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更新日:2025/05/06 Tue 21:32:05
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概要
X Operationsとは、2003年5月にTeam MITEIが開発・公開したフリーソフトの
FPS。
プログラム担当nine-two氏・グラフィック担当TENNKUU氏の二名による、当時珍しかった純国産ミリタリーFPSである。
略称として『XOPS』という表記が使われることも多い。
当時のリアル系FPS(後のタクティカルシューター)に近いシステムを採用した、かなりシビアな内容が特徴。
プロジェクタイルで現実的な飛び方をする弾丸、移動速度が遅く撃たれ弱い人間、強化・育成要素のない独立したミッション内容、マガジン内の弾丸を全部捨てる無慈悲なリロードシステムなど当時としてはかなり現実的な挙動が多めとなっている。
更に、現在でも珍しい「全キャラクターの装備管理」も実現しており、プレイヤーを含めた敵味方それぞれにきちんと所持武器・残弾が設定されている。
戦闘中のNPCが持っている銃の弾を使い果たせば降参して両手を挙げるし、倒されればNPCの持っていた銃が必ず落ちる。素手のNPCが新しく銃を拾えばそれを使用するし、それを応用して丸腰の味方に武器を分け与えたりも可能。
しかし、それでいて単にリアルなだけでは留まらず、ゾンビが大量出没して街が壊滅したり、殺人ロボットが大暴走したり、どこかで見たことある人間を暗殺したりといった面白みのある展開も用意されている。
これらの要素から一部PCゲームファンからの高い支持を集め、2000年代後半~2010年代前半を中心にコミュニティが活発化した。
ストーリー
現代(2000年代初頭)である以外に特に共通する設定は用意されておらず、一貫したストーリーは存在しない。
ただし、一応各ミッションごとの緩やかな繋がりはあり、大規模ゾンビパンデミックや殺人ロボットの暴走、開発スタッフ大虐殺などは複数のミッションを跨いで展開されている。
キャラクター
各人物のAIには知能ランクが存在している。
ゾンビが最低、市民が低、兵士が中~高といった部類で、最も賢いのはロボット。
賢さは主に戦闘技術に影響し、低いと銃の発射頻度や命中精度が貧弱だが、高ければ高いほどより遠くから的確に弾を命中させてくる。
ただし、AIの賢さが関係してくるのはあくまで戦闘時の武器の取り扱いのみ。
通常時の本作のNPCはプログラマーも認めるかなりおバカなAIを有しており、弾は当てやすく、あまり移動しないためプレイヤーのこともすぐに見失う。シビアなゲームバランスではあるが、このおかげで難易度が軽減されているミッションも多い。
街を歩いている一般人。銃を突き付けていると怯えて両手を挙げる。
ただし銃を拾うと豹変し、プレイヤーに向かって発砲するなど完全に無力ではない。
一部ステージではチンピラやレジスタンスとして戦闘に参加することも。
スーツを着た男。カラーバリエーションは4種類。
市街地やビルなどのマップで一般NPCとして登場する役柄で、基本的に武装していない。
上半身タンクトップの連中。ALLEYなどではストリートギャングとして登場する。
兵士などと比べると武装は貧弱で、倒すのにはあまり苦労しない。
水色のシャツを着た一昔前のアメリカによくあるスタイルの警官。
マップは日本風だったりするが、彼らはどこに居てもデザインは変わらない。
頼れる味方として援護してくれる場面もあれば、銃を乱射するプレイヤーを阻止すべく敵対してくる場面もある。
数多くのミッションで登場する兵士たち。
バラクラバで顔を隠している者、ヘルメットを付けた者、軽装の者など構成はさまざま。
黒・青・緑・紫・白と場面に合わせて複数のカラーリングで登場する。
ターバンを巻いた、如何にもタリバンといった風貌の兵士。
サダム・フ〇インとセットで出て来たり、砂漠の街や遺跡などを巡回するなどの出番がある。
ウサマ・ビンラ〇ィンにも少しにている。
前身黒ずくめで右目が露出した人型機械。明らかにターミ〇ーターを意識している造形であり、ファンからもそう呼ばれがち。
基本的に高いHPと戦闘能力で暴れ回る強敵としての出番が多いが、1ミッションだけロボットになって暴れ回るステージも用意されている。
黒髪黒スーツの警備役。どいつも似たような面構えをしている。
マフィアの親玉。顔とネクタイ以外はマフィアと同じ出で立ち。
如何にも悪者っぽい物凄い強面だが、ビル・〇イツの代わりに社長役として抜擢されていることもある。
韓国コミュニティでは現地の人物に例えて「キム・ビョンマン」と呼ばれていたとか。
丸眼鏡に憎たらしい笑顔が魅力的なスーツの男。
企業の社長として暗殺対象になったり、ターミ〇ーターのOSを開発した罪で殺し屋を差し向けられたり、闇取引に直々に赴いて敵対組織のボスを射殺しようとしたりと印象的な活躍が多い。
緑色の軍服と口ひげが特徴の軍人。
基本的に中東テロリストとセットで出てくるが、軍部の親玉としてクーデターを起こしてURBANを占拠したりもしている。
基本的にゾンビ系ミッションで出没する連中。よく見ると一般市民のグラフィックを改変して作られている。
武器こそ使えないものの噛みつき攻撃で持続ダメージを与えてくる厄介な敵で、一度掴まれると振りほどくのが難しい。
HPも高く、積極的にヘッドショットを狙っていかなければ倒すのは困難。
元々生物兵器として研究されていたものらしく、一部ステージでは実際に味方NPCとしての出番がある。
武器
今作では主に1960年代~2000年代頃の主要な銃火器を中心に実装されている。
装弾数などは実銃準拠で、リロード時にはマガジン内の残弾はマガジンごと破棄する方式。
最大2つまで持つことができ、初期装備以外は現地で拾うか敵を殺して奪うかして持ち変えていくことになる。
NPCに対して与えられるダメージは各部位によって異なり、ヘッドショットでは200%、胴体100%、足70%で設定されている。
コルト・ガバメント。如何にも拳銃と言った性能のシンプルな使い勝手。
出番は多いが、現実通りあくまで非常用といった使われ方をされがち。
ハリウッド映画でおなじみ制式拳銃。本作でも警官などが持っている。
使い勝手はM1911とさほど変わらない。
ポリマー拳銃。こちらも映画などで有名。
使い勝手はM1911とさほど変わらない。
Glock 17と似た性能だが、フルオートに切り替えて連射することが出来る。
デフォルトでフル・セミの切り替えが可能なのはGlock 18のみ。
通常モデルとSD(サイレンサー装着型)の2種類が登場。訓練場で恐らく最初にプレイヤーが撃つ銃でもある。
MK23 SDは消音効果があるが、実際にそれを実感できる場面はあまりない。
大口径マグナム。拳銃最高の威力を持つ。
発射速度は速いが集弾性に欠けるサブマシンガン。
ストリートギャングなどの装備品として出てくることが多い。
特殊部隊の装備として多く登場するサブマシンガン。
そこそこ集団性が高く扱いやすい性能。ミッションによってはサプレッサー装着型も登場する。
独特な形状が特徴のPDW。本作のモデリングではかなり簡略化されている。
特殊部隊のほか、マフィアが持っていることも。
平均的な性能のサブマシンガン。マガジン形状的に9ではなく45だと思われる。
一般兵士が持っていたりと出番はそれなり。
平均的な性能を持つアサルトライフル。やや集弾性が悪い。
現実の情勢を反映してかテロリストの武器としての出番が多め。
分類はアサルトライフルだが、スコープが使えるため狙撃もできる。
PSG-1ほどではないが命中精度も良好。
良好な連射性能と集弾性を持つブルパップのアサルトライフル。
平均的な性能を持つアサルトライフル。AKよりやや集弾性が高め。
こちらも現実を反映してか正規軍が持っている場合が多い。
通称ミニミ軽機関銃。高威力弾を連射する本作最強兵器。
装弾数100発という大容量も魅力的だが、出番はあまりない。
ター〇ネーターの主力武器でもあり、敵の武器として使われるとかなり厄介。
本作唯一のショットガン。
本来は減った量だけ装填できるチューブマガジン式だが、本作のリロードシステム上、他の銃と同様に残弾は全て破棄される。
威力はそこそこだが、拡散範囲がわりと広いので遠距離戦ではほとんど使えない。
グレネード。爆風ダメージは自分や味方にも入るためやや危険。
狙撃銃。扱いづらい為そこまで出番が多くはないが、高威力かつ高精度でスコープが使用可能。
狙撃ミッションではこれを利用して連続狙撃を行う必要がある。
銀色のブリーフケース。重要書類だったり薬品サンプルだったり現金だったり、中身は状況によっていろいろ。
武器扱いだが発砲することは当然できず、基本的に落ちているものを回収するかNPCに投げ渡すためのアイテムとして登場する。
貴重な武器枠を1つ占有し、所持していると一種類しか武器を持てないため少し厄介。
マップ
マップにはそれぞれ2~4つ程度のミッションが用意されており、同じマップを異なるシチュエーションで遊ぶことになる。
ミッション同士の繋がりは殆どなく、主人公や登場人物も別人。そのため、最初から全てのステージを遊べる方式となっている。
ミッション名にはそれぞれ、クリア条件ごとに略称が付けられている。
略称
皆殺し。文字通り、マップ内の全ての敵を殺害することでミッションクリアとなる。
なお、本作はマップ内の全ての敵対NPCが死亡すると自動的にクリア扱いになる仕様のため、他のミッション内容であっても敵全滅でクリアになる場合がある。
特定NPCの殺害。
社長だったり、暴走ロボットだったり、ヤクザの幹部だったり、中東の将軍だったりと対象は様々。
特定NPCの救出。近づくと追従モードに入る味方NPCを庇いつつ、回収地点へと向かう。
救出対象に辿り着くまでに時間制限が設けられていることが多く、もたもたしていると勝手に死亡してミッション失敗となる。
防衛。マップ内に立て籠もり、侵入してくる敵対NPCを全員排除する。
基本的に自分以外に守るべき特定NPCが存在し、防衛対象が死亡すると即座にミッション失敗となる。
特定オブジェクトの破壊。機密情報の入ったPCなどを破壊して回収地点へと向かう。
オブジェクトの種類があまりないのもあって、該当ミッションも少なめ。
特定アイテムの回収。基本的にはアタッシュケースを取得して回収地点へと向かうことになる。
アタッシュケースの場合武器扱いなので、武器切り替えチートで所持武器をアタッシュケースにしてもクリア可能。
脱出。特定地点まで向かうだけのシンプルな目標。
ただし丸腰スタートだったりする場合もあり、一筋縄ではいかないものもある。
上述の通り敵全滅でもクリア扱いとなるが、基本的にそこまで潤沢な弾薬は用意されていない。
マップ
チュートリアル面。全マップで唯一、ミッションが1つしか存在しない。
米軍の野外訓練場を模したステージとなっており、移動や射撃、投擲などの基礎的な操作が一通り学べる。
ピストル、ショットガン、グレネード、スナイパーライフルなど一通りの武器がいきなり触れる、けっこう大盤振る舞いな訓練場。
訓練を最後まで進めると実戦が始まり、訓練場の隅に隠れていた複数の暴漢を実弾で射殺することになる。
しかしただ目立たないところに隠れているだけなので、襲撃開始前に予め待機している場所に向かって倒すことも可能。
典型的オフィスビル…のような何か。空室が多い。
解雇された社員となって最上階に居る社長を殺しに向かったり、逆に登ってくる殺人ロボットを上から攻撃して破壊したりと高低差のある戦いが特徴。
雪の積もった大地に聳える軍事基地。警備の厳重な正面のほか、裏にも侵入ルートが存在する。
周囲を囲む塀の上には敵の巡回する通路があり、侵入する側にとっては脅威。
中東の小規模な村。真ん中には二階建ての建造物があり、基本的にここが目標地点となる。
特殊部隊となって指導者を排除したり、逆にテロリストとなって指導者を守ったりといった中東らしいミッションで構成されている。
米軍の軍事基地内部。ロッカールームや倉庫などがある。マップは広いが、どこも似たような雰囲気。
出口がドア一個しかなく、しかもかなり目立たない場所にあるため初見では苦労する。
開発中の人型兵器が暴走したり、捕縛した人物に脱走されたり、敵対兵士に忍び込まれたりと賑やかな場所。
木箱の積まれた地下駐車場のようなマップ。
あまり広くはなく遮蔽物は多いため、至近距離での撃ち合いとなる。
ミッション内容は軍事行動というより、チンピラ同士の抗争といった雰囲気。
地下鉄駅。一昔前の日本の地下鉄駅風のマップ。
改札階とホームの2段構造となっており、2つの階段で繋がっている。技術的制約により列車は来ない。
薄暗い巨大な倉庫マップ。コンテナと木箱が大量に配置されている。
上の倉庫と下のコンテナ置き場でマップが2つに区切られている。
中心に巨大なビルが聳え立つ市街地。平時は市民が出歩き、警察が巡回するなど比較的賑わっている。
しかし、マフィア同士の抗争やテロリストの銃乱射、軍部のクーデターなどミッション内容はどれも物騒。
狙撃ミッションが存在する唯一のマップであり、巨大ビルの上から敵を殲滅するという少し変わった展開が用意されている。
チュートリアルステージに似ている、屋外射撃訓練場のようなシンプルなマップ。
登れる遮蔽物が用意されており、身を隠しながら反対側の敵を倒すことになる。
案の定実戦であり、用意されているのは実銃。撃たれれば普通に死ぬ。
アメリカのちょっと寂れたストリート風の街。一般市民も歩いている。
ストリートギャングがたむろしているが、戦力としては貧弱。
ゾンビ系ミッションでは町全体がゾンビまみれとなり、壊滅している。
2000年代の小学校のパソコン室のようなマップ。本作で最も狭い。
「グラフィッカーを皆殺しにしろ」「プログラマーを皆殺しにしろ」「パソコンを全部ブッ壊せ」の物騒な3連続ミッションで構成されており、本作最後のミッションなのもあってプレイヤーにとっては印象深いマップだろう。
グラフィッカーとプログラマーは味方もいるので皆殺しにしやすいのだが、最終ミッションである「パソコンを全部ぶっ壊せ」だけは例外。味方なし・初期装備が手榴弾少しだけ・敵にターミ〇ーターがいる状況で教室内全てのPCを破壊する必要があり、攻略にはちょっとしたテクニックが必要になる。
ビルの下を潜り抜けるように作られた二車線トンネル。
遮蔽物は多数配置されているものの、分岐などはなくシンプルな一本道となっている。
巨大な屋敷の庭に設けられた、生垣で作られた迷路。
外側を伝ってショートカットできそうにも見えるが、少し出っ張りがあるため途中までしか行けない。
強盗殺人を犯して警察と対峙したり、ゾンビまみれの屋敷に空き巣に入ったりと屋敷の財産を巡るミッションで構成されている。
薄暗い廃墟。生物兵器の研究施設だったらしい。
二階建て構成となっており、大広間は床が陥没して巨大な穴が開いている。
夜な夜な怪しい取引が行われる、二階建ての建物とその周囲で構成されるマップ。
玄関の警備は厳重だが、非常階段を使って屋上から攻略することもできる。
赤い岩肌の露出する、採掘中の何らかの遺跡。入口にはモアイっぽい像が鎮座している。
青空が広がり、両端が橋で接続された野外と3か所から降りられる地下の2階構造。
中東マップという扱いなのかテロリストの出番が多い。
高い拡張性
本作は「アドオン機能」に対応しており、ツールを用いてマップとミッションを作ることで自由にボリュームを増やすことができた。
大手の他作品と比較するとそれなりに制限は多いものの、一時期はかなりの賑わいを見せ本作が人気となるきっかけの一つとなった。
また、データファイルが暗号化されていないため、特に複雑な手順を踏むことなく内部データを自由に書き換えることが可能。
これを利用してキャラクターモデルを入れ替えたり、武器モデルをリッチな造形の3Dモデルに置き換えたりといった改造も盛んになった。
現在では過疎が進み、これらの活動は全盛期に比べるとさほど行われていないが、オープンソース化による機能追加を可能にした『OpenXOPS』などの一部プロジェクトは今なお継続している。
マルチプレイ
シングルプレイ版とは別にマルチプレイ版が公開されており、チームデスマッチのみ、試合中のリスポーンなしというシンプルな出来ながら一時期それなりの人気を獲得していた。
基本的にシングルプレイ版と同じキャラ性能・武器性能だが、こちらも独自改造を行ったものが公開されたりもしている。
本編がレインボーシックスの亜流として認識されたのに対し、こちらは当時興隆していた「サドンアタック」に例えられた。
日本・韓国ともに一定数のユーザーが定着し、韓国側からは「ミニサドン」という通称で親しまれていたという。
余談
直接の続編として『XOPS2』が企画されていたが、デモ版などが出たものの途中で事実上の頓挫。
時代も移り変わったことで求められるものも変化し、作者自身「作る意義が薄い」としており、発表から20年以上が経過した現在もXOPSシリーズの直接的な新作は未だに登場していない。
しかし、XOPS開発者であるnine-two氏はその後インディーゲーム開発のためrucsgamesを設立。
海外大手であるitch.ioとSteamを中心にゲーム開発を継続し、2023年11月には新作TPS/FPS『BTD:BTD』を発売している。
日本のみならずお隣の韓国でもそれなりの数のユーザーがプレイしており、NEVERカフェを中心にいくつかのコミュニティが活動している。
翻訳や改造、マルチプレイといった日本のコミュニティでもおなじみの活動に加え、Unrealエンジンを用いた移植プロジェクト「UnrealXOPS」など独自の活動も行われている。
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最終更新:2025年05月06日 21:32