九魂の久遠

登録日:2024/06/08 (土) 01:55:40
更新日:2025/04/09 Wed 22:06:21
所要時間:約 30 分で読めます




死は希望に変わる。

概要

九魂(くこん)久遠(クオン)』(Umbraclaw)とは、インティ・クリエイツ開発の横スクロールアクションゲーム。
対応プラットフォームはNintendo SwitchPS4PS5、Xbox One、Xbox Series X|S、およびSteam
2024年5月30日発売。

切り絵タッチのグラフィックが特徴で、禍々しくも何処か美しい冥界の風景を印象的に描き出している。

主題歌は「一匹(キミ)と一人(私)の約束」。歌はツクモ役の夏吉ゆうこ。

システム

現世で死んだ黒猫「クオン」を操作し、現世へ戻るべく妖魔蠢く冥界を探索する黄泉がえりアクション。

冥界でもただの猫でしかないクオンは極めて非力で、初期状態では何の攻撃も出来ない上に、たった一発のダメージで死んでしまう。
しかし、「猫には九つの命がある」ということわざ*1の通り、クオンはたとえ死んでも9回までなら生き返る事が出来る。
さらにクオンは死ぬたびに、冥界を漂う他の動物の魂を取り込んで自らのスキルとする「アニマリヴァイヴ」という能力を持つ。つまり死ねば死ぬほど強くなるのだ。
敵やトラップごとに何のスキルが得られるかはある程度傾向があるものの、基本的にはランダムである。
なので、望みのスキルが手に入るまで死ぬ事も戦略の一つである。……「力欲しさに限りある命を捨てる」という行為が本当に正しい事かは別だが。

動物スキルとは別に、冥界各所で入手する希望の数値「ホープポイント」と三色の勾玉、そしてボスの妖魔獣人を倒して得られる「獣人石」を消費してスキルや各種ステータスを強化出来る。
特にライフを追加する「猫には九生あり」は真っ先に開放するのがお勧め。たった一つ増えるだけでも生存率が劇的に変わる。
これらの強化はポーズ画面から任意でオンオフ切り替え可能。縛りプレイがしたい時も安心。
またホープポイントは他にも使う箇所がある(後述)ため、常時出来るだけ多く確保しておきたい。

チュートリアルを兼ねた序章を終えると、難易度を以下の三つから選択する事になる。
  • 永魂モード
 いわゆるイージー。
 何度死んでもゲームオーバーにならない。ただしスキルを得られるのは9回まで。

  • 反魂モード
 いわゆるノーマル。
 9回死ぬとゲームオーバーになり、最後に入ったステージからやり直し。

  • 九魂モード
 いわゆるハード。
 9回死ぬとゲームオーバーになり、その章の最初からやり直し。

このうち九魂モード以外では、ステージクリア時に現在取り込んでいる魂を全て解放し、普通の猫に戻って残機をリセットする事が出来る。
第一章ではノーリスクでリセット出来るが、第二章では手持ちのホープポイントを全て消費するため注意。
またゲームオーバー時の救済措置として、ホープポイントの半分を支払う事で一時的に永魂モードに切り替える事が可能。どうしても力尽きるわけには行かない時にどうぞ。
九魂では「使いませんよね?」と淫帝から煽られてるけど。

なお本作はマルチエンディング方式であり、システム的にはローグライクゲームに近い。
一周ごとのプレイ時間は凡そ2~3時間ほど。


アニマリヴァイヴで得られる動物スキル

描写的には「クオン自身が動物に変身する」パターンと「霊体の動物を召喚する」パターンの二種類に分かれる。

上記の通り何のスキルが発動するかは基本的にランダムだが、敵やトラップごとに「出やすい」スキルの傾向は存在する。
一応、その時点の死因に関わる事が多い(例:飛び道具なら遠距離攻撃系、環境ダメージなら防御系など)。
同じ系統のスキル同士(近接攻撃を除く)は同時発動せず、欲しいスキルと同系統を発動した場合は魂リセットするしかない。
また多くは緑のゲージで表示される「ヒスイゲージ」か、紫のゲージで表示される「スタミナゲージ」を消費する。無駄に乱発しすぎていざという時に使えない……という事がないようにしておきたい。
それぞれのスキルは青い九魂石を使って性能を強化できる。

公式の一覧が公開されていないため、以下はスキルエディットの並び順を参考に記載。

近接攻撃系スキル

いわゆる通常攻撃回数が+1され、幼魔形態でも敵を殴れるようになる。

遠距離攻撃系スキル

ゲージを消費しない射撃攻撃が行えるようになる。

ダッシュ系スキル

シャドウスルーが性能変化し、業魔形態でもダッシュが可能になるスキル。

ジャンプ系スキル

空中での動きの幅を広げるスキル。敵やダメージギミックの回避に役立つ。

回避系スキル

敵の攻撃やギミックをやり過ごす。

防御系スキル

主に敵の飛び道具を無効化するスキル。

特殊スキル

ゲージ消費攻撃や特殊効果を発動させるスキル。

希少スキル

業魔専用。強力な効果を持つが希少とある通り発動しづらい。

必殺スキル

業魔専用。フェイタルスタンプに代わる大威力の技。

九魂石強化・獣人石強化

第一章の開始時点から、アニマリヴァイヴの他にも「久遠強化」でステージ中に落ちている三種類の九魂石・ボス撃破時に貰える獣人石ホープポイントによるステータス等の強化ができる。
九魂石とホープポイントは大量に必要とする為、慎重に選びたい。
表示が「?」のものは条件を満たすと選択可能となる。
また一部の強化は2周目以降に追加される。

以下はゲーム中の並び順を参考に記載。
赤の九魂石強化
ライフの追加や機動力の向上など、クオン自身の強化がメイン。
幼魔形態(ネコ型)時のみの強化が多い。

青の九魂石強化
アニマリヴァイヴで得た動物スキルの強化が可能。
全体的にホープポイントの消費量が低めだが、強化内容が強力なものは高い。
の強化が少ない業魔形態(ヒト型)用で特に有用。

緑の九魂石強化
ステージ毎のマップ画面全体を開放したり、ホープポイント獲得量を増加させるなどプレーの補助的な強化が可能。
便利なものが多いが、三種の九魂石の中で取得できる数が少ない。

獣人石強化
5種類の特殊な強化がそれぞれ2段階に分かれている。

登場キャラクター


メインキャラクター


クオン

……にゃあ。

  • CV:-(幼魔形態)、河村梨恵(業魔形態)

主人公。死して冥界に堕ちた黒猫。雌*5。誕生日は9月9日で、年齢は8~10歳ほど。猫種はアメショー混じりの雑種らしい。
現世の飼い主・ツクモの下に帰るべく、広大で過酷な冥界を肉球四つで探索する事となる。
性格は猫らしくマイペースで寡黙。生前からあまり周囲の反応は気にせず行動し、かつ一度決めた事は良くも悪くも頑として突き通す一面も見せる。

生前と同じ姿「幼魔形態」の身体能力は普通の猫と大差無いが、上記のアニマリヴァイヴに加えて、敵や危険を無傷ですり抜ける「シャドウスルー」という能力と、猫のみが渡れる虹色の足場「キャットウォーク」を見る力を持つ。
つまり、基本的にはこれらの能力で敵との接触をひたすら避けるのが基本となる。
また中ボスやボスクラスの妖魔の攻撃をシャドウスルーで回避すると、その妖力の一部を吸い取ってヒスイゲージに蓄えられる。
ヒスイゲージが満タンになると、必殺の猫パンチ「フェイタルスタンプ」を繰り出し、ライフゲージを丸々一本削り取るほどのダメージを与える事が可能。
勿論この貯めたヒスイゲージは動物スキルに転用も出来るが、攻撃力は微々たるものなのでお勧めはしない。

アニマリヴァイヴが五段階目に達すると、クオンは人間の魂と業を取り込み、大事な記憶と引き換えにして人型の妖魔獣人「業魔形態」となる。クオン立つなとか言われる。
業魔形態は冥界での生存に特化した姿であり、左腕の鉤爪による引っ掻き攻撃と強化された身体能力及び動物スキルによって高い戦闘能力を発揮する事が可能。
ただし身体が大きくなった分、幼魔形態のように敵をすり抜けたり細道を通ったりする事はもう出来ない。遭遇する敵は戦って倒すしかなくなるのだ。
しかし力を得なくとも猫のままで居たいのなら、キャンセルボタン連打で「抗う」事も出来る。無論、相応のホープポイントが必要になり、抗う毎に消費するホープポイントの数量はどんどん増えていく。

そしてアニマリヴァイヴが最後の九段階目に達すると、身も心もバケモノと化した「九魂逢魔形態」となる。
九魂逢魔形態では道中全ての雑魚敵を一撃で屠れるようになり、さらにヒスイゲージとスタミナゲージの消費も抑えられるため動物スキルも思う存分使いまくれる。まさに最終形態。
だがこの姿になればもう後は無い……次に死ねば、今度こそ魂は消滅してゲームオーバーになってしまうのだから。


ツクモ

もしもクオンがどこかで迷子になって、お家に帰りたくても帰れなくなっちゃうような事があっても、絶対に諦めちゃダメだからね。
どんな事があっても必ず帰るんだって強い想いを……希望を、絶対に忘れないで。
私もクオンを探すから。……必ず、見つけるから。
私の事も、絶対に忘れないでね――。

  • CV:夏吉ゆうこ

クオンの飼い主である人間の少女。誕生日は9月19日。
幼少の頃に捨て猫だったクオンを拾い、それからずっと一緒に暮らしてきた。
内向的で家族や友人とはあまり上手く行っていないらしいが、心の支えとしているクオンの前では親バカならぬバ飼い主になる。
当のクオンも、自分にどんなにウザがられても構い倒しに来る彼女に多少呆れている様子を見せる*6ものの、それでも現世への希望として脳裏に浮かぶのは彼女の笑顔なのだ。


現世で生きているためEDまで本人は姿を見せないが、彼女と過ごした思い出は道中の虹色水晶の回想で見る事が出来る。
その内容は、
  • 高い餌に手を付けない
  • 勝手に屋根裏などの高いところに登って降りられなくなる
  • シャンプーすると不機嫌になる
  • 排泄後、ハイになってあちこちを走り回る
など、猫を飼っているor飼っていた人あるあるで、ツクモ自身のIQの低い語りとマイペースなクオンとの温度差もあって、プレイヤーの笑いと共感を誘うものとなっている。
え?淫帝のヒロインなら大体碌な目に遭わないんじゃないかって?その通りでございます。

語り部

クオンとロック…。
いずれ再び邂逅する時が来るかも知れないが…その時、二匹のケモノがどのような結末を辿るのかは、今後の愉しみと言ったところだろうか…。

  • CV:kayto

読んで字の如くナレーター。
ストーリーの大筋やチュートリアルを重々しい口調でプレイヤーに教えてくれるが、果たしてどのような存在なのか……?


妖魔獣人

クオンと同じく死して冥界に堕ち、アニマリヴァイヴによって人の姿と言語、そして異能を得た動物たち。
第一章「伍魂の獣人」のボスであり、各エリアで冥界の門の鍵「要石」を捜索するクオンと各々の理由で衝突する。

ガルベストン

このカラダでまた現世に帰ったら、ニンゲンもっとたくさん喰えるだろうなァ…。
だから、こんなマズいモノしかいない冥界なんてさっさと抜け出してよォ、おれは現世に帰るんだァ…。
ニンゲン、もっともっとたくさん喰いたいからなァ…。

  • CV:山中真尋
  • 登場ステージ:濁流樹海

ホオジロザメの妖魔獣人。雄。
生前は「人食い鮫」として暴虐の限りを尽くし、大勢の人間を襲った末に最終的に人間に駆除されて命を落とした。
冥界に堕ちてからは妖魔を捕食して過ごしていたが、殺されてもなお人肉の味が忘れられず、再び人間を喰らうべく現世への帰還を目指している。
ダウナーながらも荒々しい口調で喋り、クオンに対しても自分の欲望を語りつつその飢えの矛先を向けて来る。
なお作中登場する妖魔獣人(クオン含む)の中で彼だけ記憶の欠落や精神の変調などが見受けられないが、これは恐らく生前から喰う事しか頭に無かったため。ある意味鮫らしいが。

妖魔獣人となった事で、水中のみならず空中や地面の中も泳ぎ回れる能力を獲得。
これによって天井を泳ぎながら時折姿を現し、空中から地面に向かって鮫型の炎弾を撃ち込んで来たり、水竜巻でクオンを巻き上げて天井のトゲにぶつけようとして来たりする。
またこの時に一発でもダメージを与えると、クオン目掛けて突っ込みながら噛み付いてくる。何度もかわせば自ら壁に頭をめり込ませて大きな隙を晒す。どうやら食い意地のあまり頭が回っていないようだ。
それにしても竜巻起こしたり霊魂従えたりする鮫って……。

倒すと「獣人石・鮫」を入手。

アリス

おみみがいたいのは、わたしが「あのひと」のいいつけをちゃんときけなかったから…。
あんよがうごかなくなったのは、わたしがじめんをうるさくタンタンするのがやめられなかったから…。
おめめがみえなくなったのは、わたしがめをそらしてしまったから…ぜんぶ、ぜんぶわたしがわるいにちがいないんです。
「あのひと」は、こんないけないこのわたしを、いつも「よしよし」してくれるんです。

  • CV:若山詩音
  • 登場ステージ:巨岩平原

ウサギの妖魔獣人。雌。
自分の飼い主だった人間を盲目的に愛し、冥界から現世への帰還も「愛の試練」と認識している。
……しかし飼い主から事あるごとに虐待を受けていたようで、ボロボロの耳や血染めの脚、拾ったボタンで代用した目など、全身に痛々しい傷が残っている。
台詞が殆どひらがな表記なのも、虐待によって精神が退行しているためであろう。
だが彼女自身はその扱いを飼い主なりの愛情表現だと思っており、その「愛」を否定される事に強い苛立ちと怒りを見せる。
本作の倒錯枠……というには流石に不憫すぎるバックボーン。

ウサギらしく跳ね回るように移動し、合間を縫っては回転体当たりやドロップキックを繰り出す。
パターンそのものはシンプルだが動きが全体的に不規則なため、慣れないうちは接触ダメージを蓄積しがち。ただ攻撃チャンス自体は多く、慣れればガルベストンよりも楽な部類かも。
またウサギだけに大きな音はやはり苦手なようで、咆哮などの衝撃で怯んでしまう事も。……あるいは、それも生前に受けた仕打ちの影響なのかも知れないが。

倒すと「獣人石・兎」を入手。

スチュワート

ただのトリだったオレがよー、このカラダになってから声マネすっとよー、マネした声がホンモノになって出て来んだぜー!
ここまでさんざん聞かせてやったろ!?オモシレーだろ!?オモシレ―ってのは大事なことだぜー!!

  • CV:戸谷菊之介
  • 登場ステージ:啼鳥の魔窟

コトドリの妖魔獣人。雄。
元々コトドリは生物・人工物問わず様々な音の鳴き真似が得意な生き物だが、妖魔獣人となった事で鳴き真似した物体や現象を実体化させる能力を獲得。
その力に酔いしれた現在は、現世に帰る事などすっかりどうでも良くなっており、冥界で暴れ回る事を至上の楽しみとしている。
破壊衝動と自己顕示欲を剥き出しにし、心までバケモノに成り果てたその姿は、まるでクオンの行く末を暗示しているようにも……。
あと声やテンションが頭からチェーンソー生やしたこいつに似ているとか一部で言われたり。

啼鳥の魔窟道中でチェーンソーやレーザービームを発生させていた張本人で、最奥での直接対決でもそれらの技を使ってくる*7
自身は肉弾戦を仕掛けては来ず、背景の茂みの中を移動しながら姿を現すと共に鳴き真似をし、攻撃が終わると再び茂みに隠れ……というパターンを繰り返す。何を実体化させて来るかは鳴き声で判別可能。
いずれも攻撃範囲がかなり広めなので、スチュワートだけでなく画面全体にしっかり注意を配る事。

倒すと「獣人石・鳥」を入手。

ムメイ

私はなぁ、最近はもう、お前らバケモノが何言ってるのかも分かるようになってきてるんだぞ…!
何で私を殺したいのか理由を言ってみろよ!!

  • CV:土屋李央
  • 登場ステージ:妖泉郷

ヨロイトカゲの妖魔獣人。雌。
大した戦闘能力は持たないが、ヨロイトカゲ特有の硬く尖った鱗のお陰で何とか生き延びている。
冥界に堕ちてからは、ひっきりなしに襲って来る妖魔たちや過酷な冥界の環境に神経がすり減り、現世への帰還を考えるどころでは無くなってしまっている。
さらに人間の魂を取り込んだ影響からか記憶の混濁も進み、自分が何者だったかすらも分からなくなっている。
以上の理由から精神的にかなり不安定で、偶然出くわしたクオンの事も「自分を殺しに来た」と(クオンが何も弁解しない事もあって)誤認する有様。
足ガクガクで怯える姿に何か込み上げるものを感じたら、あなたは立派に倒錯しています。

上記の経緯からも分かる通り戦闘意欲は皆無で、クオンが近づくと丸まって部屋内を転がりながら距離を取ろうとする。
トカゲらしく鱗を飛ばして防御を展開したり尻尾を切り離したりといった技も使うものの、これらはムメイ自身の意思で発動・制御しているわけではないらしい。
「誤解や立場の違いから已む無く戦うハメになる」「洗脳や暴走によって倒さざるを得なくなる」といったタイプのボスは過去作にも登場していたが、まさかの「最初から戦う気無し」である。

倒すと「獣人石・蜥」を入手。


ロック

なるほど!キミもあれだね?現世に戻ろうとしているんだね!
僕もそうなんだ!奇遇だね!
なんだか随分遠くまで来てしまったから、早く帰らないと!きっとご主人が心配してるだろうからね!

  • CV:佐藤元
  • 登場ステージ:???

柴犬の妖魔獣人。雄。誕生日は6月9日で、年齢は1~2歳ほど。
クオン同様、生前は人間に飼われていた犬。寡黙なクオンと対照的に少々鬱陶しいほどに社交的で、かつ主人への愛情を真っ直ぐに示すフレンドリーな忠犬。
妖魔獣人となった事も「この姿なら飼い主と話せる」と前向きに捉えている様子。
本来ならクオンと敵対する立場ではないのだが、何事も自分が一番でなければ気が済まない負けん気の強い性格ゆえ、自分が先に現世へ帰ろうとクオンに半ば一方的な戦いを仕掛けて来る。
詰まる所、淫帝過去作のアキュラやプニ助等に相当するライバルキャラ。まぁあの辺の奴らほどキレてないが、何の義理も無いクオンからしてみれば大層厚かましい奴ではある。

上記の四体と違い特定のエリアではなく、要石を2つ入手した状態で何処かのエリアに入ると出現し、戦闘となる。
戦闘ではサマーソルトキックやドリルのように回転しながらの突進、炎を操る能力などを駆使する。その真っ直ぐな気性を反映したように全体的な動きは直線的だが、とにかく敏捷であり初見では追いつくのがやっとだろう。
そして彼の真骨頂とも言えるのが、クオンの動物スキルを封じて来る「条件犯射(パブロフ・ロック)」という技。
これは背景に表示されたアイコンのスキルを使用すると確定ダメージを与えて来る*10というもので、癖でボタンを押すと逆に窮地に立たされかねない。
が、あくまで「スキルを使えなくする」のではなく「スキルを使うとダメージを受ける」ので、場合によっては開き直って痛み分けに持ち込むのも手。

この初戦でライフバーを2本削ると「今日はここまでにしよう!」と言って退散する。
第二章では冥界の門の前に座っているが、話しかけても「僕は今『待て』をしているんだ」と言って、(クオンが何も言わない事もあって)まともに取り合ってくれない。
しかし、「大切な何か」を忘れかけているような、奇妙な感覚を覚えているようで……?


四神妖

冥界の禁足地を統べる四体の大妖魔で、各々が通常の妖魔より強大な力を持つ魂「乾魂魄(けんこんぱく)」を有している。
第二章「四神妖の乾魂魄」のボスであり、冥界の門の封印を完全に解く為、乾魂魄を奪い取るべくクオンは彼らに挑む事となる。
なおそれぞれ弱点となる希少スキルが設定されており、使用すると通常とは違う演出が入る事も。

ナヴィエ

哀れ哀れ。哀れな亡者
お前のような無粋な命は、捻り潰して寄生虫どもの栄養にでもなっていただくのが素敵だわ。この猫畜生が!!

  • CV:塚田悠衣
  • 登場ステージ:東の大河

青龍のような四神妖。雌。
東の大河を流れる水は全て彼女の肉体から分泌された体液であり、その恵みによって東地方の生態系の礎として存在している。
性格は独善的で潔癖。自分の卵から生まれた幼体を溺愛している一方で、その「愛しい我が子たち」を攻撃に巻き込んで平然と殺す歪んだ母性の持ち主でもある。
ウミウシにも似た異形の姿なのだが、声や上半身がセクシーと評判。

戦闘でも上記の体液を利用して攻撃してくる。
汚らわしいと罵りまくっただけあって基本的に自らクオンに近づかず、主に口からウォーターカッターの如く体液を吐きかけたり、幼体を呼び寄せてけしかけたりといった遠~中距離攻撃をメインとする。
こちらから近づこうとすると水に潜ってしまうため、遠距離攻撃系スキルがあればそれを主力にしたい。特に水中から飛び上がって来た時に当てれば怯ませられるので狙い目。
またクオン自身は体液に沈まないものの、母親の攻撃に巻き込まれて浮かんでくる幼体の死骸に足を取られないよう注意。


ちなみに10回に1回ほどの確率で、台詞が京都弁になるという隠し要素がある*12
会話の内容は特に変わらないが、標準語よりも辛辣に聞こえなくもない。

シュレーディンガー

やめとけやめとけ、現世に戻ってどうする。また苦しみながら死ぬまで生きるってのか?
「平穏」とは程遠い。かといって「刺激」とも違う。ああいうのは「徒労」ってんだ。
おれはムダな徒労が大ッ嫌いなんだ。折れるだろ、ホネとか、ココロとか。

  • CV:武虎
  • 登場ステージ:西の蒼穹

白虎のような四神妖。雄。
元々はクオンや妖魔獣人達と同じく現世で生きていたホワイトタイガーだが、稀に見る強い精神力と戦闘能力で、一介の亡者から四神妖の一角にまで上り詰めた変わり種。
今や現世への未練や帰還願望は存在せず、西の蒼穹を根城にしながら自由気ままに「狩り」を楽しんでいる。
自分の元までやって来たクオンの力を認めつつ、猫と虎の「同族のよしみ」として手下になるよう誘うが、拒絶された事で襲い掛かって来る。
平穏な暮らしがどうのと言いつつ、クオンに面倒を押し付けて自分は楽をする気満々であった。

西の蒼穹は重力がおかしくなっており、足場から落ちると上下反転するギミックになっているのだが、まずそれに慣れない事にはどうしようもない。
そして彼自身はその環境に完全に適応しており、目視出来ない程のスピードで足場や両側の壁を飛び回りながら、包帯状に展開した右腕をドリルにした突進や尻尾での突き刺し、さらには画面中央部を覆うほどの竜巻などを繰り出してくる。
さらに体力が減ると巨大な岩で足場を破壊したりもして来るようになり、地に足を付けないまま戦う事も多くなる。
総じて、パワーとスピードを両立した本作屈指の強敵。とにかく、数少ない隙を見逃がさないよう立ち回るのだ。


ジョルジュ

クァアー!!

  • CV:松嶋潤
  • 登場ステージ:南の奈落

朱雀のような四神妖。(恐らく)雄。
冥界の火山地帯である南の奈落にて、生と死を幾度となく繰り返しながら長きに渡って君臨し続けている存在。
成長するたび、フェニックスの如くその身を冥界火山の火口に投じ、そのたびにその妖力と火力は強大化して行くのだという。
なおヒトの魂を取り込んでいないのか、あるいは死んで生まれ変わってを繰り返しているために自我が育つ余地がないのか、知能はトリそのもの。そのため本作のボスで唯一言葉を話さない。なので戦闘前イベントではクオンと無言で睨み合うというシュールな絵面に。

戦闘は浮遊する卵の形態から始まり、以降赤い四枚の翼を広げた成体、青い炎を纏った最終形態との三連戦となる。なので四神妖で彼だけライフバーが三本。
攻撃は全形態で共通して急降下しながらの体当たりの他、背景の火山から溶岩を噴火させたり、火球を放ったりする技がメイン。
特に下腹部の太陽から放つ熱波は全体攻撃であり、地面に残ったままの卵の殻の陰に隠れる以外に回避する方法はない。一応シャドウスルーの対象だが、タイミングが割とシビア。
常時飛行しているため、ゴリラやスズメバチなどの対空手段が欲しいところ。


ハーランド

儂とお前さんのチカラの差は歴然じゃ。お前さんを凍らせてブチ砕くのは簡単なんじゃ。
お前さんのチカラの源になっているモノは…儂のチカラを上回るだけの「想い」があるんかのう。
そいつはこんなトコロで、命と一緒に捨ててええモンか?
あるいは、それゆえに退けんということなのかも知れんがな…。

  • CV:金村明日香
  • 登場ステージ:北の氷塔

玄武のような四神妖。雌。
冥界の凍土地帯に聳える北の氷塔の頂上に座し、その妖力を独占している大妖魔。
普段は若作りしておちゃらけた言動をしているが、実際は非常に長い時を生きているだけあって老獪で知識も豊富。六つ目四つ足の異形ロリババアという淫帝の倒錯ぶりを象徴するキャラ造形。
四神妖の中では穏健なのか、当初は自分の魂を狙って来たクオンに諦めて帰るよう忠告するが、無視された事に(というかやっぱりクオンが何も言わないので)業を煮やして「カッチンコッチンのちグワシャーンの刑」にしようとして来る。
ムメイと並び、殺伐とした冥界における癒し枠。

伸縮自在の腕を通じて冷気を操る能力と、飛行可能な高速機動形態に変形する能力を持つ。変形して空飛ぶ玄武って現世にも居たような?属性は逆だけど。
飛行中は空中から氷弾や冷気を撒き散らし、さらにトゲ付きの甲羅を分離させてそれを飛ばしてくる。
地上に降りると、両手で掲げるような形で巨大な氷塊を生成してそれを振り下ろしたり、滑るように投げつけて来たりする。次に何をして来るか、腕の動きを見て確認しよう。
危険なのは氷に触れて凍結している最中に追撃を加えられる事なので、すぐにレバガチャで振りほどく事。


終章


余談

  • 本作監修の西沢ディレクターによると本作の設定・シナリオの由来はかつて飼っていた猫の病死。
    「本当に九つの魂を持ってるなら蘇って帰って来てくれないかな」と思ったのがきっかけで、とあるシーンでのツクモの台詞は、まさにその気持ちの代弁と言えるだろう。

  • 主人公たるクオンと同じ立場の存在という世界観的に重要なポジションの妖魔獣人たちだが、実はゲーム的には後付けのキャラ。
    というのも本作は当初DL専売の短編ゲームとして企画されており、ボスも四神妖とクラウディオスのみの予定だった。それがフルプライス作品に変更されるにあたり、追加のステージとボスが新たに作られたのである。
    ちなみにキャラデザの際には色々な動物のアイデアがスタッフたちから出され、その中でもスチュワートのモチーフであるコトドリは西沢ディレクターのお気に入りとの事。

  • 四神妖は魂を抜かれた事で確かに死んだものの、強大な意志と妖力を備えているゆえに実は魂だけになっても自我を保っているらしい。もし続編が出たら魂状態で喋る……かも?


ただいまー、クオン。いい子にしてた?

……にゃあ。

そうだ、項目の追記・修正はしてくれた?私達の紹介してるやつ。

……にゃあ。

プレビューも確認した?

……にゃあ。

編集したらページ保存ちゃんと押した?忘れてブラウザバックしたりしてないよね?

……。

……何で目ぇ逸らすの?

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最終更新:2025年04月09日 22:06

*1 もちろん迷信

*2 実際のシャコのパンチも水槽の壁を割るほどの威力を持つ

*3 これでボスにトドメを刺すと特殊演出が挿入される

*4 世界最大級のハサミを持つ蟹の一種で、ビール瓶を割ってしまうほどの握力を有する

*5 日本語版ではぼかされているが、英語版では「she」と呼ばれている

*6 西沢ディレクター曰く、精神年齢では実際クオンのほうが上らしい

*7 なので倒した後に再度ステージに入場しても発動しない

*8 移動は大丈夫

*9 強化内容からすると「真心の石」か

*10 カゲロウやウイルスなどオートで発動するものは対象外

*11 実際、初対面ではあれほど熱弁していた「ご主人」の事に、この下りでは一言も触れていない。既に飼い主の事を忘れてしまっているのだ……

*12 中の人の塚田氏が京都出身である事からのお遊び