死体蹴り

登録日:2010/04/16(金) 01:54:29
更新日:2020/05/25 Mon 17:17:49
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「もうやめて遊戯! とっくに羽蛾のライフはゼロよ!」


死体蹴りとは主に格闘ゲームで行われる挑発行為。「死体殴り」「オーバーキル」とも呼ばれる。



概要

多くの格闘ゲームでは、相手キャラクターをK.O.した後、数秒間だけだが勝った側だけが自由に行動できる。
このうち、次の3種類の行動は死体蹴りと呼ばれることがある。

1.倒れている相手キャラクターに攻撃を加える
負けた側のキャラクターを追撃することが可能になっているタイトルもあり、ノ―マナーなプレイヤーは相手への挑発や憂さ晴らしなどの理由でこれを行う。
負けたキャラクターは大抵倒れているため、蹴り技がよく用いられる。
そこから「死体蹴り」という名称が付いた。

2.コンボを続行する
難度の高い連続コンボの最中に相手をK.O.した場合、これを中断することを「気分が悪い」「鍛錬にならない」等と感じ、コンボの〆まできっちり叩き込むプレイスタイルがある。
無闇に死体を辱めているわけではないので、ノーマナーとみるか否かは意見が分かれる。しかし、「死体を殴っている」ことには変わりないので「死体殴り」の範疇ではある。特に、演出の長い超必殺技まで叩き込むことは挑発行為とみられるだろう。

3.何らかの無意味な動作をする
攻撃を当てていないにもかかわらず「死体殴り」と呼称される例も存在する。
ゲージを溜める技、必殺技の予備動作となる技、打点が高くて空振りするような技など、キャラクターに物理的に命中しない技を撃つパターン。あるいは相手の死体の上をウロウロしたり、屈伸したりといった動作で意思を示すパターンがこれに当たる。
いわば倒れた敵の上でバットを素振りするようなもので、やはりこれも挑発行為とみなされることがある。
センシティブなプレイヤーには、「勝敗が決まった時点でレバーを離すのがマナー」と言う者も。
もっとも、後述するように次のラウンドを有利にする技も存在するので、一概にノーマナーとは言い切れない。

これが転じて、他のゲームや似た状況に対する比喩表現としても「死体蹴り」の語が使われるようになった。

口プレーと同じく、相手によってはそれが原因となりリアルファイトへと発展する恐れもあり、店舗によっては「死体蹴り禁止」という旨の貼り紙がある場合も。
仲間内でやる分にはジョークで済むが見ず知らずの人に行うのはタブー。
百害あって一利無しな行為なので、絶対やらない事。
実際に死体蹴りが理由で傷害事件に発展した事例もある。

ちなみに格闘ゲームと言っても、必ずしも全ての作品で死体蹴りができるわけではない。
決着が着いたら両者とも操作不能になるシステム*1や、決着後の攻撃はキャラクターをすり抜けるようになるシステムがよく知られている。
また、ラウンド終了時に死体蹴りをすると、必殺技ゲージなどが溜まる作品もある。
この場合はテクニックの一つでもあるため、行ってよいかは賛否両論である。



格ゲーにおける死体蹴り


注意!

ここに書かれている内容は、死体蹴りを推奨するものではありません。
実際にやってリアルファイトに発展し、自分がK.O.されても責任は負いかねます。

○鉄拳シリーズ

完全な挑発行為。他のタイトルと比べて特にK.O.後に動ける時間が長いので執拗に攻撃するプレイヤーも多い。
最新作の7では以前と比較して行動可能時間が短くなっているが。
また、TAGシリーズ及びレボリューションでは行動できなくなっている。

なお、7に関してはどちらかが瀕死状態の時にお互いが(ほぼ)同時に攻撃を出した際に発生するスーパースローの時に勝敗が決すると通常よりも次ラウンドまでの時間が倍近く長くなる。

○X-MEN CHILDREN OF THE ATOM

時期的には鉄拳1と同じ頃にあたる。カプコンの2D格ゲーには珍しく、決着後にコマンド入力で操作可能で死体蹴り可能。こちらも完全な挑発行為。

○ソウルシリーズ

こちらも鉄拳同様挑発行為だが、『IV』でシャンファを使う場合に限っては話が全く違ってくる。

シャンファにはその場で回転する「奉夏笙(ホウゲショウ)」と、そこから相手を挑発する「奉夏挑発(ホウゲチョウハツ)」という技があるのだが、これ自体は単に相手を挑発するだけであり、これ単体では相手を攻撃する事は出来ない。
だがこれらを何回も発動する事によって奉夏笙のレベルが上がり、レベルを上げる度に奉夏笙から出せる派生技が増えたり、さらに派生技にスタンやガードブレイク効果が付与されるようになり、連携の選択肢が大幅に増えるのだ。

問題なのは蓄積した奉夏笙のレベルは「ラウンド終了後も持ち越す」という事と、「そのラウンドに勝利してから次のラウンドに移るまでの数秒間の間も、奉夏笙のレベル上げが可能」だという事にある。
つまり『IV』においてのシャンファを使ってのガチ対戦においては、そのラウンドに勝利してからひたすら奉夏笙と奉夏挑発を出しまくって相手を挑発する行為が、勝率を上げる上で極めて重大な行動になるのだ。

だが対戦相手に上記のシャンファに関しての知識がまるで無いと、対戦相手からしたら負けた自分を挑発しているようにしか見えないので、喧嘩を売られていると誤解されるなどトラブルの原因になりやすいのだ。
これは厳密には死体蹴りとはちょっと違うが、シャンファの行動がまるっきり倒れている対戦相手への挑発行為そのまんまなので、敢えてここに記載させて頂いた。

さすがに不評が殺到した為か、『V』でのシャンファの後継キャラであるレイシャからは奉夏笙自体が削除された。

ちなみに相手をリング端でK.O.した際には、死体蹴り目的で出したスライディングによって自分がリングアウトするというマヌケなことにもなる。

○バーチャファイターシリーズ

基本的には挑発行為だが、相手が舜帝だった場合には少々話が違ってくる。
舜は飲酒によって自身の性能強化ができ、舜が相手の場合のみ一部の技に飲酒量を減らす「酔い覚まし効果」が付く。
酔い覚まし効果はK.O.後の攻撃でも有効なため、K.O.後限定の酔い覚ましコンボもある。
舜がいる場合、K.O.されたら追撃で酔いを覚まされ、K.O.したら必死に飲酒…という光景が毎ラウンド発生する。
戦術的にも有効であるため、一概にマナー違反とは呼べない扱いとなっている。
しかし、K.O.後の酔い覚ましコンボは老人虐待にしか見えない。

餓狼-MARK OF THE WOLVES-

ラウンド終了後の行動でパワーゲージが増えるパターン。
ただし出しただけでゲージが増える必殺技は出せなくなるので、ゲージを貯めるには必然的に通常技か特殊技で殴らなければならない。
相手のゲージも殴った分増えるのは欠点だが、少しでもゲージが欲しいキャラは死体蹴りをやらない理由がない。
なお、死体蹴りの恩恵を最も受けているのは隠しキャラのグラントで、
画面端で浮いてK.O.した相手に「魔壁×3>近距離立ち強パンチ」というお手玉でゲージがモリッと増える。

BLAZBLUEシリーズ

初期バージョンのCTでは比較的K.O.後に行動できる時間が長かった。
さらにダウン追い討ちで普通に浮くこと、必殺技どころかディストーションドライブも使用可能という仕様から、もはやオーバーキルともいえる死体蹴りもできてしまう。
CS以降はK.O.後の行動可能時間が短くなり、ディストーションドライブも使用できなくなった。

戦国BASARA X

K.O.後にエリアル攻撃や吹っ飛ばし攻撃で死体蹴りをする事が多く見られるが、これはスタイリッシュポイントを稼いで後の展開を有利に進めるためである。
VFの舜戦同様に戦略面でも有効な例なのである。

ギルティギアシリーズ

歴史的なタイトルであることから、同メーカーのBLAZBLUEよりも、ダウン後に再び浮かせるような特殊な攻撃は少ない。しかし必殺技ゲージを次ラウンドに持ち越さないことから、超必殺技でのオーバーキルはしばしば見られる。
また、システム上で用意された挑発行動を取ると「RAKUSYO(楽勝)」となり、次ラウンドで相手に多量の必殺技ゲージを与えてしまうことから、その代替として「一撃必殺準備」という行動が使われることがある。これは上記の3.の例である。

○大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ

for 3DS/Wii U」までの体力制乱闘では体力が0になってもファイターはその場に残り続けるため容易に死体蹴りが可能だったが、
SP」では体力が0になったファイターは爆発するようなエフェクトと共に消滅するようになった。
ただし体力が0になってから消滅するまでにほんの少しだけ間があるため、即座に追撃行動をかませば死体蹴り自体は可能だったりする。

格ゲー以外での死体蹴り

遊戯王

通常のカードゲームとしてもしばしば発生しうる状況だが、ネットミームとしてはアニメオリジナルエピソードにおける、

「なに勘違いしているんだ……! まだ俺のバトルフェイズは終了していないぜ!」
「もうやめて! とっくに〇〇のライフはゼロよ!」

の遣り取りがあまりに有名。詳しくは狂戦士の魂を参照。

侍道

死んで動かなくなった敵もしくは住民をさらに蹴るという非人道的行為である
死体を蹴るのを住民に見られると罵声を浴びせられるので嫌ならやめておこう

モンスターハンター

一部を除き、討伐した(中・大型)モンスターに攻撃することができる。
ただし、捕獲したモンスターにはできない。
通常は無意味な行為だが、連続狩猟や複数のモンスターを相手にする際には、太刀の練気ゲージ維持や操虫根のエキス採取のために死体に斬りつけることはある。
する際は剥ぎ取っている人の邪魔にならないように注意しよう。
一部作品では討伐したモンスターに当たり判定がない作品もある。

ゴッドイーター

全ての敵の死骸に当たり判定があり、銃形態メインで戦うプレイヤーは死体斬りでOPを補給したりする。
特に複数同時討伐ミッションでは倒したボスの死骸が消えないため、剣形態で死骸斬りしてOP補給→銃攻撃→OP減ったら死体斬りを繰り返す……といった戦い方もある。
そのため銃形態メインやロングブレードのインパルスエッジを主体にする場合、むしろ死体斬りは小技の一つとして有効である。

FGO

このゲームのバトルでは、通常攻撃で敵のHPを0にしても即座に敵を倒した扱いにはならない。
例えばサーヴァントA→A→Bという順に攻撃をセットした場合、Aの1回目の攻撃で敵のHPが0になったとしてもAは続けて2回目の攻撃を行い、その直後に敵は消滅する。

死体蹴り中は画面左上にOver Killと表示され、宝具を使うためのゲージ上昇率とクリティカルに関わるスター発生率が上昇するので、完全に無駄にはならない。

サーヴァントA→B→Cの順に攻撃を行うと、一体でも多く敵の数を減らすことができるし、
サーヴァントA→A→Aと攻撃を行うと敵は一体しか倒せないが、Aのゲージ溜めとスター稼ぎを優先することができる。
どちらを選ぶかはマスターの采配次第である。

○Dark Soulsシリーズ

本作ではやられたプレイヤーの死体は消えるので死体そのものには攻撃できないが、プレイヤーが倒れた場所で煽り行為をする、広義の意味での死体蹴りは確実に存在する。
具体的には下を指差す、蹴りの連打、パッチ座り(ウンコ座り)、糞団子を投げるなど。
このような亡者のごとき振舞いは慎みたいものだが、海外マッチングをONにしていると遭遇しやすいので注意。

Bloodborne

ダメージを受けた後一定時間内に反撃すると体力を回復できる「リゲイン」というシステムがあるのだが、
敵の死骸にも僅かな時間ながらリゲイン判定が残っているため、トドメを刺した敵に攻撃を続ける場合がある。

○DEAD SPACEシリーズ

宇宙を舞台としたホラーTPSで、死体蹴りが小技どころか非常に重要なゲーム。
このゲームの敵は人間の死体が変異したもので、手足を切り離すなどして個体の体積が減るとダメージを受け、滅びる。
そのため安全な進行のためには、いたる所に転がる死体を踏み潰しバラバラにしながら進むことが推奨される。主人公渾身のストンピングが炸裂だ。

○レーシングゲーム全般

レーシングゲームでの挑発行為に「ブレーキフラッシュ」という行為がある。「ブレフラ」などとも。
これはレーシングゲームにて先行している側が不必要にブレーキを踏み、ブレーキランプを点滅させ後続プレイヤーに対して挑発するもの。仁DのA~Bランクあたりでなどでよく見られる。
減速しすぎないように軽くふむのが普通だが、たまに完全に止まって待つ大人気ない上級者もいるようだ。
また、BGではTAモードでわざとゴール前で止まり、自分のレコードタイムを遅くするというテクニックがあるが、これはTAモードでタイムを更新するとリザルトでポイントが多くもらえるため。(棒高跳びのブブカやイシンバエワと同じ理屈*2である)ブレフラとは違うテクニックのため、勘違いしないように。
もちろん、後ろに待っている人がいたらそんなことをしてはいけない。


リアル死体蹴り

埋葬方法として

死体蹴り(物理)
正確には蹴るのではなく踏むのだが、日本や各国で実際に行われていた風習である。
人や動物が死んで、これが化けて出る恐れがある*3と見られた場合、死体は特別な場所に埋められた。
たとえば人の行き交う三叉路、四つ辻、家の玄関などがこの場所にあたり、沢山の人に常に踏まれることで、死人が蘇り死体が起き上がるのを防止したのだという。
徹底する場合はさらに手足を縛り、簀巻きにしたというのだから、却って非道く恨まれそうだ……と感じてしまうのは現代人特有の感性だろうか。

ヨーロッパなどでも同様の考え方はあり、死体が化物となる恐れがあれば、これを特別な方法で埋葬した。
たとえば、棺桶の死体は通常天を仰いで寝ているが、この状態がマズいと考えて俯せにさせる例。また吸血鬼騒動があったときなど、死体を掘り起こして首を切り落とし、心臓に杭を打ち、さらに灰になるまで焼いて、川にばらまく例。
この例からも分かるように、死んでなお焼死させる火葬という行為も、ある意味では死体蹴りの一種と言ってよいのかもしれない。

墓荒らしとして

「死人に鞭打つ」というのは比喩表現として用いられるが、現実に行われていた行為である。

古代中国やエジプトなどには”死体を保っておけば魂が蘇る寄る辺となる”というような復活信仰があり、
死体を生前に近い形で保存することによってその人の魂の為の場所を残そうとしている例が見受けられる。

が、そういう保存を高レベルで受けられるのは王侯貴族など大物が多い。
そのため…

①政治的・軍事的に関連があった人物
②副葬品目当ての盗賊
③ミイラを薬品や燃料など利益になるものとして使おうと考えた者たち

などが死体を荒らす事があり、特に①は古代中国の伍子胥という人物が実際にやったようである。(家族ごと謀殺されかけた相手への怨恨)
これが「死人に鞭打つ」の語源となったという。

②や③は死体そのものを薬として使うケースもあるが、体を覆ったり包帯などに埋め込まれた宝石や装身具に使われた高価な品をはぎ取る時に副次的に損壊する場合もある。
また昔の遺跡発掘を描いた漫画や映画などでは、実際行われたこととして死体を松明などに使う描写がある。
(この場合は盗賊ではない人間が、ヒャッハー的意味ではなくあくまで謝罪したうえで緊急時に、または当時の常識として代用燃料にする感じ)

ライトノベル『ストライク・ザ・ブラッド』では、人工島の霊的な構造強度を構築・維持するために聖人の腕のミイラを用いている。
これを島が崩れようとも奪還しようとする宗教家と、島の崩壊を防ごうとする主人公らの戦いが一巻のシナリオ。
尊崇する宗教の聖者が踏みつけにされてたらそら怒るよ……でも「島の住人など知らん!」というのも受け入れられねえ!という衝突が作中で描かれている。

無論のこと、現実に怨恨などから墓を暴いて死体を損壊すれば死体損壊罪である。
歴史的建造物や場所などで発見された天然・人工のミイラも同様。
よほどの緊急事態以外で上記のような事をしたらやはり歴史的な遺産を傷つけたのだから捕まるだろう。今はもう時代が違う。
死体から利益を得るという行為は、現実ではシャレやマナー違反では済まされないのだ。

殺人に伴う行為として

意図して死体損壊を行うパターン。
殺人の隠蔽の過程で必要となる場合もあれば、殺しても殺しきれないほどの憎悪や、特殊な性嗜好、医学的・呪術的理由から行われる場合もある。日本の刑法で「死体損壊・遺棄罪」と言われているように、遺棄や不注意な保管の結果として、死体をより惨たらしい目に合わせてしまうこともあるだろう。

かつては刑罰の一環として、「晒し首」や「磔刑」が行われた。こうした死体は惨たらしく虫や鳥に食われ、単純な死刑以上の刑罰となることを期待された。

いわゆるカニバリズムは、食事、刑罰、薬・呪術など多様な意味を伴って行われた。人喰い人種の伝説や、 「4本足のものは机以外食べる。2本足は親以外食べる」 と揶揄されるほど多様すぎる(じんにくしょく)食文化を持った中国の歴史は有名。また、日本でも近世までは人体を用いた薬が当たり前のように用いられ、驚くべきことに近代に入ってからもしばらくは非合法に製造されていた。

また後述するように、神話や伝説でもしばしば行われた。


リアル死体蹴りの例

○エジプト神話のオシリス

神にして王であったオシリスは、それを妬む弟のセトに謀殺された。
そればかりか、復活を防ぐために遺体をバラバラにされ、ナイル川にばらまかれてしまった。やってることは瀬人というより王国編の羽蛾
結局はこれが原因となってオシリスは現世に戻れなかったため、埋葬方法の項で述べたように呪術としては成功したと言える。

○ハイヌウェレ型神話

ある神の死体から主要な食物が生まれたとする神話をこう総称する。
インドネシア神話の女神ハイヌウェレは大便から宝物を生みだし、気味悪がった村人に生き埋めにされ、上から踏み固められてしまった。
その死体をハイヌウェレの父親がバラバラにし、あちこちに埋めたところ、現在の主食であるイモとなって生えてきたという。それでいいのか父親。

○日本神話の大宜津比売(オオゲツヒメ)保食神(ウケモチノカミ)

我等が日本神話においては、この2女神がハイヌウェレ型神話に当たる。
前者は素戔嗚尊(スサノオノミコト)、後者は月読尊(ツクヨミノミコト)にごちそうを振る舞ったのだが、その食材*4というのが口やら尻やらから出されたものだったので、御褒美です怒った相手に斬り殺されてしまった。
その死体から、五穀や牛馬、蚕といった大切な生産物が生まれたという。*5

○ギリシア神話のメーデイア

王女メーデイアは、かの英雄イアーソーンに恋をし、共に逃げるために一計を講じた。
なんと、父王の追手の目の前で自身の弟を殺し、さらに死体をバラバラにして、海に撒いてしまったのだ。追手はこれを拾い集めるのに必死になり、一行はその間に無事に逃げ出せたという。
このメーデイアはバラバラ殺人が十八番で、他にもやらかした例がある。
イアーソーンがペリアース王に復讐の念を抱いたときのこと。恋人の願いを聞いたメーデイアは、王の目の前で老いた雄羊を切り刻み、鍋で煮て、仔羊として若返らせる魔術を見せた。さっそく王と王の娘たちは真似をしたが、後に残ったのは茹であがった王の死体だけだった。

○メディア王国のハルパゴス

奇しくもメディアという名の国の、ハルパゴスという将軍は、王の怒りを買って一人息子を殺された。
そればかりか王は、息子の死体を調理し、父ハルパゴスに何も言わずに食わせた。
食後、王はハルパゴスに味を問い、彼が「美味だった」と答えると残りの死体を見せた。ハルパゴスは取り乱すこともなくその場は退出したが、胸のうちには強い憎悪が秘められていた。
後に彼は王を裏切り、反乱の手引きをし、メディア王国を滅ぼした。惨めに囚われた王に向かって、ハルパゴスは息子の恨みを語り、散々に罵倒したという。ば~~~~っかじゃねえの!?



比喩表現としての「死体蹴り」

何らかの要因で既に肉体的・精神的・社会的に死に体となった人物が、更に被害を受けた場合も、死体蹴りという比喩が用いられることがある。
ネット上で一番メジャーな例としては、炎上騒動で立場を追われた人間が、関係者からの暴露によって新たな燃料を投下されたり、スネークやリア凸を受けたりすることが挙げられる。

真実の暴露ならともかく、対象のプライベートを脅かす行為や虚偽の内容を暴露と言い張るのはもちろん褒められた行為ではない。
対象の身に直接危害を加える行為など論外である。
特にこれらの行為は違法行為として、逆に処罰される恐れもあるので注意。
たとえ炎上した人間が非道であったとしても、我々がその人間と同類にまで堕ちる必要はないのだ。
また、燃やす方がやりすぎてしまえば、燃やされる方に大義名分を与えてしまったり、第三者に悪感情を与えてしまいかねない。

また、野球では既に試合の趨勢が決した後のワンサイド状態において、更なる追加点を挙げることを言い、特にチャンスで打てないのにこのような死体蹴りの場面でしか活躍出来ていない場合は「(得点機や序盤で打ててない分の)帳尻合わせ」などと言われることも。
この意味での死体蹴りが得意な選手として村田修一(横浜→巨人→独立・栃木)が挙げられる。



追記・修正は死体の立場に立ってお願いします。

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