ヴェスパー(ACVI)

登録日:2024/05/27 Mon 20:58:05
更新日:2025/03/28 Fri 17:01:31
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ヴェスパーとは、ゲームARMORED CORE VI FIRES OF RUBICONに登場する架空の組織である。

以下、作中のストーリー等についてのネタバレも含みますのでこれから当該作品をプレーしようと考えている方、ネタバレを回避したい方は閲覧しないことを推奨します。


◎目次




◎概要

開発惑星ルビコン3における星外企業勢力のひとつ「アーキバス」の保有する強化人間部隊。
文字通り構成員は強化人間で占められており、その実力はルビコン解放戦線の兵士から「ヴェスパー上位が相手では敵うわけがない」といった声が聞かれるほどであり、敵対する勢力から大きな脅威と認識されている。*1
また単なる専属AC部隊の域に留まらず各隊長がACパイロットでありながら輜重・会計・捕虜の取り扱い・渉外といった別の職務を兼任している例が散見され、特にV.IIスネイルは作戦立案・指揮を担うなどルビコンⅢ上に展開するアーキバス軍の事実上の司令官の役目を果たしていると考えられる。



◎構成員

文字通りほぼ全員が強化人間手術を受けている。所属隊員にはナンバーが振られており、このナンバーが部隊内での序列を示す。またコールサインのVは「ヴェスパー」と読む。*2
エンブレムは共通のギターピックのような逆三角形の中に、人体の部位などが描かれたやや不気味な意匠を描いたものが大半である。
作中では「ヴェスパーの番号付き」という言い回しも出てくるが、番号なしの隊員が居るかははっきりしていない。
TRPG版の設定*3ではメンバーはACパイロット以外にもアーキバス社内で別の役職を持っているとのこと。
このため、(あくまでTRPG版においては)フロイトやラスティ、メーテルリンクも何らかの役職についている模様。役職持ちのフロイトやラスティとか全く想像もつかないが

V.I フロイト

お前がレイヴンか…
ウォルターの猟犬とやるのは初めてだ、退屈させてくれるなよ

CV:沖野晃司
AC// ロックスミス
アーキバスグループ強化人間部隊「ヴェスパー」の首席隊長

フロイトはアイランド・フォーの動乱において
作戦成功率94.7%を記録した稀代のエースパイロットであり
「スネイル同様の調整を重ねているに違いない」と
周囲から見なされている

しかし実際のフロイトはACを駆る事を愉しみ
日々の小さな上達を積み上げ続けた ただの人間である

ヴェスパー首席隊長。エンブレムは「掲げられた腕」。「鍵師」(ロックスミス)なだけあってかその手のひらには一つの鍵が。
アリーナランク1位のトップランカーであり、「文句無しに企業陣営最強」と称されるヴェスパーのエース。
アイランド・フォーの動乱では94.7%という凄まじい作戦成功率を叩き出した。
他と比較にならない戦闘能力から調整を重ねた強化人間と見られているが、アリーナのデータでは努力を重ねACを駆ることを愉しむ「ただの人間」と記述されている。
機体構成を含む詳細は個別項目へ。


V.II スネイル

解放戦線の粗大ゴミを片付けた程度で何を勘違いしたのやら
駄犬の飼い主ごときが厚かましいにも程がある

CV:手塚ヒロミチ
AC// オープンフェイス
アーキバスグループ強化人間部隊「ヴェスパー」の次席隊長

スネイルは第8世代手術を受けて強化人間となった後
新しい術式が普及する度にその長所を取り入れるべく
再手術を繰り返している

彼が受ける「調整」の安全性を保証するため
多くの強化人間が死んでいった

企業。ヴェスパー次席隊長。現場の作戦立案や指揮、ヴェスパー全体の管理を担当。エンブレムは「幾層にも連なる割れた顔」。
度重なる再手術を受けた第8世代強化人間であり、首席隊長たるフロイトが一兵士として戦場に赴くし戦闘狂すぎるため、実質的なリーダーポジションに居る。
非常にプライドが高く、独立傭兵を「駄犬」、ルビコニアンを「猿」呼ばわりと不遜な態度を隠さない。
そのため同じヴェスパー部隊員からも若干呆れられている模様。
とはいえ乗機のフレームは純アーキバス、武器・内装もアーキバスや関連企業のパーツで固められており、競合他社のベイラムパーツを平然と組み込むフロイトやアーキバス本社製パーツを使わないラスティあたりに比べると企業に対する忠誠心は見て取れる。
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V.III オキーフ

味気ないレーションを食い、泥水のようなフィーカをすする
うんざりするが…それこそが人間だ

CV:山田浩貴
AC// バレンフラワー
アーキバスグループ強化人間部隊「ヴェスパー」の第3隊長

オキーフは厳密には旧世代型強化人間であり
アイランド・フォーの動乱における諜報活動を担った
エージェントの一人だった

その後アーキバス情報部門に招聘された彼は
脳内コーラルの焼き付きを中和するという
第9世代手術の提供を条件に承諾したという

ヴェスパー第3隊長。徒花(バレンフラワー)という機体名通りエンブレムは「花」だが、ヴェスパー特有の人体モチーフとして「眼球」を中心にあしらっている。
第2世代強化人間だが、ヴェスパーに招聘された際に第9世代相当の再手術を受けている。
アイランド・フォーの動乱ではエージェントとして活躍し、その経歴から現在も特殊諜報局員としても活動。
気怠げな人物だが、アリーナ12位という中々の実力を持つ。
ヴェスパーの所属機体のほとんどは青〜紫系の機体色で統一されている中、唯一緑のカラーリングの機体を駆っているが…?
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V.IV ラスティ

これも巡り合わせだ、共に壁越えといこうじゃないか

CV:加瀬康之
AC// スティールヘイズ
アーキバスグループ強化人間部隊「ヴェスパー」の第4隊長

ラスティはグループ傘下であるシュナイダー社の
人材公募プログラムで見出され 半年に満たない短期で
ヴェスパー上位に抜擢された類を見ない経緯の持ち主である

彼は入隊以前に強化手術を受けており 詳細は不明だが
本人の申告によると第8世代であるという

アーキバスの強化人間部隊「ヴェスパー」第4隊長。シュナイダーの人材募集プログラムを経由して入隊。
エンブレムは「マズルガードを嵌められた狼」という些か異色なもの。
シリーズ作品における重要な強者の証明ともいえる「”霧”の名*4を持つ機体」「アリーナランク9番」に恥じず、僅か半年でヴェスパー上位に上り詰めた若手のホープ。本人の申告では第8世代の強化人間とのこと。
壁越えで共闘した621を「戦友」と呼び、その実力を高く評価。上層部が独立傭兵を使い捨てる事を警告し、任務を斡旋したり時に肩を並べて戦うイケメン。
ある任務では、約束通り621の助太刀に駆けつけ、崖上の敵機を見上げて対峙するシーンは本作屈指の名場面として名高い。
その余りにもかっこいい人となりは、今日もプレイヤーの女の子な部分をときめかせている
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V.V ホーキンス

どうやら敵さんらしいねペイター君、迎撃始め

CV:飛田展男
AC// リコンフィグ
アーキバスグループ強化人間部隊 ヴェスパーの第5隊長

ホーキンスはスウィンバーンと同じく第7世代であり
技術革新に至る過程で多くの同僚や部下を失ってきた

しかしそれでも コーラル技術世代で見られた非人道性や
狭間の世代で起きた凄惨な事故を思えば
何倍もまともな時代になったと彼は自身を納得させている

ヴェスパー第5隊長。エンブレムは「ウィトルウィウス的人体図」*5
ブリーフィングでは輜重担当とされており、アーキバス部隊の補給活動の責任者と思われる。
温和で人当たりも良く、ヴェスパー隊長の中では仲間想いな面が見受けられるが、いざ戦闘となると第7世代の強化人間らしく鋭さを見せる歴戦の兵士でもある。
第7世代は「コーラルを使わない強化技術」が考案された過渡期にあたり、技術革新までの間に多くの仲間達の死を見続けてきた苦労人だが、
その彼でさえ「今も良いとは言えないが、犠牲者の多かった自分の世代やそれ以前に比べればよほどマシ」と考えていることが、第7世代以前の扱いの酷さを示している。
機体構成を含む詳細は個別項目


V.VI メーテルリンク

スネイル第二隊長閣下に報告
例のカラスが現れました、増援をお願いします

CV:Lynn
AC// インフェクション
アーキバスグループ強化人間部隊 ヴェスパーの第6隊長

第8世代であるメーテルリンクは
旧世代型強化人間を完全に無価値化したと評される
「ニューエイジ」 のひとりである

彼女は社命に対しても忠実であり
慎重な性格も手伝って安定した戦績を残しつづけている

ヴェスパー第6隊長。エンブレムは「機械仕掛けの蚊」。
出番は少ないものの、ゲーム中の解説文通り真面目で社命と任務に忠実な人物という印象。
アリーナランクは25位とヴェスパー隊長たちの中では最も低いが、登場する敵ACの中でも屈指の高機動を生かして上を取りつつパルスガンによるラッシュとプラズマキャノンによる痛打を叩き込んでくるアリーナ序盤の強敵。
シリーズ恒例のランク詐欺の一人であり、こいつの一つ上にいるツィイーがあまりに弱くて愕然とした621も多い
機体構成を含む詳細は個別項目へ。


V.VII スウィンバーン

見えるぞ…
私の指導を経て優れた兵士になる貴様の姿が!

CV:越後屋コースケ
AC// ガイダンス

アーキバスグループ強化人間部隊 ヴェスパーの第7隊長

第7世代であるスウィンバーンはコーラル代替技術による
強化実験を受けた初めての世代だった

結果として彼は後遺症なくパイロット適性を得たが
成否の見えない手術に対する恐怖はやがて彼の精神を支配し
猜疑心に満ちた矮小な人格が完成した

ヴェスパー第7隊長。エンブレムは「ロボトミー手術の図解」*6
会計責任者を兼任し、組織の資金を動かせる立場。
ヴェスパーのネタ枠担当と言わんばかりの小物ぶりで、登場ミッションには数々の小ネタが仕込まれている。おあーっ!!
いわゆるパッチの後継者。ただしソウルシリーズでは無くACfAの。スウィンバーンは騙される側なので…
機体構成を含む詳細は個別項目へ。


V.VIII ペイター

依頼を発行した私としても喜ばしい限りです

CV:下川涼
AC// デュアルネイチャー

アーキバスグループ強化人間部隊「ヴェスパー」の第8隊長

第10世代であるペイターは現行最新の強化人間であり
コーラル代替技術の成熟によって極めて人格が安定している

彼が時折見せる無自覚な無遠慮や共感性の希薄さは
恐らく強化手術とは一切関係がなく
本人の生まれ持った性質と見なせるだろう

ヴェスパー第8隊長。エンブレムは「双子の胎児」。
第10世代にあたる最新の強化人間で、アリーナランクは16位。
アーキバスの傭兵起用担当として独立傭兵への仲介を担当し、V.Ⅴホーキンスの補佐官も兼務する。
いくつかのミッションのブリーフィングをしてくれるほか、ミッション後にメッセージを送ってくることもある。
ミッションにも登場し、その際の仲間との会話を見る限り生真面目で礼儀正しく、最新技術の恩恵かシリーズ作品の強化人間にありがちな精神面の不安定さは見受けられない。ラスティの声真似をしたりするので案外おふざけもできる模様。しかも上手いし。*7
しかしそんな彼が時折見せるとされる「無遠慮な態度」とは…?
機体構成を含む詳細は個別項目へ。



◎余談


  • 名前については、歴史上の文学方面の偉人や芸術家から取られているという説がある。
    対となるレッドガンが明らかに「世界各国の河川や湖沼」で統一されていることから、こちらも何かしら由来がある方が自然である。
    ただ、下記のリストにあるように、名前以外のところから結びつける形であったり単純にありふれた名前だったりと根拠がまちまちであるため、今のところ仮説の域は出ないだろう。
+ 対応すると思わしい人物
  • フロイト→ドイツの心理学者「ジークムント・フロイト」。
  • スネイル→スペインの芸術家「サルバドール・ダリ」。上記フロイトの友人であり、彼の脳をカタツムリ(Snail)と評しつつ作品のモチーフにも取り入れていた。
  • オキーフ→アメリカの画家「ジョージア・オキーフ」。彼女の作品には(Flower)をモチーフにしたものが多かった。
  • ラスティ→アメリカの画家「レオン・ケリー」。彼の作品の中には「Rusty, Number 617」と「Rusty, Number 619」というものがあり、前者は(Haze)を纏うのスケッチ画となっている。
  • ホーキンス→フランスの画家「ルイ・ヴェルデン・ホーキンス」。
  • メーテルリンク→ベルギーの作家「モーリス・メーテルリンク」。「青い鳥」で有名。
  • スウィンバーン→イギリスの作家「アルジャーノン・チャールズ・スウィンバーン」。この作家の名を由来とするネズミが登場し、主人公とそのネズミが代償と引き換えに身体機能の一部を強化する実験的手術によって脳改造を受ける「アルジャーノンに花束を」という小説がある。
  • ペイター→イギリスの作家「ウォルター・ホレイシオ・ペイター」。晩年には道徳をあえて無視し美しさを追求した「唯美主義」というものに傾倒していたらしい。

  • ヴェスパーとは「黄昏」や「宵の明星」を意味する言葉。部隊のエンブレムも海原へと沈む夕日を模したものとなっている。
    EN武器に縁深い企業だが決してビームライフルではない。
    ルビコンを開放するべく尽力していたとある人物は「夜明け」を意識したセリフや機体を使う為、それとは真逆の「夕暮れ」の名を冠するこの部隊はまさしくルビコンの敵とも言える存在なのだろう。
    なお、今作看板機体の「ナイトフォール」もほぼ同じ意味の言葉だが作中での接点は特にない。



追記修正は、強化手術を済ませた方にお願いします。

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  • 奇人変人集団
  • ヴェスバー←ではない
  • AC6
最終更新:2025年03月28日 17:01

*1 解放戦線の要塞「壁」を守る兵士の遺した情報ログであり、固く守られた要塞ですらヴェスパーが動くと無事では済まないという認識である模様

*2 英語版等ではそのまま「ブイ」と読まれている

*3 公式設定ではないので注意。

*4 3SLの傭兵フォグシャドウや4シリーズの霞スミカ(セレン・ヘイズ)など、今までは人名としての登場

*5 人間の体の部位の他に、銃の銃身やスコープ、何やら四角いパーツのような物がプラモデルのランナーのように繋ぎ合わされている。

*6 脳や神経の一部を切り取る手術。今でこそナニカサレルものにしか考えられないが1940年代〜1980年程までは精神病に対する画期的な治療法として積極的に行われていたというとんでもないシロモノ。

*7 CV担当の下川氏によればいきなり振られたアドリブでやったらしいが1発OKだった上にその場のスタッフは皆爆笑だったらしい。ちなみにラスティのCVを担当された加瀬康之氏が配信で「こんな台詞あったかな?」と勘違いしたくらい似ている