妖精

登録日:2024/08/08 Thu 15:52:00
更新日:2024/09/02 Mon 17:16:13
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妖精とは、特に欧米における超自然的な存在の総称。
英語ではFairy(フェアリー)と呼ぶがその語源は古いフランス語でfaerieという言葉だと言われている。
似ている単語には、「公平な~」を意味する“fairly”や、フェアリー社でも有名(?)な人名のの“Fairey”などもあるため、混同に注意。
いわゆる典型的(ティピカル)な妖精のイメージについては妖精(文学記号)を参照。



【概要】

妖怪と同様に、世界各国に妖精、或いはそれに準じた存在はいるが、
当項目では妖精の本場とも言える西洋……即ち欧米諸国における妖精を優先して解説する。

元々妖精とは、キリスト教が根付く前のアイルランドやイギリスを中心とした古のヨーロッパに伝わる伝承に登場する存在であり、
神とまではいかずとも、それに近い人智を超えた存在で当時のヨーロッパでは不可解な現象は妖精の仕業として扱われ、
畏れられつつも時には人間の手助けをするとも言われ、親しまれる存在であったという。

本来精霊とはほとんど同一存在であるが、精霊が正に神の一歩前ともいえる存在であるなら、
妖精はどこかメルヘンかつファンシーなイメージとなる傾向にあるか。

その為、天使と同じく可愛い外見の動物の比喩として「妖精のよう」と表現することがある。



このように妖精と言えばピーターパンに登場するティンカーベルのように小さくて可愛らしい姿か、
今日では様々なファンタジー系作品に登場し、一つの種族として確立される事があるエルフのように人に近い姿で容姿端麗なイメージが強いだろう。

実際にイギリスにはピクシーという小さな妖精がおり、今日における妖精のイメージ確立のきっかけになったと思われる。


しかしながら実際のところ、欧米における妖精は日本でいう妖怪の概念に近く、
猫の姿をしたケット・シーや、小柄でイタズラ好きな今日では絶賛蹂躙役兼竿役として引っ張りだこなゴブリンは序の口で、
人を襲いその血で帽子を赤く染めるレッドキャップ、岩のようにゴツゴツとした肌と巨体を持つトロール、
普段は小柄だが縄張りに人が近づくと巨大化して襲い掛かるスプリガンなどのように凶暴な性格の妖精がいたり、
首無し騎士のビジュアルで知られるデュラハンや、生皮を剥いだような見た目のナックラヴィーのように、
妖精というよりアンデッドじみたおぞましい姿の妖精もいたりと、その姿はかなり多種多様である。

つまり、西洋における妖精は我が国における妖怪とほぼ同じ存在と言っても過言ではなく、
妖精と魔物……即ちモンスターとの境界も実は曖昧といってもいい。

なので日本の妖怪について描かれた書籍等が海外に輸出された際には妖精、つまりフェアリーとして翻訳される事も珍しくないのだ。
???「天狗とは、日本に古来から存在するフェアリーの一種であり、赤く長い鼻を持ち、空を飛ぶという」


【妖精史 起源から現在の妖精の確立まで】

現在でこそ、欧米諸国はキリスト教を信仰する国が多数派であるが古い時代にはその限りではなかった。
寧ろ、かつての日本のようにアニミズムやシャーマニズムといった民間伝承を信仰する国の方が多数派であり、妖精達もその時代に生まれたと言われている。

しかし上で述べたようなティンカーベルのようなチョウに似た羽の生えた小さな妖精のイメージが確立されたのは、
後述する通りに実は17世紀頃と人類史で見れば比較的最近の事。
それ以前の妖精は目には見えない超自然的な存在で、その姿も先述したような小さな人の姿とは限らないものであったという。

その妖精伝承の発祥の地として知られるのがイギリスやアイルランドといったケルト文化の栄えた国であり、事実上の本場とも言えるのだ。

その正体に関しても諸説あるのだが、実のところ妖精の何割かは現在の人々よりも前にヨーロッパの地に住んでいた先住民であると推定できるものがおり、
この点も古代日本で時の朝廷に反抗した「まつろわぬ民」が正体と言われるものもいる妖怪と似通った部分がある。

そんな中、現代における妖精の「小さくて可愛らしい」というイメージを確立させたのが、17世紀以降にイギリスで描かれた妖精画という絵画である。
そこで描かれた数々の妖精の絵画が後世における妖精達のイメージに強い影響を与えているとされ、
今日におけるメルヘンチックな存在としての妖精を確立させたとも言われているのだ。

更に言えば16世紀のイギリスの作家ウィリアム・シェイクスピアの「夏の夜の夢」や「テンペスト」といった、
妖精の登場する作品も後世における妖精のイメージを確立させたものとして無視できない存在だと思われる。

尚、日本では『魔王』と翻訳されているフランツ・シューベルトがゲーテの同名詩を元に作曲した楽曲は、原義的には『妖精王』と訳されるのが正しい。



★主な妖精

「シー」という言葉はアイルランド語において「〇〇の妖精」という接尾詞的な意味がある。
このため、北欧の妖精には「〇〇シー」という名前のものが非常に多い。

  • Pixie(ピクシー)
イングランドに伝わる伝承に登場する妖精。
小さな子供のような姿をした文字通りのザ・妖精とも言える存在で今日において、
妖精と言われて多くの人が連想するであろう「メルヘンチックで可愛らしい妖精」の代表ともいえる。

イタズラ好きな性格であり、家に住み着いては家具を勝手に動かして驚かせるのはまだ序の口で、
時にはチェンジリングといって人間の子供と妖精の子供をすり替えたり、人を狂わせて一晩中踊らせたりといったシャレにならないイタズラを働くことも。
しかしリンゴなどを与えるとイタズラをやめて手伝いをしてくれることもあるらしい。
その正体は洗礼を受けずに幼くして亡くなってしまった子供だという。

日本で有名なピクシーと言えばまぁ間違いなくコイツコイツ、あとこいつだろう。


  • Elf(エルフ)
スウェーデンやノルウェー等の北欧地域に伝わる妖精。
元々はアールヴと呼ばれ、人間とほとんど変わりない姿と体格だが遥かに強大であったという。
今日では耳が尖っている美女として描かれがちだが、実は原典においてはそんな特徴はなかったりする。
何なら今の和風ファンタジーにおけるドワーフと似た体躯の男性もいるって話もあったりする。

耳の尖ったエルフが主流となったのは、アメリカ生まれのTRPGである『D&D』や、
和風ファンタジーの大家であるグループSNEの『ソードワールド』以降と言われる。
特に当時SNE所属だった水野良の『ロードス島戦記』に出てくるハイエルフのディードリットはエルフのテンプレとして今なお名高い。

人間に近い体格で美しい、亜人種としての妖精」を代表する種族と言ってもいい。

詳しくは個別項目参照。


  • Goblin(ゴブリン)
上述したピクシーが「小さく可愛らしい妖精」の、エルフが「亜人種に近い、美しい妖精」のそれぞれ代表格だとすれば、
「邪悪で怖い妖精」の代表格として名前が上がるのがこのゴブリンであろう。

人間より遥かに小柄な体格で、鋭いカギ爪と大きな鼻を持った醜い姿をしているとされる。
性質も邪悪で狡猾とされ、人間、特に子供を好んで襲うとされる。

昨今のファンタジーではコボルトと並び最弱な妖魔である事がほとんど。
ゴブリンスレイヤー』等、ゴブリンを一般人、特に女性や子供にとって身近な脅威として描く作品であっても、
上位種であるならまだしも、通常のゴブリンは「最弱クラスの魔物」として扱われることがほとんど。
一方のコボルトはワンコ扱いで人間と友好的な作品もあるが、ゴブリンはほぼ敵扱いが定着している。

詳しくは個別項目参照。


  • Banshee(バンシー)
アイルランド・スコットランドに伝わる妖精。
人が死ぬ直前に姿を現しては、この世を去る人を想って泣くというが、
その泣き方もすすり泣くような静かなものとも言われれば、飛ぶ鳥が落ちるほどの凄まじいものだとも。
出産して間もなく亡くなったり、処女のまま亡くなった女性がその正体と言われ、
スコットランドでは老婆、アイルランドでは少女と異なる姿をしているが、どちらの伝承においても赤い目をしている点で共通している。

名前は古代ケルト語で女の妖精を意味しており、古代の泣き女と呼ばれる風習を妖精化したものではないかとも言われている。

詳しくは個別項目参照。


  • Dullahan(デュラハン)
こちらもアイルランド・スコットランドに伝わる妖精。
西洋鎧を身につけ、自らの首を小脇に抱え、その状態で首なしの馬に乗っている……という姿で有名。
バンシー同様に人の死に前後して出現する妖精であるが、こちらはバンシーと違い、自ら命を刈り取りに来るという恐ろしい存在。
ここまでの説明が物騒極まりないが、これでもちゃんと「妖精」である。
意外なところでは「川を渡ることが出来ない」という弱点があり、デュラハンに追われた場合、
川を横切って渡るか川に掛かった橋を渡りきることができれば撒くことができ、死からも逃れられるという。

こちらも項目があるので詳しくは個別項目参照。


  • Troll(トロール)
エルフと同じくスウェーデンやノルウェー等主に北欧地域に伝わる妖精。トロルと呼ぶことも。
妖精ではあるが非常に巨大であり、岩のようにゴツゴツとした肌をしている。
一説には北欧神話に登場する霜の巨人ことヨトゥンの一種、或いは末裔とも言われている。

最近のゲームでは凶暴な性質な事が多かったりするが、元は巨躯の割に大人しいと性格と伝えられており、
スウェーデン系フィンランド人による『ムーミン』シリーズの主役・ムーミンの識別名称が「ムーミントロール」なのがその典型だろうか。
ちなみにムーミンの作者は若かりし日、「黒いムーミントロール」なるムーミンっぽい輪郭だが禍々しい妖精の絵を描いていたが、
小説として「ムーミントロール」を綴っていく中で、少しづつ現在知られる愛嬌のある妖精へと変容していった。
一番有名なのは絵本「三びきのやぎのがらがらどん」だろう。
橋で獲物を待ち構えていたがよりにもよって暴力の化身「がらがらどん」に遭遇したことが災いし、
目玉を串刺しにされ、肉も骨もバラバラに踏み砕かれ、谷川へ突き落される哀れな最期を迎えた。オーバーキルにも程がある


  • Cait Sith(ケット・シー)
二足歩行の猫の姿をした妖精。名の意味もまんま「(ケット)妖精(シー)」。「長靴をはいた猫」の原型とも言われる。
彼らはどこかにある国の貴族や王族らしく、人の言葉を話しマナーも高いとされる。
アニヲタ的には占い用猫型ロボのイメージが強いだろうか。


  • Cu Sith(クー・シー)
上で述べたケット・シーがネコの妖精ならばイヌの妖精は?と疑問に思う人もいるかもしれない。
答えは存在する。それがこのクー・シーである。名前は文字通り「犬の妖精」を意味している。
子牛ほどもある大きな犬の姿をした妖精で妖精たちの世界を守る番犬的な存在であるとされ、侵入した人間を追い払うという。


  • Leannan-Sidhe(リャナンシー)
イギリスやアイルランドに住む淫魔的な妖精。リャナン・シー、リアノーン・シーとも。
ブリテン島とアイルランド島の間にあるマン島という多くの妖精伝承で知られる島では、
黄色い絹のローブを纏った美女の姿で男の前に現れ性的に誘惑してくるとされる。
誘惑を拒否するとその後奴隷のようにその男性に尽くしてくれるが、応じると情熱的な恋人となり、
いずれ恋人となった男性はリャナンシーに精気を吸い付くされ、枯死してしまうという。

またアイルランド島のリャナンシーは詩人や芸術家、戦士に取り憑くと言われ、
彼らは優れた才を発揮するようになるが、やはり代価として精気や血液を吸われ早死してしまう。

ちなみにアイルランド島とマン島のリャナンシーは同種の存在ではあるが、名前の綴りは微妙に違っている。
Leannan Sidhe(アイルランド)
Lhiannan Shee(マン島)

詳しくは個別項目参照。


  • Silky(シルキー)
イングランドの伝承で語られる、旧家に現れる女性の妖精。
灰色か白のシルクのドレスを着ており、動いたときにそれが擦れてさわさわと音を立てることから、その名前で呼ばれることになった。
普段はお手伝いさんとして家の主人に給仕するが、ひとたび機嫌を損ねてしまうといたずらの限りを尽くして追い出してしまう。
伝承や出演作品によっては幽霊扱いされたりされなかったり、ただのメイドとして主人公に奉仕する一方で、主人公を無断で人体改造したり


  • Kelpie(ケルピー)
スコットランドの伝承に伝わる妖精……というよりモンスターの一種。
馬の形をしており人間や動物を水に引き摺り込み溺れさせるといわれている。
同地域には同じく馬の姿をしたアハ・イシュケという妖精もいるが性格は異なる。

機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』では、ファウンデーション王国にて、
同国の近辺に出没する謎の存在がケルピーなのではないかと現地民やパイロットの間で噂されていたが、その正体は...


  • Each Uisge(アハ・イシュケ)
こちらもスコットランドに伝わる妖精の一種。
上記のケルピーと同じく馬の姿をした妖精だが、ケルピーが淡水に棲むのに対し、こちらは海に棲んでいる違いがある。
その性格も非常に獰猛で背中に乗せた人や動物を溺れさせるだけでなく食い殺してしまうという。
しかし肝臓だけは嫌いらしく、食べ残したそれが海岸に流れ着く為、人間はそれで初めて犠牲者が出た事を知るのである。
また美男子に化けて乙女を誑かし、食い殺すとも言われている。


  • Nuckelavee(ナックラヴィー)
スコットランドの伝承に登場する妖精。
これまた馬のような姿だが真っ赤な単眼と鯨のように大きく裂けた口、背中からは異様に腕の長い人間の上半身が生えており、
オマケに全身の皮膚が存在しないという、妖精の中でも屈指のグロい姿をしているのが大きな特徴。

海から現れては人を襲ったり、毒の煙を口から吐いて野菜を枯らせる等の悪事を働くが、
弱点は淡水であり、これを掛けられるとたまらず退散するという。
また海藻を燃やした際に出る煙も嫌うが、こちらはナックラヴィーを怒らせてしまう方法でもあり、
馬に呪いをかけられてしまうらしい。

……ここまで見てお気づきの方もいるかもしれないが、スコットランドにはやたら馬に関係する妖精が多い。


  • Baobhan-Sith(バーヴァン・シー)
こちらもスコットランドの妖精。
緑衣をまとった美女の姿をしており、森に迷い込んだ人間や夜道で出会った人間へ笑顔で話しかけてきたり、「こっちにおいで」と誘い込んでくる。
だが、その誘いに乗れば最期。この妖精の正体は凶悪な吸血鬼で、彼女らに騙された人間は血液を一滴残らず吸いつくされて殺される事になる。

日本では『FGO』に登場した某人権ぶっ壊れメスガキアーチャーで一気に知名度を上げた……が、
例によって特殊な事情でその姿は伝承にあるバーヴァン・シーとは似ても似つかない姿である。
ただ、色々な意味でそのFGOのバーヴァン・シーが有名になってしまったため、画像検索するとこちらの方が多く表示されるように。


  • Leprechaun(レプラコーン)
アイルランドの伝承に登場する妖精。堕落した妖精と伝えられることも。
かなりのいたずら好きだが他の妖精の靴を修繕している伝承もあるという。
目に砂を撒く妖精と呼ばれ、彼らに砂をかけられると眠りに落ちると言われる。
英語読みだと「レプラカーン」。日本人なら同名のオーラバトラーが真っ先に思いつくだろう。


  • Rusalka(ルサールカ)
ロシア及び東欧にその名を残す水の妖精。
月明かりの晩に水辺や森を歩く男性の前に現れ、全裸で現れ歌や艶めかしい踊りで魅了し、水の中に引き摺りこんで「快楽を伴う死」に導く。
彼女の外見は場所によりかなり違い、金髪ロン毛の全裸の美女から緑髪で青白い肌をした老婆や下半身が魚の姿まである。
ルサールカは不幸な死に方をした処女が変化して生まれる存在とされる。

なお男にとっては大変危険な妖精だが、妖精らしく基本的には無邪気で享楽的であり、川岸で雑談を楽しむJKのような生態もある。
また女性から洋服やスカートの一部を切り取って渡されるとたいへん喜ぶという一面もある。

5月末から6月中旬には「ルサーリィ週間」という時期があり、ルサールカが一番活発になる期間がある。
ルサールカの機嫌を損ねないように行動する週間という事だが、恐らく水難事故が多い時期だから気をつけろ的な意味合いがあったと思われる。


  • Baba Yaga(バーバ・ヤーガ)
スラブ民話に伝わる魔女だが妖精とする記述も。「バーバヤガー」や「ババヤガ」など横棒や中黒が有ったり無かったり色々表記揺れがある。
非常にやせ細った身体であるらしく森の中で鶏足付きの家に住んでいる。
細長い臼に乗って空を飛び子供を攫って食べることで知られるが、伝承によっては悪役だけでなく良い役でも登場する。
ロシア圏ではよくないことが起きた際悪態をついたりするときの台詞として出てくるらしく、
第二次大戦で不利な戦局を伝えられたソ連軍が「バーバ・ヤーガに呪われちまえ!」と返した記録が残っている。
「くそ!魔女のバアさんの呪いか」

アクション映画で伝説の殺し屋の異名として知られるようになった。


  • Jack o' Frost(ジャック・フロスト)
イングランドの伝承に出てくる妖精。雪だるまや老人の姿をした、霜の精。
妖精らしくいたずら好きで人間をからかって遊ぶとされるが、一度怒らせると豹変し対象を氷漬けにして惨殺するとも言われている。
日本ではメガテンのマスコットたるヒーホーなアイツで有名。


  • Gremlin(グレムリン)
世にも珍しい、軍用飛行機に憑くとされた妖精。
軍用飛行機にイタズラをし、誤作動を起こすよう仕向けるとされ、
当時の飛行機乗りの中には魔除けとしてお酒をお供えする者もいたらしい。
日本において、エンジニアが「サーバーが故障しないように」と、
サーバー室に神棚を作ってそこに御神酒をお供えしていることがあるが、アレと似たようなもんである。
名前の由来は、当時流行していたお酒「フレムリン」と「グリム童話」のかばん語から来ている。
同名の映画は人によってはトラウマ作品。


  • Jinn(ジン)
中東の伝承に伝わる妖精。
アラジンのジーニーとかはこれに相当する。
もっとも、中東伝承においては「ジン」は妖精全般を指す概念のようなもので、特定の固有種を指す名前ではないという。
ちなみにジンは男性型、ジーニー(あるいはジンヤーナ、ジンニーヤ)は女性型の妖精のことを指す。
また、強大さを目安に階級が存在しているようで、彼らの上位種となる強大な種がかのイフリートである。


【妖精と名の付くあれこれ】

  • フェアリーペンギン
オーストラリアに固有のペンギンの一種。
ペンギンの仲間でフェアリーの名に恥じぬ最小の体格だが、小柄な体格故なのかその性格は極めて凶暴。

  • フェアリージャパン
野球の「侍ジャパン」や女子サッカーの「なでしこジャパン」のように、日本代表チームには愛称が付いている事が多いが、
この「フェアリージャパン」は「女子新体操日本代表」の愛称。

  • フェアリーモスラ
インファント島の守護神獣・モスラの小型の眷属。
ゴジラVSスペースゴジラではモスラが作り出した立体映像のようだったが、
平成三部作ではモスラが死んだり過去にタイムスリップしても普通に活動しており、独立した生命体と思われる。
その名の通り人間から見れば妖精サイズ。小型の光線を出したり、同作の小美人であるエリアス姉妹を乗せて飛び回る。

我らがガチムチ兄貴。
「だらしねぇという戒めの心」「歪みねぇという賛美の心」「仕方ないという許容の心」からなる「妖精哲学の三信」を掲げている。

  • 取り替え子(チェンジリング)
ヨーロッパの伝承で、「妖精が攫った人間の子供の代わりに、その親の元に置き去りにする妖精の子供」を指す。
伝承によって異なるが、攫われた本当の子供を取り返すためには、置き去りにされた妖精の子供を冷酷に扱えばよいとするものが多く、
実際に自分の子供を「取り替え子」だと疑った母親が、自分の実子をオーブンで焼死させ、裁判沙汰になったこともあるという。
また、生まれつき身体が不自由だったり、アルビノで生まれてきた子供を疎んだ親が、この伝承を利用して、
「この子供は『取り替え子』であり、自分の子供ではない」と言い張り、無下に扱ったり、捨ててしまうこともあった。
医療が今ほどは発達しておらず、このような事情のある子供を養う経済的余裕も、そのための福祉制度もなかった頃の話とはいえ、残酷な話である。

  • ラリーの妖精
妖精というか単なる観客。
ラリーでトラブルが起こった際、本来はドライバーとコ・ドライバー(ナビゲーター)、もしくはチームメイト等他の競技参加者のみ車に触る事が可能で、チームスタッフ等部外者は特定の箇所以外で車に触るとペナルティとなる。
本来なら観客も部外者なので、コースアウトした車をコースに押し戻したりするとドライバーにペナルティが出るはずなのだが「トラブルが起こった車に観客が手助けするのは自然現象なのでペナルティの対象にはならない」という暗黙の了解がある。
そのため自然に出てくる人のような物体→妖精という連想でこの名前で呼ばれているとか。

なお、あくまでも自然現象なので、ドライバーやコ・ドライバーが観客を呼びつけたと判断されるとペナルティをもらう。
あとハイブリッド故に高電圧のバッテリーを積んでいるラリー1規格の車は感電の危険があるので、搭載されている警告ランプ*1を見てから押すようにしましょう。

【創作における妖精】

西洋系ファンタジーではお約束のように登場するが、その多くに共通するのが伝承のように超越的・超自然的な存在としてではなく、
一つの種族として確立された、言わば亜人種として登場する事である。

作品にもよるが、大まかな特徴として
「子供のように純粋無邪気」
「無邪気で生死感が人間と異なるが故に、洒落にならない悪戯を行う
小さく身軽であるがゆえに、人間と比べて打たれ弱く、物理攻撃が弱くて魔法攻撃が強い
「エロ要員としてはオナホ扱い
というものがある。

中でもあらゆるファンタジー作品で引っ張りだこなエルフ、ピクシーあたりは正にその好例であり、
どちらかが洋風ファンタジー要素持ちの常連としてよくモチーフにされている。

一方でゴブリンやデュラハン、トロールといった原典においては妖精として伝わる存在でも、
凶暴な性格だったり、恐ろしい姿をしているものはその限りではなく、純然たる魔物として扱われることが多い。


《妖精が登場する作品》




追記・修正は妖精と友達になってからお願いします。


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最終更新:2024年09月02日 17:16

*1 赤点滅+警告音が出ていると漏電中。消灯している場合は更に深刻な状況の可能性がある。