登録日:2025/04/15 Tue 03:29:35
更新日:2025/04/24 Thu 08:55:28
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『完璧すぎて可愛げがないと婚約破棄された聖女は隣国に売られる』とは、日本の
ライトノベル。略称は『完璧すぎて』『完璧聖女』。
【概要】
『
小説家になろう』にて2020年7月から2022年1月にかけて連載された。作者は冬月光輝。
元々のタイトルは『完璧すぎて可愛げがないと婚約破棄された聖女は隣国に売られる〜もう隣国の聖女ですから、今さら戻れと言われても困ります』。
書籍版はオーバーラップノベルスfより2021年4月から刊行中。既刊8巻。イラストは昌未。
Web版の内容は3巻まででやり尽くしたため、4巻以降は書き下ろしとなる。
【あらすじ】
ジルトニア王国で聖女を代々輩出する家系に生まれたフィリアは、厳しい教育により「歴代最高」と評される程の実力を身につけ、日々お務めに励んでいた。
しかし、あまりの隙の無さに「完璧すぎて可愛げがない」と周囲には疎まれ、婚約者の第二王子ユリウスからは婚約破棄されてしまう──。
さらにはお金と資源を対価に聖女不在で苦しむ隣国パルナコルタ王国に売られて、故郷から旅立つことに。
悲惨な待遇を覚悟して隣国へと向かうフィリアだったが、そこで待っていたのは予想外の大歓迎で……⁉
(アニメ公式サイトより)
【用語】
◆魔法関係
魔力を利用して現象を起こす技術の総称。
魔法を使う上で必要なエネルギー。体内の魔力を“オド”、自然界に溢れる魔力を“マナ”と呼ぶ。
現在一般的に用いられている魔法。
古代人が用いた魔法。扱うには古代語の知識が必要。
魔力を大量に消費する術が多く、マナを吸収して利用する。
天地魔界が分断された影響で魔力を持つ人間の質・量ともに低下したことで廃れた。
古代魔術の形式を独自に発展させた魔法。マナによって破邪の力を増幅し発動する。
神々が用いる魔法。
扱うには神の魔力が必要であり、人間が使うには神々の領域まで届きうるほど体内の魔力を増幅させて、その魔力を圧縮し密度を濃くした上で自在に操れるようになる必要がある。
一歩間違えば死のリスクがあるほか、工程が複雑すぎて人間の寿命では一生かかっても習得が困難なものもある。人間で扱えたのはフィアナやジプティア王国の魔法研究所初代所長などごく一部のみ。
魔力の弱い魔術師同士で強力な術式を使うために編み出された、2人で魔力を共有し一つの術式を使う技術。
◆宗教関係
●クラムー教
セデルガルド大陸の全ての国で国教となっている宗教。その教皇は各国の王族すら凌ぐ権力を持つ。
傷ついた者たちを癒したり、結界を張ったり人里に侵入した魔物を浄化したりする女性たち。
国の治安に関わるため、各国に最低1人は必要とされる。
光魔法の習得などを条件に、教会から認定を受けることで聖女となる。
世界初の聖女であるフィアナ・イースフィルに贈られた称号。
悪霊や悪魔の討伐を生業とする者たち。退魔術という独自の魔法を使う。
●女神信仰
創造の女神が最初の人間を創りその土地に住まわせたとする宗教。発祥はヴァロ皇国。
パルナコルタ王国のシバルツ遺跡が女神生誕の聖地とされている。
◆地理関係
●セデルガルド大陸
大陸唯一の内陸国。大陸の中央にあり、アーツブルグ以外の5か国と接している。
軍事力が高く、パルナコルタ騎士団は世界最強の呼び声が高い。
パルナコルタ王国の東に接する隣国。フィリアの祖国。
代々聖女を輩出する名門アデナウアー家を擁する。
パルナコルタ王国の北に接する隣国。パルナコルタとは親交が深い。
代々聖女の家系であるマーティラス家が存在し、アデナウアー家と違って王家との関係が深い。
大陸の西端に位置する国。
大陸で最も人口が多い大陸一の大国で、クラムー教の本部もこの国にある。
パルナコルタ王国の北東に接する隣国。
砂漠という劣悪な環境ゆえに魔法の研究が大陸で最も進んでおり、魔法と魔道具専門の研究所がある。
パルナコルタ王国の南に接する隣国。
女神信仰が厚く、創作、特に芸術の分野に秀でている。
大陸の北端にある国。
400年前悪魔によって滅ぼされたブルグ皇国の跡地に移住してきた商人が国の基礎を築いた。
商売人に有利な法律や制度が整っており、一攫千金を狙う者たちが移民として多くやってくる商人の国。
大陸北東の島国。隠密や諜報に長けた「
忍者」という集団が存在する。
●アルマガルマ大陸
セデルガルド大陸の3倍以上の面積を誇る大陸。
クラムー教の宣教師が建国した、セデルガルド大陸外で唯一クラムー教を国教とする国。
天界に最も近い土地とされ、地上と天界が繋がっていた時期に関する資料が多く残っている。
アルマガルマ大陸の半分を領有する世界屈指の大国。大陸の他の国々の文化もこの国の影響を受けている。
◆その他
森や山に生息し、人や動植物を襲う生き物。動物などに似ているが、凶暴さと危険性は遥かに上。
魔界に住む種族。低級・中級・上級といった区分があり、中には魔王と呼ばれる神にも匹敵する力の持ち主もいる。
強力な魔法が使え、生命力が強く、人間よりもはるかに寿命が長い。
上位の悪魔程知能も高く、人語を話せる者も現れる。
基本は人類と敵対しているが、中には人間と契約し使い魔として使役されている個体もいる。
天界に住む、人間の常識を超えた力を持った存在。すべての神が人類の味方というわけではない。
天界を追放されたハーデス、分断時に魔界にいた創造の女神を除きすべて天界に閉じ込められている。
神に仕える存在。現在はすべて天界に閉じ込められている。
悪魔や大量の魔物が住む、太陽の光すら当たらない暗闇の世界。
数百年に一度、魔界が地上に接近する現象。その間は地上に現れる魔物の数が跳ね上がる。
神々と天使が住む世界。
清廉な力で満たされており、ほとんどの神や天使は天界でしか活動できない。
天界が地上に接近する現象。魔周期と違って地上への悪影響はない。
人間が住む世界。かつては天界や魔界と繋がっていたが、1000年前にルシア・ノーティスによってそれらの世界と切り離された。
地上と魔界の間にある世界。
神々の遺産とも呼ばれる、常識を超えた力を持つ道具の総称。どこの国でも国宝級以上に貴重な物という扱いを受けている。
【登場人物】
◆パルナコルタ王国
CV:
石川由依
本作の主人公。歴代最高の実力を持つと言われる聖女。
元はジルトニアの第28代聖女でユリウス王子の婚約者だったが、
完璧すぎて可愛げがないと疎まれ、
婚約破棄されて聖女不在の隣国パルナコルタに売られた。
パルナコルタに来てからもジルトニアにいた頃のように聖女のお務めにのみ集中しようとしていたが、周りの人々の温かさに触れ徐々に変わっていく。
CV:佐藤拓也
パルナコルタ王国第二王子。明るく気さくな性格。
フィリアのことを気にかけている。
CV:立花慎之介
パルナコルタ王国第一王子。国の繁栄を第一に考える合理主義者。
フィリアの前任のパルナコルタ王国聖女エリザベスとは婚約関係にあった。
CV:
徳井青空
フィリアのメイド兼護衛。元はオスヴァルトの側近だった。
明るいムードメーカーでお世話好き。
パルナコルタ三騎士の1人であるアウルプス男爵の娘で、彼女自身も高い戦闘力を持つ。
CV:
成田剣
フィリアの執事兼護衛。こちらも元はオスヴァルトの側近。
かつてはパルナコルタ三騎士に数えられた凄腕の騎士であり、現在もかなりの戦闘力を持つ。
料理が趣味で、フィリアの食事も彼が作っている。
CV:中村カンナ
フィリアのメイド兼護衛。
ムラサメ王国出身で忍者の一族の末裔。
◆ジルトニア王国
CV:
本渡楓
フィリアの妹で、ジルトニア王国第29代聖女。
明るく愛嬌があるため、人気はフィリアよりも高かった。
フィリアを敬愛しており、フィリアのような聖女になることを目指し努力している。
書籍1巻では事実上もう一人の主人公。フィリアが突然パルナコルタに行ってしまったことに疑問を抱いて独自に調査を始め、両親とユリウスが金でフィリアをパルナコルタに売ったことを知る。そして、フィリアに代わって復讐を果たすべく行動を開始する。
CV:天﨑滉平
ジルトニア王国第二王子。病弱な父親や兄に代わって執政を担う。
フィリアの婚約者だったがフィリアを疎ましく思っており、ミアにプロポーズするためフィリアとの婚約を破棄し、聖女不在となっていたパルナコルタにフィリアを売った。
CV:興津和幸
ジルトニア王国第一王子。
生まれつき病弱だったため彼を王にふさわしくないと考える者たちに軟禁され、本人もユリウスに命を狙われることを恐れてそれを甘受し引きこもっている。
CV:伊藤美紀
フィリアとミアの伯母で、ジルトニア王国の先代聖女。
フィリアの師でもあり、徹底したスパルタ教育でフィリアを鍛え上げた。
フィリアとミアの両親とは根深い確執がある。
◆ボルメルン王国
CV:
内田秀
姉妹全員が聖女であるマーティラス四姉妹の末っ子。フィリアの大ファン。
グレイスに使える執事。ボルメルンの一流料理店のシェフにも匹敵する料理上手。
CV:村上奈津実
マーティラス四姉妹の長女。高飛車な口調で話す。
現役の聖女ではフィリアに次ぐ実力者で、フィリアをライバル視している。
マーティラス四姉妹の父親で、マーティラス伯爵家の現当主。
王国随一の魔術師で、フィリアも彼のファン。
◆ダルバート王国
CV:
大谷育江
クラムー教本部に所属するベテラン退魔師。冷静沈着だが情に厚い面も。
CV:
KENN
エルザに使い魔として仕えている上級悪魔。美女を見ると口説きにかかる軟派な性格。
【メディアミックス】
オーバーラップの漫画アプリ『コミックガルド』にて2021年11月から連載中。作画は綾北まご。既刊6巻。
ミアがフィリアに憧れるようになったきっかけなど、小説版では描かれていない部分も掘り下げられている。
2025年4月より、BS朝日と、テレビ愛知、AT-X、
テレビ東京で放送中。アニメーション制作はTROYCA。
- 「愛とか。」りりあ。によるオープニングテーマ。
- 「Sister」WONによるエンディングテーマ
追記・修正は歴代最高の実力を持つと言われる聖女を、聖女不在中に補填したい時にお願いします。
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- ひどいなろう追放ものは沢山見てきたが非常に高い能力を持ち貢献し国にとって有用な人材なのが広く認められてるのに愛想がないから周りから嫌われ追放されるなんてここまでひどいのは初めて見た -- 名無しさん (2025-04-15 16:45:35)
- ↑ユリウスはフィリアを疎ましく思ってたし追放の口実なんてそんな難癖でも良かったんだろうな。こんなのに従ってる連中も程度が知れる。それにしても追放された人の為に婚約者候補にされた人が復讐をやるってのは珍しいな。 -- 名無しさん (2025-04-15 19:48:24)
- この作品や悪役令嬢の中の人のウィリアルドや超弩級チート悪役令嬢のデイルとか、なろう系は王族にあるまじき下衆な王子が多いな -- 名無しさん (2025-04-15 20:31:02)
- 王政だからこそクズであっても簡単には排除できないという事情があるからね(だから現実では廃れた) -- 名無しさん (2025-04-16 00:53:58)
- でも王族がクズだと国政自体も乱れるのが普通なのに、何故かなろう系のクズ王族は国はまともな事が多い -- 名無しさん (2025-04-17 03:48:29)
- ユリウスは失脚した後も第2部でも性根は腐ったまま敵として使いまわされてたんだな。 -- 名無しさん (2025-04-17 08:21:16)
- ↑4 全くだぜ!もっとかっこよくて頼れる王子はいないのかよ!? -- キーファ・グラン (2025-04-18 16:33:03)
- Web版だと悪役への断罪の流れが作者の同じ他作品と変わらなかったからか、商業版だと少し変更されている -- 名無しさん (2025-04-21 22:53:06)
- 粗筋からとりま3話まで見たけどそりゃ迫害されるわって態度だな(それでも王子達はアホだが)優秀とはいえコミュ力皆無でしかもダメなところはしっかり頑固に主張してくるのつつかれる側からしたらキツ過ぎるわ -- 名無し (2025-04-24 08:55:28)
最終更新:2025年04月24日 08:55