登録日:2023/11/11 Sat 15:00:00
更新日:2025/04/16 Wed 08:35:23
所要時間:約 25 分で読めます
戦後、日本。
無から負へ。
生きて、抗え。
G-1.0
ゴジラ -1.0
画像出展:『ゴジラ-1.0』(2023年11月3日公開)キービジュアル
製作:東宝株式会社、株式会社ロボット、TOHOスタジオ
次作 『???』
『ゴジラ-1.0』は、2023年11月3日公開の映画。
略称は『マイゴジ』『ゴジマイ』等。
【概要】
国産実写ゴジラシリーズとしては『シン・ゴジラ』以来7年ぶりのシリーズ30作目で、2020年代及び令和時代最初のゴジラ。
また、ゴジラ生誕70周年記念作品としても位置付けられている。
監督の山崎氏はかつて手掛けた『ALWAYS 続・三丁目の夕日』に
ゴジラを登場させるほどのファンで、
西武園ゆうえんちのアトラクション『ゴジラ・ザ・ライド 大怪獣頂上決戦』の映像も制作している。
劇伴は山崎作品ではお馴染みの作曲家である佐藤直紀が担当。
従来の
ゴジラシリーズにおける時代設定は、その多くが公開時期と同じかほんの数年違いの時代となっていたが、
今作では
戦後間もない1940年代後半の日本が舞台とされ、それまで最も作中時代が古かった初代『ゴジラ』の1954年よりもさらに前の時代となった。
太平洋戦争によって何もかも失い、「
無」となった日本と日本国民に、
追い打ちをかけるかの如く
絶望の象徴たるゴジラが迫り、「
負」へと容赦なく追いやっていく様、
それに立ち向かい抗う者達とそれぞれの思いを描く。
11月8日には山崎監督自ら執筆した
ノベライズも発売され、映画の補完といった側面も持たされている。
【沿革】
事の始まりは2022年2月。
各メディアより『超大作怪獣映画』の撮影開始及び山崎氏が監督を務める事が報じられ、エキストラの募集が開始。
この時明かされていた情報としては「1945~47年の終戦直後の日本が舞台」という点のみであった。
そして22年11月に催された『
ゴジラ・フェス2022』で、「G」を模したロゴマーク及び山崎氏による新作
ゴジラ映画が23年11月3日に公開される事が発表。
23年6月には先述のロゴをアイコンとしたTwitterアカウントが開設。
12日より『
シン・ゴジラ』から旧作へ遡る形で作品紹介を兼ねたカウントダウンが始まっていき、7月12日に本作のテイザー映像及び正式タイトルが世に出る事となった。
本作において、山崎監督を筆頭とした4名が2024年、第96回アカデミー視覚効果賞を受賞した。
邦画およびアジア映画がアカデミー視覚効果賞を受賞するのは史上初。
また、監督が視覚効果賞を受賞したのは1969年の『
2001年宇宙の旅』におけるスタンリー・キューブリック監督に次ぎ二人目。
本作の大ヒットやこれら受賞を受けてロングラン上映の実施が決定され、
最終的にはモンスターバースシリーズの新作『
ゴジラxコング 新たなる帝国』との並行上映が実現するという前代未聞な出来事となった。
24年11月1日には、日本テレビ系列の『金曜ロードSHOW!』にて地上波初放送。
さらに、番組のラストではゴジラシリーズの新作映画の製作決定及び、監督・脚本・VFXに山崎監督が続投することが発表された。
【あらすじ】
太平洋戦争末期の1945年。
零戦を大戸島の守備隊基地へ着陸させた海軍少尉の敷島浩一は、その夜
恐竜のような謎の巨大生物の上陸を目の当たりにする。
整備兵の橘宗作から零戦の機銃で
巨大生物を攻撃するよう進言された浩一は零戦に乗り込むも、
巨大生物への恐怖のあまりに遂に撃つ事はできず、結果として宗作を除いた整備兵達全員を死なせてしまう。
その後、終戦により東京に戻ってきた浩一だったが、彼を迎えたのは戦火で無惨にも倒壊したかつての自宅であった。
近所に住んでいた太田澄子から、恨み言と共に両親の死を告げられた浩一は失意の生活を送るが、
ある時、赤子を連れた大石典子と、その赤子こと連れ子の明子と出会い、なし崩し的に彼女らと共同生活を送る事となる。
そして月日は流れ、日本そのものに活気が戻り始め、浩一たちも穏やかな生活を取り戻し始めた。
しかしその最中に──かつて浩一が遭遇した時よりもさらに巨大な姿へと変貌した大戸島の生物──"ゴジラ"が日本へと迫る!
浩一に、人々に、日本に。
ゴジラに抗い、生き残る術はあるのか──。
【主な登場人物】
■敷島浩一
「俺の戦争が、終わってないんです……!」
演:
神木隆之介
本作の主人公。
零戦に搭乗していた特攻兵だったが、死への恐怖から機体の故障を装い、大戸島の守備隊基地へと降り立った。
しかしその夜、大戸島に島に伝わるという伝説の巨大生物"
ゴジラ"が上陸。
人間を事も無げに殺すゴジラの威容と蹂躙される整備兵たちの阿鼻叫喚の地獄絵図、
さらに、自分の怯えが原因とも言える理由で、島にいた整備兵が一人を除いてゴジラに殺されたことで、以後大きな
トラウマを抱える事に。
その後東京へ戻るも、家や両親も既に空襲で喪われたという事実に直面し、すっかり自分自身の「生きる価値」を見失ってしまう。
しかし、そんな失意の生活を送る中、ひょんなことで典子と出会い、彼女とその連れ子・明子と同居生活をすることになり、
新たに戦後処理の作業に就いてからは特殊任務船「新生丸」の乗組員達とも打ち解け、徐々に平和な日常を取り戻していく。
一方で、大戸島の
トラウマは決して消えることなく、時に悪夢としてフラッシュバックし、彼を苦しめる。
そして、彼の前に再びゴジラがその姿を現し――。
前述のように実戦経験はゼロだが、劇中描写からその操縦技術・射撃技術は高いことが窺え、
事実終盤の
ゴジラ撃滅作戦においてはその手腕を十二分に発揮し、打倒
ゴジラの最後の一手となった。
■大石典子
「生き残った人間は、きちんと生きていくべきです!」
演:浜辺美波
浩一が闇市で出会った女性。
戦火から生き延びる最中、今際の際にいた女性から託されたという赤子を連れ歩くことになり、
浩一との初対面では、生活のための盗みに失敗して逃げていたところだった。
件の赤子……もとい明子を浩一に半ば無理やり押し付ける形で託し、うまく巻いたところで再び浩一の前に現れると、
困惑する彼をよそにそのまま明子共々浩一のもとに居ついてしまうが、やがて互いに良きパートナーとなってゆく。
しかし品川から上陸した
ゴジラが向かった地点が、よりによってようやく典子が職を得た銀座であり、
襲撃の惨禍の真っただ中、浩一に毎夜の悪夢を見せる“ゴジラ”と対面する事に。
そして……。
今回はそこまで用意周到ではない。
絶体絶命の危機に典子を心配して銀座に駆け付けていた浩一と奇跡的に合流し、
絶望しかけていたところを彼に懸命に促され、共に逃げようとするも、そこでゴジラは「放射熱線」の予備動作に入る。
状況は分からないながらも、危機を察知したらしき典子は熱線が放射されるまさにその瞬間、咄嗟に浩一をビルの隙間に突き飛ばし、
これによって浩一は熱線の余波から守られるが、典子自身は余波をもろに受け、そのまま爆風の中に吹き飛ばされていってしまう。
意識を取り戻した浩一は典子の姿を捜すが、近くに典子の姿はどこにもなく、目の前には廃墟が広がるだけ。
黒い雨が降りしきる中、廃墟と化した銀座で、またしても誰も守れず、自分だけ生き延びてしまった慙愧と無念、ゴジラへの怒りに、浩一はただ咆哮する事しかできなかった……。
■秋津淸治
「誰かが貧乏くじ引かなきゃならねぇんだよ」
演:佐々木蔵之介
戦後処理の特殊任務(戦時中に近海にばらまかれた機雷の処理)を担う船「新生丸」の艇長。
絵に描いたような熱血漢で、乗組員達を鼓舞するかのような振る舞いが多く、また人を宥め纏めるのも上手い。
セリフを鑑みるにどうやら戦地帰りらしい。
一方でゴジラとの対峙の際にフラグを建ててしまう。しかも2度も。
■野田健治
「今度の戦いは、死ぬための戦いじゃない。未来を生きるための戦いなんです!」
演:吉岡秀隆
「新生丸」の乗員で、淸治からは「学者」と呼ばれる。
戦時中は海軍工廠にて兵器の開発にあたっていたが、その際に日本政府の負の側面を垣間見ていたようで、度々そういった事を口にする。
作中後半ではある事情から軍隊は動けず、復員兵と民間企業のみで
ゴジラと戦うしかない中、
乾坤一擲の作戦を立案し、対ゴジラ決戦「
海神作戦」の中心人物の1人となる。
海神作戦、それは軍の総力を結集した大火力による正面からの撃滅作戦……ではない。
この時期敗戦国である日本は軍隊を解体されており、さらにアメリカ軍も緊張状態にあるソ連を刺激したくない為、出動できない状態だった。
……そもそも初遭遇時、口腔内で機雷が誘爆してなお即死せず再生し、
重巡高雄のほぼゼロ距離砲撃すら耐えきってしまったゴジラを目の当たりにしている野田は通常火器による攻撃は効果が薄いと判断。
どうにかしてゴジラの全身を一気に破壊しなければ倒せない、と考えていた。
それが海神作戦………武装解除され外国に接収される予定だった駆逐艦夕風と欅を囮に、
同じく駆逐艦響と雪風でフロンガスのタンクをゴジラに直接ワイヤーで巻きつけ、タンクを一斉爆破。
ガスの泡でゴジラを一気に包む事で浮力を奪い、作戦海域である相模湾の海溝1500メートルの深海に沈降させ、水圧による圧壊で倒す「メインプラン」。
万一それで倒せなかった場合、タンクと一緒にワイヤーに設置された不時着機をレスキューする為の膨張式浮上装置を展開し、
逆に深海から海面まで一気に引き上げる事で急激に減圧させ、細胞レベルで破壊する「サブプラン」の二段構えの作戦だった。
物資、人員、時間……取りうる事のできる手段の中でこれが唯一最大の効果が望める作戦ではあった。
だが、野田はゴジラの生態にはあまりにも未知の点が多く、絶対に倒せるとは言い切れないと語ってもいる。
さらに想定できない事柄や想定しても対処のしようがないことなど目白押しでもあり、秋津には「要するにお前の作戦は穴だらけってことだな」とも言われてしまう。
ちなみに海神作戦の説明で木彫りのゴジラを沈めるシーンがあるが、撮影時はなんと泡だけでは一度も沈まなかったとか。現実は厳しい……。また膨張式浮上装置が深海で開くのかという疑問にも副音声にて「まあ、映画だから」とちょっと消極的な回答をしている。
■水島四郎
「俺だってこの国守りたいんです!」
演:山田裕貴
「新生丸」の見習い乗組員で、淸治からは「小僧」呼ばわりされている。淸治曰く「軍国少年の成れの果て」。
徴兵される年齢でなかった為戦争には出ておらず、若さ故か浩一を羨むような発言をする等やや空気が読めない点もあり、そのことで一度は浩一に怒気を露わにされてしまう。
しかしその実、自分も国の為に戦いたいという想いを持っており、根は真っすぐなこともあって浩一とも機雷撤去作業を通じ打ち解けていった。
海神作戦においては、日本の未来を担う「戦争を知らない子供」である水島を、生きて帰れる保証の無い死地に向かわせる事を良しとしない秋津達に作戦から外されるが……?
「海神作戦」終盤にメインプランが失敗し、サブプランに切り替えるもゴジラに抵抗の前にこれも失敗かと思われたその時、
作戦エリアである相模湾周辺の曳船業者を取りまとめてタグボートの大船団で駆けつけ、サブプランを成功に導く立役者となる。
しかしそれでもなおゴジラは生存し、水島達の目の前で、無情にも放射熱線のチャージが始まる……!
劇中で散々「小僧」扱いされている水島の年齢は、終戦までに徴兵されていない(昭和20年の徴兵年齢は19歳以上)ことから、初登場時は最高でも18歳以下、終盤でも20歳以下と思われる。
だが、演じた山田氏の公開時の年齢は33歳であり、にもかかわらず外見と設定年齢の違和感は特に無いように思える。
令和の日本人どうなってんだ。
■橘宗作
「みんな死んだぞ!」
演:青木崇高
元海軍航空隊員。
戦時中は大戸島で整備兵の任に就いており、その整備技術は抜きん出て高かった。
浩一が大戸島に来た際には機体に異常が無い事を看破し、指摘している。
ゴジラ襲来の際には、浩一に零戦の20ミリ機銃で攻撃するよう進言したが、彼が撃てなかったばかりに自分を除いた整備兵達が全員殺害される結果となった為、浩一を非難した。
帰還後は行方をくらませていたが、終盤でとある機体の整備の為、浩一に
とんでもない手段で招聘される事に。
なんとしてでも橘を呼びたかった浩一は、あろうことか大戸島守備隊の死の責任は橘にあると言う誹謗中傷の手紙をバラまき、
自分の行為に怒り狂った橘が自ら自分の所に来るように仕向けたのだ。
後ろから角材で殴り、気絶したところを縛り上げ、さらに浩一を殴る橘だったが、
もはやこの時点でゴジラへの特攻を考えていた浩一には、自分の身がどうなろうがどうでもよくなっていたのである。
そのせいで本気でブチ切れる橘と、橘が"会いに来てくれたこと"に無邪気に喜ぶ浩一という狂気じみたシーンとなった
当然依頼を受ける気は無かったが、浩一の「俺も貴方もまだ戦争が終わっていないんだ」と言う言葉には思う所があったのか、
後日、整備兵を伴って現れ、機体整備に手を貸すのだった。
ちなみに小説版ではその手紙の内容も明かされているが、その場で殺されても文句の言えないほどのものとなっている。
実は最後の最後まで訂正の連絡を入れる描写が一切ない。監督曰く、最後の出撃の前にはたぶんやったとか…
■太田澄子
「困ったときはお互い様さね」
演:安藤サクラ
敷島家の隣人で、かつては子供がいたが空襲により亡くしてしまう。
そういった事もあってか、敷島家の近くまで帰ってきた兵士が浩一である事に気付くと、
彼に行き場の無い感情をぶつけるかのように、
「この恥知らず」「あんた達兵士が不甲斐ないからこうなった」等と詰っていた。
しかしその後、典子達を匿っている様子を見て一度は「
偽善者」呼ばわりするも、事情を知ってからは明子の為にと貴重な白米を分けてやった。
日が経つにつれて浩一や典子に対する態度は軟化し、彼らが家を空ける時には明子の面倒を見てやり、すっかり付き合いがよくなっていくなど、本来は面倒見が良く心優しい人である事が判る。
また、元母親とあってか明子のことはとても可愛がっている模様で、浩一らからも安心して預けられる人として非常に信頼されている。
彼女もまた、明子が心の支えとなった人物なのかもしれない。
ちなみに演じた安藤女史の父・奥田瑛二氏はかつて特撮『円盤戦争バンキッド』、夫・柄本佑氏は映画『
シン・仮面ライダー』でそれぞれヒーロー役を演じており、
彼女自身も特撮関連では本作の前に山崎監督の映画『DESTINY
鎌倉ものがたり』と2021年の映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』に出演していたなど特撮ファミリーでもある。
【登場怪獣】
ゴジラ
大戸島周辺に生息していた
巨大な恐竜のような姿をした海洋生物。
島の伝説に伝わる存在らしく、漢字では「
呉爾羅」と表記する。
表皮は岩のような質感となっており、水疱やケロイドを思わせるイボやコブらしきものがいくつもある他、所々に火傷のような肌色の部分が見受けられる。
足は鳥を彷彿とさせる形で、爪の先端はとても鋭く、歩行の際は肉食恐竜のように踵を地面につけない歩き方(趾行)をする。
非常に縄張り意識が強く、自身の領域へ侵入した者や自身を攻撃する者に対しては容赦ない攻撃を加える。
また、出現の予兆として大量の深海魚の死骸が水上へ浮かんでくるという現象が起きる。
逃げ惑う人々を踏み潰したり、噛みついて放り投げたりと、人間に対して明確な殺意を持っているように思わせる行動を取るが……。
太平洋戦争末期の1945年に夜の大戸島に上陸し、恐怖にかられた整備兵の1人の銃撃を受けた事で敵と認識したのか、
整備兵達を足で踏みつぶしたり、尻尾で薙ぎ払ったり、嚙み殺した挙句に放り投げたりする等して次々に葬った。
この時点では15メートル程度の大きさだが、先述の凶暴性に加えて、
対人用の銃器程度は全く意に介さない頑丈な表皮を持つなど、生身の人間からすれば十分に脅威であった。
そして1946年―米軍によって実施された核実験・クロスロード作戦によりビキニ環礁近海を回遊していたゴジラは被爆。
大量の放射能を浴びた事で表皮細胞がエラーを起こしてしまったその結果、大戸島上陸時よりもさらに巨大な体高50メートルほどの巨体となったのである。
本作ゴジラの最大の特徴が
驚異的な自己再生能力を持っていること。具体的には
顔を眼球ごと1/4程機雷で吹き飛ばされても瞬く間に再生して元に戻る。
歴代のゴジラと比較すると物理耐久度は低めなので比較的ダメージは通りやすいが、対処するとなるとこの能力が途端に牙を剥き脅威となる。
なお、この能力は怪獣化する前から元々自前で備えていたもののようであり、これによってクロスロード作戦の原子爆弾にも耐えきってしまった。
従って、浩一達が初遭遇した時点では撃退する事はどのみち不可能だった可能性が非常に高い。
さらに変異後の最大の特徴にして武器がご存じ「放射熱線」。
射程距離は長く、銀座から約1.8km離れた国会議事堂前の戦車部隊を狙撃していた。
発動時は
- 尻尾の方から背びれが徐々に青く発光しつつせり上がっていく
- ゴジラが大きく息を吸い込んだところに背びれが一気に引っ込む
- 押し出されるような形で体内に蓄えられた放射能エネルギーを口から放出
という、インプロージョン方式の原子爆弾を思わせるプロセスがとられ、対象を完膚なきまでに破壊してしまう。
その威力は凄まじく、着弾地点には
キノコ雲が立ち上る大爆発でクレーターしか残らず、
さらにそれによる爆風で
射程距離の約3倍の範囲にある物も人間も建物も吹き飛ばして周囲を瓦礫の山に変えてしまう。
熱線は水中でも問題なく使用可能。水中だと地上よりも威力は下がるようだが、
それでも
直撃すれば一撃で重巡洋艦高雄を轟沈させる終戦直後の時代では破格の威力を発揮する。
しかし熱線は
ゴジラ自身の体も反動で焼いてしまう諸刃の剣である為、連発は困難という弱点がある。
……だが、撃ち終わるとなんと
放射能汚染された肉片を周辺に撒き散らすため、
例えゴジラがいなくなっても今度はゴジラが遺した肉片が引き起こした放射能汚染への対処を行わなければならない。
人々の怨念に取り憑かれた存在だったり、地球の環境を管理する王だったり、或いはその真意が想像だにできない正しくの怪獣だったり……と、
誕生の経緯は作品ごとにバリエーション豊かに描かれてきたゴジラだが、本作の個体は取り分け野生動物としての側面が強く表れており、
モンスターバースシリーズのゴジラとはまた別ベクトルで非常に獣らしく、生き物らしく描かれている。
キャッチコピーの「生きて、抗え」とはゴジラの方にも掛かっていると考える事もできるだろう。
なお、公開日の最中では現実世界でも熊による被害が日本を悩ませる問題となっており、これは流石に偶然だったのだろうが「獣と人の関係」としてかなりセンセーショナルな存在に映る。
日本を襲撃する理由としても、核実験に伴う急速な
巨大化による自身の縄張りの拡大が考えられ、
「何故ゴジラは日本を襲うのか」という謎への説明が比較的付きやすい。
この辺りは人知を超えた完全生物とすら揶揄され、謎まみれのまま完結した『
シン・ゴジラ』とは対照的であるとも言える。
【登場兵器】
浩一らが乗る特殊任務用の船「新生丸」及び同型の「海進丸」を除き、架空の物は登場しない。
・特設掃海艇 新生丸・海進丸
日米両軍が残した機雷を撤去する為に使用された木造船で、装備はクレーンと機雷爆破用の13mm機銃一丁。
木造の理由は金属を探知して炸裂する磁気式機雷対策だとか。
2艇でペアを組んで掃海任務を行う。
危険な仕事故、従事する作業員には当時の給料では破格の3,000円が前払いで支払われる。
中盤ではゴジラの発見と、周辺で回収した機雷を使っての足止めという危険な任務……そう、秋津のセリフ通り
貧乏くじを引く事になる。
・零式艦上戦闘機
冒頭で浩一が搭乗している特攻機として登場。
不調が発生したとの事で故障した特攻機の発着場となっていた大戸島に着陸するが、後の検査では不調そのものが発見されなかった。
呉爾羅の出現時には接地状態で20mm機関砲による迎撃が行われたが、射手の浩一が恐怖により発射できず、何もできないまま呉爾羅に破壊されてしまった。
ちなみに劇中での呼ばれ方は「ぜろせん」ではなく「れいせん」である。
なお実物大模型は作られておらず、零戦のカットは駐機中のコックピット周りを除いて全てCGとのこと。
・四式中戦車(チト)
本土防衛用として極僅かに残されていたという設定の4両が登場。
国会議事堂前から銀座を侵攻するゴジラを砲撃するが、案の定というか通用せず、反撃の熱線を浴びて国会議事堂ごと蒸発した。
何ならこの時点で重巡高雄の砲撃を耐えており、それを目撃していた浩一と視聴者的には効かない事が明白であった。
なお国会議事堂から銀座となると射距離が2km程になるが、(対象が大型のゴジラとはいえ)移動目標に対してバンバン砲撃を命中させていたところを見るに、
描写はないとはいえ、搭乗者諸兄は相当な手練れであったと思われる。
ちなみにノベライズ版では同場面で砲撃する戦車は「新型の四
号戦車」と記述されている。
おそらく誤記だろうが、これはこれで
浪漫のある設定かもしれない……?
・重巡洋艦 高雄
自沈処分待ちだったところを急遽返還され、ゴジラが現れるまで時間稼ぎをしていた新生丸の窮地に駆け付けた。
20.3cm砲弾による砲撃にはさしものゴジラも怯んだが、潜航して砲弾を回避しつつ肉薄され、白兵戦を仕掛けられて艦橋を突き崩されてしまう。
それでもなお超至近距離から主砲の一斉掃射を行い一度はゴジラを退けるが、直後に海中からの放射熱線を受けて爆散、轟沈した。
力及ばず轟沈こそしてしまったが、絶体絶命のピンチだった敷島たち新生丸組を間一髪で救っただけでなく、
結果的にはゴジラの内部と外部の再生能力の差や切り札たる熱線の弱点など、いくつもの貴重な情報を彼らに託す形で後を繋いでいる。
更に、この戦闘で(すぐに治癒したとはいえ)痛手を負わされたゴジラは人間の艦艇への警戒心を大きく強めており、それまで目についた船には片っ端から襲いかかっていたのが、一転して敵意さえ無ければスルーする様になった。
後の海神作戦では向かってくる艦隊を高雄の同類と誤認したらしく、肉薄しての直接攻撃を躊躇ってしまい、おいそれと使えない熱線による攻撃に固執して隙を作る結果となった。
これらの事は海神作戦立案の、そして作戦遂行の大きな一助となっており、高雄の果たした役割は極めて大だったと言えよう。
ちなみに監督によると、本作の時代設定にした要因の一つに本艦を出したかったという理由があったらしい。
史実では1946年に自沈処分が行われているが、ゴジラの出現対応でギリギリ回避されたと言い張っても不自然にならないと思いたい時期がここだったそうな。
・海防艦 生野
高雄消失後に浦賀水道周辺の海域を哨戒していたところ、東京に接近しつつあるゴジラを発見し、通報を行った。
尚、ゴジラは海防艦の直下を潜るように素通りしており、高雄との戦いから艦艇への攻撃を明確に避けているのが浮き彫りとなっている。
・測天型敷設特務艇
東京上陸を目前にしたゴジラを阻止すべく、ゴジラの進路上に機雷を敷設して撃滅を図る。
が、機雷は全く通用せず東京湾封鎖には失敗してしまった。
あまりにマイナーすぎるチョイスだった為、副音声収録時に監督は本艦の名前を忘れていた。
・駆逐艦 雪風
・駆逐艦 響
・駆逐艦 夕風
・駆逐艦 欅
・駆潜艇部隊
クライマックスのゴジラ駆除作戦「海神作戦」に参加した艦船群。
いずれも復員に使用された後で武装解除されていたので火器の搭載無しでの作戦となった。
名有りの艦艇はどれも史実で終戦まで生き残っていたものたち。
雪風は激戦を幾度も経験しながら何故かほぼ無傷で乗り越え、響は逆に何度も致命的な損傷を受けながらも沈まなかった幸運艦。
夕風はこの中ではぶっちぎりの古参で大正時代の1921年に進水しており、太平洋戦争後期は訓練艦として従事。大きな戦果こそ無いが、自身より遥かに巨大な空母を引っ張った武勇を残している。
欅は最新鋭艦で太平洋戦争末期の1944年に進水したが、既に半ば崩壊していた当時の海軍で戦果をあげることは叶わず、目立った活躍もできぬまま無傷で終戦を迎えた不遇の艦。
……と、様々な背景を持つ。
駆潜艇部隊はゴジラをおびき寄せる為にゴジラの鳴き声を流し、誘導自体は成功したもののキレたゴジラによって壊滅してしまった。
そのうち一隻は
ちぎれた前半分を文字通り投げ飛ばされて海神作戦の基地に直撃している。
夕風と欅は、時間を稼ぐ為に舵をロープで縛るという
すっごいアナログな自動操縦状態にした上で囮
無人駆逐艦として使用され、
雪風と響は作戦の要であるフロンガスのボンベと
46サンチ砲弾をゴジラに括りつける役目を担った。
なお雪風艦長の堀田は架空の人物だが、史実で艦長を務めた寺内正道に外見がとても良く似ている。
また、寺内は戦闘終了後に生き残っていた敵艦乗組員に対し敬礼して見送ったという逸話もある。
・十八試局地戦闘機 震電
戦後のドサクサで接収を免れていた幻の戦闘機。海神作戦の実施に当たり、「万が一上陸を許した場合、海まで引き戻す役が必要」と浩一が主張した為、戦闘機が残っていないか探した結果、発見された試験配備機の一つ。
2年ほど放置されていた為状態が悪く、整備の為に橘に白羽の矢が立てられた。
しかし浩一の真意は大戸島の夜のリベンジと、銀座で吹き飛ばされてしまった典子の敵討ちを兼ねた特攻であり、唯一それを伝えられた橘によって一部装備を取っ払って機首と胴体に爆弾が搭載されたが、彼が用意した追加装備はもう一つあり…?
ちなみに当機はなんと実写作品初登場である。
+
|
終盤ネタバレ込みの解説 |
作中で「戦闘機に脱出装置が無かった」ことに触れられるが、実際のところ当時の戦闘機の脱出機構は基本的に自力でキャノピーを開けて機外に這い出て脱出した後にパラシュートで降りるスタイルが普通であり、米軍機やドイツ軍機など他国の機体も変わらない。
しかも震電の場合は後方にプロペラを配置する特異なデザインだったため、パイロットが脱出時に巻き込まれないようプロペラを爆砕する機構がついており、むしろ数ある戦闘機の中でもパイロットに配慮した部類であったことには留意の事。
もっとも、この機体には現在の観客がイメージしやすい座席を射出する脱出装置がおそらく橘によってこっそり「増設」されているが、本編を観た方にはそれが必要な改変だったことは理解できるだろう。前述のくだりも射出座席を強調するための布石と捉えることが出来る。
まあ話の展開で察する現代の軍国少年人もいれば、シートにドイツ語で「圧縮空気式射出座席」とおもいっきり書かれてあった為、ドイツ語識者には盛大なネタバレになったりもしたが…。
|
ちなみに脚回りが細すぎて役者を載せた際に折れる可能性があった為、撮影時は震電をクレーンで吊っていたとか。
また、浩一に震電を案内したシーンで野田とともにいた人物には鶴野という名前が設定されているが、これは震電の設計者にしてテストパイロットも務めた鶴野正敬からとられている。
【余談】
- ファンならご存知だと思われるが、本作の公開日である11月3日は初代『ゴジラ』が封切られた日でもある。
- 同時にリアルイベント『ゴジラ・フェス2023』においてフルCG短編の『ゴジラVSメガロ』、特撮短編の『フェス・ゴジラ4 オペレーション ジェットジャガー』も公開されており、同じ1日のうちにゴジラの新規映像作品が3つも出るという、さながら「ゴジラデー」といえる日になった。
- 『シン・ゴジラ』がシリーズ屈指の大ヒットを記録した一方で、ファンの間では「これ以上のゴジラ作品を出せるのだろうか」との声も出ており、かつて山崎監督も「次(に監督を)やる人のハードルはとんでもなく上がってしまいましたね」といった旨の発言をしていた……が、後に誰あろう自分自身がまさかその「次」になるとは思いもしなかったようで、自虐ネタにしている。
- 結果としては上記の通りシンゴジに勝るとも劣らぬ評価を得たので、ハードルは無事に越えられたと見ていいだろう。……まあ本作自体が次のどデカいハードルになってしまったとも言えるが。
- シリーズは異なるが『マイゴジ』の後に封を切られた「ゴジラxコング 新たなる帝国」がエンターテイメント特化ゴジラとして大成功を収めたのでシリアスに行くにも馬鹿に行くにもハードルは上がってしまった。
- 結局、次回作のゴジラも山崎監督が続投となった為、自分がぶち上げたハードルを自ら跳ぶことになった。
- キャスティング面では、本作の主演である神木氏及び浜辺氏は、公開年の4月~9月に放送されたNHKの朝ドラ『らんまん』でも『マイゴジ』同様夫婦役だった事で話題となったが、山崎監督によればオファー・撮影共に本作の方が先だったという。
一部では「万太郎と恵子がビオランテを生み出してゴジラに対抗するのか」などと言われていたとかいないとか。その他朝ドラ繋がりでは、安藤氏も2018年10月~2019年3月に放送された『まんぷく』に主演している。- 神木氏は子役時代に『鉄甲機ミカヅキ』(雨宮慶太監督作品)・『仮面ライダーアギト』『爆竜戦隊アバレンジャー』 (東映)へのゲスト出演と映画『妖怪大戦争』(角川映画。原作は大映映画)での主演を経験しており、本作でゴジラ映画出演を経た事で円谷以外の特撮作品に一通り関わる事になった。
- 浜辺氏は東宝の新人女優オーディション「東宝シンデレラ」出身で、『平成ゴジラシリーズ』ではおなじみだった東宝シンデレラの出演が19年ぶりに復活することとなった。また、平成生まれの東宝シンデレラでゴジラ映画の出演は史上初。
- さらに公開年の3月には『シン・仮面ライダー』にてヒロインの緑川ルリ子を演じており、同じ年のうちに『ゴジラ』と『仮面ライダー』の映画作品に出演したという経歴を持つことに。
- 水島四郎役の山田氏は『海賊戦隊ゴーカイジャー』のゴーカイブルー/ジョー・ギブケン役としても知られており、スーパー戦隊シリーズに続いて日本を代表する特撮シリーズに出演した事になった。
- 更に本作の公開から間をおかず、Netflix映画『ULTRAMAN:RISING』にて主人公の吹き替えを担当する事が発表され、声優という形とはいえ『ウルトラマン』シリーズへの出演も果たす事となり話題を集めた。
- 予告編の時点で、旧大日本帝国海軍の艦船の登場およびゴジラとの戦闘が明らかになっているが、これは実は『ゴジラ』映画史上初めての事例である。
- 海面から躍り出るゴジラの頭部を模したドリンクホルダーが劇場限定で販売された……が、そのデザインは大口を開けたゴジラの口内にストローをぶっ刺すという衝撃的なモノ。ちょっとオエっとなる絵面かもしれないが、一番オエっとしたいのは間違いなくゴジラの方だろう。
ある意味ラストの展開の伏線と言えるかもしれないが。
- 『シン・ゴジラ』で散々ネタにされた雑コラ広告ドサ回りについても本作でもやはりというか行われており、いろんな物を持ったり踏みつぶしたり、温泉に浸かったりしてなんだかんだ満喫している模様(?)。キティさん並に全ての仕事を選ぶゴジラさんであった。
- 公開一週間前に開幕したジャパンモビリティショー(旧東京モーターショー)では、未来の東京を旅する「Tokyo Future Tour」の映像内に本作のゴジラが登場。隣接する「EMERGENCY&Mobility」ブースではゴジラ(≒自然災害)に破壊された東京で復興に尽力する民間人の活躍、及び救助機器のデモンストレーションを行うショーが実施された。ちなみに山崎監督も会期中に開催されたトークセッションに登壇している。
- 公開に合わせ、『エクスペンダブルズ ニューブラッド』の本作を全力でパロった予告が各劇場で流されていた。勿論『マイゴジ』上映前にも流れた。その軍団は、許しちゃくれない。
- ちなみに『エクスペンダブルズ』側の内容は「テロリストから核兵器を奪還する」というもので、微妙に掠ってはいる。
- ポスターの中には上段にG、下段に-1.0と書かれている物があるが、その部分が「小口」に見えるというネタがある。
- 福岡県の筑前町立大刀洗平和記念館は「あの兵器」の実物大模型が存在する事を知って、クラウドファンディングで資金を募って購入を実現して2022年7月から一般公開していたが、
その出所はクラウドファンディングの出資者にすら伏せられていた。
ところが、本作公開に伴い「ゴジラに出てきた機体が大刀洗平和記念館で展示されているものと構造がよく似ている」という意見がネット上で見られるようになり、その後2023年11月15日に大刀洗平和記念館側から正式に同記念館に展示されているのは本作の撮影に使われた実物大模型の実物だが、そのネタバレを防ぐためにこれまで出所を伏せていた事が公表された。
なお、情報解禁に伴って同記念館では本作で使われた衣装や小道具などの展示も行われている。- なお、購入に至るまでの経緯としては本作のスタッフが資料集めのために大刀洗平和記念館に訪れた際に「あの兵器」の実物大模型を映画で使う事を知った記念館側がダメ元で「撮影後に譲ってくれないか」と聞いたところ、
「映画公開まで絶対に情報を秘匿してくれるなら有償で譲る」と筑前町へ打診があり、事情を知った筑前町も購入を決断…したはいいものの、情報秘匿の必要があるため、補正予算を出すにも町議会にも情報を完全に伏せるわけにはも行かず、
町議会にはやむを得ずゴジラである事を伏せた上で「映画撮影用の模型」と説明し、メディアには映画用とすら明言せず完全に出所を伏せて事情を知る関係者達には緘口令を敷いて秘密を守り通し、
公開後にネット上で真相に気付き始める声が上がった事で改めて東宝と協議して情報公開に至ったとのこと。
- ちなみに東宝側としては撮影後に売却することを条件に模型製作を認めたとのことで、買い手がつかなければ零戦と同じくコックピット周りだけ模型で後はCGになる予定だったとか。
- 日本以外の国でも放映されている本作であるが徴兵制度や従軍経験等がある国では「シキシマが救われることで自分達も救われた気分になった」など、それぞれの国の事情を反映した感想が上がってきている模様。
- 『マツコの知らない世界』で監督が出演した際にいくつかの制作の裏話が明らかになった。
- 賞を獲るに至ったVFX技術において波のVFXは会社のPCよりも高性能な自作PCで波のVFXを作っていた若手社員の趣味の産物。
実際容量も凄まじかったようで監督たちが1シーンに1TBでもヤキモキしてた中、波を使ったシーンは8TBも使っていたという。
- 演者たちの演技に生かせるように『ゴジラが実際にいたらどれくらいの大きさなのか?』を体感するためにARで50mのゴジラを製作。
- 同時期のハリウッド製作のミッションインポッシブルがVFXに100億以上を費やしている中、本作は1/20以下の予算で製作、それも受賞理由の一つだったと監督が語っている。
実際艦艇などはかつてのトラ・トラ・トラ!(映画)のような原寸大セットではなく極一部だけが製作され、VFX・カメラワーク・演者の演技力を駆使して迫真のシーンが映像化されている。- ちなみに、この予算の少なさは監督がVFXの専門家でもあったためにチェックの手間を大幅に省け、トライアンドエラーを早く繰り返せた事も大きいとの事。
閉鎖後、アニヲタ。
「その荒らしは…許しちゃくれない……」
無から負へ。
追記・修正で、抗え。
(仮)-1.0
自らの"戦争"を終わらせるべく、特攻を決意していた浩一であったが、橘は震電に脱出シートを搭載し生きるよう説得した。
最終的に震電そのものは特攻の末ゴジラと運命を共にしたが、浩一はベイルアウトして帰還。
新生丸の面々を始め、海神作戦に参加していた人々は歓喜の声を挙げ、通信で浩一の生存を知った橘にも安堵の笑みが浮かんでいた。
さらに海神作戦が行われるさなかに届き澄子が受け取った電報により、典子が生きていたことも判明。とある病院でついに一家が再び揃う。
かくして、特攻から逃げ出して何度も死に損ない死に場所を探して彷徨っていた男の物語はついに終着を迎えた。
……しかし、一見軽傷で意識もはっきりしている典子であったが、その首筋には
ゴジラの背びれのような形をした黒い何かが蠢いていた。
これが何をもたらすのか、なぜ取り付いたのか、そもそもなぜ典子は生きていてしかもあの程度で済んでいたのか、明子は典子の何に怯えていたのか。それは、まだ誰も知らない。
監督的に、当初はこの描写を入れるか迷っていたようだが、熱線で吹き飛んだ銀座のシーンの仕上がりを確認した際これどう考えても典子死んでるなと思い、描写を入れようと決心したとのこと。
そしてその一方で、相模湾の深海でも倒したはずのゴジラの肉片が蠢いており……?
また、熱線の被害範囲が国会議事堂を中心とした6km圏内、ということは
永田町も皇居もGHQも間違いなく吹っ飛んでいる。つまり、事前に関係者がもっと遠くに避難していない限り
中央の統治機構が一切存在しない本当の無政府状態になっている ということになるがその辺は特に語られていない。地方自治体は無事なので即
失敗国家一直線とまではいかないだろうが…ただし政府自体は東京上陸前にゴジラの事を把握してたり,その後の作戦でいくつかの駆逐艦を取り戻してるのを見るに天皇一族も政府主要陣とその家族はある程度前に疎開して避難済みだった可能性の方が高い。
- ↑20 わかる。あと水島の後ろにいた操縦してたおっちゃんの表情もまたいいんだ。 -- 名無しさん (2024-06-03 18:03:13)
- 何度か劇中で日本地図が表示されてるけど、ちゃっかり「関西国際空港」が載ってるの気がついた人いる? -- 名無しさん (2024-06-10 11:53:45)
- >モンスターバースシリーズと一緒にするのはおかしい なんか遠回しにモンスターバースを否定するような言い方だな…。 -- 名無しさん (2024-06-20 19:31:33)
- 敵サイド(シンゴジ)だろうが味方サイド(ドハゴジ)だろうがゴジラが出てくると大体ワクワクしてたけど、この作品だけ唯一「こっち来るな」「頼むから消えてくれ」ってマイナスな感情しか湧かなかった。傑作にして怪作だと思うよ -- 名無しさん (2024-06-21 19:43:35)
- 軍事オタクじゃないけど、高雄の砲撃シーンはめっちゃ男のロマンが詰まってて凄かった -- 名無しさん (2024-07-06 15:16:19)
- 泣きっ面にゴジラという最悪の設定が良いよね -- 名無しさん (2024-08-08 09:06:09)
- 怪獣プロレスじゃないからこそ良い作品なんだけど、見た目と熱線のギミックがものすごく怪獣プロレス向け -- 名無しさん (2024-08-29 21:04:22)
- ある意味ではゴジラと人間(敷島)の復讐の連鎖のお話でもあるんだよな。やっぱり戦争って腹が減るだけで不毛なんだなと間接的に思わずにはいられなかった -- 名無しさん (2024-09-15 20:58:09)
- 約1年後、地上波初放送予定。 -- 名無しさん (2024-10-04 22:38:08)
- シンゴジやドハゴジも好きだけど、絶妙にこれじゃないんだよなぁと思ってたところに俺が見たかったゴジラがお出しされて大満足だった。次の日本産ゴジラにも期待したいわ -- 名無しさん (2024-10-10 14:48:27)
- 敷島が焼け野原の故郷に戻ってきた場所にはゲ謎の水木がいたと言われても信じる。 -- 名無しさん (2024-11-01 21:20:46)
- コメント欄のログ化を提案します。 -- 名無しさん (2024-11-01 22:45:39)
- 典子さん幸せになってくれ… -- 名無しさん (2024-11-01 23:27:27)
- 骨子はゴジラと人間の縄張り争いだからわかりやすくていい。「ここはワシの新しいシマじゃどけやムシケラども!」「いきなり来て何勝手言ってやがんだブチ殺すぞクソトカゲ!」って感じ。あと監督がどうしても高雄を出したかったのにあの扱いはどうよって言われてたのに彼女殺して俺だけのものにする病んだ彼氏みたいって言われてて吹いた -- 名無しさん (2024-11-02 00:11:10)
- 山崎、新作予定 -- 名無しさん (2024-11-02 00:58:28)
- ↑2 ゴジラ製作のきっかけになったアルキメデスの大戦のほうでも大好きな大和を盛大に撃沈させてたから、そういう癖なのかもね。ちなみにそっちの評価もバカ高かった(カタリナ活躍させたとこも含めて) -- 名無しさん (2024-11-02 01:08:21)
- このゴジラは見た目とか熱線ギミック(発動後動けないところ含めて)見ると怪獣プロレス向けなんだよな…だから続編制作は本当に嬉しい -- 名無しさん (2024-11-02 07:32:39)
- 続編内容、やっぱし典子さんの「あれ」についてだろうか。 -- 名無しさん (2024-11-02 16:15:48)
- 続編はビオランテか? -- 名無しさん (2024-11-04 17:25:23)
- 前から思ってたけどこのゴジラ細胞とほぼ互角かそれよりもヤバスなフランケンシュタイン細胞作ったフランケンシュタイン博士はどんだけヤバいのよ…ゴジラ世界にナチスがいなくてよかったわ -- 名無しさん (2024-11-04 19:11:56)
- モンスターバースのゴリラとキャッキャしてる陽キャと比べるとマイゴジは敷島のトラウマの半分(もう半分はサバイバーズギルト)の表象みたいな描かれ方されてるせいだけど、ドチャクソ陰気に見えるんだよなw -- 名無しさん (2024-11-06 01:25:32)
- 国会議事堂が大阪に移ってたら吹き出すかもしれないw -- 名無しさん (2024-11-06 02:16:46)
- 反対意見がなかったのでログ化しました。 -- (名無しさん) 2024-11-07 01:01:22
- 新生丸を追いかけるゴジラで思い出したが、カバは自分のテリトリーを侵した侵入者を追いかけ、執拗に攻撃する凶暴性を持ち、アフリカで真の最強の生物とされている。マイゴジはあらゆる獣の凶暴性を取り入れているんだな。 -- (名無しさん) 2024-11-15 17:15:14
- 新作であって続編ではない可能性もある -- (名無しさん) 2024-11-18 17:55:48
- もう一年過ぎちまった。早いなぁ。 -- (名無しさん) 2024-11-30 20:14:25
- 記述にもあるように2023年はクマ被害が相次ぎ、翌年秋田では山や森からかなり離れたスーパーにクマが侵入するという大事件が起きた。これに対して知事の佐竹氏はドローンに積んだ爆弾の餌をクマに喰わせて内部から爆殺しようとする案を提示するなどゴジラvs敷島の戦いはガチでリアルなものになりつつある。 -- (名無しさん) 2024-12-20 15:48:31
- ↑そもそも口に爆弾突っ込んで爆破というのは昔からある怪物の攻略方法だし、無理に現実と当てはめなくてもいいんじゃないか。 -- (名無しさん) 2024-12-20 15:51:36
- 新生丸の3バカはなんかVSシリーズの空気を感じたわ…すっごい懐かしかった -- (名無しさん) 2025-02-14 15:58:57
- VFXは凄かったが、ぶっちゃけストーリーはね…。VFXのゴジラを楽しむ分にはすごく面白いと思う。 -- (名無しさん) 2025-02-22 18:50:33
最終更新:2025年04月16日 08:35