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更新日:2025/04/25 Fri 11:17:58NEW!
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『
悪役令嬢の中の人~断罪された転生者のため嘘つきヒロインに復讐いたします~』とは、「
小説家になろう」にて2020年に連載されていた小説作品。著者はまきぶろ。
元は短編で、その後加筆して連載されている。
書籍版は一迅社から刊行されている。元が中編程度の長さなのもあって本編自体は1巻の中ほどで完結しており、番外編や後日談を収録した2巻が2024年に刊行された。
【概要】
タイトルの通り、
「ゲームの悪役令嬢に転生憑依した女性」がテーマの物語である。
これだけならよくある
「悪役令嬢転生もの」だが、本作はその「転生者」が主人公ではなく、
転生された悪役令嬢自身が主人公という珍しい作品。
転生者に肉体を乗っ取られた悪役令嬢が、肉体の外から転生者の人となりを見るうちに彼女に好意を抱くようになり、唯一無二の存在となっていく。
転生者は悪役令嬢の運命を変えるための努力を重ねていくが、本来のゲームのヒロインもまた転生者であり、性悪になってしまったヒロインに貶められ、追放刑となり、絶望。
それをきっかけに悪役令嬢は自身の肉体の主導権を取り戻し、転生者の無念を晴らすためにヒロインとその攻略対象の男達への
復讐を開始する。
そして本作の肝となるのは、
主人公の悪役令嬢は転生者に好意を抱いているものの、性根は「悪役」のまま変わっておらず、復讐手段は狡猾な計略、すなわち邪道そのものである点。
というのも、「本来物語のラスボスだった人物が真実の愛に目覚めた」だけでその先が「世界の破壊」か「個人への復讐」かの違いというだけなのだ。
巷では、
「自身を鎮めた巫女に恋をした邪神が、彼女を無下に扱った人間達を祟る物語」として例えられることも。
このため、決して悪役令嬢を「正義側」の人物としては描いておらず、寧ろ悪辣な内面描写を濃密にしており、結果的に善行を為す裏で復讐の根回しを進めるという
ピカレスクロマンの色合いが強い。
また、白梅ナズナ氏によるコミカライズが、一迅社がpixiv内で運営する
「comic LAKE」にて連載中。
画力が非常に高く、
レミリアやピナの顔芸が濃く描かれている他、神々やクリーチャーの造形についても評価が高い。
構成についてもサイドストーリーも回収したアレンジで高評価を得ている。
ちなみに本項目では一緒に扱っているが、「
~断罪された転生者のため嘘つきヒロインに復讐いたします~」の副題が付くのはコミカライズ版のみである。
【ストーリー】
公爵の令嬢、レミリア・ローゼ・グラウプナーは幼い頃、謎の存在に肉体を乗っ取られた。
当初は憤ったレミリアだったが、やがて、その肉体を乗っ取った「エミ」の、自分に対する慈愛を感じるようになり、彼女もまた愛情を抱き始める。
そして二人は、「レミリア」がエミが好きだったゲーム『星の乙女と救世の騎士』に登場する悪役令嬢であり、やがて破滅の未来が待ち受けていると知る。
レミリアを愛するエミは彼女の運命を変えるため、様々な努力を重ねて攻略対象者である王太子達との関係を改善し、レミリアもエミを肉体の外から応援するが、一人の女の登場でその平穏は壊された。
本来のゲームのヒロインだった「星の乙女」ピナ・ブランシュである。
エミと同じく転生者だったピナは、魅了のアイテムを駆使して男達を自分の虜にし、更には悪辣な裏工作を講じてエミに悪行の濡れ衣を着せ孤立させてしまう。
とうとうピナに傷害事件をでっち上げられたエミは、婚約者のウィリアルドからゲームの通りに追放を言い渡されてしまい、全てに絶望した。
……だが、それが始まりだった。
エミの絶望をきっかけにレミリアは自分の肉体の主導権を取り戻したのだ。
愛するエミを貶めたピナとウィリアルドら王太子達に激しい憎悪を抱いたレミリアは、追放された小村から行動を開始する。
彼らに最悪の生き地獄を味わわせるという復讐のために……。
【登場人物】
◆主人公
グラウプナー公爵の令嬢で、『星の乙女と救世の騎士』の悪役。
なお、追放に伴い親から分籍という形で縁を切られたため、爵位としては準男爵となっている。
それ故当人もグラウプナー姓は名乗っていない。
生まれつき自分に対して無関心な両親の下で育ち、極上の魔力や才能に恵まれながらも愛情に飢えている。
そんな中、幼少期にエミに
肉体の主導権を奪われたことで彼女の自分を想う心に触れ、初めて愛情を感じた。
エミの幸せを何よりも優先し、陰ながら応援していたが、ピナの謀略によってエミが孤立・追放させられた時を境に肉体の主導権が戻り、エミを貶めたピナ達に復讐を誓う。
エミに対する愛を第一に、
「エミが安心して戻れる世界」のために行動しているものの、
レミリア当人の冷酷な性根は何一つ変わっておらず、エミの敵には全く容赦しない。
しかし、エミが築き上げた「心優しい令嬢レミリア」=「エミのレミリア」としての振る舞いを最大限に尊重し、弱者の救済や政治問題の解消に積極的に取り組み、復讐への布石として善行を為したうえで敵を追い詰めていく。
その演技力は完璧といってよく、
他者から見れば聖女以外の何者でもないレベルだが、
「エミならもっと上手くやれた」と振り返るなどその姿勢は非常にストイック。
さらにその振る舞いを称賛されると非常に気分を良くするが、それも自分ではなく「エミのレミリア」が褒められて嬉しいからと、どこまでもエミ第一な人物である。
「エミのレミリア」が本心から褒められると思わず施しの量を多くしたりするので、そのへんやエミを想起させる善人に対しては最早ちょっとチョロいレベル
原作者によると、もしエミが
「こんな世界に転生しなければよかった」と思っていた場合、
「ならこんな世界存在する方が間違ってるわね」とそのまま世界を滅ぼしたとのこと。まあ正直そうなって当然な仕打ちをエミは受けているが……
一方で「エミのレミリア」とは関係なく彼女自身の感情として、奔放かつ直情的で自分の予想を超えた行動を起こすスフィアや、私情を抜きに為政者としての判断が下せるアンヘルに対しては
それぞれおもしれー部分、ヘタレな部分も含めて好感を抱いている。
ゲームにおけるラスボスキャラであっただけに基本ステータスが高いだけでなく、ほぼ一人でありとあらゆる事件を起こすという設定の整合性を取るべく、使い魔と転移魔法を筆頭に数多の才能を与えられた「公式チート」とも言うべき存在であり、復讐のためにその能力をフル活用することとなる。
また、エミの記憶・知識はエミが眠りについて以降も変わらず確認することができ、その前世と攻略のノウハウも有効活用している。
そもそも肉体の主導権を取り戻すまで他人と直接コミュニケーションが取れず、エミの情報と感情などを知覚するのみの一方的な状況に約11年囚われており、「レミリア」としての人生経験は殆どないはずなのだが、
上記の通りエミの振る舞いを完璧に引き継いで人心を掌握する傍らで、誰にも見せることのない策略を進めていく姿は、ある意味転生者に並ぶチートである。
ちなみにゲームではカラスを使い魔にしていたらしいが、本編では「こっちの方が便利」ということで無数の蜘蛛を使役している。
そのためビジュアル面での悪役度合いは大幅に増している。
虫嫌いな人や群体恐怖症の人は漫画版を読む際には注意して読んでほしい。いやマジで。
- まず好感度操作アイテムを売る魔族の商人を、自領に移住させてピナへのアイテム供給を断ちます。
- 各地に隠れ住んでいる魔族も順次入植させ、エミの前世知識と魔族の能力を使ってガンガン領地を発展させます。
- この際、ピナが
顔芸しながらやりそうな前世文明技術の導入も、先回りしてやっておくとよいでしょう。
- 並行して、エミのゲーム知識をもとに各地を救済して回りレミリアの名声を高めます。
そのまま世界破滅の原因を排除、他人が動く前に真っ先に世界を救います。- これで星の乙女が救世の旅に出るきっかけすらなくなり、政治面以外で活躍する余地も奪います。
- 以上で得られた名声と経済力などによる政治価値を以てすれば、復讐対象などどうとでもなります。
爆速で世界を救済していく姿から世界救済RTAなどと読者から言われることも。
それを本来のタイミングより早くこなすこともあり、もともとあったすべての問題が水面下で収まって事がスムーズに運んでいくのも理由。(ただし名声を高めるために「問題が起きるずっと前に陰でさっさと解決」という手は取れず逆に面倒な部分もあったりする)
婚約者のウィリアルドに無償の愛を求めるも厭われ、やがて学園に転校してきた「星の乙女」に嫉妬し、数々の嫌がらせを行う。
だが、悉く失敗した挙句ウィリアルドに婚約破棄を言い渡される。彼が人生における全てだったがゆえに絶望した彼女は、追放先で悪魔や古代遺跡について独学で研究した末に魔王アンヘルを召喚。
ウィリアルドの魂と世界の破滅を望み、「星の乙女」パーティ最大の敵として立ち塞がるも、最終的にはウィリアルドに討たれ死ぬ運命にあった。
その救いのない最期は敵対したピナ達にも同情され、とりわけ関係が深かったウィリアルドとクロードには「君を救うために僕は何をすればよかったのか」「ちゃんと家族になれたらどれ程良かったか」と生涯の後悔として刻まれた。
漫画版では白梅ナズナ氏による画力の高さで「エミのレミリア」を演じるレミリアと素のレミリアがしっかり描き分けられており、深い怒りを湛えているシーンは
本気で怖い。
一方、
内心すげぇ悪い顔しながらとんでもない善行をしているという
シュールな場面や、「エミのレミリア」を慕う領地の子供達やアンヘルの言動に好感を持つシーンが分かりやすくなってるのも好評。
ゲーム『星の乙女と救世の騎士』のプレイヤーだった日本人の女子大学生。}Web版の解説では本名は「小林恵美」。
ゲームの悪役だったレミリアの大ファンであり、ゲーム内外の公式で救済されることのなかった彼女の不遇を嘆いていた。
そんな折に交通事故で命を落とし、推しだったレミリアの幼少期に転生してしまう。
レミリアの破滅の運命を変えるために自己研鑽を欠かさず行い、攻略対象者の幼馴染達との関係をことごとく改善し、「完璧な淑女」と呼ばれるまでに成長させる。
だが、同じく転生者となっていた「ゲームのヒロイン」のピナに嫉妬され、魅了のアイテムで男達を虜にした上でやってもいないいじめをでっち上げられ、周囲から孤立。
努力も空しく、傷害事件の狂言まで起こされ、それを機にウィリアルドから婚約破棄と追放を命じられた。
それによって絶望し、エミの魂はレミリアの肉体の中で眠りにつく……。
性格は筋金入りのお人好しにして博愛主義、そして凄まじい努力家。
前世での家族仲も非常に良好で、自分が事故死して見ず知らずの貴族令嬢の身体を乗っ取ってしまったという現状を認識するや否や、まず娘の死を悲しんだであろう家族を想って泣きながら謝罪し、そして本来の身体の持ち主(レミリア)を気にかけ心配する。
そして自身が『星の乙女と救世の騎士』のレミリアに転生・憑依してしまったことを認識したエミは、「自分がレミリアを幸せにする」と決意し発奮する。
当初は身体を奪われたことに激昂していたレミリアもこれにはあっさり毒気を抜かれて「こんなことをしでかした神だか悪魔だかは呪ったが、エミのことは容易く許してしまった」と早々に怒りを鎮め、また「エミのレミリア」の幸せを望み応援するようになる。
それと相まって温かい愛に満ちた人生の記憶も、愛すること・愛されることを知らない幼きレミリア自身の心を癒やした。
なおエミはレミリアが自身の精神世界に閉じ込められていることは知らず、ここまでの流れは完全に無自覚かつ一方通行。とんだ人たらしである。
生前の努力の賜物か非常に教養豊かで、この世界でも様々な道具や技術を再現しており、その知識は後のレミリアのアイデア出しにも有効活用されている。
よくある「現代知識チート」の一環ともいえるが、ピナやクロードの知識が表面的な理解に留まっており失敗したことを考えると、「前世の農業や家電をどう再現できるか・その際何が問題になるか」までを考慮していたエミがそれだけ抜きん出ていた、というのが正しいだろう。
ぶっちゃけ知識チートというか頭脳チートである。この地頭の良さを思うと、ゴシップを利用した奸計への対抗策だけは身に着けていなかったのが惜しまれるところ。この辺りの対応の悪手についてはレミリアですら苦言を呈していたが、それがエミの領分ではないことも後に悟っている。
漫画版では「エミのレミリア」として活動している彼女は本当に正統派美少女で、レミリア本人との描き分けが綿密になされている。
反面エミが追い詰められるシーンが追加描写もあって本気でキツく、レミリアに感情移入しやすくなっている。
ちなみに、推しであるレミリアに対する呼び方は「レミリアたん」であり、そこらへんの限界化っぷりはまぁ想像に難くない具合である。
また、レミリアはゲーム知識については「世界を救った乙女の記憶がある」と説明している。実際ゲームをクリアしているので「世界を救った乙女」というのも一切間違っていない
◆復讐対象者
レミリアの主な復讐標的はゲームにおける本来のヒロインと必須加入キャラ4人。
その他レミリアの罪を捏造するのに協力した者達も軒並み副次的な復讐対象に含まれる。
ピナはともかく他の者は薬で好感度を操られていたので同情できなくもない……と言えなくもないが、これらの薬はあくまで「ピナを好きになる」だけで洗脳して行動を強制させるわけではない。
つまり「レミリア(エミ)への信頼はそのまま」であるにも拘らず、その信頼を裏切り「レミリア(エミ)が罪を犯した」と決めつけたことで同情の余地なしとレミリアは断じている。
特にウィリアルドとクロード、自身の従者達に関しては、後述のような醜い本心をレミリアからは完全に見透かされているのも、より強い怒りを買う一因であった。
なお、必須加入キャラ4人の読者からの通称は四馬鹿。
ちなみに、作中描写や判明した設定からすると(特にコミカライズ版では)、実際は一諸悪の根源一馬鹿二被害者といった側面も強かったりする。少なくとも私欲を優先して裏切った一名が諸悪の根源扱いなのは、誰もが頷くところだろう。
『星の乙女と救世の騎士』のヒロインで、世界を救うと言われていた「星の乙女」。
本来はどんな逆境でも努力を怠らず、攻略対象とされる男達に真摯に向き合う健気な少女だった。
しかし、転生者により肉体を乗っ取られたことで
醜悪な人格に変貌。読者からの通称は
「偽ピナ」。
全てが自分の思い通りにならないと満足いかないという幼稚かつ自己中心的な性格だが、あのレミリアでさえ演技力と陰謀の才覚だけは認めざるを得なかったほどの
正真正銘の悪女。
ヒロインの立場に胡坐をかいて攻略対象達に色目を使うも、碌に中身が伴っていないため変人扱いされる一方だった。
だが、課金ショップのアイテム「魅力の香水」と「恋の秘薬」で周囲の人間達を魅了させた挙句、自分の立場を奪うと思い込んだレミリア(エミ)を孤立させ、傷害事件をでっち上げて婚約破棄に追い込んだ。
一転して勝ち組となった彼女だったが、目覚めたレミリアはダンジョン攻略と魔族の問題解消など次々と先手を打ち続けたことで、自分が主人公として行うべき冒険といったイベントを実行できなくなり、ただの「穀潰し」として次第に腫れ物扱いされていく半詰み状態となる。
エミ同様に現代の知識で地位を得ようとも目論んだが、どれも中途半端な知識で失敗を重ね、貧困層への炊き出しで好感度を上げようとするがあっさりと魂胆を見抜かれた挙句、炊き出し目当ての浮浪者で治安を余計に悪化させて謹慎処分まで受けている。この上でなおも自分の行いの何が悪かったのか気づいていない。
最終的に秘薬の効果がまだ効いているウィリアルドからすらも「犬より聞き分けが悪くてイライラする」とまで評される始末。
漫画版では外見こそ美少女だがその醜悪な性根が浮かび上がる表情や言動が丹念に描かれており、思わずムカつく読者や、むしろ面白がる読者も多い。
ピナの体を乗っ取った転生者の名は「リィナ」。前世でも罪を捏造して人を貶め虐めることが日常茶飯事なとんでもない小悪党で、ある日スマホの録画などを活用されて逆襲され引きこもり、幼稚で悍ましい精神性から成長する機会もないまま自業自得の最期を迎えている。
リィナも「オトキシ」のファンで推し(本命)はアンヘルであったものの、その楽しみ方はイベントシーンを見るだけのフシが見受けられる。アンヘルに対しても本心から「アンヘル様も私を選ぶべき」という考えのもと逆ハーレムを愉しんでいる非常に身勝手な女。
作中では攻略をサボって所謂逆ハーレムを企み、更には捏造の一環で複数の男に
口淫や
不浄の穴を使った淫行までやっており、
証拠集め中に初めて目撃したあのレミリアを本気で驚愕・ドン引きさせた。
詳細を精査する段階でレミリアが作中唯一心を折られかけており、下手したらくそみそなことをやっていたかもしれない……
悪事が暴かれ、
リィナは死ぬより悍ましい生き地獄へと閉じ込められるが、レミリアがその事後捜査に難航するぐらいには各所から恨みを買っていた。
なにせその「生き地獄」は
レミリアは死なれないように延命を手配した程度で、
刑罰自体のうち、現実の肉体に作用する部分に関してはレミリアはほぼ関わっていない。
なお、恐ろしい事にモデルとなったのは作者が実際に出会った人々らしい。
+
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星の乙女の中の人 |
リィナに体を乗っ取られた本作最大の被害者。通称「真ピナ」。
幼少期からの付き合いであったエミとレミリアとは違い、不幸な生まれからなんとか脱却して今からゲーム本編というタイミングでリィナに憑依されるという最悪の事態で、「自分の体が他人を罵倒したり追い詰め、そして淫行に走るところを絶え間ない醜い心の内とともにぶつけられる」というまさに生き地獄を味わうことになる。
不浄の穴を使いだした頃から徐々に元の肉体と魂が離れだし、エミ断罪の様子や断罪するリィナの感情を激しく拒絶した結果、魂が完全に離脱。とある場所に匿われることとなる。
複数の男性との淫行などリィナの蛮行は魂に染みつくトラウマになっており、「もう女の子に生まれたくない」と泣き出し、 リィナに乗っ取られる以前から不幸だった今世が、これでも精霊の加護を受けてマシになったものだと知った事で、転生を提案されても来世でまた不幸になるのではないかと恐怖するなど、そのあまりに可哀想な境遇は読者からも悲痛な感想が飛び出す始末……
結局肉体の主導権を取り戻す事はできなかったが、エミと入れ替わりにレミリアの人格が表に出た瞬間を考えれば、最悪のタイミングで肉体の主導権を取り戻してリィナへの罰を全て肩代わりする羽目になった可能性もある上に、何よりリィナを止められなかったという罪悪感も強かったので、結果的にこれが最善だったというのもやるせない。
星の乙女の力はピナの魂の方に紐づいていたため、彼女が良心を以て拒絶したおかげでリィナに その力を悪用されなくなったことも確かである。
ちなみに、もしリィナがいなかった場合エミとの相性は抜群で、こちらもこちらでエミがうまくピナを誘導して世界救済RTAになるとか。
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王国の第二王子で、ゲームのメイン攻略対象者。
レミリアの婚約者だが、ゲームでは「星の乙女」に惹かれ、彼女とは関係を破綻させていく。
エミの努力により成長していく「レミリア」に内心嫉妬心を覚えるようになるが、エミの真摯な態度で関係は改善。
だが、結局それも上辺のものに過ぎずいまだに劣等感が燻っており、ピナが接近するたびに見せる完璧なレミリアの嫌がる表情に愉悦を感じる、薄暗い精神を肥大化させていった。
ピナが使った秘薬により彼女に恋し、レミリアを謝罪させるつもりで彼女を表向きの追放刑に処すが、「目覚めた」レミリアは謝罪を拒絶。
やがて、レミリアの行動によって人知れず世界の厄災は解消されたため、自身が剣士として旅に出るきっかけもなく政治の職に務めるが、何をやっても上手く行かず追い詰められていく。
エミやピナの未知の知識を取り込んで有効活用しようとするなど決して無能ではないのだが、レミリアの先手を打った妨害のみならずピナの知識の中途半端さ(前述のようにエミとレミリアが凄すぎるのもあるのだが)が失敗を招いている。
過去に世界を救った勇者の血を引いているという設定があり、ゲームではレミリアが世界の危機を引き起こしたことで星の乙女たちと共に先頭に立って戦うことになるのだが、
本作では前述のとおり世界の危機自体が未然に無くなっているため、王子自ら先頭に立って戦う理由も、ピナが攻略対象たちの好感度を上げる機会もすべて失われている。
実のところエミに嫉妬していたのも自分より才能がある者に嫉妬するという悪癖によるもので、自らを正しく、優秀であるように律していたために本来は大きな問題になる事はなかったとされており、それがピナによって表に引きずり出された形になっている。
コミカライズで屈辱にゆがむ表情が素晴らしいと一部の読者(と作者)から評価されている。
一方で番外編では立派に成長した世界線が何度も描かれているため、その姿を知る読者は成長の機会もなく堕ちるところまで堕ちた本編のウィルの姿に曇る
王太子の側近の一人で、レミリアの従弟であり義弟。
エミの行動によって本来苦悩していた父親の死がゲームよりも遅くなったために不仲が未然に解消され、
グラウプナー家に引き取られた後はエミに愛情を注がれ、彼女を慕っていた。
実はレミリアを異性として愛しており、ピナと親密になったウィリアルドが婚約解消したのち、自分が次期グラウプナー公爵としてレミリアを伴侶に迎える展開を期待していた。
レミリアの行動開始後は王室の政務官に就くが、ウィリアルド同様にピナの中途半端な現代社会の知識を取り込もうとして失敗しており、碌な成果も上げられずにいる。
実は秘薬の影響を完全には受けていなかった。
ウィリアルドがピナへの態度を急激に軟化させる様を客観視しており、魅了や薬物を疑い検査をしても結果が出ないことに当初は危機感を抱いていたほか、
自身も秘薬の効果でピナへの好感度を強くされた際は、「周りから好意を持たせる固有能力があるのだろうか」と予測を立ててもいた。
挙句の果てに、コミカライズ版では「全く秘薬の影響を受けておらず、ただの一度もピナに好意など寄せたことがない」と豪語している。
同様にコミカライズ版ではそれ以前からピナに対して全く接しておらず、秘薬が解除された場面では他の3人がピナに対して悍ましいものを見るような目をしているが彼だけは(おそらく3人が正気に戻った事に)苦々しい表情をしているなど伏線は張られていた。
そのため、ピナの好感度操作が進んだ段階でも適切に行動していれば、レミリアの断罪を防げた可能性がある。
だが、結局は他3人と同様に自身の欲望を優先し、今現在苦しんでいる義姉を見捨ててしまった。
むしろ逆に、秘薬の効果が早期に現れ始めた段階で自分の感覚を不信に思ったウィリアルド、出会った直後でおかしいとはっきりと認識していたステファンをあしらって、ピナへの調査を止めさせる妨害行為を働いた。
さらにコミカライズ版では
それを棚に上げて秘薬の効果が切れたデイビッドを含めた他の3人を「好意増幅の呪いにかかっておきながら今更なんだ」と内心で見下している。
あまりの厚顔無恥ぶりに読者から「ウィリアルド達は冤罪と知らず己の欲のためにエミを裏切った。クロードは冤罪と知っていて己の欲のためにエミを裏切った。そこになんの違いもありゃしねぇだろうが!」とツッコまれる始末
父の命の恩人である姉、そしてウィリアルドやステファンへの魔の手を未然に食い止められる立場に最も近かったのにそうしなかったことは、四人の中で一番罪が重いと読者や作者から言及されることが多い。
何なら
何らかの原因で王太子と騎士団長令息と魔道士長令息が王太子の婚約者の立場を略奪しようと悪意を持った女への好意を増幅され操られている事を理解した上で放置し、むしろ被害を受けている側の抵抗や対策を徹底的に妨害する公爵令息にして次期公爵が成立してしまう為、
傍目には
状況を好都合として国家転覆を仕掛けようとしているorそもそもが状況自体が国家転覆への策略と取られてもおかしくはない有様である。
クロードの父がただ
仕事にかまけて何も言わなかったのではなく、クロードの誕生日に自分の本心を明かして和解しようとする(その直前に殺されてしまったのがゲーム本編)など不器用ながら息子を想う善良な人物だっただけに、クロードの所業に対しては「息子があんな性格に育ってしまって、
父親が可哀想」と同情する読者の声も多い。
一方で「一番辛い時に放っておいて後で愛を伝えてよりを戻す」というのは、クロードが父から実際に受けて、かつ父の愛を知ってクロードは心から喜んでいるため、
クロードは父をリスペクトしたつもりという解釈も出来る。
もっとも、クロードの所業は打算で自ら進んで突き放した上に姉に辛い思いをさせた事を全く気にしていない有様で、息子に辛い思いをさせている事を苦にしていた父の立ち位置や行動とは雲泥の差があり、もし本気でリスペクトからレミリアを見捨てたのならば
とんだ父親への尊厳破壊である。
また、前述の通りゲームのクロードは最終的にレミリアの孤独に寄り添ってやれなかったのを「ちゃんと家族になれたらどれ程良かったか」と生涯の後悔としていたため、
ちゃんと家族になれたのに己の欲望のためにレミリアを裏切ったというのはゲームでの自分に対する尊厳破壊ともいえる。
王太子の側近の一人で、騎士団長ドミニッチの息子。
剣聖と称される兄シルベストの名声にコンプレックスを抱いており、女性ながらも剣士としての腕を磨いていくレミリア(エミ)にも劣等感を抱いていたが、彼女のウィリアルドを想う心に胸を打たれ、対等に競い合っていた。
なお、本人はレミリアに心惹かれているのを墓まで持っていくつもりだったが、婚約者含めた周囲にはバレバレで空気読んでくれただけだったとか
だが、ピナの魅了によりレミリアへの劣等感を刺激させられ、彼女を疎んじることで優越感に浸るようになり、レミリアを擁護する婚約者のスフィアをも嫌うようになった。
なお他3人と違いデイビッドだけはピナへの好意に対して一切疑っていない。
レミリアの行動開始後はピナに構うばかりで、やがて周りからピナへの世話を押し付けられるようになる。これによって剣の鍛錬を怠ることとなり、みるみるうちに堕落していく。幼少期にせっかく和解できた兄との関係まで再び疎遠になってしまった。
さらに秘薬解除後もレミリアの騎士の立場を貫いたスフィアに対して「ピナに呪われなかったら俺があの立ち位置だったのに」と妬み続けて読者からのもともと底値割っている株を落とし続けている。
ちなみにノンデリなところはゲーム本編でも最後まで直らなかった模様
同じく王太子の側近の一人で、レイヴァ王宮魔導士長の息子。
魔術師としての才能を持ちながら、音楽家の夢を諦めずにいたが、レミリア(エミ)に応援され、父親の理解も得られた事でどちらも両立させるよう努力した。
だが、ピナの件で悩むレミリアに優越感を抱き、彼女に頼られることを望むようになった。
レミリアの行動開始後は魔術師としても音楽家としても危うい立場でどっちつかずとなり、学園卒業後も定職にも就けずにいる。
音楽家サロンに出入りしていた経験上、好色な貴族の女性たちを見慣れていたこともあり当初はピナも同類と見て怪しんでいた。王家に進言してピナを隔離してはと考えていたのだが、クロードの反対もあり自分の欲望を優先させてしまっている。
ピナが
自分を棚に上げて好色な男を好まないこともあって、他の三人と比べるとやや軽く扱われているところもある。
功績も悪行も復讐対象たちの中では影の薄さを読者に言及されることが多い
ため、コミカライズ版では「ステファンなんて久しぶりに姿を見た(意訳)」とメタい発言が飛び出す始末だったが、web版の番外編で芸術のない人間を見下す内面が明かされ、コミカライズ版書き下ろしでは
あのロレーヌ子爵に「彼はいらん」と言われるなどしっかり評価を下げられている。
学園に通っていた頃のレミリアの護衛を務めていた男。
「兄は護衛先の令嬢の愛人になれたのにレミリアはそれを許さないから」というピナ以上に醜悪な理由でエミを陥れた。レミリア失脚後はピナの護衛に就く。
コミカライズ版でもいやらしい笑みを浮かべて積極的に協力している。また、エミを陥れる際にも「レミリアに言い寄られて断ったが家族の事を持ち出されて嫌々奉仕していた(意訳)」という悪質な噂話まで流していた。
ゲームだとレミリアの手先として登場するらしく、小物というのは既定路線であると思われる。
レミリアによる「過去の水鏡」を用いた断罪劇(厳密に言うとアンヘルとスフィアの仕業)でピナと肉体関係まで築いていたことを白日のもとに晒される。
前述した「レミリアをドン引きさせた」張本人である。
ちなみにロマノはピナ以外の女性にも愛を囁いていたらしく、コミカライズ版ではピナとの肉体関係を知って「私を愛していると言ったくせに…!」と激怒しているモブ令嬢がいる。
さらにレミリアによると「あなたに騙された女性達が次々と声を上げている」との事なので方々で女性を口説き倒していた模様。
加えてこの映像を目撃したソーンが「監禁されないで本当に良かった」と呟いていたことから、読者からはピナとロマノの営みにおいてロマノの「後ろ」も使われてたんじゃないか?という疑惑が……。
ロマノも含め、恐らくレミリアが作中でピナと同等かそれ以上に怒りを向けている者達。
グラウプナー家に雇われた身でさらにエミからも気にかけられ友達以上に想われていたのだが、「そのいい子じみた態度が気に入らない」といったあまりにも身勝手な逆恨みをしており、隠れてピナに協力して証拠の捏造や工作に協力していた。
ちなみにウィル達の読者からの通称である四馬鹿に対し、ロマノと侍女達は読者達から「裏四馬鹿」と呼ばれる事もある。
ピナによる冤罪劇の後に全員王家によって雇われていたが、断罪劇であまりにも護衛や侍女としてあるまじき行いをしたことを暴露されて失職。
その後ロマノを含めて消息不明となった…というのは表向きの話。実際はレミリアによって全員身柄を抑えられ(親族からも絶縁されたため誰も探さなくなった)、エミと真ピナを救うための精神交換魔法の実験台として扱われ廃人に追い込まれたことが番外編で明かされている。
ピナに対しても「直接は」手を下さなかった(むしろ想像以上に恨みを買っていたことに呆れるほどだった)レミリアが明確に自らの手を下したのは、前述通り自分たちの仕事を放棄したのみならず、エミからの信頼を裏切って自主的に加担したという、謀反に等しい行いが大きい。
コミカライズ版オリジナルキャラ。最後まで本名不明だったが、その容姿から読者からの通称は「糸目(ちゃん)」
学園在籍中はレミリアと一緒に生徒会に所属していた親友で、ピナに追い詰められるエミに「自分だけはレミリアの味方だから」と勇気づけていた…のだが、裏ではピナと通じてエミを陥れるのに加担していた。
その内容もレミリアの私物やアリバイのない時間帯情報を提供という非常に直接的なもので、所業としてはロマノ達と同レベルである。
スフィアと全く同じ親友ポジションでありながら率先して裏切ったという、四馬鹿よりもはるかに悪質な立ち位置にもかかわらず異様に出番が少なく、断罪劇でもピナと通じていた事だけが明かされるだけで終わるなど読者をやきもきさせていたのだが……
レミリアの行動開始後は親友の事などすっかり忘れて暮らしていたのだが、断罪劇後にロマノやグラウプナー家の従者・侍女達共々レミリアに身柄を抑えられていた。
だがそこで明かされた彼女の本性は、ピナを利用してレミリアを自分に依存させようとしていたクレイジーサイコレズだった事が判明。
そして彼女もまた精神交換魔法の実験台として扱われる事になった……のだが、その際に薄笑いを浮かべて「私をどうする気…?」と興奮するドMである事も判明。
これには思わずレミリアも舌打ちして「とんだ変態ね」と毒づくしかなかった様子……
ついでにその場にいたロマノも「マジかよやべー女」とドン引きしていた
「なぜ糸目はレミリアを裏切ったのか」は読者の間でも考察されてはいたものの、最終話にて僅か1ページで突如明かされたそのあまりに逸脱した本性には読者も阿鼻叫喚し、
同時にレミリアが彼女への復讐を実行した事でレミリアに自分を見てほしいという点で彼女の目的は達成されてしまったため、
「レミリア様最大最後の敵」「真のラスボス」「精神交換魔法を喰らっても悦びそう」「放置プレイしても勝手に悦ぶ」「ある意味一番の勝ち組」とすら評される事に。
彼女の本性が明らかになったコミカライズ版最終話のタイトルは「The End of Revenge」である。一体どうすればいい
あと、その本性が明かされるまではレミリアの親友という近すぎる関係から、実はクロードの婚約者その人では?と推測する声もあったが、
さすがに本性が明かされてからはほとんど話題に上がらなくなった。彼女のやった事はクロードと大体同じだし
そして、大切な事なのでもう一度言うが、これほどの重要キャラなのに最後まで本名不明である。
◆レミリアの協力者
課金アイテムショップの店長。猫目が特徴的な青年。
実は瘴気から逃れるために王国へ移住した魔族の一人。
表向きには魔族であることを隠していたがレミリアにそれを見抜かれ、国に潜伏している魔族の村を作るという彼女の提案に乗り、村長としても信頼を置かれる。
彼がレミリア領に移ったことにより王都の課金アイテムショップは閉店。レミリアの進言で秘薬・香水の取り扱いも止めたことでピナは要である課金チートアイテムを入手できなくなり、以降の逆ハーレム作りが行き詰まることとなった。
ソーンが行方を晦ました直後に、店の跡地には(彼と課金アイテムを確保しようとしたピナの思惑で)違法薬物取締の名目で騎士団による捜査の手が入っており、レミリアの見立てではあのまま商売を続けていればいずれピナに監禁されていたとのこと。
もっとも、課金アイテムを製造しているのはソーン本人ではなく、魔国に在住している別の職人であった為、彼を監禁していたところでアイテムは手に入らなかったというオチまで用意されていたのだが。
デイビッドの婚約者だった女性騎士でラウド伯爵家令嬢。学園におけるレミリアの先輩でもある。
なお、婚約者ではあるもののデイビッドの事は憎めない弟分のように思っており、恋愛感情は持っていない。
web、書籍版ではレミリアとは入れ替わりに卒業したため互いに面識がなく、デイビッドからレミリアの話を聞いて素晴らしい女性だと感動し、婚約者がレミリアに心惹かれている事に納得し、
婚約者がレミリアへの想いを胸に秘めて誠実に忠義を尽くそうとしていたのも素敵だとすら思っていた。
が、デイビッドがピナの毒牙にかかってからは明らかに話の整合性が取れなくなったことで異常を感じ独自に調査を始めた。
漫画版では生徒会でレミリア(エミ)と親交を深めており、友人関係を築いていた。
実は、第2話の時点で名前こそ出ていないもののレミリアやウィリアルド達と一緒に登場しており、生徒会室に突然乱入したピナに対し驚愕する一幕もある。
こちらでは、ピナの編入とほぼ入れ替わりに王妃の近衛兵に抜擢され外遊に同行していたので、ピナの毒牙にはかかっていない。
いずれの媒体においても、レミリアの醜聞よりも彼女の元々の優しい人柄を信じ、独自に調査して冤罪である事を突き止め、断罪に賛同したデイビッドを見限り(スフィア曰く「くず」)婚約を解消したのは同様。
そして、レミリア専属の騎士として志願し、彼女に忠誠を誓う。
レミリアも(裏取りをする間もなく)想定外の方向から接触してきたスフィアを(特に面識のないweb、書籍版では)当初は警戒していたものの、裏取りや彼女との交流を進める内に信用に値する人物と認め、
またピナの課金アイテムが尽きてその毒牙にかかる心配もないと踏んだ事もあり、味方に引き入れた。
漫画版では時折見せる奔放さと行動力にレミリアですら唖然とするおもしれー女としての評価を確固たるものとする
攻略キャラの婚約者というどう考えても乙女ゲーに存在していると面倒な立ち位置故、ゲームでは死亡しているのではないかと読者からは心配されている。
クリムトとは互いに心を通わせていたが、断罪劇の後に告白され交際、のちに結婚する。
なお、息子のニコラスはアンヘルとレミリアの子供より先に生まれている。この差はレミリアが目的成就のために子供を授かるのを遅らせたのか、はたまたアンヘルが結婚後もなおヘタレたのか…。
スフィアがゲームでは死亡している可能性が高い事を考えると、同じくゲームで確定で死亡するクリムトと結ばれるのも何かの縁と言えなくもないだろう。
また、レミリアはピナがリィナに乗っ取られなかった世界線においても最終的にはアンヘルと結ばれる事が示唆されているが、
スフィアはその場合デイビッドと結婚する事になると思われるのでクリムトと結ばれない可能性が高く、実はスフィアとクリムトが結ばれるのは本編の世界線だけと思われる。
ドワーフ国の第二王女でレミリアと意気投合し、愛称でサラと呼ばせている。
レミリアを相当に気に入っているようで姉のプシュークがレミリアをほめたときには焼きもちを焼き、レミリアの役に立つことを誓った。
レミリアとの交流が掘り下げられてミュージカルを一緒に見たり教えてもらった農法を役立てようと考えていた。
火の神を宿すことができるドワーフ族の姫巫女。
天啓を受けたというレミリアの力と胆力を認め火の加護と聖鎧を授けた。
神が乗り移っているときは威厳のある態度であったが素の彼女はざっくばらんな口調の女性。
彼女もレミリアを気に入ったようで「あの者が全力でやって世界が滅ぶなら文句はない」と述べるなど、豪胆な性格。
コミカライズ版では火の神との対話でレミリアは一瞬だけ素に戻っているので、レミリアの本性を察したうえで気に入っている可能性もある。
漫画版オリジナルキャラ。ソーンの店の顧客だった貴族のひとり。
慎重ながら好奇心旺盛、そして強かな女傑。
肥満気味の体を気にしているのか痩身薬の愛用者であり、ピナのせいでソーンが雲隠れしていたことで
薬を手に入れられない時期が続いて困らされたことから、ピナのことを嫌っている。
店の商品を切望しており、後にソーンの紹介でレミリアから商売のための領地貸し出しを提案される。
ピナに目を付けられる危険性から当初は慎重な姿勢を崩さずレミリアの提案を受けた直後に即座に一蹴するものの、
彼女の説明により魔国産の改良痩身剤の効果や容姿に優れた魔族の集客力などの極めて魅力的な要素に着目すると共に、
彼女が備え持つ魔道具開発の手腕などを踏まえた上で、
「この女のやろうとしていることに一枚噛んだ方が面白そう」という理由で彼女に全面協力する。
漫画版オリジナルキャラ。後にweb版の番外編にも名前のみ登場している。
社交界きっての道楽家と名高い貴族で、美しいものと芸術に目がない。
濃い顔で動作が激しくコミカルな人物ではあるが一方で人や物を見る目も確か。
魔族の姿を見るなりいたく感動した様子で「美しい」と評すと共にその素性を察しながらも商品価値を見出し、レミリアがエミの知識から得たミュージカル劇の提案に乗り、興行をプロデュースした。
さらに国交樹立パーティーではレミリアによる断罪劇をノリノリで盛り上げており、ドレリアス伯爵夫人が国が荒れかねないことを予想している横でそれを平然と流す豪胆さも見せている。
あまりにノリノリで馴染みすぎており「原作にもいなかったっけこの人?」と勘違いすること請け合い
◆魔族
魔族の王として敬われている。
ゲームではレミリアと契約した魔王であり、「星の乙女」パーティの敵として立ち塞がるが、最終的には救済される隠し攻略対象的なキャラ。
瘴気による狂化現象に悩まされる魔族ら同胞を守ることを第一に考え、安住の地を求めてきた。
そんな中で、瘴気の元凶を絶つための創世神討伐の許可をレミリアから依頼され、監視という名目で彼女と共に創世神と戦ううちに大きな信頼を寄せる。
彼女の冤罪の事情も知ってからは、潔白の証明のために自ら動き、やがて彼女に恋心を抱くようになる。
境遇が境遇ゆえに
恋愛どころではなかったので非常に奥手。
途中から弟にヘタレと叱られるほどで、そこに妹とスフィアまで加わった気ぶり勢が結成される始末。
プライベートでは結構頼りない部分もあるが、覚悟を決めて狂化した同胞を涙ながらに殺して回っていたという壮絶な経験もあり、為政者としては非常に偉大な人物。
レミリアも「仮にピナに好感度を弄られたとしても好意を感じる女よりも国に必要な自分を選ぶ」と信頼しているぐらいには合理的思考ができる。
また、「天眼」と呼ばれる嘘を見抜く目を父親から継承している。
もっとも見抜けるのは相手の発言が真か嘘か(嘘を吐いた自覚があるか)というだけなので、言い回し次第で誤魔化すことは可能。
特にレミリアはその口八丁で自分の発言が嘘判定を受けないよう立ち回り続けている。
この能力に頼ってることもあって、「相手が冗談としか思えないことを本心で言っている」という意味不明な状況には戸惑うことも。
とはいえ能力の欠点はアンヘルも承知しており、明確に害意はあるがボロを出さない相手には「はい」か「いいえ」の二択でのみ返答を迫り、言い逃れを封じるなど機転も利く。
漫画版ではゾッとするほどにカリスマ溢れる美形な魔王スタイルと、ヘタレだが純情な一面を見せるギャップが見られる。
アンヘルの弟。6人兄弟の末弟。
兄を敬愛しており、彼が信頼を寄せるレミリアにも心を許していく。ちなみにコミカライズ版では、レミリアの村で魔族たちが作った食糧が転送された事で兄より先に心を許している。かわいい
アンヘルの狂化を抑えるための役割(アンヘル自身が万一狂化した際の生贄)を担っている。境遇だけ見れば相当悲惨だが本人は必要な事として受け入れており、役割を抜きにしても兄のためなら命を捨てる事も厭わない覚悟を持つ。
その忠節に満ちた姿勢にはレミリアも好感を持っており、内心で親しげに「クリムト君」と呼んでいる。
コミカライズ版では瘴気問題解決後の復興描写が増え、魔物を使役する能力で魔国各地を巡っての資源や動植物の現地調査を買って出る。
その調査にスフィアも同行して以来一緒にいる場面が多く、番外編では彼女の過去の人間関係を気に掛けるなど、フラグが順調に進行している様子。
ゲームでは役割通り、140歳の誕生日と同時に狂化した兄に殺される。
ゲーム中ではどのルートでも死亡してしまう運命だが、エミ、または「エミのレミリア」を演じるレミリアによって命を救われることになる。
レミリアとは動機こそ違えど悲劇を未然に防ごうと立ち回るので、エミのままでもクリムトの死は防がれる模様。
一方ピナはそういうことはゲームのままでいいと無頓着な模様で、むしろ
「死んでくれたらアンヘル様を慰められる」とゲスな考え方をしていた。
むしろ
クリムトの死をゲームイベントの時報として扱おうとしていた節さえ見られる程。
アンヘルの妹。6人兄弟の2番目。
優秀な魔術師であり、瘴気の問題解決のために研究を行っている。
転移魔法が使えることから瘴気に耐性のない魔族の子供たちを人間の国に送っていた。
瘴気問題解決後はレミリアにその腕前を見込まれて、魔国と王国を結ぶ転移門の建設に尽力する。
以下はweb版の番外編で語られたアンヘルの家族について。全員故人。
アンヘルの兄弟3名は魔力が少なかったため、両親の死後に人の国に移住した。
アンヘルたち兄弟の父で先代の魔王。
魔力の揺らぎなどを観測することで狂化について調べ、状況を改善するための研究をしていたが、それがもうじき形になろうかというところで狂化してしまう。
殺して止めようとしたアンヘルたちを返り討ちにし、あわやというところで子供たちを庇った妻を食い殺したことで正気に戻り、そのまま自害した。
魔力の揺らぎを観測する魔術はフェリクスにしか使えないものだったため、彼の死後研究は暗礁に乗り上げてしまった。
アンヘルたち兄弟の母。
優れた治癒師であり、夫が狂化した際にも子供たちと共に戦うが、食われそうになったミザリーを庇って犠牲となる。
夫に貪られながら、最期の力を振り絞って瀕死のアンヘルたちに治癒魔法を施した。
アンヘルの3番目の妹。
森の中に隠棲して呪い師のような仕事をしながら食糧を魔国に仕送りし続け、狂化せぬまま80年後に孤独死した。
狂化ではなく寿命で老衰死できたというだけでも、当時の魔族としては救われた方かも知れない。
アンヘルの4番目の弟。
仕送りのために冒険者になっていたが、ある時ダンジョンに挑んで還らぬ人となる。
遺体が回収できなかったのか、アンヘルの下に帰ってきたのは彼の遺品だけだった。
アンヘルの5番目の妹。
兄弟の中で最も魔力が少なく魔法も不得手だったという。
稼ぐために自ら娼館に身売りしたが、その後病死。
アンヘルは彼女が娼婦となったことを知らず、その死後にミザリーから初めて教えられた。
◆王族関係者
レミリアの父。
妻共々娘に愛情を抱いておらず、彼女を出世のための駒としか思っていない。
無論、追放刑の際にも擁護することをせず、彼女に廃村同然の領地を与えた程度で後は放逐した。
ちなみにエミは前世での両親のみを「親」と認識していたため、縁を切られてもエミは悲しまないとレミリアも気にしていない。
それはそれとして、簡単に裏切るようなろくでなし共を使用人につけていたので軽く報復は行っている。
地位に見合わぬ傲慢な性格で、貴族社会でも評判が悪く、エミの発明品で莫大な利益を得ておきながら軍事利用を断られたことを「儲け損ねた」と逆恨みをしていた。
質の低い使用人ばかりなのも、仕官できない者達を自分の派閥に取り立てて恩を売っていたため。
使用人たちはおろか夫婦もそろってレミリアを放置しておりネグレクト状態に置いていた。
何せ肉体の主導権を奪われたタイミングは、熱病にかかって倒れていた4歳ごろに水を求めて起き上がった時だが、令嬢が療養中だというのに本人達はおろかレミリア付きの使用人達すら全員ガン無視して放置していたわけで…。
ゲーム本編でレミリアが愛を知らない原因であり、エミが裏切られる遠因となるなど2人の不幸の原因にかかわっている。
こんな両親どちらかの弟が、領地経営に腐心したために起きた子供へのネグレクトを解消しようと尽力していたクロードの父という事になるのだが、やはり弟の目から見ても反面教師にせざるを得なかったのだろうか
ちなみに公爵という最高位の貴族の立場でありながら、5巻で描かれた国政会議の場に彼の姿が一コマたりとも登場しない。
たまたま出てこなかっただけという可能性もあるが、その後の魔国・王国間の国交樹立祝賀パーティーでは夫婦で出席している姿がきちんと描かれており、会議には作者が意図的に登場させなかったことも考えられる。
後にレミリアが魔国との貿易で利益を得ていることを知って「自分にも一枚噛ませろ」と相変わらず傲慢な手紙を送りつけてきたが、自分からレミリアを除籍した(=現在は他人)にも拘らず親子関係にあった時と同じ調子=貴族としてもビジネスとしても全く礼儀のなってない態度を取っていること、また情報を手に入れるのがあまりにも遅いことにレミリアは呆れ果て、手紙は暖炉に放り込まれた。
ちなみに義息のクロード曰く「政界のドンを気取っているわりにそこまで有能ではない」とのこと。まぁその程度の人物ということである。
このような有様であるためエミでさえもほぼ意識しておらず、レミリアが手を下さずとも自滅する可能性が高いとされている。
ウィリアルドの父。
追放刑に処されたレミリアに失望し、ピナを重宝するが、悉くそれが裏目に出て狼狽していく。
ウィリアルド同様、婚約者の地位は取り上げないつもりだった。
スフィアの見立てではレミリア(エミ)が王子よりも市井から人気のあることや、評判の悪いグラウプナー公爵の影響を排除して王家でその才能を囲い込む意図があったのではないかと推測している。
レミリアやスフィアからは全くの無能ではないとみなされているものの、ウィルたちの証拠を吟味せずに受け入れたり(ピナの醜態を見て王家の影に調査させるべきだったと後悔する羽目に)、星の乙女の世話を学生のウィルたちに押し付けたりと後手後手に回りすぎている。
原作者によれば自分より優秀な王妃にコンプレックスをこじらせて上記の行動に走らせたことが仄めかされている。一番ダメなところがウィリアルドに遺伝してしまった…
国王の正室でありウィリアルドの母。
原作者によると国王よりも有能な人物とのこと。
息子の婚約者だったレミリア(エミ)のことを実の娘のように可愛がっているうえに、初めからピナを嫌っていて近づけさせなかったことで、篭絡を受けることもなかった。
同時に、レミリア(エミ)を見捨てた挙句にピナのような女を側に置いている息子には完全に失望している。
コミカライズ版において、1話での幼いウィリアルドとレミリアを慈しむ表情と4巻でのウィリアルドに一切期待を向けていないような目の落差は読者を戦慄させた。
また、コミカライズ版では出奔前のスフィアと主従関係となっており、さらに出奔する直前にスフィアが王妃に何かを報告する場面が挿入されている事から
この時点でスフィアが調べた情報を全て把握していたと思われる。
ウィリアルドの異母兄。第一王子だが正室の子ではないため、ウィリアルドより王位継承権は低い。
普段は部下や護衛、メイドと遊び呆ける道楽王子を演じているが、実際はかなり頭の切れる人物。
当初は弟に王位を譲るためにそういった演技でダメ王子を装っていたようだが、レミリアを見捨てて以降落ちぶれていく弟を見限り、自ら傾きかけた王家を立て直すべく行動を起こし始める。
実は母親が魔族で、魔族との交流開始を機に己の出自を公表し、外交役として出世していく。
ピナが使った課金アイテムは魔族の血を引く者には効果が無いため、ピナに篭絡されていない。
web、書籍版の本編では名無しのチョイ役だったが漫画版で出番が急増。
急に生えてきた黒髪ロングのイケメンに原作者含む読者は脳を焼かれたとかなんとか。
なお、彼の護衛はスフィアと旧知の関係であり、断片的に明かされた情報から読者には「剣聖と称されるデイビッドの兄ではないか」と囁かれていた。
そして24話で本当にデイビッドの兄シルベストだったと判明した。
なお、エルハーシャの放蕩に付き従っていた頃は剣聖と呼ばれているのが嘘みたいにチャラい印象だったが、
24話ではデイビッドに対して心底失望したと言わんばかりの冷たい表情を向けている。
コミカライズ版24話公開後にweb版にて放蕩時代のエルハーシャとシルベストを描いた番外編が公開されており、
長い事子宝に恵まれなかった国王に母方の後ろ盾がない魔力の強い子として計画して生み出されたという出自と
ウィリアルドが生まれるまで王妃に我が子の様に愛されて育てられた事、大恩ある王妃のように国のために身を捧げたいと願っていた事、
だからこそ国王夫妻が諦めていた実子が生まれた事を心から喜びウィリアルドを兄として可愛がっていた事、
そしてそんなウィリアルドと国を二分にする争いが起きないようにするために道楽王子を装って担がれる事がないよう振る舞っていた内心が明かされた。
この内心が明かされたことでコミカライズ版におけるエルハーシャと王妃の行動にお労しさが加わる事になった。人の心とかないんか?
その弟への情愛のために日陰者を選んだ光のような生き様はそれを知る人々を惹きつけ、シルベストもまたエルハーシャの輝きに魅せられた一人であった。
なお、ゲーム本編ではその真意を知ったウィリアルドと共に自らの悲劇を繰り返さないためにも王国の貴族制度の改革に乗り出したという。つまり本来はウィリアルドの心もエルハーシャの光に焼かれるはずだった。人の心とか(ry
◆神々
世界に人間を見出した神。web版の外伝によると白い龍の姿をしている。
世界を安定させるために力をふるっていたものの、浄化の女神が幽閉されたことで力をふるう際に発生する瘴気が世界に溢れ、魔族の狂化現象が発生する原因となってしまった。
邪神になりかけた状態で魔界の中心の神殿で眠っていたが、瘴気の問題を解決するためにレミリアとアンヘルのパーティに討伐される。
その後はレンゲの手で浄化されて正気を取り戻し、神殿に残ったレンゲの助けを得つつ弱った体の回復に努めている。
コミカライズ版では単眼の魚の身体を肥大化した泥の様な物体で覆った姿で、各所から生えた蓮根の様な触手を打ち付けたり頭頂部から蓮のコラ花托を生やして実を弾丸の様に飛ばしたり、撃った実を発芽させて蔦で拘束する搦め手も用いてきた。
レミリアたちとの戦いで核を残して浄化されたのち、レンゲにより蓮の花を頭に生やした単眼の小さな魚の姿となって再生する。ちょっとゆるキャラっぽい
瘴気に蝕まれて狂った状態でも自意識は僅かに残っており、自らを討伐しに来たレミリアたちに涙を流しながら「コロしテ」と懇願していたとても優しい神様。
神は人々からの信仰が力になるという設定があり、魔族は自分たちを愛し育んでくれた創世神への信仰を(邪神になりかけていると知っていても)保ち続けていたため、その信仰によって最後の正気を保っていたのかも知れない。
瘴気を浄化できる浄化の女神。創世神の末娘でもある。
天界の主に幽閉されていたが、レミリアに救出され彼女を称賛する。
創世神を救った際には感謝の意を込めてレミリアに「浄化の乙女」の称号を贈った。だがゲームではピナに贈られるものだったため、レミリアは「(エミの愛してくれた「レミリア」に、星の乙女の手垢が付いたものを贈られた気分よ)」と内心でかなり不服だった様子。
コミカライズでは蓮の花を擬人化したような姿をした神々しい姿。
プシュークがその身に宿す神。
彼女の身を借りて話す際の一人称が「わらわ」であるあたり、恐らくは女神。
火と関わりの深い鍛冶仕事も司っており、神の裁きをも退ける「聖鎧」を勇者にもたらす。
その聖なる炎には瘴気を払う浄化の力があり、レミリアも火の加護を授かったことでそれを身に付けた。
レンゲを幽閉していた神。
本来ならば「星の乙女」パーティに討伐されるところを、レミリア一人に討ち滅ぼされた。
浄化の女神に惚れ込んだ挙句一方的に求婚して、断られると幽閉したうえ異論を唱える他の神を滅するという非常に身勝手な神であり、
果ては「レンゲが応えてくれないのは世界が汚れているからで、世界を水で洗い流して綺麗にリセットすれば想いにこたえてくれるはず」と、妄想にすがり世界を滅ぼそうともしていた。
コミカライズ版では、レミリアとの戦闘と同時にこの身勝手な思いが詳細に描かれており、レミリアからも「そんなんだから振られるのよ気持ち悪い」とゴミを見るような顔で吐き捨てられた。
ゲームストーリーにおける、魔族の問題から世界破滅まで全ての元凶ともいえる。
後にアンヘルによって人間の国と魔国双方に、「創世神を苦しめ、魔国に瘴気を溢れさせた邪神(=創世神は瘴気と関わっていない)」というカバーストーリーが広められることになり、公的に全ての元凶扱いとなった。
ついでに偽ピナもこの「邪神」の手先の「悪魔」ということにされた。
なお、エミが対峙していた場合はエミのストーカーになっていた可能性があったそうで、レミリアが激怒していたのもそれが理由とのこと。
【用語集】
エミの世界で流行していた
ソーシャルゲームで、本作の舞台。
ゲームプレイヤーからの通称は「オトキシ」。
ジャンルは
乙女ゲーム風のRPGで、学園での好感度育成を目的とした第1章、冒険の旅に出てバトルメインとなる第2章の2部構成となっている。
好感度を左右するための課金アイテムも豊富だが、然るべき場面でイベントを見たい・観られなくなるイベントがあるといった理由で邪道扱いされることもあった。
6年ほどで
円満終了したらしいが、最後の方は結構駆け足で取ってつけたような設定も多かった模様。
世界の瘴気を浄化できる力を持つとされる伝説の少女。
ピナ・ブランシュがそれに当たるが、転生憑依を受けた彼女はそれに見合う努力を完全に放棄している。
人間の国とは海で隔たれた魔界にある魔国出身の人種。
格段に魔法に秀でるが、本来は温厚で人間に危害を加えない。
人間と比べると長寿な傾向にあり、容姿も優れた者が多い。
魔界の瘴気から逃れるため、国策として魔力の弱い者が人間の国に送り込まれ、隠れ住んでいる。
頑健故か、あるいは瘴気の影響の強さゆえか、後述の「狂化」が事実上の寿命のような扱いになっている。
数百年前から魔族を悩ませている、瘴気に長く触れた魔族が変貌する現象。
理性を失い狂暴化し、その力も増大する。
同胞を喰らうことで正気に戻るが、大抵の魔族は仲間を喰らったことと再度狂化することに絶望して自死を選ぶ。
実質的に魔族の寿命のようなものであるが、いつ狂化するかはわからないため魔族達は怯えながら暮らしていた。
結果として魔族の国では「魔族が狂化したのが分かり次第、王を始めとする武力の高い者が殺しに行く」「狂化した王をすぐに正気に戻すための生贄として兄弟を侍らせる」という恐ろしい制度が存在しており、それがシステムとして成立するくらいには(魔族から)恐れられている。
ちなみに魔力の低い人間でも数を喰らえば正気に戻れるため、本能で瘴気の少ない地を求めた「悪魔」が狂化で発現した転移魔法により、人間のいる大陸へ飛んだのち正気に戻って余生を過ごした例もあるらしい。
神が地上で力を振るった際に放出される負のエネルギー。漫画版では「人間で言うところの疲労が蓄積して発生する老廃物の様なもの」とも評される。
これに触れた魔族は狂化され、人間から「悪魔」と呼ばれる存在となってしまう。時には人間のいる大陸に飛んで猛威を振るうこともあったが、「悪魔」の正体は国交が成立してからも魔族の間でしか知られていない。
また、神ですら瘴気の影響からは逃れられず、創世神は自身の瘴気の蓄積により天界へ戻れなくなったうえ、浄化の手段も断たれた結果(原作ゲームでは)邪神と化してしまった。
なお、魔力の弱い魔族ほど狂化しやすい事は経験則として把握していたが、瘴気が狂化の原因だと判明したのはアンヘルが王位に就いてからクリムトが出した統計によるものである。
RPGには欠かせない敵モンスター。
本作における魔物は、浄化の女神レンゲの幽閉に伴って浄化の術を失った創世神が、魔物の討伐という形で浄化を人間に肩代わりさせるために自分の体から噴き出す瘴気を加工して作ったもの。本来なら人間の生活圏に影響を及ぼさせないよう建設されたダンジョンの最奥に放出されていたのだが、事態の悪化に伴って人間の手による討伐が追いつかなくなり、地上に溢れ出してしまった。
舞台となるゲームにも登場した課金アイテムで、いずれも攻略対象者の好感度に影響を及ぼす。
恋の秘薬は摂取した相手の好感度を5%上昇という破格の効果。ちなみに通常のプレゼントでは0.1%以下。
魅力の香水はそれを付けた状態でのプレゼントやイベント等による好感度上昇が2倍になる。
この効果はあくまでも利用者(この場合はピナ)に対する好感度を上げるだけに過ぎず、対象者(王子たち)の意思や行動を操って強制/抑制させるような効果は無い。
ピナの言い分を信じてレミリアを断罪したのは純粋に王子たち自身の意思と判断である。作中でもレミリアの冤罪疑惑が深まった際に、自身の行いがおかしかったことに気づいた人物が複数現れている。
香水には好感度を0から上げる効果はない。王妃のように元からピナを嫌っている場合や、スフィアのように関わりのない人間には効果はなく、そのため「何故あいつらはあの女に肩入れしているんだ」という違和感すら抱くことになる。
ちなみに、王子たちは学園にいた頃から嗜みとして魅了を防ぐマジックアイテムを身に着けていたが、このアイテムには効果が無かった。
これについて作者がWEB版の後書き一文で
某携帯獣シリーズに例え、
●魅了=わざによる状態異常の「メロメロ」
●好感度上昇=なつき度ステータスの上昇
と、性質そのものが別物であると説明している。
なお、Web版においてこれらは魔族の血を引く者(第一王子やアンヘルなど)には効果が無いが、魔界産の素材で作る魔族用の好感度上昇アイテム、好感度を下げるアイテムも別に存在する。当然、ピナの先手を打って行動し続けるレミリアがそれらを見逃すはずも無く…。
追記・修正は自分の中の人を幸せにしてからお願いします。
最終更新:2025年04月25日 11:17