怪獣総進撃

登録日:2011/06/03 Fri 19:03:26
更新日:2023/12/17 Sun 22:01:52
所要時間:約 5 分で読めます





宇宙をゆるがす11大怪獣の大激闘!


怪獣総進撃




『怪獣総進撃』とは、1968年8月1日公開に公開されたゴジラシリーズ第9作目の映画作品である。
監督は本多猪四郎。観客動員数258万人。
1972年には『ゴジラ電撃大作戦』というタイトルの短縮版が冬の東宝チャンピオンまつりで公開された。「元のタイトルの面影が無い」とか言ってはならない




【概要】

本作は怪獣ブームや邦画黄金期も峠を過ぎ、制作費の掛かる怪獣映画をいったん打ち切るために企画されたオールスター映画であるが、成績が良かったために怪獣映画を継続することになったとされている。

本作では総勢11体もの怪獣や多彩なメカが登場するが、怪獣の撮影用スーツは倉庫から引っ張り出したお古の物がほとんどで、新規造形は実はゴジラとアンギラスのみ。
出番の多い怪獣とそうでない怪獣との扱いに格差が生じているのは、スーツや人形の状態の良し悪しで左右されているという世知辛い事情によるものである。
ちなみに11体とは昭和ゴジラシリーズの作品で最多であり、2004年に『ゴジラ FINAL WARS』が公開されるまでは、ゴジラシリーズでも最多だった。

本作は近未来が舞台となっており、月面基地の存在や怪獣を管理する怪獣ランド、リモートコントロールされた戦車部隊等、独自のSF設定がされている。
なお、その近未来設定を根拠にして、「『メカゴジラの逆襲』より後の時代が本作」とする資料もあるが、同作では本作のマンダが劇中人物のイメージシーンに登場したりするなど、曖昧な部分も存在する。


【あらすじ】

20世紀末(劇中の新聞は1994年)科学の発展した地球では国連科学委員会により月面開発が盛んになり、また海では海底牧場が実用化していた。
また怪獣達は小笠原諸島の怪獣ランドにて管理が可能となり、怪獣の驚異は戦わずに抑えることが出来るようになっていた。

しかし、怪獣ランド地下のコントロールセンターに突然黄色いガスが充満、外部との連絡が不能となり、怪獣達が突如世界各地を襲撃する。
月基地の万能宇宙船ムーンライトSY3号と艇長の山辺以下クルーは怪獣ランドの調査に向かう。
怪獣ランドに着いた一向を待っていたのは怪獣を操る怪獣ランドの職員と、さらにそれを操るキラアク星人だった。

キラアク星人から地球侵略の意思を受けた地球側はキラアク星人との戦いを始まるが、キラアク星人は電波で怪獣達を利用し状況を有利に進める。
だが、地球側は山辺達ムーンライトSY-3号の活躍で世界各地に仕掛けられた怪獣のコントロール装置を奪取、逆に怪獣達を使ってキラアク星人へ反撃を仕掛ける。


【登場人物】

◆山辺克男
演:久保明

ムーンライトSY-3号の若き艇長(船長ではない)で、SY-3号や艇員達と共にキラアク星人との戦いの前線に立つ。
演じる久保氏は前作『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』に続いて主演を勤めた。

◆真鍋杏子
演:小林夕岐子

山辺の恋人で怪獣ランドの職員。キラアク星人に操られるが、山辺達に助けられる。

◆大谷博士
演:土屋嘉男

怪獣ランドの所長。キラアク星人に操られ、犠牲になってしまう。

◆吉田博士
演:田崎潤

連絡が取れなくなった怪獣ランドの査察、そして黒幕であるキラアク星人との戦いの指揮を執る。

◆キラアク星人
演:愛京子他

本作の侵略宇宙人。
全員女性の姿をしているが、その正体は鉱物で、数千度の高温下でなければ人の体を維持できないという特徴がある。
最終的に「キングギドラは宇宙の怪獣です。地球の怪獣では歯が立ちません」と自信満々にキングギドラを投入するが……


【登場怪獣】

ゴジラ
本作では地球怪獣の中心的存在であり、アナウンサーからも「怪獣の王」と称された。キラアク星人に操られている間はニューヨークや東京を襲撃した。
本作ではスーツが新造され、以降4作に渡って使われた。腕の可動範囲が広く、アクション向きの造形となっている。

ミニラ
今回は決戦の場に一番乗りした以外に目立つ場面は少ないが、ゴジラの側にずっといた事と、キングギドラにトドメを刺すという大役(?)を頂いたため、空気だけは逃れられた。
「わたしが倒しました」とばかりにキングギドラの死体を足蹴にして踊るシーンは必見。

アンギラス
ゴジラの逆襲』以来の復活。
当初は登場の予定はなかったが、スーツが新規造形され、晴れて登場。
そのおかげで以降の作品にも出演でき、キングギドラ戦の活躍も用意された本作一番の優遇組。

ラドン
本作では着ぐるみを改修されて登場、顔はやや不細工になった。
襲撃シーンなどで出番は多いが活躍は少なく、キングギドラ戦では序盤に突風をお見舞いするも、引力光線で吹き飛ばされて空に逃げたきり降りて来ず、
続くファイヤードラゴン戦では得意の空中戦にもかかわらず高熱の体当たりを食らって負傷とやられっぱなし。
おまけに富士山麓の地球怪獣集合シーンでも到着が一番遅かった。ちなみにその次に遅かったのはバラン。お前ら飛べるのに何故……。

モスラ
本作では幼虫のみ登場。
襲撃シーンでは北京付近で列車に突撃したり、東京のモノレール駅をぶち抜いて登場したりと、何故か鉄道関係の場所を攻撃している。
キングギドラ戦では申し訳程度にクモンガと共に糸を吐くも効果が無く、引力光線に吹き飛ばされてフェードアウト。
戦闘終了後は勝利の紙吹雪とばかりに糸を吹いて場を盛り上げていた。
インファント島で静かにしていれば怪獣ランドで管理される必要はなかったと思われるのだが、なぜ怪獣ランドに来たのかは謎。 

ゴロザウルス
キングコングの逆襲』からの登場。
ほとんどティラノサウルスな体型で見た目は地味だが、前年に着ぐるみが作られたためか、都合で活躍出来ないバラゴンに代わってパリを地下から襲撃する出番を貰う。
キングギドラ戦ではゴジラとアンギラスと共に一度も戦線離脱せずに最前線で戦い抜き、キングギドラにカンガルーキックをぶちかまして逆転の切っ掛けを作るなど、出番の多さや見せ場も含めてアンギラスに並ぶ優遇組である。

マンダ
海底軍艦』からの登場。何故か角が消えた為、龍というよりはもはや大蛇である。
モノレールに巻き付くシーンは地味に高い操演技術であるが、それ以外は空気。
キングギドラ戦ではバラゴンとバランと共に完全に観客状態。

クモンガ
キングギドラに糸を吐いた以外は空気である。
ただし、今作でゴジラと共闘していた為か、『FINAL WARS』ではトドメを刺されずに済んだ。

バラゴン
着ぐるみが『ウルトラQ』や『ウルトラマン』の怪獣に改造されており、復元が間に合わなかったのか前述の通りゴロザウルスに役割を譲るなど中々に不遇組。
アナウンサーが「パリにはバラゴン」とゴロザウルスと間違えて読み上げたのは当初の予定の名残りである。
復元された着ぐるみの出番は怪獣ランドでの生息描写のシーンでのみ。

バラン
着ぐるみが既になく、小サイズの飛行シーン用人形しか無かったため、登場シーンは2カットのみで他の怪獣との絡みも一切無し。
富士山麓の地球怪獣集合シーンでは1匹だけアナウンサーに名前を呼んで貰えなかったりと、本作で最も不遇な存在。
登場怪獣が勢揃いしたスチール写真でもバラゴンですらゴジラと並んで大きく目立ってるのに、バランはキングギドラの横で宙ぶらりんの状態でちっちゃく写る始末である。

キングギドラ
今回も操られて登場。地球怪獣にリンチされ、ついに死亡した。「地球の怪獣では歯が立ちません」とは何だったのか……


【登場メカ】

◆ムーンライトSY-3号
真の主役。空に宇宙に月にと大活躍の万能宇宙船。シャープなデザインと活躍で人気も高い。ゴジラの熱線の直撃に耐え、ラドンの追撃を振り切った超高性能機。
中に乗っている探検車も高性能。掘削用のメ―サー砲を4門備えており、単騎でキラアクの月面基地を壊滅させてしまった。

戦車部隊
パラボラアンテナを搭載し、ヘリまたは戦闘指揮車からリモートコントロールという珍しい設定の戦車。当然ながら妨害電波を出されるとまるで役に立たなくなる。

◆ファイヤードラゴン
キラアク星人の宇宙船。円盤型で炎を纏っている。
人間側の怪獣コントロールシステムを破壊するが、この時点でキラアク星人は地球怪獣からコントロール抜きで敵認定されており、無駄に終わった。
ラドンを逃げ回らせるほど強力だったが、ムーンライトSY-3号と交戦し、冷線ミサイルで撃墜される。
当初は怪獣を装っていたが、メカなので怪獣図鑑などには載っていないものが多く、事前情報アリで視聴した人ほど驚く。


【余談】


  • 企画時点での仮タイトルは怪獣忠臣蔵。田中友幸プロデューサーから相談を受けた中野昭慶特撮助監督が、「怪獣で忠臣蔵」というアイデアを提案したことが切っ掛けとされている。
    最終的に現行の形に変更されたが、本作に登場するキラ(吉良)アク()星人のネーミングにその名残が残っている。

  • 落語家の快楽亭ブラック(2代目)は円谷英二氏が生前に「怪獣キャラで忠臣蔵を作りたいと語っていた」としているが、本作がその作品であることを知らなかったのか、勝手に遺志を継いで同名落語を創作している。
    当時ゴジラシリーズだけでは47頭揃わないため、円谷プロダクションやその他無関係な怪獣まで参加するカオスな噺だが、吉良上野介役がキングギドラな点は微妙に一致している。


10対1でリンチされてもめげない人は追記・修正お願いします。

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最終更新:2023年12月17日 22:01