小杉太(ちびまる子ちゃん)

登録日:2025/03/08 Sat 22:43:04
更新日:2025/04/23 Wed 00:50:12
所要時間:約 9 分で読めます




「おかわり!」


小杉(ふとし)とは、漫画及びアニメ・ドラマ『ちびまる子ちゃん』の登場人物。
また、『ちびまる子ちゃん』のスピンオフ漫画『永沢君』の登場人物でもある。

声:一龍斎貞友*1
演:小杉茂一郎、乙黒勇希、田端紳兵、内山信二(20年後)、大島美幸(森三中)(永沢君)、川﨑優作(2022年舞台版)

【概要】

主人公のまる子(さくらももこ)と同じ3年4組に通う小学生。
体重は58㎏で小学3年生にしてはかなりの肥満*2まさに名前の通りである。
漫画やアニメに最低でも一人や二人はいそうな体型のキャラである。

【人物】

一人称は「オレ」
女子のことは名字呼び捨てで統一している一方で男子の呼び方は安定しておらず、君付けで呼ぶ事もあれば呼び捨てにする事もある。

そんな見た目に似合わず、動けるデブ。
体力測定では大野くんに次ぐ記録を叩き出してクラスメート達に驚かれていたり、野球にて大野くんが放った豪速球を打ち返すなど身体能力は高く、意外にも活躍の場は多かったりする。

そして、見た目通りの食いしん坊且つ大食いであり、食べ物の話題が出るとどこからか颯爽と現れるのがお約束。ちなみに嫌いな食べ物はない。
学校の給食ではクラスメートが食べられないおかずを代わりに食べてあげていたりするので割と人気は高く、バレンタインではあの城ヶ崎姫子から義理チョコを貰った事もある。

まる子も彼の大食いを利用した事があり、とある回では彼の力を借りて金のブタの貯金箱を手に入れた事も。

日常生活では永沢、藤木、山根らと仲が良く、特に第2期では一緒に行動する機会は多い。

【『永沢君』での小杉】

同じ中学の永沢・藤木と更によくつるむようになり、登場頻度が増加。
大人しい性格で体重は86㎏にまで増えているが、食欲自体は小学生の頃よりも落ち着いている。
内心では卑屈な永沢を疎ましく思っており、彼の嫌みから藤木を擁護する事が多い。
永沢と比べると常識的な思考であり彼に注意することもあるが、たいてい屁理屈で言いくるめられてしまう。
永沢・藤木と同様にパッとせず、温和なものの基本的に鈍感で思慮が行き届いていない行動が見受けられるため、二人からは「愚鈍」と呼ばれる始末。

【余談】

アニメに登場したばかりの第2期の初期の頃は小杉のキャラ設定が固まっておらず、まる子達が近くで食べ物の話をしていても反応しないという、今となっては珍しい小杉の姿を見られた。


追記・修正はクラスメートの嫌いな給食を食べてあげてからお願いします。






























さて、ここまで書いたが、小杉太という少年を語るうえで外せない特徴がある。



ここまでの内容なら『普段は呑気で優しい性格だが食べ物が絡むと人が変わる』という、中の人が同じしんべヱみたいなキャラのようにも見える。

だが、小杉の場合は食べ物が絡んだ際の図々しさが酷く、場合によっては他人に迷惑をかけるケースもあったりするのだ。

【主なエピソード】

そんなわけで、小杉の食べ物が絡んだ際の迷惑エピソードを紹介。(他にもあったら追記お願いします。)

『商店街に鰻屋開店』

恐らく、小杉を語るにあたって最も有名な伝説の回
まる子の家の近所の商店街に鰻屋が開店。そして、開店セールとして二日間限定で蒲焼き弁当が半額という話を聞いた小杉はクラスメート達に止められるが、


「うるさーい!」

「うおおっ!」

「へあっ!」


全く聞く耳も持たずに学校を脱走して鰻屋にダッシュ。
鰻屋の前で並んでいたところをお巡りさんに見つかってしまったが、近くにいた友蔵を祖父であると嘘をついた上で自らは風邪で早退したとごまかし、何やかんやで蒲焼き弁当を食べる事に成功した。

翌日も蒲焼き弁当を食べるために学校を早退しようとしてクラスメート達に止められるがブチギレた小杉は、


「オレを止めるなあぁぁぁ!!!」


最期の叫びっぽい台詞と共にクラスの机をひっくり返したり、椅子をぶん投げたりして大暴れ。


「誰も邪魔するなあぁぁぁ!!」

「うおおっ!」


クラスメート達が逃げていった隙に学校を脱走し、再び鰻屋に向かってダッシュ。

しかし、途中でお巡りさんに見つかってしまい*3、交番に連れていかれてしまった。

その後、クラスでは担任の戸川先生の口から「今、小杉くんが交番にいるという連絡がありました。」と生徒達に報告されたのだった。

また、忘れていったランドセルを大野くんが自宅へ届けたことで、母親からも学校をサボったことがバレ、こっぴどく叱られる羽目に。


余談だが、今回の件で一番損をしたのは小杉でも友蔵でもなく、二日間連続で小杉のランドセルを届ける羽目になった大野くんであろう...



『小杉、モチをもらう』

まる子から貰った餅(佐々木のじいさんの親類のせんべい屋がまる子にくれたもの)を火鉢で焼いていた小杉。
そこへ両親が現れて「ちょうど3つあるんだから、3人で分け合おう」と提案してきたが、餅を独り占めしたかった小杉は断固拒否。
両親はその後も泣き落としを使ってしつこく餅を分けてくれと要求するが小杉は頑なに譲らなかったため、激昂した父親によって餅は外に投げ捨てられてしまった。

この回では自分達がお金を出したわけでもないのに図々しく息子の餅を欲しがった両親にもそれなりに非はある。とはいえ、一方の小杉も小杉で、


「親より餅が大切だ。」

「悔やむもんか!そんな事ばかり言うのなら、今すぐ死んじまえ!」


...と、あまりにも酷い暴言を言い放っているのでどっちもどっちである。というか、投げ捨てられた餅が一番の被害者だし...



『小杉、焼き芋への情熱』

まる子の家でおこなわれた焼き芋パーティーに誘われてもいないのに参戦した小杉。
芋が中々焼けない事を理由に近くにあったさき子の雑誌*4を焚き火に放り込むという暴挙に出てしまう。
それでも、謝るどころか「置きっぱなしにしている方が悪い」と開き直る小杉に対してさき子は激怒。


「このデブぅっ!!」


すると、この一言に共鳴したのか、火が小杉のズボンに燃え移ってしまうというアクシデントが発生。小杉の芋は炭になり、カチカチ山のタヌキのように熱がる小杉を呆れた様子で眺める一同だったとさ。

小杉の自業自得とは言え、全く心配されない辺り、彼の普段の人となりが良くわかる。



『焼き立てのパン』

まる子がこたけのために作った手作りのパンの匂いを嗅ぎつけたのか、どこからか登場した小杉。
少しだけ分けてくれとまる子を執拗に追い回すが、絶対に分けたくないまる子に最終的には振り切られてしまった。

しかし、この回は小杉以上に前田の方がいろいろとヤバかった回であり、逆に彼とまる子のやり取りはコミカル要素として笑えた視聴者もいたんだとか。



『まる子、さぬきに行く』

まる子の旅行土産であるさぬきうどんを欲しがった小杉。
無理やり家にまで押し掛けて泣き喚いた末に強引に譲ってもらう事に成功したが母親からは日頃のおこないもあって、無理に譲ってもらった事がバレてしまった。
最終的にさくら家というか、マグロに掌を返したヒロシの好意でうどんを有り難く頂いた小杉だったが、別に取って置いたマグロの刺身を母親がお詫びの品としてさくら家に譲ったと知ると憤慨。これには母親も「うどんも食ってマグロも食う気かい!?」と激怒したのだった。

この回については小杉だけでなく、まる子以外の他の家族に無断でさぬきうどんを一度譲ったすみれにも非があるのだが、ヒロシはあろうことかすみれではなく、まる子を責め立て「取り返してこい!」だの「まる子の責任だ!」とあんまりな暴言を吐いたため、まる子を号泣させてしまい、今度は普段は温厚な友蔵がヒロシに対して本気でキレた
もしも、あのタイミングで小杉の母親が来ていなかったら友蔵とヒロシによる壮絶な親子喧嘩に発展していた可能性もあったのだ...



『小杉、みんなによけいな心配をかける』

とある日、小杉母が学校で泣きながら先生と話していた。その日小杉は午前中欠席し、授業の体育は見学していた。
まる子を含めたクラスメート達は小杉が何か重い病気にかかったのではないか?と心配した。
しかし、小杉に変わった様子はなく、健啖ぶりも健在であった。

その後真実が判明する。

ある日の夕飯時、ご飯を丼5杯分山盛りお替りして食べていたが、父親の分まで食べようとしたため、母親に止められる。
そこで小杉は逆ギレをかまし、母親にタックルして炊飯器を強奪し、空き地まで行ってから立ったまま、しゃもじで釜のご飯を食べていた*5
当然、父親にもこのことがばれて説教されるが、同時に異様なまでの食欲を心配され、翌日の午前中、母親と一緒に病院に行って診断してもらうこととなった。病院では「少し肥満気味だが、特に健康上の問題はない」と診断が降りた。
次いで小杉母子は担任の先生に相談するが、ここで小杉の母親は人前では決して出すまいとこらえていた感情があふれてしまい、
「食費が高すぎる」「なるべくおいしくならないように工夫しているが、それでもこの子は全部食べてしまうんです」
といいながら号泣してしまう。

そうして、母親は「少しでもおなかをすかさないように」ということで、「今日の体育の授業は欠席させてください」と戸川先生に頼み込み、先生もそれを受け入れて小杉を見学させたのだった。

一連の事実が判明した瞬間、まる子達クラスメートは「余計な心配をした」とげんなりするのだが、そんな様子には目もくれず、今日も小杉は健啖ぶりを発揮するのだった。




『今年の反省』

冬休みになり、冬休みの宿題をするためにまる子、城ヶ崎さん、笹山さん、藤木、永沢、長山君、花輪クン、山根が小杉の家に集合した。
その流れでプチ反省会を行ったのだが、永沢と藤木のケンカが始まってだんだんギスギスしてきたのを見かねて、花輪クンが外国土産のクッキーをみんなに出した。

その刹那、小杉が獣のようなうなり声をあげてクッキーの入ったボウルに飛びつき、周囲をうなり声で威嚇しながら独りで食べつくしてしまった。

この様子を見ていた小杉の母親は当然息子を叱るが、一切反省する様子を見せず、むしろ食って掛かる始末。
あまりの情けなさに母親は泣きだしてしまい、周囲も小杉の母をかばうが、当の本人は気にせずそのまま食べ続けていた。



『小杉、絶食する』

ある日、風邪をひいて午前中は休んでいたが、給食の時間に高熱をおして学校に来たはまじのプリンを食べてしまい、はまじの激しい怒りを買う。
一応、これに関してはプリン目当てに給食の時間にだけ登校してきたはまじにも非はあるのだが*6、結果としてクラスメート達から総スカンを喰らい、完全に落ち込んでしまう。
その後、まる子や山根、たまちゃんとともに「どうやったら小杉がみんなに迷惑をかけないで済むか」という会議を開くが、永沢の「食べなければいい」という一言で会議は終わってしまい、より一層小杉は落ち込んでしまう。
その日から小杉は絶食し始め、心配した両親が少しでも何か食べさせようとするが、必死に抵抗してこれを拒否した。

翌日、朝食も食べずに学校に来た小杉。
一日中おなかの音を鳴り響かせ、ぐったりした様子を見せる小杉に、山根が「こんなの小杉君じゃない!」と嘆き、まる子とたまちゃんが「もう一度給食を食べてほしい」と頼み込む始末。
それでも、なかなかその気が起きない小杉。「俺はもうどうしたらいいんだ…?」
するとそこに、あれほど小杉に激怒していたはずのはまじが、小杉にやさしく声をかけたのだった。


「食えば良いだろ?食ってる方がお前らしいぜ。」


はまじの優しい言葉に、小杉も「プリン食べてごめん!」と謝罪し、「もう気にするな?」とはまじも許し、仲直りすることができた。
そうして、小杉はいつものように給食をたくさんお替りしたのだった。

ちなみにこの回は普段は食が絡むと周囲の目を気にしない小杉が自らの非を認めて謝罪するという珍しいパターンである。





...と、一見するとクズキャラのようにも見えるが、前述したように長所もそれなりにあるキャラだという事も忘れてはならない。
前田とは違って彼が暴走して周りに迷惑をかけるのはあくまで食べ物が絡んだ時だけなのだ。


「親より追記・修正が大切だ。」


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最終更新:2025年04月23日 00:50

*1 1998年までは「鈴木みえ」名義。

*2 これは、まる子の母すみれと同じ体重。令和時代でも小3の平均体重が30kg前後だと言えば、時代設定が昭和後期の作中における彼の体重がいかにすさまじい数字であるかが分かるだろう。

*3 前回と違って今回はダッシュしている姿を見られたため、言い逃れができなかった。

*4 それも大切にしていた西城秀樹の雑誌

*5 小杉が空き地まで走ってくる様子は、その日たまたま散歩に出ていたヒロシも目撃していたが、暗闇だったため、小杉の抱えていた炊飯器がサッカーボールに見えていた

*6 小杉も「まさか来るとは思わなかった」と弁明している。