おむすびまん

登録日:2025/06/08 Sun 23:30:00
更新日:2025/06/10 Tue 12:50:02NEW!
所要時間:約 8 分で読めるでござんす




あっしの名前はおむすびまん!
以後お見知り置き、お願い申し上げるでござんす!


おむすびまんは絵本シリーズ『アンパンマン』・『おむすびまん』およびテレビアニメ『それいけ!アンパンマン』の登場人物。

声:京田尚子(第4話Bパート - 第1619話Bパート、映画:第1作、第2作同時上映、第5作、第10作同時上映、第11作同時上映)→野沢雅子(第1691話Bパート -)
テーマ曲:ルンルンおむすび仁義(歌:柳志乃)


【概要でござんす】


顔が三角のおむすびで出来ている正義の渡世人。
一人称は「あっし」で、二人称は「おまえさん」。語尾に「ござんす」をつけて話し、名乗りを上げる際は仁義を切る。
自らを「ケチな旅烏」と称して普段はあての無い流浪の旅を続けており、その道中で困った人を助けながら時折パン工場やうめぼしばあやの元に足を運んでいる。
得意料理はもちろんおむすび。
作るおむすびの中身は大体が梅干しだが、梅干しが無くなった際はおかか入りのおむすびを作ったり、コネギくんにせがまれて小ねぎを使ったおむすびレシピを編み出したりしている。


【初出でござんす】


元々は『おむすびまん』シリーズという絵本の主人公として登場し、その後『アンパンマン』シリーズに加入した。
出生は『おむすびまん』シリーズだと、おむすびやまのてっぺんに住んでいるおむすび名人のおむすびおじさんが作ったおむすびが、山から転げ落ち命を授かり生まれたという設定。
この設定の為か、アニメ作中では度々「帰る家も故郷もござんせん」と発言している。しかし初登場時には「故郷に残した妹…」とも発言しているため詳細は不明*1


【外見でござんす】


茶色の着物に道中合羽、三度笠と所謂「股旅姿」をしている。
顔はコシヒカリやササニシキといった高級米の三角おむすびで、鼻は梅干しで出来ている。
初登場時ではアンパンマンと同じように顔を交換できるような描写があったが、基本的に自分の顔を食べさせることはない。
ちなみに、よく顔の中の具は梅干しだと思われているが、公式サイトのQ&Aでは

「何が入っているのでしょう?誰もわかりません」

と書かれている。
あとガニ股気味。


【性格でござんす】


性格は和キャラ版アンパンマンといった感じで、困った人を見かけると放って置くことが出来ず、お腹を空かせた人や元気の無い人がいれば自らの作ったおむすびを差し出し、自己犠牲も厭わない。
ただしアンパンマンに比べると好戦的な部分があるようで、誤解やばいきんまんの作戦により他のゲストキャラに襲い掛かられると、アンパンマンなら「君とは戦えない!」と逃げるところを、おむすびまんの場合は多少の躊躇は有れど容赦なく迎撃の体勢をとる。
平時はどっしりと落ち着いて構えており、高慢なキャラから「おむすびなんて…」と貶されたり、助けに入った後で「助けられなくても一人でなんとかできた!」と言われても特に怒るような仕草を見せることは無い。
それこそアニメ初期の頃は子供キャラの扱いに手を焼いていたような描写もあったが、こむすびまんを弟子に迎えてからは慣れたのか、今は突っ走りがちな子供キャラを窘めるぐらいには落ち着いたようだ。
他人との交流を嫌ってるわけではないが、話の終盤になると誰にも言わず黙って旅立っていることが多く、その度にバタコさんやゲストキャラが寂しがるのがお約束となっている。
また、他のキャラよりも注意深いところがあるようで「疑う事を知らないがゆえに怪しまれないばいきんまんの変装」を見抜くことが出来る数少ない人物。


【戦闘能力でござんす】


有志が作成したアンパンマン強さランキングでもそこそこ上位に食い込むぐらいには高い戦闘能力を持つ。
基本的に手に持った六尺棒のを使った斬撃や、梅干しや塩を敵に投げつけて攻撃する。
また、アンパンマン程では無いが大岩を一人で持ち上げる程度の怪力も持ち合わせている。
特に杖の斬撃は強力で、ばいきんまんのロボットや岩なども余裕で切り裂く。
斬撃の技名は「おむすび居合斬り」であるらしく、アニメ初期の頃は杖の中に仕込んだ真剣で攻撃していた。
時代が経つにつれ「さすがに子供向けアニメで真剣はまずいんじゃない?」となったのか、2000年代以降はもっぱらただの杖として描写されている。
しかし今でも時折杖を「仕込み杖」と呼ばれたり、明らかな納刀音を鳴らしたりしているので、我々の見えないところでこっそり抜刀しているのかもしれない。
また、怒ると顔から湯気を出し、目くらましに利用したりそのまま攻撃することもある。
特に氷と暗闇に耐性があるようで、凍らされても上記の湯気であっさり脱出したり、くらやみまんが作り出した暗闇の世界に入れられても全く元気を失わなかった。
投げた三度笠に乗って滑空することも可能だが、時々明らかに浮遊していたりする。
弱点は顔の周りの海苔が汚されると力が出なくなる事と、女子供が相手だと攻撃出来ない事(曰く女子供をいじめるのは男のクズ)。
ロールパンナと戦闘になった際、最初は彼女を男と思っていたが途中で女と気づいてからは力を緩め、一方的にやられるがままになっていた(その割にはドキンちゃんをしばいたりマキちゃん相手に戦ったりしているが…)
他にも苦手な事として芝居がある模様(出演直前で逃亡したため、アンパンマンと同じくポンコツ状態になるかは不明)。


【人間関係でござんす】


●アンパンマン
アニメだとパン工場周りやばいきんまんを除く、今でも継続的に出演しているキャラとしては3番目(1番目はてんどんまん、2番目ははみがきまん)に出てきたキャラであり、その付き合いはかなり古いものになる。
今でこそ味方扱いでも初登場時はばいきんまんに騙されて敵対していた準レギュラーキャラが多い中、おむすびまんは初登場時から一貫してアンパンマンを助ける仲間キャラとして描写されている。
お互いを強く信頼しているようで、アンパンマンは他のゲストキャラからおむすびまんが悪さをしていると聞いても「おむすびまんは絶対にそんなことしないよ!」とその噂を真っ向から否定した。
おむすびまんもまた、ばいきんまんの策略で捕まってしまい脱出できない状態のアンパンマンがヘルプを描いて飛ばした凧を拾うや否や、すぐに街を越え海を越え救援に向かったことがある。
パン戦士達とはまた違った形の友情を築いているようだ。

●こむすびまん
おむすびまんの唯一かつ一番弟子。関係はあくまでも師弟であり、血縁関係は無い(そもそも、こむすびまんはひとくち村という秘境出身とはっきりしている)。
おむすびまん自身は弟子を取ることに消極的であり*2、初期の頃にも弟子入りを希望していた子供を一芝居打って諦めさせている。
こむすびまんに対しても同様に弟子入りを拒否したり、彼をパン工場に置いて一人で旅立とうとしたこともあったが、本人の熱意と周りの後押しに折れたのか最終的には弟子入りを認めている。
師弟関係が結ばれた後、二人揃って旅をすることもあれば別れて一人で旅をすることもある。
現在はこむすびまんを一人前と認め、二人で諸国を巡っている模様。

●うめぼしばあや
おむすびまんにとってジャムおじさん枠に当たる人。孫のうめこと二人で梅干しづくりをしている。
うめぼしばあやの作る梅干しがおむすびまんの元気の源となっており、ばいきんまんにやられてしまってもこの梅干しを食べれば大体復活する。
ちなみに復活時のセリフは「元気いっぱいおむすびまん!
うめぼしばあやが何か困っているとふらりとやってくるそうで、女手二人では難しい屋根の修理やら梅の収穫やら掃除やらを一通りこなしてはまた旅立っていくそうな。
おむすびまんが攻撃時に投げつける梅干しもうめぼしばあやお手製。もう少し大事に扱っては。

●バタコさん
初対面の時点で照れた様子を見せたり、別れの際には「貴女を見てると故郷に残した妹を思い出す」と言い残したりと何かとバタコさんの事を気に掛けており、バタコさんもまた「おむすびまんさんってかっこいい…」や「一緒にお花見したかったな」と発言、事実上両片思い状態にある。
バタコさんの寝室にはおむすびまんの写真が飾られ、おむすびまんもパン工場を訪れる度にバタコさんにプレゼントを持ってきていたりする(そしてばいきんまんに壊されるまでがセット)
おむすびまんが旅に出ている間も文通を続けているようであったが、近年ではめっきりそういった描写も減り、今もこの関係が続いてるかは不明…。
だが、みんなが集まっている場面でさりげなく隣同士にいたり、旅立とうとするおむすびまんに「もう行ってしまうの?」と声をかけたりするので、何もなくなってしまったということはなさそうだ。
余談だが作者のやなせたかし氏とその妻の小松暢氏をモデルにした朝ドラ「あんぱん」では、ヒロインの両親の名前が「結太郎」「羽多子」と二人をモデルにしたものになっている。

●たぬきおに
元々は絵本『おむすびまん』シリーズで出た敵キャラであり、アニメでも劇場版第2作同時上映で敵役として出てきた因縁の相手。
だがアニメシリーズではその関係がリセットされたのか、初共演回では初対面扱いとなっており関係も良好。
しかしたぬきおにがバタコさんに片思いしているキャラで、共演回の話もバタコさんを巡っての物だったのでなにかしらと切っても切れぬ縁がある模様。


【余談でござんす】


  • やなせ氏曰く、「アンパンマンを作ったことでパンの消費量が増えたことから、米を作る農家に配慮しておむすびまんを作った」とのこと(出典:やなせたかし&戸田恵子『アンパンマンVSアンパンマン』)。
    その絵本『おむすびまん』シリーズは『アンパンマン』シリーズより対象年齢が上の設定でつくられているが、そのせいか話の内容が中々にシビアである。
    残念ながら『おむすびまん』シリーズは現在絶版となっており、実際に読むには中古で買うか各図書館で借りる他ない。

  • アニメ化したおむすびまんの声がかなり大人っぽく、また「旅人は一種のやくざ者」などという考えから、やなせ氏はおむすびまんの持つ雰囲気を中和するためにこむすびまんを考えたとのこと。
    アニメのEDである『勇気りんりん』では「ルンルンかわいいおむすびまん」と歌われている為、氏にとっては元々可愛い前提のキャラだったのかもしれない…。

  • 担当声優である京田尚子氏はアニメ開始の1988年から長きにわたりおむすびまんを演じていたが、2025年に高齢を理由に降板。後任として野沢雅子氏が新たにおむすびまんの声を担当することになった。
    ちなみにこの時、京田尚子氏90歳野沢雅子氏88歳
    後任とは(ry 高齢とは(ry
    中の人的な意味でばいきんまんとの共演回が望まれているが「おむすびまんとばいきんまん」というサブタイトルの話は既にやっていたりする。


追記、修正は旅の途中でルンルン人助けをしながらお願いします。

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最終更新:2025年06月10日 12:50

*1 ちなみに妹は2025年時点で未登場。

*2 ホラーマンの弟子入りを断る際に「あっしもまだまだ半人前で、自分の修行で精一杯でござんす」と答えている