異世界のんびり農家

登録日:2024/11/02 Sat 10:39:15
更新日:2025/01/08 Wed 13:49:33
所要時間:約 10 分で読めます




出典:『異世界のんびり農家』第4話『水路は暮らしを充実させる』より
2023年1月~3月 ゼロジ―© 内藤 騎之介 /「異世界のんびり農家」製作委員会


笑顔の絶えない異世界農業ライフ

「大樹の村」へようこそ

異世界のんびり農家』は、内藤騎之介によるライトノベル作品である。
小説家になろう」にて2016年12月より連載され、2017年からKADOKAWA(エンターブレイン)より書籍版が刊行された。
イラスト担当はやすも。既刊17巻(2024年6月現在)


【概要】

異世界転生作品の1つ。
原作者がソフトハウスキャラのシナリオライターだった経歴を持つため、同社製ゲームのエッセンスが濃いめ。

病気で亡くなった主人公が異世界へ転生することになる。
その際主人公が転生先の職業として希望したのは「農民になりたい」というものであった。
神からもらったチート性能を持った農具を駆使して、最初は主人公1人しかいなかった土地は肥沃な土地に生まれ変わり村になり発展していく。
次第には異種族のヒロイン達が住むようになり、いろんな意味で充実した生活を営むことが出来るようになる。

本作はファンタジー作品やなろう系作品にありがちなチート能力を駆使して英雄になるという展開ではなく、農家になってスローライフを過ごすことをコンセプトにしている。こうしたスローライフ要素を盛り込んだ作品もなろう作品において出てきている。よって、戦闘で無双して俺TUEEE展開になることや、ダンジョン探索してレアイテムをゲットしたり強敵を撃破したりする展開はない。
また、数多くのヒロインが出てくることからハーレム作品要素も盛り込まれているのが特徴である。
ヒロイン以外のキャラクターも恐ろしい勢いで増えるが、人死にや失踪などがほぼ発生しない(物語から退場しない)ため登場キャラクターが減らない。そのため、小説2巻以降はネームドキャラの辞典が後ろに掲載されているが、モブなどは省略されているにもかかわらず8ページにも及んでいる。
登場キャラクターが非常に多いことから主要登場人物でも名前すら出てこず話が進むこともザラにある一方、モブキャラクター視点で話が進む事も多い。そのため、モブとメインの境目が非常に曖昧であることも特徴の一つといえる。

メディアミックス展開として、剣康之作画によるコミカライズ版が「月刊ドラゴンエイジ」(KADOKAWA)より連載されているほか(既刊13巻)、スピンオフ漫画である『異世界のんびり農家の日常』がユウズィ作画にて連載されている(こちらも「月刊ドラゴンエイジ」にて連載されている)
また、2023年1月~3月の期間にテレビ東京系列でテレビアニメ版が放送された。(1クール12話)
また、この他に書籍版10巻特典のドラマCD、オーディオブック(小説版のの朗読)、ASMRが存在する。

【あらすじ】

「農業をしながらのんびり暮らしたい」
病で命を落とした青年・街尾火楽(ヒラク)は、神様に望みをかなえてもらい、異世界へと転生するが……目覚めたのは深い森のど真ん中。
水も食料もなければ寝床もない、頼れるのは神様からもらった「健康な身体」と「万能農具」の力だけ。
それでもなんとか自給自足の生活を始めるべく、火楽は見渡す限り広がる森の中を右往左往しながら奮闘する。
(テレビアニメHPより引用)

【キャラクター】

・街尾火楽
CV:小林裕介(ドラマCD) / 阿部敦(アニメ)
本作の主人公。
元々はサラリーマンだったが、ブラック企業勤めで体調を崩し、39歳で逝去した。
その後、神によって体に巣くっていた病魔を取り去ってもらい、今の異世界に転生してもらった。その際本人は以前のブラック企業暮らしではない健康な体でのびのび過ごしたいという理由から農民を志すことになった。
その際に神から「万能農具」を手に入れ、何もない森を1人で万能農具を駆使して耕作地を拡大させ村を作り上げた。
その後、ルールーシーを皮切りに様々な種族の女性が訪ねては共同生活を過ごしていくことになる。

作中では大半の者たちから「村長」と呼ばれている。これは、過剰に持ち上げられることを嫌った火楽が意図的にこう呼ばせているのだが、そのせいか本名で呼ばれることは極稀であり、あまり名前を覚えている者がいない*1。なお、話が進むにつれ多数の村のオーナーとなっているため、実質的には領主と呼べる立場になっているが、それでも肩書は頑なに村長としている。

彫刻など手先が器用。反面、ゲーム事には弱い。(麻雀では負けて裸一丁にされてしまった)
また、ネーミングセンスは皆無で、子供たちの名前はヒイチロウを除いてほぼ全員母親が命名している。

平和主義者で本人はあまり目立つことを避けている嫌いがあるが、村の特異性や万能農具のチート能力もあってか、何かと巻き込まれたり国の要人から注目されたりすることが多い。

子孫を残してもらおうと、エルフ族をはじめとする様々な種族の女性陣から思いを寄せられている。また、この世界の女性たちはあまり羞恥心がないのか風呂を作った際は基本混浴であり、いたたまれない気持ちであった。

本人はハーレムを作ろうなどという考えは一切無いにもかかわらず、種族維持のためだったり人柄に惚れられたりと様々な理由から女性たちに迫られており、なろう版・書籍版におけるこの記事作成時の最新話時点では100人以上の女性*2と関係を持ち、実子だけで12男15女の計27人*3という、なろう系の主人公たちもびっくりの大家族になっている。*4

●村長の持つ能力
火楽が異世界で生き返らせてもらった時に、創世神から貰った能力。

・万能農具
火楽の意思により出し入れ自由、農業に関わりがあるものなら鍬でもスコップでも斧でもジョウロでも様々な道具になれる。

おまけにこの農具で土を耕せば種を撒かなくても作物が生え*5、魔物を耕せばどんな屈強な魔物でも即死して肥料になるなどのチート的な効果を発揮する。*6

さらに唯一なれる武器である槍として投げればドラゴンの強力な防御結界すら貫き致命傷を与え、手元に無い状態でも火楽に殺意を向けた相手をオートで迎撃すると言った極めて高性能な戦闘能力も有している。*7

+ ...
その正体は遥か古代に活躍していた神槍「グライム」の分霊。つまり、本業は農具ではなく槍である。槍にしかなれず、威力が高いのは当然と言えよう。
また、自我を持っており、変形可能かどうかはグライム自身が判断して決めている*8
このため、猫車など農具かどうか微妙なものにもなってくれたりするが時には拗ねたり「遠くのものが取りたいから熊手になってほしい」などしょ-もないことを願ったりした場合は変形を拒否することがある。
火楽は意思疎通が可能なことには気づいており、たまに対話している。

その他、神具であるため常人では少し使用するだけで精神が消耗してしまうのだが、火楽は「健康な身体」を持っていることから精神を即座に回復できるため、実質無制限で使用可能となっている。

・健康な身体
火楽の前世が重病で苦しんだことから異世界では健康で居られるように、と与えられたもの。
病気になりにくい、と言った生易しいものではなく、肉体と精神の双方に神がかった回復力が与えられており、言ってみれば「不老不死に近い肉体+完全な精神耐性」を持っているようなもの。
この能力の影響か、火楽の下半身事情も非常に絶倫であり、複数の女性を相手に毎日のように夜の種蒔き(意味深)を夜通しやり遂げられるほど。

・意思疎通スキル
異世界だと言語が通じないのでは?という火楽の不安解消のために創世神が与えたチュートリアル能力。
元日本人の火楽でも異世界の言語相手に問題なく意思疎通ができるための能力…のはずだったが、創世神が一番良い能力を授けたために、火楽は異世界の言語なら共用語だろうがエルフやドワーフの言語だろうが、ルールーシーですら読めない古代文明の文字だろうが、何でも理解できてしまう状態になっている。

・ルールーシー/ルー
CV:井上麻里奈(ドラマCD) / 下地紫野(アニメ) / 種田梨沙(ボイスカード)
火楽の村にやってきた所謂「第一村人」。銀髪のロングヘアの吸血鬼
好物はトマト。

魔法を始めとする様々な学問の権威を持つ「吸血姫」の異名を持つ実力者。
賞金首になって大樹の森まで逃げてきた中で火楽と出会う。そこで魔力回復のため彼から血をもらい、「最初の妻」として共同生活をスタートさせた*9。魔力に応じて身長を変えることが可能。よって子どもっぽいみためから大人の女性まで容姿を変えることが出来る*10
村に来た当初は外交などを行っていたが、村が大きくなってきてからはティアと共に秘書のような立ち位置となっており、たまにケンカしつつも仲良くやっている。自身の後にティアが妊娠した時は経験をもとにサポートしている。
一応追われる身ではあったのだがそもそも人間の国では敵なしレベルの戦闘能力を持っているためかさほど気にしていないようで村長の村の外での活動が増えるとルーも普通に外の街で活動するようになる。

子どもっぽいところはあるが(オセロ・チェスなどをすると大体負けて拗ねてしまう)、女性らしい包容力をもって火楽に接することもある。

実子は7年目に出産したアルフレート、14年目に出産したルプミリナ。
アニメ版ではアルフレートの出産が最終話となっている。

・ティア
CV:ゆかな(ドラマCD) / 洲崎綾(アニメ)
殲滅天使」の異名を持つ天使族の女性。
白い翼を有しており、金髪で可愛らしい顔立ち。見た目は高校生くらい。
賞金首になっていたルーを仕留めるためにやってきた。*11
好物はきゅうり。

可愛らしい顔であるが、天使族の中でも最強の戦力を有しており、「殲滅天使」の異名で知られている。村にやってきた後、ルーと和解し、火楽・ルーと共同生活を始める。
なお共同生活を持ち掛けたのはルー。ルー曰く「私一人だけでは身体が持たない」からである。

物腰は上品で丁寧だが本質的にはルーと同類であり、「面倒になったらぶっ飛ばせばいい」という考え方の持ち主。

村ではルーと共に火楽の秘書ポジションに落ち着き、たまにケンカしつつも仲良くやっている。
ルーと違い積極的に村の外で何かをしている描写はないが、五ノ村では肖像画が出回っていることからそれなりの頻度で外には出ている様子。

母は天使族の族長補佐(ナンバー2)のルィンシァ。ティア自身は嫌っているわけではないが苦手としているようで、子供を二人産んだあとも知らせておらず、その事実を知ったルィンシァが村に訪れた時にはお互いに無言のまま見つめ合っていた。

実子は7年目に出産したティゼル、14年目に出産したオーロラ。

・リア
CV:Lynn
ティアが大樹の村に連れてきたハイエルフのリーダー。リフ氏族。年齢は400歳で氏族では最年長。
とはいえ、エルフの属性もあり、本人はとても若々しく可愛い。
エルフ族は森の中を移動しながら生きてきたが定住できたら一族を増やすことが出来る。そんな思いを抱えながら死の森を放浪する中でルーを追って死の森へ入ったティアと出会い、夜の生活の負荷分散先が欲しがったティアに誘われ大樹の村に移住する。

村の労働力としてエルフ族は非常に重宝するのだが(実際建築や田植えを始めとする農作業にも大きく貢献している)、夜になると子孫繁栄のため火楽の貞操を狙っていることが多い。
なお、原作ではしっかり「おいしく頂いて」いる。
村に来た当初は建築や生活用品作りの知識、持っていたパン種などで村を支え、村が大きくなってからは建築と火楽の隠れた警護活動が中心となる。

実子は9年目に出産したリリウス。同じタイミングで産まれたリグル、ラテと共にハイエルフ族のリーダーとすべく育てられている。

・フローラ
CV:富田美憂
ルーの従姉妹的な吸血鬼。ルーと同様に銀髪が特徴的である。
ルーを探しに大樹の村へやってきた。最初火楽に対してはルーの旦那様と紹介されても「パッとしない」と毒舌気味だったが、インフェルノウルフの主だと分かった途端血相を変えた。
ルーと同様、薬学に通じている。
後にそうした特技を見込んで火楽より味噌と醤油といった発酵食品の研究を任される。

・アン
CV:上坂すみれ(ドラマCD) / 藤井ゆきよ(アニメ)
フローラと共にやってきた鬼人族のメイド。それまでは20人ほどの規模感であるが、ルーやフローラに仕えていた。
フローラが大樹の村に住むことを契機にメイド達を引き連れてきて*12、火楽の生活をサポートする。
メイドとしての仕事を完璧にこなし、対人距離も完璧なスーパーウーマン。夜は積極的。
唯一料理の腕はいまいち*13だったことだが、火楽に様々な調理技術を教わり克服した。
物怖じしないクールな性格で、規律に厳しく、主人である火楽にも遠慮なく物申す村の肝っ玉母ちゃんとしての面も持っており、作中で描かれている範囲ではルールを破って悪戯などをしたクロの子供達や猫達に容赦なく夕食抜きの罰を下している。
また、元主のルー同様「面倒になったらぶっ飛ばせばいい」という考え方の持ち主で意外に短気な面もある。
上記から、火楽は「この屋敷でアンを怒らせるのが一番怖い」と称しているが、一方でその能力には部下共々絶大な信頼を置いている。

原作では後に村長との間に、種族にとって悲願であった男児のトラインを設け、第二子も妊娠中。

・セナ
CV:Machico
大樹の村がハウリン村と交易をスタートさせた際*14、ハウリン村の提案により移住してきた獣人族の娘である。
当初村に来た際は警戒しており、自身は良いように扱ってもよいが仲間の身は保証してほしいという程に仲間思いである。
原作ではしっかり火楽が手を出している。火楽自身は夜の相手が増えすぎて参っていた時期であったため拒否しようとしたが「覚悟を決めた女性に手を出さないのは失礼」というアンの考えにより結局手を出すことになってしまった。

その後ハウリン村最強の戦士であるガルフや兄のガットなど年上かつ地位のある人物が移住してきた後も引き続き獣人族代表を務めている。
村では割かし古参ではあるものの、大人しい性格であることと他の住人のクセがありすぎるためか出番は控えめ。
ただ、他種族からも一定の尊敬を受けており、文官娘衆が(遊びではあるが)大樹の村四天王の一人に選んでいる。また、この時は竜など一部種族や個人が反則として除外されていたことから、大樹の村で地位を持つ人物としては常識的な存在として扱われていることも分かる。

戦闘能力は割と高く、投げ技が得意。
第一回武闘会ではフラウレムと互角の勝負となり引き分けた他、手合わせにやってきた四天王のグラッツに謝りながら快勝している。

実子は12年目に出産したセッテ。

・ラスティスムーン
CV:日岡なつみ
狂竜」の異名を持つ龍人族の娘。
好物は干し柿。村で作った干し柿はほとんど彼女が消費している。
ドラゴン族ということで角と尻尾がある。愛称は「ラスティ」。
最初はよく村に入り浸る父親であるドライム(CV:稲田徹)が浮気していると疑い、大樹の村に乗り込んできた経緯がある。
かなりの大食いで、様々なものを食すことが出来る。
村に住んでからは様々な仕事をさせたが、細かい作業があまりできない。しかし礼儀作法ばっちりでコミニュケーション能力も高かったことから外交担当として訪問者の受付や斥候役を行うことになった。

初登場こそ荒々しいものだったが、基本的には真面目な委員長タイプ。そのためか、ハクレンと違い村の仕事には真面目に取り組んでいる。

実子は12年目に出産したラナノーンと18年目に出産したククルカン。

・フラウレム=クローム
CV:岡咲美保
魔王国四天王の1人であるビーゼルの一人娘。
何かと目立つ大樹の村に対して戦力を調査するために派遣された。
魔王国からの友好の証としてやってくるものの、規格外すぎる村のスペックや技術に圧倒されてしまうこともしばしば。
その後は文官としては村の内政を担うようになり、自身のコネを活かしゴロウン商会とのパイプを築いた。
自身が貴族学園からいなくなってから代わりにユーリの取り巻きとなった反フラウ派の貴族令嬢たちがユーリを唆し村に襲撃をかけようとした際は逆にラミア族を率いて*15返り討ちにし、襲撃を企てた貴族令嬢を村に強制移住させ*16「文官娘衆*17」を結成。以降は文官娘衆のまとめ役として動いている。
その後、村との関係を深める方針に舵を切ったビーゼルにより抵抗むなしく形だけの代官に任命されることとなった。

・ハクレン
CV:生天目仁美(ドラマCD) / 伊藤かな恵(アニメ)
ドラゴン。竜王一家の長女。
姪であるラスティスムーンが先に相手を見つけたと知り、嫉妬に駆られて火楽の実力を試すため村に攻撃を仕掛けるも万能農具で撃墜され降伏。アイアンクローによる制裁と後片付けで許される。
その後は贖罪も兼ね村に移住することになるが頼み事をいちいち文句をつけることで頼み事自体を減らそうとするなど自堕落な姿勢を見せる。
最終的に延々と穴を掘ったり埋めたりする仕事を経て村の教師役(およびドラゴン形態を活かした遠方への輸送担当)として落ち着いた*18。教師役は長続きしており、村の子供たちからは「先生」と呼ばれ尊敬されている。

ドラゴン形態と人間形態に自由に変化することができ、人間形態はぽやっとした感じの銀髪ショートカット巨乳美女。しゃべり方も若干ぽやっとした感じなこともあり優しそうな印象を受けるが、基本的には自堕落かつフリーダムな性格である。
竜ということもあって戦闘能力は村でもトップクラスで、彼女(とラスティ)が武闘会に参加したがったときは他の住人の安全を考慮し模範試合が設けられることとなったが、そこでラスティやグラッファルーンに勝利を収めていた。

また、かつて陰で「よく切れる聖剣」と呼ばれていおり、かつては各地で暴れていたようである。その頃の武勇伝(と悪名)は世界中に轟いており巣に遊びに行くという冗談にドライムが本気で怯え、妹であるセキレンの夫となったクォルンは「竜族でハクレンの名を冗談に使うのは命を弄ぶ行為」と評されるなど他の竜からも恐れられている。

実子は10年目に出産したヒイチロウと17年目に出産したヒカルとヒミコ*19。この他、温泉探しの際に出会ったウルザが事実上の養女となっている。

ハクレン……ひいては異世界のんびり農家世界のドラゴン自体が、巣作りドラゴンのリュミスや竜族のエッセンスを強く引き継いでおり、キャラ時代を知るファンからは作者の性癖が詰まったヒロインと言われることも。

・グランマリア
CV:吉岡茉祐
ティアの部下で、クーデル、コローネとまとめて「皆殺し天使」も二つ名で呼ばれている。
村人が増えていく中で天使族が一人だけという状況に危機感を覚えたティアに従者のリザードマンたちと共に呼ばれ、三人そろって村に移住した。
三人のリーダー格であり、作中で火楽と会話するシーンが特に多い。
村に移住後は村の上空警戒と来訪者の出迎えを行っている。

長い金髪の美女で見た目は大学生くらい。

三人そろって生活能力がなく、掃除、洗濯はリザードマンたちにやってもらっている。

村に来た当初はティアと争いたくないという理由で関係を持とうとしなかったが、許可を貰ったのかいつのまにか火楽と関係を持っていた*20

三人での合体攻撃技を持っており、決まればティアにも勝てる・・・らしいが襲撃してきたハクレンには全く歯が立たず尻尾で「ペシッ」と蹴散らされていた。
個人での戦闘能力は、その二つ名と「オーガ族を100匹殺したけど数匹は見逃した」「ティアと共に敵軍に突撃したら勢い余って味方の陣地にも突っ込み双方の戦力を半壊させた」などの武勇伝を持っている*21ことから決して弱くないが、村の住民が強者揃いなためか武闘会においての戦績は低空飛行で、目立った活躍も描かれていない。
「もうこれ以上、私達の存在意義を脅かす強キャラが村に定住しない事を祈ります」と祈ったが、祈り空しくどんどん強キャラが登場している。

後に襲撃してきたキアービットとは仲が良い。

ラズマリアという母親がいる。

実子は15年目に出産したローゼマリア。

・クーデル
CV:嶋野花
ティアの部下。

見た目は概ねグランマリアに近く、違いとして前髪がアンのようなおでこを大きく出す髪型になっており、漫画ではデフォルトで細目になっている。

村に来た当初は個性が薄かったが、クロたちの抜け落ちた角で作った槍の試し撃ちで派手に大爆発したのを気に入り、急降下爆撃にドハマりする。

以降、爆撃ジャンキーとなりことあるごとに前述の槍を用いた急降下爆撃を行おうとする。

こんなんではあるが他の二人同様火楽と関係を持っている。

実子は17年目に出産したララーデル。コローネの娘トルマーネとほぼ同じタイミングで出産している。

・コローネ
CV:相坂優歌
ティアの部下。

見た目は概ねグランマリアに近く、眠そうな顔をしている。

他の二人と違い特に目立ったエピソード活躍もなく、個性が薄い。
個性の薄さは当人も自覚しているようで、「もっと個性を出せるように頑張ります」と発言している。

当然のように火楽と関係を持っている。

実子は17年目に出産したトルマーネ。クーデルの娘ララーデルとほぼ同じタイミングで出産している。

・クロ
CV:木内秀信
インフェルノウルフのオス。妻はユキ。本作のヒロイン

死の森で暮らしていたが、死の森最強クラスの魔獣であるグラップラーベアに襲われ、負傷し彷徨っていたところ火楽の畑兼居住エリアに迷い込む。「犬は農家の味方」という火楽の考えにより迎え入れられた後、ゲートボアの肉をくれ、産気づいたユキに場所を貸してくれたことを恩に感じ火楽を主人と認める。
名前は火楽がいくつかの候補を用意した中から自分で選んだもの。当初は「シュヴァルツ」を選ぼうとしていたがユキの圧力によりクロにした。

村に来た当初は火楽の警護のほか警備や狩りなどをしていたが、村が大きくなり住人、子孫が増えるうちにほぼすべての役割を周りに譲り、最新話の時点ではユキと共にずっと火楽の傍におり、村のインフェルノウルフのボスとして君臨している。
いつの間にかインフェルノウルフ・エンペラーという上位種のようなものになっていたりと強くはなっているのだが、屋敷での生活が快適なためかかなりだらしない生活を送るようになっており、すっかり太ってしまった。後にフラシアベルに「たくましい(太っている)」という理由でおなかを撫でられていらことにショックを受けダイエットを行い成功している。

エピローグでは心の声でがっつり喋っているため、アニメで登場した動物、魔獣の中で唯一声優がクレジットされている。

・ユキ
インフェルノウルフのメス。夫はクロ。
森で出会ったクロをボコボコにして従えパートナーとするが、妊娠中にグラップラーベアに襲われ負傷。火楽にゲートボアの肉を貰い、出産場所を用意してもらい、無事四つ子を出産する。
その後はクロと共に火楽の傍で暮らしており、主にメスのインフェルノウルフのまとめ役と子供の教育の総監督をやっているようだ。

クロと出会った経緯からも分かるように力関係はユキが上であり、クロを完全に尻に敷いているが、序列上はオスのクロを上としている。
また、自身もいつのまにかインフェルノウルフ・エンプレスという種になっていた。

・ザブトン
デーモンスパイダー族代表。
好物はジャガイモ。
火楽が革製品を作ろうとするもなかなかうまくいかない姿を見たインフェルノウルフらが紹介した。初対面でも気絶しなかったのを気に入ったのか、友好の証に送ったハンカチを火楽に送り、そのまま村に住む事になった。この際、シルエットが座布団に似ていたことから、火楽により「ザブトン」と命名された。
普段は村のシンボルである大樹の樹に住み、火楽始めとする村人の服を作っている。

非常に温厚な性格であるが、実は作中の登場人物の中でも最上位クラスの戦闘能力を持っており、武闘会に出場した際は竜族最上位(=作中最上位クラス)の戦闘能力を持つライメイレンを打ち破り、同レベルかそれ以上の戦闘能力を持つドース相手には敗北した*22ものの互角の勝負を繰り広げた。

作中の登場キャラクターの中でもトップクラスに謎が多く、グラッファルーンの知り合いだったり、200年以上引きこもっていたヴェルサに恐れられていたりと壮大な過去を持っていることが伺える。

【用語】

・ガルガルド魔王国
本作の舞台になっている。多種族国家ということで食に対する事情もそれぞれ異なっているのが特徴である。大樹の村のある「死の森」は魔王の王城の東に存在している。

・大樹の村
火楽が異世界転移して飛ばされたのが「死の森」と呼ばれる森であった。そこから彼は「万能農具」を使って耕作を行い、同居人たちの協力を得て村を作り上げた。
物語の展開上、様々な種族が住んでおり、彼らが生産する農作物などの品質はすごぶる高く、市場でも高い価値を得ている。

・死の森
魔王国領にある森で、火楽の転生先として選ばれ、後に大樹の村が開拓された、本作のメイン拠点である場所。
ここを一言で言い表すなら、「RPGでラスボスを倒したあとに行ける裏ダンジョン」。
名前のとおり、普通の生物が生きていける環境ではなく、ここに生息する魔獣たちはどれも規格外の強さを誇る。*23
さらにこの森に生える樹は鉄よりも硬く、土地の下には厚い塩の層が広がっており、まともに開墾して作物を育てるなど普通なら絶対に不可能な厳しい環境が広がっている。

当然ながらこんな場所に常駐する者など普通は居ないのだが、「他の人間が近づかない」という点を逆手に取って隠れ住む者(リアたちハイエルフの一部)や、魔獣にも対抗できる実力を持って住み着いている者(ラミア族や巨人族など)も一部いる。
火楽は転生時に「あまり人がいない場所」を転生先として希望したことで、創世神は気を利かせたつもりがよりにもよってこの死の森を間違えて転生先にしてしまうこととなった。*24

一方で、この森がもたらす恵みは極めて貴重で高品質な素材であり、この森の魔獣の肉や魔石、塩の層から取れる塩、森に住むデーモンスパイダーの糸で作った布などはいずれも各国では滅多に出回らない超貴重品として高値で取引される。

・ハウリン村
大樹の村の東の位置に存在している村。
鉱物の採掘や金属加工品が主要産物であり、大樹の村とはそれらの交易をするようになった。
来訪者にお近づきの印としてお土産物を渡す風習がなく、最初大樹の村にやってきた際は村人から良い目で見られなかったことがある。

・インフェルノウルフ
オオカミの魔獣。
大樹の村ではクロやユキなどはこれに当てはまる。「死の森の四強」と呼ばれる強力なモンスターの1種類。体は黒い毛で覆われており、炎と雷の魔法が使える。単体で街1つ滅ぼせるほどの力を持っているとされ、恐れられている強力なモンスターである。
それを考えるとクロたちを手なずけている村長はなかなかの大物であるという評価もあながち的外れではない。

・デーモンスパイダー
蜘蛛の姿をした魔物。大樹の森ではザブトンがこれにあてはまる。
痒い所に手が届くような存在のザブトンであるが、戦闘力は単独でも天使族や吸血鬼とも戦えるレベルに高い。「死の番人」とも呼ばれる。
蜘蛛ということで冬の期間は冬眠する。

【テレビアニメ版】

2023年1月~3月までテレビ東京系列でテレビアニメ化がされた。
テレ東アニメだが、放送はAT-Xの方が早いという珍しいケース。
作風にあるようなのんびり暮らせるような雰囲気を意識したという、反面、キャラが多い作品でもあるので、それぞれ描写をするのが大変だったという声もあったという。
監督は倉谷涼一 シリーズ構成は待田堂子
アニメーション制作はゼロジー。

原作小説との目立った違いとしては、

  • 原作で起きた出来事の時系列が多少入れ替わっている(特にルールーシーの出産イベント絡み)
  • 多すぎたモブキャラの一部の人数が調整されている(文官娘衆など)
  • 村長と肉体関係を持ったと明確に分かるのはルールーシーのみでハーレム要素はほぼない

などがある。

OP:「Flower Ring」
ルー(下地柴野)とティア(洲崎綾)によるオープニングテーマ
ED:「Feel the wind」
緋月ゆいによるエンディングテーマ。

追記・修正は異世界で農業を始めた時にお願します。

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最終更新:2025年01月08日 13:49

*1 自分から名乗るときは普通に名前で自己紹介している

*2 これには名前の出ないモブキャラも多数含む

*3 養子扱いである長女のウルザ、獣人三人組を含むと31人

*4 アニメ版ではルールーシーの出産イベントで最終回を迎えたこと、他の女性との関係を匂わせる描写が皆無であることなら、ハーレムにはなっていない

*5 耕すときに火楽が頭の中で思い浮かべた作物を植えたことになる

*6 もっとも、このくらいのチート能力が無いと火楽の転生先である死の森で農家をやるなど絶対に無理な話ではあったが

*7 概要にある通りこの作品はバトルがメインではないので積極的に戦いに使われることはないが、それでも気性の荒いワイバーンが襲ってくるなどの危険な場面も存在する

*8 一応基準は持っており、農具や誰の管轄でもない玩具などには変形可、他の管轄であるもの(銛など)は変形不可としているようだ

*9 なお血を吸われても被検体には特に変化はない。火楽はアンデッド化するなどを予想したが

*10 火楽の子どもを授かってからは母親らしくあろうと大人の容姿でいることが多い

*11 当時ルーが「ひと暴れ」して貴族の面子を潰したため、ルーを捕縛するためにやってきた

*12 なお、この時牛を連れてきたことで酪農が出来るようになった

*13 この世界は料理技術が発達しておらず、世界的に見て特に下手だったわけではない

*14 この交易で大樹の村は包丁やフライパン、寸胴鍋などの調理器具を手に入れることができた

*15 ハクレンなど災害級の戦闘能力を持つ人物の介入を防ぐため火楽に知られないよう動いたことから。当時の人脈では火楽を介さず唯一動かせる「村の外」の戦力がラミア族だった

*16 なろう版および小説版では、襲撃に参加していないフラウ派の令嬢も移住させていたようである

*17 アニメ版では文官娘

*18 教師役になった理由は将来怠けられるようにというやはり自堕落なものであった

*19 双子で、同時に産まれた

*20 少なくともハクレンの襲撃時には関係を持っていることが明言されている

*21 後者についてはクーデルとコローネは参加していない

*22 実質的にはドースの立場を考え勝ちを譲ったようである

*23 例えば、この森で食物連鎖の最下層に位置するであろうキラーラビットというウサギは、この世界の人間としてトップクラスの実力を誇るはずの剣聖と呼ばれた少女が初戦でボロ負けするほど

*24 万能農具が無かったら、火楽は間違いなく転生してすぐに死んでいた