ゴジラ FINAL WARS

登録日:2011/06/05 Sun 20:16:48
更新日:2025/07/10 Thu 22:34:18
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2004年 FINAL WARS←じゃなかった X星人 お祭り映画 さらば、ゴジラ。 なんだかんだで傑作 やっぱマグロ食ってるようなのはダメだな……。次! アリゾナ アンギラス エビラ カイザーギドラ カマキラス ガイガン キングシーサー クモンガ ケイン・コスギ ゴジラ ゴジラ FINAL WARS ゴジラ☓コマンドー ゴジラシリーズ ゴジラ無双 シドニー ジラ ツッコミどころ満載 ドン・フライ ニューギニア ニューヨーク パリ ヘドラ マグロ食ってるヤツ←駄目なアイツ←でも嫌いじゃないわ! マトリックス マンダ ミニラ ミュータント ミレニアムシリーズ モスラ モンスターX ラドン 三村渉 上海 佐原健二 俺たちの戦いはこれからだ!! 北村一輝 北村龍平 名作 國村隼 地球防衛軍 宝田明 富士山 怪作 怪獣 怪獣サッカー 怪獣プロレス 怪獣大集合 悪いな、エビは嫌いなんだ 新・轟天号 新川洋司 映画 最終作←になるはずだった 最終作←ミレニアムシリーズとしての 東京都 東宝 東宝特撮映画 松岡昌宏 桐山勲 水野久美 沖縄県 浅田英一 特撮 異色作 終わる終わる詐欺 終わる終わる詐欺←監督は終わらないと言っていた 菊川怜 賛否両論 轟天号 迷作 邦画 集大成




シリーズ50年の集大成 最高峰にして最終作


さらば、ゴジラ。



GODZILLA
FINAL WARS









【主要スタッフ】

製作:富山省吾
監督:北村龍平 特殊技術:浅田英一
脚本:三村渉、桐山勲
音楽:キース・エマーソン、森野宣彦、矢野大介


【概要】

2004年12月4日に公開された映画。
上映時間は、シリーズ最長の2時間5分*1
ゴジラシリーズの28作目で、タイトル通りシリーズ最終作と銘打たれていた。
ただし、監督はこれが本当に最終作になるとは思わず、あくまでシリーズの一区切り程度と捉えており、
「5年くらいしたら復活するんじゃないでしょうか」といったコメントをしている。

その後、2014年にハリウッドで製作された『GODZILLA ゴジラ』(北米配給:ワーナー・ブラザース映画)が公開され、国内版のゴジラも12年ぶりに『シン・ゴジラ』が公開された。
その為、タイトルの「ファイナルウォ-ズ(最後の戦い)」、キャッチコピーの「さらば、ゴジラ」、「シリーズ50年の集大成 最高峰にして最終作」も現在ではあまり意味を成さなくなり、終わる終わる詐欺として扱われてしまう事も。
……いや、まぁ、ミレニアムシリーズとしては最後の戦いだけどね。

監督は『VERSUS -ヴァーサス-』『あずみ』を手掛けた北村龍平で、特殊技術は前作に引き続き浅田英一。脚本は三村渉と桐山勲。
音楽はロックの大御所、キース・エマーソンが参加。ただし納期が短かったことやキースがツアーを抱えていた都合から、音楽メニューの内不足分を北村監督と縁が深い森野宣彦・矢野大介の両名が手掛けている。
その他、カナダのロックバンド「Sum 41」の楽曲『We're All To Blame』が挿入歌として使われている。
タイトルデザインは監督たっての希望でカイル・クーパーが担当している。

最終作にふさわしく、怪獣は『怪獣総進撃』を超える15体が登場し、『妖星ゴラス』、『海底軍艦』など他の東宝特撮映画のネタも取り入れられている。

人間側のアクションシーンを多く入れたり、怪獣のアクションも軽快かつアグレッシブなど、これまでのゴジラ映画とは異彩を放つ作品。ん…?『怪獣大戦争』?『ゴジラVSキングギドラ』……?

結果として観客動員数は100万人(ゴジラ映画ワースト3位)という結果になり、目標であったゴジラ総観客動員数1億人には本作では届かなかった。
しかし、「シリーズ総観客動員数1億人」という目標は2016年の『シン・ゴジラ』で遂に達成。12年越しの無念を見事に晴らして見せた。

ちなみに本作の公開直前に、ハリウッド商工会議所直々の連絡によりゴジラは日本のキャラクターとして初めてハリウッドの「ウォーク・オブ・フェイム」に殿堂入りを果たした。

色々とツッコミどころはあるが、アクション映画・お祭り映画として見る分には十分楽しめるものであろう。


【ストーリー】

時は近未来(20XX年)。
度重なる核実験や戦争によって地球環境は破壊され、眠っていた怪獣が目覚め暴れ回っていた。
1954年のゴジラ出現を皮切りに怪獣は世界各地に出現し、人々を恐怖に陥れた。
人類は互いを敵とする時代を終え、怪獣の脅威に対抗するため国家・民族の枠を超えた地球防衛軍を結成。
同時に発見された常人より高い身体能力を持つ新人類「ミュータント」を怪獣に対抗する兵士として養成するM機関が設立された。

怪獣王ゴジラは南極での轟天号との戦いの末に封印されたものの、世界は依然として怪獣の危機に包まれていた。

そんなある日、世界中で怪獣が一斉に現れ各地を蹂躙する。
しかし突如現れた謎の飛行物体が怪獣たちを消し去る。
彼らはX星人と名乗り、地球に妖星ゴラスが迫っていること、それに対抗するために地球と手を結ぶことを申し出る。
醍醐国連事務総長の働きかけもあり、世界は一色歓迎ムードに包まれる。

しかし一部の者たちの調査の結果、妖星ゴラスはホログラムによる偽物であり、事務総長を始め政府の要職はX星人に入れ替わられていることが判明する。

事実が露呈した時、X星人は本性を表し、操っていた全怪獣を開放する。
世界が滅び行く中、唯一脱出に成功した轟天号は南極へ向かう。
唯一操られている可能性がなく、最強の力を持つ怪獣、ゴジラを解放するために…。


【登場怪獣】

※各種スペックは小学館『東宝特撮全怪獣図鑑』より抜粋。

ゴジラ

別名:怪獣王
身長:100メートル
体重:5万5千トン
スーツアクター:喜多川務

かつて幾度となく現れた怪獣王だが、轟天号との戦いで氷山の割れ目に落ち封印されていた。
全体的にシャープで、背びれが小型化しているのが特徴。
身長100m、体重5.5万tとVSシリーズ並みに巨大化している。
作中でのスペックは最強で、宇宙怪獣コンビ以外の怪獣を苦戦することなく退けている。
昭和シリーズ並に身軽な上に熱線の威力・精度は平成シリーズでも上位かつ連発も可能。尻尾を避けたところで至近距離からの熱線を喰らわせるなど芸達者。
更に東京に巨大なクレーターができる衝撃が直撃したはずだがぴんぴんしているという恐ろしい耐久力の持ち主である。
使用技は通常の「放射熱線」、チャージして放つ「ハイパースパイラル熱線」、赤色熱線の「バーニングGスパーク熱線」。
最終決戦を制した後、人間達とも一戦交えようとするも、ミニラや彼と共にやってきた健太とその祖父・左門に止められたことで戦意を失い、海に帰った。

モスラ

別名:巨大蛾怪獣
翼長:216メートル
体重:2万5千トン

お馴染みインファント島の守り神。シリーズでも割と珍しく、成虫のみが登場。
12000年前に祖先がガイガンと戦って敗れた過去を持つが、
小美人の祈りに応え、ガイガンとの戦いに駆けつける。
使用技は翼で敵をなぎ倒す「ボンバーラリアット」、炎を身にまとい突撃する「ファイヤー・ヒート・アタック」。
『東京SOS』に続く羽の操演は見事の一言。
ミレニアムシリーズで唯一、ゴジラの味方として登場する個体でもある。

マンダ

別名:海龍
体長:300メートル
体重:6万トン

『怪獣総進撃』以来久々の登場。
ノルマンディー沖で新・轟天号と因縁の対決を繰り広げる。
……はずが、冷凍メーサー砲を食らって凍ったところをドリルで粉砕されるという呆気ない最期を遂げた。
ゴジラとは対決せず、X星人に操られてもいないと、海の怪獣だけに浮いてる。
使用技は長い身体で巻き付いて締め上げる「バインディング・ブリーカー」。

ラドン

別名:空の大怪獣
身長:100メートル
体重:3万トン
スーツアクトレス:神尾直子

ゴジラVSメカゴジラ』以来の登場。月をバックに咆哮は間違いなく名場面。
国連事務総長の乗機を襲い、ニューヨークを襲ってランブリングと戦う。
その後、アンギラス、キングシーサーと共に富士の裾野でゴジラに闘いを挑むが敗れる。
かつて共に戦った間柄なためか、トドメは刺されなかった(脚本上はあったがカット)。
使用技は飛行時に発生する衝撃波で相手を粉砕する「超音速衝撃粉砕波(ソニックブーム)」。

アンギラス

別名:暴竜
体高:90メートル(直立時)
体重:6万トン
スーツアクター:おぐらとしひろ

ゴジラ対メカゴジラ」以来の登場*2
上海に出現し火龍と戦う。
その後、ラドン、キングシーサーと共にゴジラに挑むも、サッカーボール扱いされた。アンギラスカワイソス。
かつてパシリ相棒であったためかトドメは刺されなかった。
使用技は丸まって相手に体当たりする「暴龍怪球烈弾<アンギラスボール>」。

キングシーサー

別名:伝説怪獣
身長:100メートル
体重:5万トン
スーツアクター:中川素州

『ゴジラ対メカゴジラ』に登場した沖縄の守り神だが、今作は操られて逆に沖縄を蹂躙させられる*3。X星人マジ鬼畜。
威嚇の際に上に開く耳が少しチャーミング。
ちなみに北村監督がリアルタイムで見たゴジラ映画ということもあり、監督のお気に入り怪獣だとか。
富士の裾野でゴジラの旧友3バカの一角として戦うも、ノックアウト。トドメは刺されなかった。
使用技は突撃技「タックルブレイク」、身軽さを生かした「フライング・シーサーアタック」。

●ジラ

別名:強足怪獣
身長:90メートル
体重:不明

イグアナに似た巨大怪獣でシドニーを襲う。
生態、動作が97年にニューヨークを襲った怪獣と似ているが、真偽は不明。みんなもうわかるよね。
ゴジラと戦うが……


結局、偽物はオリジナルの足下にも及ばないという事実を見せる為のかませ犬の扱いを受けただけでなく「やっぱりマグロを食ってるようなのはダメだな」とディスられる羽目に。なんなら名前すら呼ばれてない。因みにかの初代ゴジラは小説版でマグロを食った事がある*4のだが…。
名前の由来は、「GODZILLA」から「GOD(神)」を抜いたことから。
使用技は飛びかかり蹴りを入れる「ハイジャンプキック」。
また設定のみだが「強酸を含んだ火炎」を吐けるとのこと*5
ジラに関する一連の描写は今なおネタにされている一方で、露骨なかませ犬としての扱いや、ある種のヘイト創作的な描写に対しての批判的な意見も少なくない。
もっとも、この後登場するクモンガやカマキラス、ヘドラ、エビラなどの怪獣群もゴジラに軒並み瞬殺されている中で、あのゴジラの熱線を避ける描写があるだけでも扱いがマシという意見もある。
それでも瞬殺が有名なのは映像ソフトのチャプター名や予告編の時点で既にそれが明かされていた等も大きいのだろう……。

アメコミ『ルーラーズ・オブ・ジアース』や小説『怪獣黙示録』でも「ジラ」として登場する。
扱いとして、本家には劣るが強豪であることは間違いないという形でフォローされるようになりつつある。

グッズなども長らく冷遇されており、放送当時は食玩でフィギュアが出たのみだったが、放送から20年後の2024年にソフビが限定販売された。


クモンガ

別名:大蜘蛛怪獣
体長:60メートル
体重:3万トン

『怪獣総進撃』以来の登場*6
アリゾナを襲った後、ニューギニア密林でゴジラの前に立ちふさがる。
糸を網のように広げて投げつける新技を披露するも、あっさりゴジラにぶん投げられてそのまま虚空の彼方に消える事になる。
総進撃で味方だったためか、とどめは描写されていない。
使用技は相手を口から発射したネット状の糸で絡め捕る「強縛デスクロス・ネット」。だから糸は尻から出せって。
こちらも設定のみだが「毒針」を使用できるとのこと。
モスラと違い、クモンガの足の操演はあまり良くない。

カマキラス

別名:両刀怪獣
体長:90メートル
体重:2万トン

ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』以来の登場。
当初の予定ではアンギラスボール関連での描写があったため、手は両方鎌スタイル*7
パリでエクレールと戦った後、日本に上陸しようとするゴジラを迎え撃つ。
……が、弾き飛ばされた挙句折れ曲がった高圧鉄塔に突き刺さり、そのまま死亡。
使用技は両腕の鎌で相手を切り裂く「ハーケンクラッシュ」。

エビラ

別名:大えび怪獣
体長:100メートル
体重:5万トン
スーツアクター:おぐらとしひろ

ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』以来の登場。
コンビナートでミュータント部隊と激闘を繰り広げる。
その後、東京湾でゴジラを待ち受けるが……、
使用技ははさみ攻撃の「クライシスシザース」。

ヘドラ

別名:公害怪獣
身長:120メートル
体重:7万トン
スーツアクター:吉田和宏

ご存知、みんなのトラウマ。
東京湾にてエビラと共にゴジラを迎え撃った(らしい)。
……が、ゴジラの熱線で地上に放り投げられ、ビルに激突して動けなくなっていたところに、続けて飛んできたエビラのハサミがぶっ刺さり、まとめて熱線で焼き尽くされた。
以上で出番終了。劇中での登場時間は約20秒くらいしかない。
公害が少なくなった影響だと信じたい……。
監督曰く元々はお台場に登場させ、『踊る大捜査線』のパロディシーンを撮る予定だったが、却下されたとか。
使用技は強力な酸で相手を溶かす「硫酸ミスト」。また、劇中未使用だが「赤色溶解熱線」なる技を持つ。
流石に本編での出番が少なすぎることをかわいそうに思ったスタッフの配慮により、エンドロールの映像では、硫酸ミストで街を破壊するシーンが挿入された*8

ミニラ

別名:ちびっ子怪獣
身長:1.6~20メートル
体重:200キロ~5千トン
スーツアクトレス:神尾直子

『オール怪獣大進撃』以来の登場。
富士山中に現れたゴジラの子供。
当初は人間大の大きさだが、日本に到着したゴジラに呼応するかのように巨大化する。
バトルシーンはないが、ラストでは重要な役割を演じる。
使用技は「リング熱線」、「放射熱線」。

ガイガン

別名:サイボーグ怪獣
身長:120メートル
体重:6万トン
スーツアクター:吉田和宏

ゴジラ対メガロ』以来の登場。
X星人の操るサイボーグ怪獣で、12000年前に地球を襲いモスラを破った後、オホーツク海で長い眠りについていたところを発掘された。
統制官のえらく芝居がかった命令で再起動し、ゴジラを襲う。
再起動時は両手がお馴染みのカギ爪「ブラッディ・トリガー」だが、再戦時は二連チェーンソーの「ブラッディ・チェーンソー」に換装している。
統制官と同じくカッコつけたがり。
使用技は上述のもののほかに胸部のカッター「ブラデッド・カッター」、眼部から放つ「拡散光線ギガリューム・クラスター」、
胸部から放つ飛び道具「ブラデッド・スライサー」等、非常に多彩な技を使用する。

モンスターX

別名:宇宙隕石怪獣
身長:120メートル
体重:6万トン
スーツアクター:中川素州

X星人が対ゴジラ用に呼び寄せた宇宙怪獣。宇宙の果てから妖星ゴラスに乗ってやってきた。
三つの骸骨をまといつかせたような二本脚の怪獣で、引力光線デストロイド・サンダーを使う。
こちらも東京に巨大なクレーターができる衝撃が直撃してもぴんぴんしている恐ろしい耐久力の持ち主。
全身が骸骨の恐竜のフォルムなどモチーフは『ウルトラマン』のシーボーズ
ガイガンとタッグを組んでゴジラを追い詰めるも、モスラの乱入で同時にぶっ飛ばされ、そのままガイガンがモスラ、こちらがゴジラと戦う。

ちなみに、過去作でゴジラと共闘した経験のある怪獣は、ゴジラに止めを刺されずに済むという優遇を得ている。
しかしマンダはゴジラの味方をしたが人間に倒されている

オープニングには過去出現した怪獣としてバランバラゴンガイラゲゾラチタノザウルスメガギラスが登場している。


【登場兵器】


・海底軍艦 新・轟天号
全長/150メートル
全高/45メートル
全幅/25メートル
重量/1万トン 
武装:冷凍メーサー砲、ドリルスパイラルメーサー、小型プラズマメーサー砲、プロトンミサイル、G粒子メーサー(Gメーサー)

南極でゴジラを倒した轟天号を近未来的に改修したもの。
轟天号と同じく船首のドリルが特徴。
艦載機ドッグファイターも搭載している。

・海底軍艦 轟天号
全長/150メートル
全高/38メートル
重量/1万トン
武装:轟天砲(主砲副砲計11門)、三連機銃(左右計18基)、上部甲板ミサイル砲、絶対零度冷戦砲。

設立されたばかりの地球防衛軍が最新テクノロジーを結集して建造した万能戦艦。 
冒頭ではゴジラを撃退すべく、メーサー車部隊や戦闘機部隊と共に総力決戦に挑んだ。

熱線により墜落するも、偶然発生した地震により、ゴジラが地割れに落下。
艦長の機転で氷山をミサイルにより爆破し、ゴジラを氷塊と雪崩で埋め尽くすことに成功した。
『海底軍艦』に登場した轟天号に似ている機体だが、若干細部が異なる。

・空中戦艦 火龍
・空中戦艦 ランブリング
・空中戦艦 エクレール
通常武装(各艦共通):20式対怪獣プロトンミサイル<MA-PM020>、小型プラズマメーサービーム砲

かませ。空中戦艦は艦首武器ユニットの選択が可能となっており、
火龍はブレードメーサー<龍剣光電子砲>、ランブリングは<マグナムメーサーキャノン>、エクレールは<メーサー大鉄球>を装備している。
また、設定画では艦載機の発進ギミックも用意されていた。

・メーサーライフル
ミュータント兵に支給されている対怪獣用武器。
威力は中々のもので、劇中では尾崎と風間の一斉射撃で、エビラの右腕を吹き飛ばした。
メーサーで攻撃を仕掛ける兵士のバックアップ用のロケットランチャーもある。

・EDF主力戦車
地球防衛軍の主力戦車。
冒頭ではメーサー殺獣光線車と共に出動したが、メーサー車共々破壊された残骸だけであった。
東海コンビナートを襲撃したエビラに砲撃を加えるが、こちらも甚大な被害を受け、全滅した。

90式メーサー殺獣光線車
地球防衛軍のメーサー殺獣光線車。
対怪獣戦の主戦力で、南極でEDF戦車と共にゴジラ攻撃に参加したと思われるが破壊された残骸のみが登場した。

・X星人母船
大きな球体をした母船。
下部の3つの爪のパーツは分離して小型のUFOとなる。


【登場人物】


・尾崎真一
演:松岡昌宏(TOKIO

「自分がどんな存在かは、自分で決めることが出来る。俺達は家畜じゃない。人間だ…!」

地球防衛軍のミュータント兵で、轟天号では砲撃手を担当。クールぶっているが、甘さを捨てきれない男。
ちなみに劇中では「ゴジラ」と一言も発していない。
終盤、地球人とX星人のハーフの中でも最強の力を持つ『カイザー』であることが明かされ、統制官と激闘を繰り広げる。

ちなみに松岡氏が選ばれたのは富山プロデューサーの希望で、『劇団☆新幹線』での殺陣を見込んでの推薦だった*9
本人いわく「またゴジラが復活した時には僕がやります。もし、東宝が作らないなら僕が作ります(笑)」とのこと。

・音無美雪
演:菊川怜

「私をどうする気?X星人さん」

発掘されたガイガンの調査に派遣された生物学者。
小美人から受け取った短剣型のペンダントで、カイザーの力により暴走する尾崎を正気に戻した。
こちらは監督の希望で演者が選ばれている。

・ダグラス・ゴードン
演:ドン・フライ / 吹替:玄田哲章

「これは誇りの問題だ。隠れて死ぬか、戦って死ぬか」

轟天号の艦長で大佐。そして、漢。
自信満々の態度で強引な作戦をするため組織でははみ出し者扱いされている。そのため営倉送りにされていたのでX星人に入れ替わられなかった。
劇中では日本刀と肉弾戦でX星人を二体ずつ葬っている。
その内の1体が女性に扮していたため「女を殴るの?」と問われるも、構わず平手打ちでノックアウトした。

演じたドン・フライはアメリカ出身の総合格闘家・プロレスラー。ちなみに幼少期は父親が空軍軍人だった関係で沖縄など基地がある各地を転々としており、その頃からゴジラシリーズに親しんだという*10
北村監督曰く当初はジャン・レノ、ドン・ジョンソン、クリストファー・ランバート、千葉真一、マーク・コールマン*11などが候補に挙がっていたが、最終的に芝居よりもドン・フライ自身の生き様やオーラに注目してオファーしたとのこと。*12

・風間勝範
演:ケイン・コスギ

「悪いな、エビは嫌いなんだ…!」

尾崎と同じミュータント兵。
敵を倒すことを優先させる性格で、自分に匹敵する力を持ちながら甘ちゃんの尾崎をライバル視している。
しかし、最期は……。
ニンジャブラックにもウルトラマンパワードにも仮面ライダーにも変身しないし、ミイデラゴミムシの能力を使ったりもしない。

・醍醐直太朗
演:宝田明

「これでも昔は、『百発百中』と呼ばれた男だ!」*13

日本人初の国連事務総長。
飛行機で移動中に消息を絶つが、X星人と共に現れ、宇宙連合の時代を提唱する。
しかし…?
初代『ゴジラ』で主人公の尾形を演じて以来、ゴジラ映画5作に出演した宝田明氏の最後の出演作となった*14

・波川玲子
演:水野久美

「何てこと…」

地球防衛軍司令官。
冷静沈着な女司令官として指揮をとる。
水野久美氏は『怪獣大戦争』でX星人の女性・波川を演じており、役名もそれに由来している。

・神宮寺八郎
演:佐原健二

「機械と生物の融合体…、『サイボーグ怪獣』とでも呼べばいいのか…」

防衛博物館の主任で古代生物学を専門とする学者。
ガイガンの研究をする中、ゴラスの存在に疑問を投げかける。
演じたのはゴジラシリーズ最多出演俳優である佐原健二氏。役名は田中友幸プロデューサーのペンネームに由来。

・音無杏奈
演:水野真紀

「おかえりなさい…」

美雪の姉で日東テレビの人気キャスター。
醍醐事務総長に疑問を持ち、調査する。
ゴードンとは親密な関係になっていき、ラストまで彼の帰りを待ち続けていた。

・小室
演:國村隼

「ゴジラを…、蘇らせるんですか?」

新・轟天号の副艦長を務める地球防衛軍少佐。
冷静沈着な参謀役で、ゴードンの無謀な計画にも理解を示す人格者。
国連ビルから脱出した尾崎たちをバンで迎えに行くなど有能。
國村隼氏は後に『シン・ゴジラ』にも出演することに。

・熊坂
演:船木誠勝

「地球を頼んだぞ…、大佐!」

ミュータント兵相手に教鞭を振るう鬼教官。階級は不明。
国連ビルにて統制官に操られたミュータント兵の軍勢に単身立ち向かうも力尽きて倒れ、発進する新・轟天号を見上げながら高らかに笑い続けていた。その後の消息は不明*15
実は劇中で1度も名前を呼ばれていない。

・田口左門

「ゴジラよぉ、もういいだろ!許してやれよ!」

演:泉谷しげる
漁師。
富士山麓でミニラを発見し、軽トラでゴジラの元へと連れていく。
ゴジラが人間に対して怒る理由を知っている。

・田口健太
演:須賀健太

「おじいちゃん、撃っちゃだめだ!こいつ、怖がってるよ」

左門の孫。左門に撃たれそうになっていたミニラを庇い、軽トラでゴジラの元へと連れていく。
ラストではミニラと共に重要な役割を演じる。
子役だった須賀氏は後に『仮面ライダー×仮面ライダー ウィザード&フォーゼ MOVIE大戦アルティメイタム』にてイナズマンを演じている。

・グレン
演:レイ・セフォー / 吹替:仮屋昌伸

「もういいから、ここで平和に暮らそうぜ」


・ニック
演:ゲーリー・グッドリッジ / 吹替:三宅健太

「ゴジラを起こしにだよ!」

ゴジラが封印されているエリアGのクレバスを覆うドームを監視する私服の兵士たち。
ゴードンからの要請でドームを解除し、轟天号によって復活したゴジラの吐いた熱線で観測所ごと焼き尽くされてしまった。*16
演じた2人は格闘家として活躍していた(現在は現役を引退)。
役名はそれぞれ『怪獣大戦争』の登場人物グレンと、彼を演じたニック・アダムスに由来する。

・小美人
演:長澤まさみ、大塚ちひろ

「「あなたたちが、地球の敵にならない限り、モスラはあなたたちの味方です」」

インファント島の巫女。
古代怪獣のミイラがガイガンであることを尾崎、美雪、神宮寺に教える。
尾崎に『自分』を大切にするよう唱え、彼に短剣型のペンダントを託す。
配役は前作から続投しているが、世界観が異なるため別人設定となっている。

・X星人参謀/統制官
演:北村一輝

「よろしく、地球のみなさん。君たちは…、家畜だ」

X星人の若き幹部。
力に信頼を持つが、性格はやや幼稚。
事実が露呈した時に司令官を射殺して実権を掌握し、地球を壊滅寸前まで追い込む。
その強烈な怪演が印象に残る。
彼の部下達を演じた役者の中には『仮面ライダーカブト』の乃木怜治/カッシスワームや『キングダム』(実写映画版)の左慈で知られる坂口拓氏*17や、
後に『クイズ!ヘキサゴンII』でブレイクを果たす上地雄輔氏がいる。

・X星人司令官
演:伊武雅刀

「力に頼る者は、いずれそれより強い力によって滅ぼされることになる」

X星人の代表。
友好的で温厚な態度だが……、
中の人は『ゴジラ×メガギラス』以来の出演。北村監督とは『あずみ』からの縁でもある。デスラー総統でもウルトラマンジョーニアスでもない。

その他、
  • 旧轟天号艦長:中尾彬
  • 旧轟天号副艦長:上田耕一
  • 事務総長秘書官:橋爪淳
  • 火龍艦長:高杉亘
  • 神父姿の男:佐野史郎
  • テレビを見ている男:谷原章介
  • ナレーション:山寺宏一

など過去のゴジラ映画出演者が出演している。
また、北村監督もラジオDJ役でカメオ出演している。

【余談】

バンクーバーのシーンで怪獣のおもちゃで遊んでいる少年が「死ね!死ね、のろまな亀め!」といって亀の怪獣の人形を暖炉に投げ入れるシーンがある。




美雪「……終わったのね」

尾崎「いや……始まったんだ。新しい戦いが」




追記・修正は、地球人とX星人のハーフである「カイザー」の方のみお願いします。

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最終更新:2025年07月10日 22:34

*1 クランクアップ直後に最初に編集したバージョンは3時間に及ぶ大作だったが、流石に長すぎるということで55分ほど短縮された。その結果多くのシーンが没になったという。

*2ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃』及び『東京SOS』に登場案があったが没に。

*3 未使用シーンに地元住民が「どうされたんじゃシーサー様!?」と驚くというカットがある。

*4 そもそもむしろ実際の『GODZILLA』本編ではトラゴジはマグロは食べていない。というか食べなかったことがストーリーの肝だったりする。

*5 一瞬であるが、本編にてそれらしき火炎が人を焼くシーンがある。

*6地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』にも一応ライブフィルムで登場していた。

*7 デザインを担当した西川伸司氏は、「単体での登場なら片方が槍でも良かった」と語っている

*8 わざわざエンドロール用に撮影したものらしい。

*9 ホビージャパン『ゴジラ FINAL WARS コンプリーション』P87より

*10 好きな作品は『モスラ対ゴジラ』『怪獣大戦争』『ゴジラ対メカゴジラ』とのこと。

*11 ドン・フライ氏とも2回格闘経験のある総合格闘家。

*12 ホビージャパン『ゴジラ FINAL WARS コンプリーション』P65より

*13 宝田氏の出演作の一つ『百発百中』が元ネタ。

*14 公開後の2022年に死去。また、『GODZILLA ゴジラ』にも出演していたが、登場シーンはカットされた。

*15 北村監督によると、死んだわけではなく気絶しているだけらしい。

*16 脚本上は屋根だけが燃え上がり、2人はなんとか生き延びていたという下りがあったが、映像ではカットされた。

*17 アクション協力としてもクレジットされている。