マンダ(東宝怪獣)

登録日:2024/08/26 (月曜日) 19:45:00
更新日:2025/01/02 Thu 13:29:10
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海中攻撃が得意わざ!


【概要】

東宝特撮映画に登場する怪獣の一体。
海中に住む東洋龍のような怪獣で、体の長さは東宝怪獣の中でもトップクラス。
別名は「怪龍」「守護竜」等。

元々はウミヘビの怪獣として考案されたが、初登場作品の『海底軍艦』の公開年が辰年だったことで龍の怪獣に変更された。
体色は緑で、頭部に4つの角状の突起がある他、龍らしくヒゲも生えている。
小さいながらも両手足もちゃんとある。

海中での動きはかなり機敏で、水圧にもビクともしない強靭な体と不死身の生命力を持つ。
弱点は極低温で、凍らされてしまうと生命力を発揮できず活動不能に陥ってしまう。
また、陸上での活動も可能だが、陸に上がれる程度のことでしかなく非常にゆっくりとしか動けない。

名前の由来は、元々がウミヘビだったことから「マンモススネーク」→「マンモス(スネーク)」→「マン()」となったらしい。

【歴代の活躍】

海底軍艦

全長:150メートル
胴回り:10メートル
体重:3万トン

初登場作品。
ムウ帝国の守護神的な怪獣で、ムウ帝国に接近してきた轟天号を迎え撃つ。
轟天号に長い体を活かして巻き付いて攻撃するが高圧電流を船体に流されて振り払われてしまう。
そのまま轟天号のドリルの先端から発射される冷線砲を受けて氷漬けにされ、海底に磔になってしまった。


怪獣総進撃

大きさ・重さは初代と同じ。

怪獣ランドで暮らしていたがキラアク星人に操られて人類を攻撃する。
東京に上陸し、モノレールのレールを巻き付いて破壊していた。
このシーンは地味ながら高い操演技術の賜物である。
なおヒゲと角がなくなっているので原案のウミヘビっぽくなり、どうにも威厳が無くなってしまった。
富士の裾野での決戦は……どうにもなりませんでした。一応スチール写真などでは参加している。

東京のシーンでは、ゴジラとマンダが絡み合う場面も撮影されていたが未使用となり、1986年に発売されたビデオ『東宝特撮未使用フィルム大全集』で初公開された。

ゴジラ FINAL WARS

全長:300メートル
体重:6万トン

冒頭で新・轟天号と対決。
全体的なシルエットは変わらない(というかイジリ様がない)が、細かい部分は変わっている。
背中には等間隔にトゲのようなものが生え、身体の両サイドにヒレ状の突起が生えた。
また、顔からヒゲがなくなったが、代わりに両手足の付け根からヒゲ状の帯が生えている。
なお、エフェクトの関係で黄金色に見えるが、実際の体色はやっぱり緑のようである。

新・轟天号に巻き付いて苦しめたが、ゴードン大佐の捨て身の海底火山脈への突入で振り払われてしまう。
それでもなおも新・轟天号に迫るが、冷凍メーサーを浴びてカチコチにされたところをドリルの突撃で粉砕されてしまった。
本作ではX星人と関係のない数少ない怪獣の一体であり、また、ゴジラと戦っていない。
そのため、「かつてゴジラの味方だったことがある怪獣にはトドメを刺さない」という法則の例外となってしまった。まあ怪獣総進撃でゴジラの味方として登場したかというと微妙なところであるが

ちなみに「バインディング・ブリーカー」という大層な名前の技を持つが、ただの締め付けである


怪獣黙示録

全長:約150メートル

アニメ三部作の前日譚において、ドーバー海峡を縄張りにしていた怪獣。
当時確認されていた怪獣達の中では最大の長さを誇っており、さらにソナー器官を応用した「超音波砲」で人類側の手を焼かせていた。

後にビルサルドと人類の合同によって建造された「轟天型潜水艦」と対決し、その轟天型から発進した「特殊潜航艇『薩摩』」の液体窒素入り掘削弾によって凍結討伐された。


ゴジラ S.P<シンギュラポイント>

全長:210メートル

特異点の副産物「紅塵」から発生した「ありえない生き物」(怪獣)として登場。
作中での名前は「マンモス級の蛇」が由来。

シルエットこそは従来とほぼ一緒であるが、前脚がエビを思わせたり身体が甲殻類のような甲殻に覆われていたりと、かなりグロテスクな見た目となっている。

海の中から先述の紅塵を拡散させる役割となっており、あらゆる海域に出現しては紅塵をばら撒く行為を行っていた。
一方でゴジラ・アクアティリスに捕食されたり、そのアクアティリスが進化したウルティマの熱線に一蹴されたりと、かませ犬的な面も見受けられる。


◆その他

ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』では一郎の見た夢のシーンで顔見せ程度で過去作からの映像で二代目が登場。

何も知らない大勢の人たちの命を奪う…キングギドララドンやマンダのような……!

メカゴジラの逆襲』では真船桂が多くの人々の命を奪う怪獣を回想するシーンで過去作からの映像で二代目が登場。
他がラドンとキングギドラなので場違い感があるが、直近の作品でそれなりに長い都市破壊シーンのある面子でそろえたのでは?という説がある。
怪獣総進撃』が『メカゴジラの逆襲』より未来の出来事であるという書籍設定とは矛盾が生じているが。


アメリカのモンスターヴァースシリーズでは、マンダ自身の登場は無いが海竜型の怪獣の系譜であるティアマットが登場している。
海中を機敏に泳ぐ姿はマンダを彷彿とさせ、アメコミでのエピソードではゴジラも手こずらせるほど狂暴で強力なタイタン(怪獣)。
映像作品では『ゴジラxコング 新たなる帝国』で登場。
住処で休眠していたところをゴジラに強襲されて反撃に出て、ゴジラに巻き付きヒレで顔を覆って攻撃する。
しかしこの時のゴジラは大量の核燃料を吸収したエナジャイズド形態にパワーアップしていた上に、さらなるパワーアップを求めて気が立っていたので情け容赦なく熱線でブツ切りにされて殺されてしまった。
ティアマットの名誉のために言っておけば、ティアマットが弱かったのではなく、ゴジラがパワーアップにパワーアップを重ねて強すぎたのが悪い。


【余談】

昭和、平成、令和と股にかけて登場している怪獣だが、ゴジラとはアニメのSPでしか対決していない。
やはり水中主体の怪獣なので、ゴジラとうまく絡ませられないし操演の関係上撮影が大変になったからだろう。
CGの発展でその点が解消された現在では可能であろうが、いざ戦ったらどうなるかはティアマットが見事に証明してしまったのが痛いところ。

ちなみにマンダの撮影モデル大小あるが、どちらもその後円谷に貸し出されて、大きい方は『ウルトラQ』第6話「育てよ!カメ」に登場した怪竜に、小さい方は第12話「鳥を見た」に登場する10世紀の船の装飾品に使用された。
この怪竜には当初別名がなかったが、後に「万蛇怪獣」と付けられている。

そこそこ出番が多く有名な方の怪獣ではあるが、その体形故かソフビ人形「ムービーモンスターシリーズ」の系譜ではあまり商品化されず、初代や2代目は未だ発売に至っていない。
ゴジラS.P版は放送中に商品化され、FINAL WARS版は公開から19年も経った2023年に発売されている。
さすがに細長い体形を完全再現することはできず、ややデフォルメされて太目の印象を受けるものになっているが、それでもかなりの長さ。

大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』ではナースがスペースペンドラゴンに巻き付くシーンがあり、これはマンダが轟天号に巻き付くシーンをオマージュしているといわれている。


マンガ『NARUTO‐ナルト‐』には口寄せの術で使役される動物の一体として、大ウワバミの「マンダ」が登場している。
手足こそないが頭に4つの角状の突起を備えているなど、怪獣マンダをモチーフにしている可能性が高い。


追記・修正したらマンダの生贄にせよ!

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最終更新:2025年01月02日 13:29