機皇神マシニクル∞

登録日:2011/07/07(木) 23:12:13
更新日:2025/06/24 Tue 10:38:26
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三つの絶望よ!
新たなる最強の力を光臨させよ!

現れろ、絶望の魔神!

機皇神マシニクル(インフィニティ)



●目次

概要

遊戯王5D's』に登場するアポリアの切り札であり、三体の機皇帝が合体したような姿である。といっても融合モンスターとかではなく、召喚に機皇帝が必須なわけでもない。

攻撃名は「ザ・キューブ・オブ・ディスペアー」
キューブは立方体の意で攻撃時のエフェクトや召喚時のエフェクトでそれが確認できる。


第5期OPの最初の方ではアポリアと同じく影がかかっており、
夜の背景のネオドミノシティで遊星たちのシンクロモンスターと戦うシーンは、登場前からかなりのインパクトを与えた。が、劇中では機皇帝と同等か少し大きい程度のサイズになっていた。

アニメ効果

機皇神マシニクル(インフィニティ)3(キュービック)

星12/光属性/機械族
攻4000/守4000
1ターンに1度、相手フィールド上に存在するシンクロモンスター1体を選択し、装備カード扱いとしてこのカードに装備する事ができる。
この時、このカードの攻撃力は装備したモンスターの元々の攻撃力分アップする。
手札の「T(トップ)」「A(アタック)」「G(ガード)」「C(キャリアー)」と名のついたモンスター1体を墓地へ送る事で、そのモンスター効果を得る。
自分の墓地に存在する「T」「A」「G」「C」と名のついたモンスター1体をゲームから除外する事で、
このカードの破壊を無効にする事ができる。
エンドフェイズ時に、このカードに装備されたシンクロモンスター1体を墓地へ送る事で、
そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。

機皇最大のステータスを持つことに加え、機皇帝同様のSモンスターの吸収効果、吸収したモンスターをコストとしたバーン効果、機皇帝パーツの効果コピーと破壊耐性と、最強の機皇の名に恥じない強力な効果をいくつも併せもつ。

このカード本体の効果はシンプルだが、コピー対象のパーツが多彩な能力を持つ分凶悪。
あと、地味に召喚制限が無く、アニメでも一度普通にリクルートされている。
その効果により遊星達のシンクロモンスターを吸収して、最大で10300もの攻撃力を得た。前座のグランエルは15500もの攻撃力を叩き出していたが…

デュエル外でもリアルサンダー・ボルトを発生させ、トリニダート・ウロボロスと合体したアポリアと街中を荒らしながら、遊星を追い詰めるなどの活躍をした。

アーククレイドル編では、土壇場でアステリスクの攻撃力をあげる為に《カオス・インフィニティ》で特殊召喚された。
突然《機皇兵スキエル・アイン》と共に雑魚モンスターのように登場したこのモンスターに度肝を抜かれた人もいるだろう。

登場時にはCGで体が構築されるような演出があり、攻撃はポリゴンの波動のようになっている、とかなり手が込んでいる。

海外では5D'sがWRGP決勝戦で終わる為、作品を締めくくるラスボスとして扱われている。
また、モンスター効果を得る能力の対象は機皇帝と同じ「ワイゼル」「スキエル」「グランエル」を指定している等の違いがある。


OCGでも、Vジャンプの付属カードとしてカード化したのだが…。

OCG版

機皇神マシニクル(インフィニティ)
星12/光属性/機械族 攻4000/守4000
効果モンスター
このカードは通常召喚できない。手札から「機皇」モンスター3体を墓地へ送った場合のみ特殊召喚できる。
(1):1ターンに1度、相手フィールドのSモンスター1体を対象として発動できる。
その相手Sモンスターをこのカードに装備する。
(2):この攻撃力は自身の効果で装備したモンスターの攻撃力分アップする。
(3):自分スタンバイフェイズに、自身の効果で装備している自分のモンスター1体を墓地へ送って発動できる。
そのモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える。
この効果を発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。

AIBO「なぁにこれぇ」
闇遊戯「こんな偽りのカード!(カード名的な意味でも)」
アポリア「これが絶望か……」
Z-ONE「希望など、幻想に過ぎないのです」

どうしてこうなった……。

機皇帝が原作仕様でないため大幅な改変があると思われていたが、案の定というか残念ながら大幅な弱体化を喰らっている。

超官の切り札なんかと比べりゃ大分原型を保ってはいるが、特定の手札三枚を要する激重な召喚コストに加え、自身の効果以外での召喚も不可に。
しかも破壊や対象耐性など生温い物は一切なく大損を被りやすいうえ、発動タイミングの都合上、Sモンスターを射出するのに1ターンのタイムラグがある上にバトルフェイズが行えなくなる起動効果のオマケ付きである。

つまり4000というせっかくの高攻撃力を上手く活用できない。
まぁアニメみたいにシンクロを吸収→攻撃→エンドフェイズに射出ができたらそれはそれで問題だったろうが……。

Sモンスターを採用しない相手ならバニラ同然であり、相手依存性が強く、似たような召喚条件を持つ《モンタージュ・ドラゴン》なら、より高い攻撃力が望めるし、元々の攻撃力4000でも《Sin サイバー・エンド・ドラゴン》など軽くて扱いやすいものはいくらでもいる。しかも登場当初はコストとなるカードが、特殊召喚モンスターである機皇帝か同名カードくらいしか存在しなかった為、事故性がハンパなく高く極めて扱いづらかった。

と、まあこのように”最強の力”と評されていたアニメ版から一転して、最弱クラスのカードパワーにまで落ちぶれてしまった。
後のアステリスクといい、何故かアポリアの使用したカードはサイズと強さが反比例すると言う謎のジンクスを得ている。
ついでにその他機皇サポートカードもアニメ版にくらべ弱体化されてしまった。おい、マシな調整しろよ

絶望を越えるための使用法

コストに関しては、下級モンスターである機皇兵を用いるといいだろう。
コスト調達には、いくつかの機皇に対応する《悪夢再び》なら2体回収できるし、後に登場した《根絶の機皇神》ならば1枚で召喚コストを確保できるうえ、蘇生も狙える。

だが重いコストを払ったとしても、Sモンスターを採用しない相手ではバニラ同然であり、単にアタッカーが欲しいならレベル4である機皇兵を並べば出せる優秀なランク4やリンクモンスターで事足りてしまうし、手札事故の心配もない。正直なところ現状アタッカーとしての立場はないに等しいと言える。

じゃあもうどうしようもないのか…って事もなく、差別化点となるのが「レベル」。
自身のレベルは最も高い12であり、これを活かしやすいカードとして《マシンナーズ・ルインフォース》が存在する。
あちらはマシニクル以上の攻守と優秀な効果を持つ強大なモンスターだが、召喚にレベルの合計が12以上になるように、自分墓地の機械族モンスターを除外する事が求められる。だがマシニクルならば1枚でそのコストを調達する事が可能。
マシンナーズは機皇とサポートを共有しやすく、セルフ破壊など相性のいい要素が多いのも利点。アステリスク同様、行き着く先が結局コストってのがアレだが…

ゲーム作品では…

『タッグフォース6』ではアポリアが切り札として使用。召喚・攻撃時にはムービー演出もある。

こちらでは、墓地のコア3種類を除外するだけで、デッキ・手札・墓地のどこからでも召喚条件を無視して特殊召喚できる《機皇創世》というアニメ由来のオリジナル罠カードがあり、下記のサポートもあって簡単かつ軽く出す事ができる。

さらにこの《機皇創世》で出した場合、墓地の機皇帝パーツか機皇兵を除外することで破壊耐性が得られる効果を内蔵して再現されている。

カード1枚と墓地3枚で出せる4000打点破壊耐性持ちと、OCGとは違い、充分専用デッキを組めるほど強い。
コストとなるコア3体はレベル1機械族モンスターのため、未来融合や、同じくオリカの《カオス・ブラスト》などで一気に墓地へ送ることができる。

《機皇創世》自体は罠カードとはいえフリーチェーンのため、相手がSモンスターを出すまで待つこともできるのも強い。
それだけでも破壊できない4000打点のため、《A・O・J カタストル》や《氷結界の龍 ブリューナク》でもない限り、そうそう対応はできない。
ちなみに、このカードを出すチャレンジ課題もあるが、クリア条件は「正規召喚の成功」のため、残念ながら《機皇創世》で出した場合には達成扱いにならない。

余談だが、TF6ではアポリアのシナリオのクリア特典となっている。
闇が多い機皇モンスターの中でこのカードは唯一の光属性……そこにアポリアの絶望と共に存在した希望を感じることができるかもしれない。

『デュエルリンクス』でもアポリアの切り札として登場し召喚ムービーが実装されている他、アポリアのスキルによってOCGよりもコスト調達が容易になっており、かなり出しやすくなっている。

このようにゲーム作品では手厚い介護を与えられており、妙に優遇された存在となっている。一方でアステリスクは、なんのフォローもないばかりか、『デュエルリンクス』だとメインモンスターゾーンが3つしかない(つまり召喚自体が不可能)スピードデュエルを採用している関係で実装も難しい有様で、依然として絶望的な状態である。

意外な救世主

そして、2018年5月12日、COLLECTORS PACK 2018発売。
希望はつながった。

アポリア「罠カード発動!機皇創世!」

ボーン・フロム・ドラコニス
通常罠
このカードを発動するターン、自分はこのカードの効果以外ではモンスターを特殊召喚できない。
①:自分の墓地及び自分フィールドの表側表示モンスターの中から、機械族・光属性モンスターを全て除外して発動できる。
手札からレベル6以上の機械族・光属性モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力・守備力はこのカードを発動するために除外したモンスターの数×500になり、
自身以外のカードの効果を受けない。


…………誰!?


解説

COLLECTORS PACK 2018で収録されたのは上記の《ボーン・フロム・ドラコニス》であり、《機皇創世》ではない。
漫画版GXでカイザーが使用したカードで、《サイバー・エルタニン》の特殊召喚に使った。
しかし、レベル6以上の機械族・光属性モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚する効果であるため、
なんと《機皇神マシニクル∞》を手札から特殊召喚できるのであった!

しかも効果を受けないという遊戯王最強の耐性までついている。
本来は《サイバー・エルタニン》の強化に使うデザインだったのだろうが、棚からぼた餅でこのカードが強化されることになった。


が、そううまく行くはずはない。
このカードによるステータス変化は「除外したモンスターの数×500になり」である。
除外したモンスターが1体なら攻撃力・守備力は500になり、元の4000のステータスにするには8体のモンスターを除外しなければならないのである。
上記の耐性の関係で、他のカードによる強化も出来ないのも弱点。

【機皇】において発動コストに使えるのは《機皇神マシニクル∞》と《機皇兵廠オブリガード》しかいないのも痛い。機皇縛りで行くと最大2500にしかならないのもネック。
かといって、光属性・機械族モンスターを投入して正規手順との両立を目指そうとすると調整がシビアになってしまい、
光属性・機械族主体で専用デッキを組んだ方が出しやすくなるが今度は全体除去の《サイバー・エルタニン》が立ちふさがると言うジレンマに陥ってしまう。

とはいえそれでも以前よりは遙かに容易に出せることには変わりない。
そして、このカードは《ボーン・フロム・ドラコニス》で出せる他のモンスターと違い、
Sモンスターを吸収し攻撃力をさらに強化できるので状況次第ではフィニッシャーになり得る。
とどめを刺せずとも、次のターンで吸収したSモンスターを墓地へ送ることでダメージを与えられる。
相手がSモンスターを使わずとも、こちらから送りつけてやればいい。


というわけで状況的には大分マシになったのであった。

何にしろ、斜め方向から救済された1枚には違いない。
トムに負けた人に強化されたカスネオスといい、何が起こるかわからないものである。

ん? 《ボーン・フロム・ドラコニス》の登場で一番盛り上がったのは、
似たような感じに特殊召喚モンスターになったせいでいろいろ言われたメカドゴランだって?


追記修正はマシニクルでデュエルに勝利してからお願いします。

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最終更新:2025年06月24日 10:38