコンタクトを取るが、突如現れたダムノー星人によってダムドキシンは暴走し、巨大怪獣ゴンギルガンとなって市街地で破壊の限りを尽くし始める。
暴れ回るゴンギルガンを止めるべく、SKaRD達の新たな戦が幕を開けるのだった。
【登場人物】
≪SKaRD(特殊怪獣対応分遣隊)≫
演:蕨野友也
テレビシリーズに引き続き主人公を務める。
今作では、いつも通りの隊長としての面と並行して、父親としての面もクローズアップされており、親子関係に悩むイチロウに自分なりの助言をする場面もあった。
相変わらず上層部からの無茶ぶりや冷血な判断には参っているようだが、持ち前の使命感の強さとカリスマ性で隊員達を引っ張り、事態の解決に奔走する。
演:搗宮姫奈
テレビシリーズに引き続きヒロイン格。
若き天才であることや少々複雑な家庭環境で育ったことから、本作の黒幕の真意にいち早く気付いて見せた。
また、序盤では重火器を武器に人間サイズの怪獣達に立ち向かう勇猛さも披露する。
演:伊藤祐輝
我らが副隊長。
序盤では、第2話を思わせるリアクション芸を見せてくれる他、今作の全編を通して
アースガロンの機長を務め、共に乗るアンリやヤスノブに的確な指示を出す。
演:内藤好美
ご存知武闘派ヒロイン。
以前は直視するのも嫌がる程だった虫嫌いも多少改善し、持ち前の格闘能力の高さで小型怪獣達を相手に立ち回る。
ブレーザーのことは「我らが相棒」と呼んで完全に信頼している。
演:梶原颯
関西弁がトレードマークのメカニック。
現場でのゲントのサポートやアースガロンの操縦、特攻武器の即席開発と、前線としてもバックアップとしても
マルチに活躍する。
テレビシリーズでは気遣いに溢れすぎる性格でぶっ倒れる寸前まで働いたこともあったヤスノブだが、その反動なのか、ヒルマ家で行われた焼き肉パーティでは山盛りでご飯を片手にするという能天気な一面を見せた。少なくとも上司の家族には真っ先に気を遣えよ……
しかも、会話の途中でカットが変わってテルアキが話始めるシーンでは、よく見ると爆食いしたのか量が明らかに減っている。だから妊婦もいるんだぞ
この他、元参謀長のハルノ レツもOP映像からはハブられたものの名前のみ登場。
日本指令部の部長にまで昇格したらしいが、相変わらずSKaRDの面々をこき使っている模様。
≪ヒルマ家≫
演:岩川晴
ヒルマ家の一人息子。
様子のおかしい母を心配しつつも、父からの言葉で自分が家族を守ると奮起し、その理由を問う。
年の割に大人びていてしっかりした姿は相変わらず。
演:岡野真也
ゲントの妻でジュンの母親。
最近家族に何も言わずに外出する頻度が増えており、ジュンから訝しく思われているが……?
実は第二子を懐妊しており、健診として病院に通っていた。
自分の口から話すつもりだったが、ジュンが口を滑らせて先に言われてしまった。
≪ネクロマス社≫
演:飯田基祐
ネクロマス社の社長にして遺伝子学の権威と称される程の科学者。
6年前に妻と死別して以降、男で一つで息子を育ててきたシングルファーザーでもある。
自分達の技術が非人道的なことに悪用されることを良しとせず、あくまでも再生医療といった人類の未来の為に研究を進める等科学者としての責任感こそあるものの、妻との死別が切っ掛けで「不老不死」に執着しており、その為の研究事業を周囲の反対や制約を押しきってでも行おうとするような強権的な面も強い。
また、息子のことは大切に思いながらも、仕事に没頭する余りしっかりと向き合う時間を作れずにいる。
ダムドキシンの暴走で生まれたゴンギルガンを止めるべく、SKaRDに協力する。
演:森島律斗
イチロウの一人息子。
12歳にして国際科学コンクールに優勝する等、父親譲りの優秀な頭脳を持つ。
父が自分との時間を作れないことについては、表向きこそ平気に振る舞っている物の、どこか寂し気な姿も見せている。
本作の黒幕。
ダムドキシンの危険性を理解しながらも、その開発を辞めようとしない父親や会社の研究者……ひいては、目先の利益や目的達成にしか目が行かず、不都合を次の世代の子供達に押し付ける世の中の大人達を憎んでおり、ダムドキシンを悪用した反逆計画を考えていた。
そして、自ら変装とハッキングを駆使してダムノー星人の存在をでっちあげた上でゴンギルガンを生み出し、更には自らその頭脳として取り込まれることで東京の街を破壊して回った。
だが、その真意は単に父親に構って貰えない寂しさを晴らすための言い訳ということをエミの看破された。
また、ダムドキシンの精神干渉に心身ともに耐えられなくなって発狂し、ただ只管叫びながら暴れるだけのような幼児退行まで起こし、生命の危機に陥ちかけるが、装備を整えたゲント達によって救出され、どうにか事なきを得た。
正気に戻ってからは、涙ながらに謝罪する父親と和解した。
【ウルトラマン・怪獣】
ゲントやSKaRDと共に地球を守り抜いたウルトラマン。
いつもの特徴的な鳴き声を使って怪獣を誘導したり、お決まりの戦いの前の舞を邪魔されて激怒したりと、テレビ本編以上に感情豊かな姿を披露する。
作中ではゲントのとある発言に対して抗議するようにストーンの状態で発熱する場面も。
また、とある変身シーンではゲントの窮地を救うべくストーンのまま怪獣たちに攻撃を加えたりもした。
CV:
石田彰
SKaRDの最大戦力。
強大な敵を前に、全てのユニット武器を惜しげもなく使用する他、国会議事堂を舞台に至近距離での激しい肉弾戦を展開する。
また、ブレーザーと一緒に例の舞をしようとするが……?
本作のメイン悪役で、「宇宙の支配者」を自称する。
伝統工芸の仮面のような顔の持ち主だが、人前に直接姿を見せることはなく、エキゾチックな加工が施されたかのような映像越しでのみコンタクトを取り、その声はボイスチェンジャーを通したもののように甲高く、正確な声色を把握するのは困難。
ダムドキシンを危険視しており、ネクロマス社に対してその研究内容の完全抹消を要求し、その脅迫材料として地球防衛隊の兵器システムをハッキングして支配下に置いた。
また、映像中継の際にも複数の国のサーバーを経由して発信地点を分かりにくくする等、異星人の割に不自然な程に地球のシステムに精通している。
その正体は、ユウキが変装し、その映像を加工して流していただけの張りぼてであり、実在しないただのでっち上げ。
地球のシステムを使いこなしていたのも、地球人であるユウキ自身が既に使い慣れた物だったからである。
誰が呼んだか「実害の有り過ぎるフルータ星人」
身長:54m(第1形態)/59m(第2形態)
体重:5万4000t(第1形態)/5万9000t(第2形態)
ダムノー星人が打ち込んだ
ミサイルによって暴走したダムドキシンが、ネクロマス社が保管していた怪獣の死骸を取り込んで誕生した怪獣。
実際、その体には死骸に備わっていたものと思われる夥しい数の角や棘のような物が生え、頭からは2本の触覚を生やしている。
武器は口から吐き出す竜巻状の光線と、触覚から放つ電撃。
また、途中の「ある行動」によってパワーアップし、両腕から刃状の突起を無尽蔵に伸ばして近接戦闘を行えるようになった。
人間サイズの幼体が数体と、巨大サイズの個体が1体ずつ出現。
ネクロマス社の工場地帯を突如として襲撃し、駆け付けたSKaRDと交戦する。
【用語】
怪獣の死体処理及びそれを通してのデータ収集とその技術転用を研究する大企業。
現在はダムドキシンの完成と実用化に注力しており、6年前にそれを知った地球防衛隊と提携し、自社の技術を使った兵器の提供を行っている。
ネクロマス社が開発中の新型ナノマシン。
地球怪獣と全く異なる働きをする宇宙怪獣の死骸を解析する中で発明された。
生き物の細胞に干渉して生態活動を活性化させ、ゆくゆくは再生医療への活用や「不老不死」の実現に繋げることが計画されている。
欠点として、濃度が一定嬢高まると暴走し、周囲の有機物や無機物を取り込んで独自に成長していくという性質があり、タガヌラーとズグガンが現れたのも、その性質で地球の環境を破壊しかねないからであった。
そんなダムドキシンに対抗できるのは、アンチダムドキシンという一種の抗体となる物質だけであるが、貴重な対抗手段故に外部からも狙われている。
【主題歌】
テレビシリーズと同じ曲。なお、劇場版ウルトラマンでオープニングテーマがつくのは、「ウルトラマンギンガ劇場スペシャル」以来である。
歌:きただにひろし
作詞:シト(from ReReGRAPHICS)
作曲:きただにひろし・尾澤拓実(from ReReGRAPHICS)
- これ語られてないけど、マブセ社長とネクロマス社はこの後とんでもない賠償金や責任問題発生してるんだろうな。 -- 名無しさん (2024-03-02 07:13:19)
- じっくりねっとりと国会議事堂壊すの好き -- 名無しさん (2024-05-17 18:13:03)
- 面白いけどもっとド派手な展開を期待してた -- 名無しさん (2024-10-06 18:33:03)
- マブセ「ユウキは私の息子なんだ!!」 おっ親子の物語か・・・っと思いきや、その息子が黒幕・・・コレは予想してなかった -- 名無しさん (2025-04-16 23:16:40)
最終更新:2025年04月16日 23:19