伊集院茂夫

登録日:2024年12月08日 09:11
更新日:2025/03/28 Fri 20:34:41
所要時間:約 10 分で読めます




「諸君…拷問は…人類が築き上げた叡智なんだよ」

漫画系Youtubeチャンネル『ヒューマンバグ大学』の登場人物。
CV:伊藤タカユキ/子安武人(アニメ版)
伊藤氏は同チャンネル内で他にも紅林二郎など多数のキャラを兼任している。

概要

古今東西の拷問・残酷な処刑を紹介する「拷問ソムリエ 伊集院茂夫」シリーズの主人公。また劇中で外道の働く悪行も実際にあった凶悪犯罪の事例を脚色したものが多い。
ある事情から法による裁きを受けなかった外道を古今東西に実在する拷問を以って社会の闇で抹殺する「拷問ソムリエ」。
普段は誰に対しても穏やかな口調で低姿勢に振る舞う仏の如き紳士だが、一度外道の陰惨な所業を目にすると一転、某世紀末漫画の主人公のように鬼や悪魔をも思わせる威勢と残虐さを露わにする。普段の一人称は「私」だが、激怒した場合や拷問中は「俺」に変わり、口調も荒れる。
彼の目に付けられた外道は最後、武術を身につけていようが、護衛をつけようが、海外に逃亡しようが、持ち前の人並外れた戦闘能力と人脈の広さ等を活用し捕らえられ、被害者と同様かそれ以上の拷問をお見舞いされた後惨殺される運命にある。
拷問は基本的に被害者に見合ったものが選ばれ、場合によっては対象を数十日かけて殺害することもある。また捕らえた外道は決して生きて返すこともせず*1、時には生還条件に達成不可能な無理難題を押し付けて、相手の苦痛を更に煽ることすらもある*2*3
そして外道が事切れた後は「根性のない奴だ」「外道の骨は脆い」などと死体蹴りの如く罵るのがお約束。たまに「まだ死ぬな! もっと苦しめるだろ!」と激励(?)する事も。
また外道が碌な事を言わないと分かり切っているため、如何なる理由があろうと被害者遺族を拷問に同席させようとしない。
ぶっちゃけ、似たような外道が登場する某名探偵の孫が主役の推理漫画や、たまに同様のタイプが登場する某小学生探偵が主役の推理漫画の犯人達は伊集院に相談すれば良かったかもしれない。*4

そのような血塗られた日々を過ごしている故に、戦闘能力はかなりのもの…どころか同チャンネルの世界観の中でもトップクラス。
これまで対峙した相手は武闘派のヤクザや半グレ、果ては本物の殺し屋もいるが、そんな者たちも伊集院にとっては雑魚に等しく、容易く仕留められてしまう。
何より、彼には見た者を一瞬でたじろがせる凄まじい殺気を放ち、それはたとえ伊集院と近しい人物や本職の極道さえも恐れ慄かせる*5。依頼人へ覚悟を問うためにあえて殺気を放つ場面も時折見受けられるが、いずれも覚悟を決めていたため動揺することがなかった。なお、依頼人以外で殺気に動じなかったのは2024年12月現在、和中蒼一郎一条康明野田一瓜生龍臣など、伊集院と同等かそれに近いレベルの猛者ばかりである。
明確に傷を負わせたのも羅威刃の小湊圭一、CODEーELの山田康夫、エルペタスの世良蓮二郎、裏神の鳳崎桔平と反町琥治郎、殺し屋の岸辺克治、新生羅威刃の妹尾隆仁と裏社会でも非常に戦闘力の高い僅か7名しか居らず卑怯な手を使った小湊、投げた銃にわざと当たった山田を除くと正攻法で傷を負わせたのは僅か5名という凄まじい戦績を誇る。
本シリーズでは最強格の人物の一人と言え、実際に伊集院の存在は数多の死地を潜り抜けてきた裏社会の者ですらその名を聞いただけで恐怖し、多数の超人クラスの戦闘狂の構成員を抱えている天羽組の組長ですら、彼の事を「さん」付けで呼んだり、粛清対象が被った際には彼との衝突を避ける為にその役割を譲ったほどである。あの佐竹博文*6でさえ「死をリアルに感じる」と威圧させた。
因みに「拷問ソムリエ」という肩書きは伊集院個人のものではなく世界各地に点在する裏社会の職業のようである。無論血で血を洗う凄惨な仕事柄故その道は正に修羅道であり、一度志しても途中で挫折し断念するものも多いという。これを知れば、如何に彼が途轍もない超人か分かるだろう。

無論そんな死地を歩み続ける理由は、伊集院自身の壮絶且つ複雑な過去が関係している。
元々はとある資産家の家系に生まれたのだが、18歳の頃に家族が何者かに全員惨殺され、その後は数年間の浮浪者生活を送っていたという。
彼が外道に一切情けを掛けない容赦ない姿勢は、このような凄惨な過去を経験した為である。
誤解のないように付け加えると、彼自身は「どんな理由があろうと殺人は悪」と定義づけており、如何に相手が人面獣心の外道とはいえ、人を凄惨に殺す自分の行いが正義だとは一切思っていない。*7
むしろいずれ自らも奪ってきた命の数に相応しい末路を辿るだろうと達観すらしているなど、その死生観には独特のものがある。
それでも「自分のような存在で被害者や遺族の心が少しでも救われるのならば、喜んでこの手を穢そう」とも述べていることから、この世に外道が蔓延る限り断罪の刃を振るい続ける覚悟のようだ。
実際悪人に苛烈で残酷な私刑を与え、被害者の無念を晴らすという行為は視聴者の間でも賛否を呼んでおり、アニメ版では狂言回し役である教授から『歪んだ正義感を持つシリアルキラーに過ぎない』は評されている。が、上述の通り劇中の世界は警察も司法もマトモに機能しているとは思えないくらいに腐敗や無能ぶりが目立つので、ぶっちゃけ拷問ソムリエの存在も必要悪と言ってもいいかもしれない。情報屋の捜査能力も明らかに警察より上だし。また、拷問ソムリエの拷問を受けた人物が警察などに捜索されるといったこともほとんどないので、警察も拷問ソムリエの存在を黙認しているフシがある

ちなみに初期の伊集院シリーズは拷問の紹介が主軸で、外道を粛清する際に使用する拷問の解説を行うのが通例だった。特に最初期の動画では笑いながら外道を甚振るなど「拷問マニアの狂人」という面が強調されていた。協力者が増え始めたあたりから、外道を挑発する役割は流川へとスライドし、伊集院は感情を出さず冷酷に拷問を執行するシーンが増えた。

「拷問ソムリエ」を名乗っているが、ターゲットから情報を引き出そうとすることは基本的に無く、拷問スキルは外道に苦痛を与え殺害するためだけに使用しているどちらかというと「処刑ソムリエ」の方が正しい気もする。
これは伊集院自身が現代社会において拷問が廃れた理由を「拷問で得られる情報は当てにならない」と見なしているためで、そのため拷問によって引き出された外道の薄っぺらい反省や命乞いは無視する。
勿論相手が自発的に情報を吐いても問答無用で切り捨てる。*8

伊藤氏の演技も普段は穏やかで拷問時に苛烈になるという具合で、裏社会の住人と関わるようになった現在の常に低音ボイスで所々凄みを入れる演技とはまた違ったものになっていた。

極道組織や半グレとの関係

裏社会の人間故に、極道の小峠華太や久我虎徹と共演が多い。特に小峠が所属する「天羽組」は情報収集の際に頼りにすることもある。
とはいえあくまで裏社会に睨みを利かせる「必要悪」として極道の存在を容認しているのであって、もし一般人に危害を加えるような事があれば組ごと潰すと宣言している(思いっきり組員をビビらせてるが)。
例外として、同じく天羽組に所属する工藤清志他の狂人兄貴も重要な場面ではそうとはいえ真面目で任侠的な性格からか心からの信頼を寄せているようで、裏社会に属する人間でありながら常に敬意を込めて接していた。
また須永陽咲也とも初共演時はバチバチ睨み合う殺伐とした雰囲気で、伊集院自身も「天羽組の狂人どもとはいつかぶつかるかも知れん」と呟いていたが、何度か須永へのパワハラ共闘を重ねるうちにだんだんとその関係は改善され、コミカルなやり取りを交わす事も多くなって行った。

一方、「京極組」との関係であるが、四代目組長であった日下孝次郎の時代は仁義外れがターゲットを護衛していたこともあり、敵対しては痛い目に遭わせて返り討ちにしている。*9
しかし、五代目組長の五十嵐幸光に代替わりした後は関係は改善されたのか、敵対することはなくなりむしろ良好的な関係となった。
特に一条康明に対しては他の極道達相手よりも(多少)当たりが強くなく、むしろ「それほどの腕なら極道以外でも大成出来たろうに」と日陰者として生きる事を惜しんでいた。一条自身も自然な流れで「京極組無敵のコンビ」と自分と伊集院を含める*10など、仲間意識に近い信頼を寄せている模様。
また仙石薫のように、自ら情報提供と外道確保の補助を買って出る構成員もいる模様。
六車謙信に関しては、工藤同様に敬語を使っている。
六車も自身の弱点を克服すべく模索していたところ、伊集院と出会い逆に「訓練してほしい」と懇願し、とある外道を譲り渡した後日伊集院に師事していた。
しかし、京極組の問題児こと守若冬史郎は初遭遇時、「外道は譲ってもらう」と圧をかけたのにもかかわらず案の定手を出そうとし、挙句それを咎められた際も悪びれず挙句頭突き勝負を持ち掛ける奇行に走ってしまう。当然返り討ちになり、守若は大人しく譲ることに。その後、守若は五十嵐組長からお叱りを受けたらしく、また五十嵐直々に謝罪の電話が行われた。

一方「獅子王組」に関しては、伊武隼人と井上月麦としか共演しておらず天羽組や京極組ほどの関係はない。
しかしいずれも外道確保の際に偶々出会し、成り行きで共闘している。


関連人物

  • 流川隆雄

「外道の膝を壊します!」

CV:伊藤タカユキ(動画版)/鈴木崚汰(アニメ版)
※以降、CVの欄は動画版/アニメ版 とする

伊集院のアシスタント兼見習い拷問ソムリエ。初期の動画では髭を生やしていたが、途中から精悍な金髪の青年へと変わっている。
主に外道の捕獲や拷問具の用意などで伊集院をサポートするのが役目であり、また並みの半グレやチンピラ程度であれば苦も無く制圧する高い格闘能力の持ち主。
爽やかな笑顔と朗らかな口調のまま外道の関節を破壊したり、アイアンメイデンなどの拷問具を起動させたりする様子から、視聴者にサイコパス疑惑を掛けられる事もしばしば。
ただどうやらこれは単に拷問中に情動を表に出さないよう振舞っているだけのようで、本来は礼儀正しく正義感の強い好漢である。
実際経験の浅かった初期の動画では、拷問の凄惨さや鬼気迫る伊集院の言動を目の当たりにして絶句・時には吐き気も催す姿もよく見せていたほか、
度を過ぎた外道を相手にした際は笑顔の仮面が剥がれ、マジギレして外道の歯が全部無くなるまで殴りまくった事もある。

2022年11月に公開された動画にて、彼の過去と伊集院との出会いが明かされた。
今でこそ爽やかな笑顔で拷問をサポートする彼も、3年前までは4人家族で幸せに暮らしていた普通の大学生だった。
しかしある日、スーパーマーケットの会長の御曹司であり半グレ崩れでもある戸塚という男が隆雄の母に言い寄るも断られ、それを逆恨みした戸塚が両親と妹を惨殺した挙句、自宅に放火するという凶行に及んだ。
たった一晩で家族全員を失い、絶望と憎悪に沈んだ隆雄は全財産を投げ打って仇を探す日々*11を送り、そしてある時出会ったエマと伍代に伊集院と引き合わされたのが全ての始まりとなった。
苦もなく戸塚の護衛である殺し屋を制圧し本人も捕らえた伊集院に、隆雄は土下座して自分も拷問に立ち合わせてくれと頼み込む。依頼人を闇に引き込むわけにはいかないと難色を示す伊集院だったが、それでもなお彼は叫んだ。
「自分のような悲劇を生む外道を地獄に落とす為なら、自分は喜んで鬼になる」と。
その覚悟を汲んだ伊集院は彼を自身の弟子兼アシスタントとし、最初の仕事として野兎責めに掛けた戸塚にトドメを刺すよう命じる。そして隆雄は咆哮と共に自ら戸塚を車輪で引き裂き、遂に仇討ちを完遂。ちなみに戸塚の死体は伊集院に罵倒されながら蹴られまくった。

そして現在。「辛い時こそ笑いなさい」という母の教えを胸に、見習い拷問ソムリエ・流川隆雄は今日も笑顔を忘れず外道を拷問する。
地獄に落ちるであろう自分は天国の家族には会えないと承知の上で。





これまで執行した拷問の一例(閲覧注意!)


数年もシリーズが続いて流石に拷問ネタの数が間に合わなくなったのか、過去に行った拷問を再び行ったりパワーアップしたりといった形の動画も作られている。伊集院自身も拷問器具の改良に日々いそしんでいる事が語られている。

私の名前は伊集院茂夫。wikiの記事を充実させる追記修正ソムリエだ。

この項目が面白かったなら……\流川ァ!!/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ヒューマンバグ大学
  • YouTube
  • 伊集院茂夫
  • 七三分け
  • 拷問
  • 拷問ソムリエ
  • 作中最強候補
  • 必殺仕事人
  • 復讐代行
  • 外道←敵視点
  • 伊藤タカユキ
  • 子安武人
  • 狂人
  • 超人
  • ドS
  • サディスト
  • ※主人公です
最終更新:2025年03月28日 20:34

*1 そもそも伊集院たち拷問ソムリエの裁きを受けるには、対象が大罪を犯しながら法の裁きを受けなかったという事象が大前提であるのだから当然である。

*2 例えばファンの一人の少女を騙して性的関係を迫った上に自殺に追いやったYouTuberには「32万人の登録者を騙したのだから、野うさぎ責めを32万周耐えたら解放する」という条件を提示した。

*3 下記の天羽組と粛清対象がかぶった場合は、その相手を立つのがギリギリまで消耗させた状態で「これから来る相手から逃げ切れれば解放」という条件を提示した後にブチギレ中の天羽組最強の和中を呼び込んだ。

*4 ただし、後者の場合は犯人に必ず罪を償わせるスタンスである為、その点に関しては伊集院とは完全に真逆である。

*5 後述の小峠は彼の殺気による脅しを受けた際に「その殺気はヤバすぎます」と珍しく媚び諂いながら怯えており、佐竹博文曰く「ヒグマのような威圧感」、紅林二郎曰く「リアルに死を実感する」らしい。

*6 なお伊集院茂夫は対照的に「外道だとしても殺せる気が全くしない」と怯んだ。

*7 ただし、まだ設定が定まっていない初期の頃は視聴者に拷問についての持論を楽しげな様子で語りかけてきたりと自らの行為を正当化する一面も存在していた

*8 伊集院の家族殺害に関わった「堂馬利信」は拷問に耐えきれず殺害に関する情報を吐いたが一蹴され、また別の回ではCODE-EL所属の山田が組織の事を話そうとしてこれも一蹴されている。

*9 その後、伊集院と敵対した者はいずれも後に破滅を迎えた。

*10 勿論「勝手に私を京極組に入れるな」とツッコまれた

*11 しかも伍代と会う前に隆雄は情報屋を騙る半グレに全財産を巻き上げられてしまう。この半グレは戸塚とは無関係であるが、隆雄を拷問ソムリエにするきっかけを作った元凶の1人ともいえる。

*12 ただしフィリピンのキリスト教はカトリックなので、正確には神父が正しい。

*13 名前通り蛇の形をした錫製の拷問具。錫は柔らかく熱伝導率が高いため、対象の体に巻き付けて熱湯を注ぐことで高温・熱傷による苦痛を与えられる。

*14 ヒューマンバグ大学と漆黒アカデミアの世界観的な繋がりははっきりと示されておらず、この「拷問ソムリエ」が伊集院であるかどうかは一応不明。

*15 このシリーズの外道たちも数名は複数の被害者を出したりターゲットの関係者を殺害している者がいるので、拷問蛸がターゲットに目を付けなくとも「拷問ソムリエ」の標的になっていたと思われる。

*16 結局元組員夫婦は殺されてしまったがその子供は偶然通りかかった佐竹に守られ、殺し屋も工藤清志によって撃退された。

*17 後の回にて、大鳥という旧華族の政治家が資金援助をしていたことが判明した。大鳥は一般人を薬物中毒にして殺しあわせる外道だったので、殺し合いの生存者による依頼で一緒に楽しんでいた息子ともども殺害された。

*18 伍代によると「拷問は一切できない」との事、本物によると殺人の力や技はないらしい。

*19 一応、須永は「旦那があんなセコい真似するか?」と訝ってはいた。

*20 本物だとわからないようにはしていた

*21 本物は見ただけで相手の強さや技量がわかる為擬態だとすぐにわかるはずである。そうでなかったとしても「松葉杖?覗きなどのストーカー行為ができるとは思えませんが…」くらい思いそうなものである。

*22 …等というが、この男は不潔な身なりの30代後半の無職であり、こんな男に騙された被害者の40代女性ははっきり言って人を見る目が無さすぎである。

*23 この半グレの仲間2人は10年の実刑を受けているが、出所後に殺人未遂や拉致監禁で再逮捕されたのでターゲットにできなかった。

*24 しかもこの男は警察に逮捕された際に格下の部下と立場を入れ替えて軽い懲役で済ませた上に、被害者女性の婚約者だった依頼人を嘲笑した。

*25 伊集院曰く、普段の血生臭さよりはマシとのこと

*26 華太曰く「負け犬」

*27 なお、今回小林は伊集院と標的をめぐって揉め事を起こしており、最終的に小林が依頼人の両親を殺害した殺し屋の始末、及び標的に対するトドメ役を担うという形で交渉成立した

*28 山羊を含む陸上草食動物は草を食べる過程で体内にカリウムが溜まりやすく、それを排出するために塩分を多く欲する。飼育下でも餌以外に岩塩が与えられることが多い

*29 赤ん坊になりきり、女性に甘えて興奮を得る異常性癖。ざっくり言えばバブみの超タチ悪い版