MLB(メジャーリーグベースボール)

登録日:2025/10/22 Wed 00:57:36
更新日:2025/10/29 Wed 12:27:20NEW!
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メジャーリーグベースボール(MLB)とは、アメリカ合衆国およびカナダに所在するチームで構成されたプロ野球リーグである。
日本では「大リーグ」の通称でも知られる。

創設は1876年。以後様々な変遷を経て、1901年に現在まで続くリーグ形態が成立した。

この項目ではMLBと事実上一体となって運営されているマイナーリーグベースボール(MiLB)・通称「マイナー」についても解説する。


【概要】

誰もが認める世界最高のプロ野球リーグとしてその名を轟かせており、「北米4大スポーツ」(NFL・MLB・NBA・NHL)の中で最も長い歴史を持つ。

世界中の野球少年や野球選手の憧れの的であり、「メジャーリーグでプレーする」という夢は野球経験者であれば一度は抱いているであろう。

その一方で意外にもアメリカにおける野球というスポーツの立ち位置はアメリカンフットボールバスケットボールの後塵を拝しており、そのためMLBの人気もNFL・NBAに比べるとそう高くはない。
この人気を分かりやすく言ってしまうと
全米におけるパトリック・マホームズ*1の知名度が100%なら、大谷翔平の知名度は25%
という感じ。

それでも全世界的には常に注目の的であることは変わりなく、故にスポーツ長者番付やチームの資産価値などといった経済規模のランキングでは常に上位にランクインしている。

世界の野球をリードする立ち位置であるため、MLBで試された新規ルールは必ずと言っていいほどその後多くの野球リーグで標準的なルールになることが多い。
特に近年はマンネリ化の解消や人気獲得のためしばしばルール改訂を行っており、日本でも大きな話題となる。


【歴史】

1866年に誕生した「シンシナティ・レッドストッキングス」というチームが1869年にスポンサーから報酬を貰って野球をする「プロ野球選手」の集団になったことで「プロ野球チーム」に昇華したことが始まり。
翌1870年には「シカゴ・ホワイトストッキングス」、71年には「ボストン・レッドストッキングス」など、シンシナティ・レッドストッキングスの様式を取ったチームが誕生し、同年にはそうしたプロ野球チームが集まった『全米プロ野球選手協会』、通称「ナショナル・アソシエーション」が誕生。
ナショナル・アソシエーションという連合を取ることで対戦相手も明確に定まり、リーグ戦が行われるようになったが、このリーグは黎明期故数多くの問題を抱えていた。

1876年、リーグ運営に行き詰まったナショナル・アソシエーションを発展させる形で「ナショナル・リーグ」が発足。プロ野球リーグ「メジャーリーグベースボール」はこの時に誕生した。
上述のシカゴ・ホワイトストッキングスとボストン・レッドストッキングスはナショナル・リーグにも所属。後にシカゴ・カブスアトランタ・ブレーブスと名前を改めて現在までその歴史を繋いでいる。

ナショナル・リーグはナショナル・アソシエーションが行き詰まった原因である参入障壁の低さを問題視し、厳格な規定を適用して参入を厳しく制限。これにより秩序あるリーグ運営が可能になった一方で、こうした規定の壁に阻まれたチーム同士で新たなリーグが複数誕生する結果となった。
1882年に発足した「アメリカン・アソシエーション」もそうした新規リーグの一つであり、その人気度の高さからほどなくナショナル・リーグと連携して興行を行うようになった。

1891年にアメリカン・アソシエーションも運営が行き詰まり解散。
その後、1885年に結成された「ウエスタン・リーグ」が1901年になって「アメリカン・リーグ」と改名してメジャーリーグに参戦。
その後混乱期を経て1903年にナショナル・リーグアメリカン・リーグ、そしてそれ以外のいくつかの小規模リーグ間で協定が結ばれ、ここに現在まで続く「メジャーリーグベースボール」が成立した。
主に公式記録等でメジャーリーグの歴史に組み込まれる「近代メジャーリーグ」はこの時代以降のことを指すが、それまでに存在したアメリカン・アソシエーションやナショナル・アソシエーションも事実上メジャーリーグ相当として記録は残されている。

なお、当時のアメリカではまだまだ人種差別的な傾向が強く、有色人種(特にアフリカ系アメリカ人選手)はメジャーリーグでプレイすることが出来ず、代わりに「ニグロリーグ」という別のリーグで野球を行っていた。
その後1947年にブルックリン・ドジャースからジャッキー・ロビンソンという一人のアフリカ系アメリカ人選手がメジャーリーグでデビュー。彼の活躍もあってメジャーリーグの世界には次々に有色人種の選手が誕生することになり、存在意義を失ったニグロリーグは消滅。ニグロリーグの存在は長らく公式のものとなっていなかったが、2020年になってニグロリーグもメジャーリーグ相当と認定され、2024年にはニグロリーグでの記録も公式記録として残されることになった。

度重なる本拠地の移転や球団拡張を経て、1998年に現在の30球団の体制が確立した。
拡張の際にはアメリカ合衆国外(ていうかカナダ)に本拠地を持つもチームも2球団参入したが、2025年現在は1球団のみである。

その一方、拡張期から選手側と経営陣との対立が度々見られ、過去8度にわたり労働争議が起きている。
中でも1994年8月~1995年4月まで行われたストライキは多大な影響を与え、その年のシーズンは途中で全て終了し、当然ながらワールドシリーズも中止となった。
当時の大統領だったビル・クリントンがホワイトハウスに労使双方を呼びつけて調停に乗り出すという荒業を使ったほど。
北米プロスポーツ史上最長となったこのストライキが与えた爪痕は大きく、これがファン離れにつながった一因とされる。


【1年の流れ】

1年のうち、シーズンは基本的に4月頭から10月末となっている。

◆スプリングトレーニング

2月から3月までの間に行われる。野球のシーズン到来のため、この時期は「球春到来」とも言われる。
温暖なアリゾナ州・フロリダ州に選手たちが集まり、泊まり込みながら様々な練習や実戦などを行う。
選手にとっては長いシーズンを戦い抜くための体力作りや調整を行う時期で、チームの首脳陣にとっては1年を戦うチームを作り上げるための戦力見極めの時期。

観客を入れて試合を行う非公式試合「オープン戦」も適宜組まれており、アリゾナ州・フロリダ州それぞれでリーグ戦形式で行われる。この期間の成績はMLBの成績に反映されない。

日本のプロ野球で言うところの「春季キャンプ」「オープン戦」が一つになったものだと考えると分かりやすい。

◆レギュラーシーズン

公式戦。4月から9月にかけて全162試合を戦う。

162試合の内訳は

  • 同一リーグ・同地区のチームとは13試合(合計52試合)
  • 同一リーグ・別地区のチームのうち、2チームと7試合・8チームとは6試合(合計52試合)
  • 別リーグのチームのうち、「地理的なライバル」1チーム*2と6試合
  • 別リーグのその他のチームと3試合(合計52試合)

となっており、必ず自身を除く全29球団と1度は対戦する。
基本的に本拠地・ビジターの開催は各対戦ごとにおおむね半分ずつになっているが、別リーグかつ「地理的なライバル」でないチームとの対戦は本拠地・ビジターいずれかでのみの開催となり、年度ごとに入れ替わる形式を取っている。

悪天候による開催前の試合中止は発生するが、一度開催した試合は雨天によるコールドゲームやノーゲームとはならない。その場合、基本的には期日を振り替えて試合中断前の状況から再開する「サスペンデッドゲーム」として開催される。

レギュラーシーズンは必ず9月末までに終わらせなければならないという制約があるため、中止試合の振替試合やサスペンデッドゲームを開催するために1日に2試合を行う「ダブルヘッダー」も多く見られる。
また、基本的には162試合全てを行う形となっているが、中止試合が立て込んでしまい、代替日程も確保できず、当該試合がリーグ順位に影響しない消化試合の場合は試合そのものが無くなることがある。たとえ選手の個人記録の可能性がかかっていても容赦なく試合中止になるため、このせいでタイトルなどに届かずに悲しみを背負う選手もたまにいる。

◆オールスターゲーム/ミッドサマー・クラシック

アメリカン・リーグナショナル・リーグの選ばれしスター達による夢の祭典「球宴」。

2日間にわたって開催されるが、実際に試合が行われるのは1日のみで、もう1日は本塁打競争などのイベントが開催される。
開催地は30球団の持ち回り式だが、球団が多いためオールスターが回ってくる機会は多くなく、そのため開催地はお祭り騒ぎと言わんばかりの盛り上がりを見せる。

オールスターの出場選手はファン投票と監督・コミッショナー等の推薦によって決められる。なお、30球団全てから必ず1人は選ばれることとなっている。
なお、登板日程や故障等の理由で辞退することも可能で、辞退時のペナルティも特に無い。辞退時には補充選手が選ばれる。

◆オールスター・ウィーク

7月のオールスターゲームを含めた祭典期間。
この期間中にはオールスターゲームに加えマイナー所属の有望株選手にとっての祭典「オールスター・フューチャーズゲーム」やチャリティーソフトボールといった多くのイベントがオールスター開催地で催される。野球教室などの一般人向けのイベントも開かれている他、この期間にはドラフト会議も行われる。

4日間ほど試合もないため、シーズン中にまともな休養日が存在しないメジャーリーガーにとっては貴重な休養期間であり、この期間中にコンディションを整えて後半戦へ臨む形となる。
首脳陣やフロントにとっても後半戦および直後のTDLに向けてチームを整えるべく準備する機会となる。

◆トレード・デッドライン

シーズン中のトレード締切日。TDLと略される事が多い。概ね7月末だが、8月にずれ込むこともある。その年のTDLの時期についてはコミッショナーから毎回発表される。
MLBは非常にトレードが多いことで知られるが、ギリギリまで状態を見極める都合上TDL付近の時期にトレードを行うことが非常に多く、シーズン中で最も選手の動きが激しい時期となる。
MLB担当記者やファンはこの時期の動きを見て一喜一憂することになり、文字通り眠れない夜を過ごすような者もいたりする。

売り手と買い手

多くの場合1対1のトレードが中心の日本のプロ野球と異なり、MLBのトレードにおいては「売り手」と「買い手」が綺麗に分かれる事が多く、そのため1対多、複数人同士といったトレードも頻発する。
それまでの成績が悪く、ポストシーズンが厳しいチームはオフに自由契約になる選手を中心に他球団へトレードを持ちかける「売り手」となり、逆に成績が好調でポストシーズンを狙える・ポストシーズンを勝ち抜いて世界一を目指すチームは「買い手」となり、トレードに出されそうな選手から自分のチームで足りない戦力を補充しにかかる。特に後者のチームのことは「コンテンダー」と呼ぶことも多い。
そうして成立したトレードはコンテンダー側が若手複数人、売り手側が主力一人をそれぞれ差し出す形式になり、これが複数人トレードが頻発する理由である。
TDLの時期の動きでチームがその年コンテンダーとして勝負に出るか、逆にコンテンダーとなるのを諦めて次のチャンスを狙うべく売り手になるかが分かるため、TDLはファンにとって重要な時期となるのである。

◆セプテンバー・コールアップ

9月になると出場登録枠が拡大される。
詳しくは下記に記すが、MLBは出場選手枠が厳密に定まっており、基本的に26人を超えて選手を登録することは出来ない。
しかし、9月からの1ヶ月間は例外的に出場選手枠の人数が増える。かつては一気に40人にまで拡大されたが、現在は28人となっている。
ポストシーズン出場がかかっているチームは投手や控え野手を追加登録して終盤戦に備えることが多く、逆にポストシーズンが厳しいチームは期待の若手を追加登録してMLBの試合経験を積ませることが多い。
MAJOR茂野吾郎が監督からMLB初昇格が言い渡されたのもこの時期。もっとも彼はこのときは昇格拒否したのだが。

◆ポストシーズン

9月末でレギュラーシーズンが終わり、10月を丸ごと使って行われる最終決戦。
現在のルールでは各リーグごとにワイルドカードシリーズ(WCS)・ディビジョンシリーズ(DS)・リーグチャンピオンシップシリーズ(LCS)の3つのフェーズに分かれてトーナメントが組まれ、それぞれ3戦2勝、5戦3勝、7戦4勝で勝ち抜け。LCSを勝ち抜けると晴れてリーグ優勝ワールドシリーズ(WS)への参加権を獲得する。

ワールドシリーズは7戦4勝方式で、勝ち抜けたチームが世界一の栄誉を得る。

日本のプロ野球でもクライマックスシリーズ日本シリーズが行われているが、MLBにおいてはポストシーズンの重要性は段違いで、レギュラーシーズンは事実上ポストシーズンへの予選といっても過言ではないほど。
地区優勝よりポストシーズンへの進出の方が大事であり、仮に優勝できなくともポストシーズンに進出できれば勝者の特権であるシャンパンファイトを行うのが恒例となっている。また、ポストシーズン中も各フェーズを勝ち抜くごとにシャンパンファイトが行われる。
たとえレギュラーシーズンで三冠王に輝こうとこの10月に活躍できなければ容赦なく批判され、逆もまた然りであるあたりいかにポストシーズンが重要視されているかがわかる。
ポストシーズンに強い選手はかつてワールドシリーズで1試合3本塁打の大活躍でWSMVPに輝くなど目覚ましい結果を残したレジー・ジャクソンのニックネームに肖りしばしば「ミスター・オクトーバー」などと呼ばれる。

◆オフシーズン

熱闘のワールドシリーズが終わり、スプリングトレーニングまでの期間がオフシーズンとなる。
この時期に自由契約(FA)となった選手は時に自ら売り込み、時に球団からのオファーを受け翌シーズンの移籍先を決める。
また、年俸調停権を持つ選手は球団と年俸交渉を行うこともある。

フロント陣はチーム造り等の仕事の他に「ウインターミーティング」と呼ばれる会議へ出席する。ここではリーグ運営等についての会議のほか、フロント陣営が直接話し合いを行う貴重な場であることから、ここで選手の移籍交渉などを行うこともある。

こうして1年が過ぎると、再びスプリングトレーニングに戻り、翌年のシーズンがスタートする。

【リーグシステム】

◆リーグと地区

上述の通りアメリカン・リーグ(AL)・ナショナル・リーグ(NL)の2つのリーグが存在し、さらに各リーグごとに東・中・西の3地区に各5チームが振り分けられている。

現在の30チーム制になったのは1998年から。各リーグ15チーム、1地区5チーム制になったのは2013年からであり、それまではAL14チーム、NL16チームだった。

仮に新規チームがリーグに参戦することになった場合には選手を揃えるため「エクスパンション・ドラフト」が開催される。また、バランス調整のためにリーグ移転が発生することもあり、実際に1998年にはミルウォーキー・ブルワーズがAL中地区からNL中地区に、デトロイト・タイガースがAL東地区からAL中地区へそれぞれ移転している。2013年にはヒューストン・アストロズがNL中地区からAL西地区に移転している。

より詳細なチーム紹介に関してはこちらを参照。

◆順位決定

各地区ごとに順位を争い、地区で1位のチームは地区優勝となる。
また、地区優勝チームを除くリーグ上位3位のチームはワイルドカードとなり、合計6チームがポストシーズンに駒を進める。
地区優勝チーム内でも順位を決め、上位2チームはポストシーズンにおいてシードを獲得する。

リーグ順位の決定時には「タイブレイカー」という制度が用いられ、基本的には直接対決で勝ち越しているチームが上位になる。


◆試合方式

全試合で予告先発・指名打者制を採用している。引き分けは存在せず、延長無制限で決着が付くまで試合を行う
上述の通り悪天候によるコールドゲームやノーゲームは発生しない。

近年は新規ルールを多く取り入れており、この10年の間に以下のルールが追加された。

  • 投手は走者がいないときは15秒、いるときは18秒以内に投球を開始しなければならない。
  • 打者は投手の投球制限時間の8秒前までに打席に入り、打撃の準備をしなければならない。
  • 打者は打席内で1回のみタイムを取ることができる。投手は2回まで牽制を行うことができる。この場合、一度制限時間のカウントはリセットされる。
  • レギュラーシーズンの延長戦は「タイブレーク」となり、無死二塁から攻撃を開始する。
  • 投手は最低3人の打者と対戦するか、イニングを完了しなければ交代できない。(怪我の場合は除く)
  • 内野手は二塁ベースを基準として両側に2人ずつ配置し、内野と外野の間に脚を置いてはならない。

延長戦が無制限であったり、過酷な日程を組む関係上日本のプロ野球よりもユーティリティプレイヤーが重宝される。
それだけでなく時には野手が投手として登板したり、投手が代打・代走として出場するなど様々な形で選手をやり繰りしている。

◆ロースター

MLBにおいて試合に出場するにはアクティブ・ロースターと呼ばれる枠に登録されなければならない。
アクティブ・ロースターには基本的に26人しか登録できない。また、「投手」「野手」「二刀流」と選手区分が分かれており、「投手」は13人(例外的に14人)までしか登録できないと定められている。
前述のように野手が投手として登板することも可能であり、限られた投手の温存のために専ら大差時の「敗戦処理」として当たり前のように行われる。だがやりすぎが問題視され、近年になって一定の大差時もしくは延長戦限定とルールで規定された*3。いずれにしても日本の常識からするとかなり頻繁に行われる。
また、選手区分はシーズンが変わるまで変更することはできない。

また、これの他に40人の登録枠(40人枠)もあり、アクティブ・ロースターの選手は全て40人枠の選手でもある。40人枠に登録されている選手と「メジャー契約」を結ぶため、彼らこそが「メジャーリーガー」と定義できる。
しかし後述のように枠外との入れ替わりも頻繁に発生しうるため、あえて定義するならというものだと思っていただきたい。

40人枠に登録されておりアクティブ・ロースター外の選手(基本的に14人)は、メジャーリーガーではあるがその状態ではMLBの試合に出ることはできず、専らマイナーの試合で調整を行いアクティブ・ロースターの空きを待つ。

アクティブ・ロースターには以下の条件で空きが発生する。
  • ロースター内の選手が降格・DFAとなった
  • ロースター内の選手が登録リストに入った
  • ダブルヘッダーの試合を行う際の追加登録枠(27th-manと呼ばれる)
  • セプテンバー・コールアップの時期に登録枠が拡大された
降格・DFAさせることはいつでも可能であるため、40人枠の選手はいつでも復帰する可能性はある。

40人枠に登録されている選手はオフシーズンに行われる「ルール5ドラフト」の対象外となる。

◆マイナー降格とDFA

選手が一定の成績を残せなかった場合、当然その選手はメジャーリーグの世界では生きていけなくなる。
この場合は「マイナー降格」または「DFA」のいずれかの措置を取る。

マイナー降格

アクティブ・ロースターから外しつつ、40人枠内には残す措置をこう呼ぶ。
基本的に初めてアクティブ・ロースターに登録された際に各選手は3年分の「マイナー・オプション」を獲得する。

選手にマイナー降格を言い渡し(シーズン開始時点でアクティブ・ロースター入りしなかった場合も含む)、実際にマイナーに降格してから累計で20日以上マイナーに在籍している場合、その選手は1年分のマイナー・オプションを消費する。1年分のマイナー・オプションで選手は5回までメジャーとマイナーの往復が可能。
3年分のオプションまたは年間5回の往復権を使い果たした場合、DFAでしか任意にロースターから外すことはできなくなる。

DFA

Designated For Assignment」の略称で、選手を40人枠外にする措置をこう呼ぶ。
日本では時に「事実上の戦力外通告」と表現されることもあるが、あくまで大雑把な喩えであり戦力外通告とは色々と異なる

3年分のオプションまたは年間5回の往復権を使い果たした選手やマイナー降格を拒否した選手をアクティブ・ロースターから外す場合には40人枠からも外さなければならず、その場合に球団から通告される。

DFAされた選手は一定期間「ウェイバー公示*4」され、ウェイバー公示期間中に他球団が望めば(元の契約を引き継ぐことで)DFAされた選手はそちらに移籍する。また、この期間中にトレードを行うことも可能。
ウェイバー公示期間を過ぎた(ウェイバー通過と呼ぶ)選手はマイナーの選手として「マイナー契約」を結んで球団に残るか、自由契約となる。
日本のプロ野球制度で最も近いのは「育成契約を前提とした戦力外通告」だろうか。

元球団の意思を問わず引き抜けるようになってしまうため、DFAするのは基本的に失っても惜しくない程度の選手となる。結果的に、実際に引き抜かれることは少なく、大半はマイナー送りになる。
一方で、「マイナー契約になった選手が割とあっさりロースターに戻ってくる」ということもそこまで珍しくない。
というのも、現実問題40人枠のやりくりが難しいので、「戦力として見込んでないわけではないが、枠の捻出のためDFAせざるを得ない」という、良くも悪くも気軽に使うケースが多いため。
そのため、DFAは戦力外通告ほど重いものではないと言える。もちろん、そのまま消えていく選手も沢山いるのだが……

◆登録リスト

不測の事態で選手が試合に出場できなくなった時、その選手をリストに登録することで選手をアクティブ・ロースターや40人枠から外すことができる。

故障者リスト(IL/DL)

選手が怪我などで試合に出場できなくなった際に用いられるリスト。それぞれ「Injured List」「Disabled List」を略した(IL/DL)とも呼ばれる。現在のMLBでは「IL」呼称が基本。
10日/15日の短期リストと60日の長期リストがある。日数は再登録までにかかる最低日数であり、例えば10日ILに登録している選手が20日間再登録されなくてもルール上問題ない。
10日/15日IL登録中はアクティブ・ロースターから外れ、60日IL登録中は40人枠からも外せる。これを利用してDFAしたくないけど40人枠にも置きたくない選手を球団が保有し続けることもできる。*5
IL登録中の選手はリハビリのためにマイナーの試合に出ることを除けば試合に出場できない。
また、これに加えて試合中、頭にボールを受けた等の理由で脳震盪になる可能性のある選手は7日間の脳震盪リストに登録される。この場合、規定日数を超えても復帰できない場合はそのまま10日/15日ILに移行する。

忌引・救急リスト

文字通り、不幸があった、救急医療に立ち会う必要があった等の理由で用いられるリスト。登録中はアクティブ・ロースターから外れる。
期間は3日から7日間で、それを超えると制限リスト(下記)入りとなる。
なお逆におめでたい話題である家族の出産の場合でも同様にリストに登録可能で、こちらの期間は24時間から72時間となっている。

制限リスト

不祥事を起こしたりして出場停止処分を受けた選手や選手個々人の事情により長期間チームを離れる選手を登録するリスト。
このリストに入っている間は40人枠からも外せるが、球団が選手の保有権を持つという事実を除けばメジャーリーガーとしての身分を事実上失う

◆サービスタイム

アクティブ・ロースター登録期間中に加算される日数。1年間で172日間まで累積でき、172日に達した時点で1年となる。
日本のプロ野球における「1軍登録日数」とほぼ同じだが、あちらがFA権の取得だけに関与するのに対し、サービスタイムは日数に応じて様々な恩恵を受けることができる。
主に年俸調停権を獲得できる3年、FA権を得る6年、トレード拒否権と引退後のMLB年金の満額支給要件になる10年のラインが大きなラインとされる。

◆フリーエージェント(FA)

日本のプロ野球でもお馴染みの言葉だが、その意味合い・用法は大きく異なる。
上述の通り、サービスタイムが6年になった選手はFA権を獲得するが、MLBにおいてはFA権を獲得した場合、そのオフに自動的に全球団との契約が自由に可能な状態となる。MLBにおけるFAとはこのように全球団と自由に契約できる状態そのもののことを指し、そのためFA権を行使するのではなくFAになると表現することが多い。
このような制度のため、FAで他球団に移籍した場合も、基本的に日本のFA移籍のように人的補償などは発生しない。つまりオフにFAとなる選手をそのまま保有していてもタダ同然で出ていかれる可能性があり、少しでも見返りを得ようとオフにFAになる選手をシーズン中に他球団にトレードする球団も多い。
ただし、球団はFAになる選手に対して各選手につきキャリアで一度だけ、クオリファイング・オファー(QO)と呼ばれる単年・所定額*6の契約を提示することができ、この契約を拒否して他球団に移籍した場合については移籍先の球団から移籍元の球団に対してドラフト指名権が補償として譲渡される。
例を挙げると、大谷翔平がロサンゼルス・エンゼルスからロサンゼルス・ドジャースに移籍した際、エンゼルスはQOを提示していたため、2024年度のドラフト指名権を追加で獲得している。

◆ドラフト会議

MLBでは学校の学期の関係等も考慮され、毎年7月のオールスター・ウィーク中に開催される。指名人数が多いため1日では終わらず、3日間の長丁場となる。
指名対象はアメリカ・カナダ・プエルトリコの学校に通っており、かつ1度もMLBのチームと契約していない選手となっている。国籍は関係ないため、条件さえ満たしていれば加藤豪将(ヤンキースから指名)など日本人も指名対象となる。ドラフト指名後に入団する選手はすぐにメジャー契約を結ぶことはできず、必ずマイナー契約からプロとしてのキャリアをスタートすることになる。
他の北米プロスポーツ同様に、基本的には前年の成績の悪いチームから順番に指名していく完全ウェーバー制を取っている。ただし、最上位指名についてはタンキング*7防止の為指名順を抽選する形になっている。
これに加えて収益分配*8で資金を受け取る球団向けに設けられた戦力均衡ラウンド、QO提示時の補償、その他ボーナスや補償などで追加のドラフト指名権を獲得する球団があり、戦力均衡ラウンドのドラフト指名権についてはトレードの対象とすることができる。
追加指名や指名権譲渡などが発生する都合上、日本のプロ野球のドラフトと異なり、「チームの◯位」といった表現ではなく、「全体◯位」といった表現をすることが多い。
形式こそ違えど上位指名選手が注目の的になるのはこちらでも同様で、特に「全体1位指名」の栄誉を受けた選手はその後長きにわたって一目を置かれる存在となる。

なお、MLBのドラフトでは翌年以降のより良い待遇での指名を狙ったり野球以外の競技へ進むために指名後に入団を拒否する選手もかなり多い。例えば上述のパトリック・マホームズは高校時代野球でも評価が高かったため、MLBドラフトで指名された*9ことがあるが、アメリカンフットボールへの道を進むために入団を拒否し、大学へ進学している。
また、現在では各球団20巡目まで*10指名される形となっているが、下位指名に関しては入団するかどうかを完全に度外視したネタや記念目的での指名を行うことも多い。例えば2016年のシアトル・マリナーズはその年に永久欠番入りした球団のレジェンドであるケン・グリフィーJr.の息子でありアメフト選手のトレイ・グリフィーをマリナーズの24巡目*11で指名している。

◆アマチュア・フリーエージェント

ドラフト対象外の国出身の選手に対して適用される制度で、16歳から24歳まで、またはプロ経歴6年未満の選手が制度対象となる。主にドミニカ共和国やベネズエラ出身の若者がこの制度を使ってMLBの世界に入ってくる事が多い。
それ以外の基本的な扱いはドラフト指名選手と同等だが、獲得選手の所在国に追加のルール*12がある場合はそちらに従うことになる。
なお、25歳以上かつプロ経歴が6年以上の選手のMLBにおける扱いは通常のFA選手と同等となる。ただし、獲得選手の所在国の追加ルールについてはアマチュア・フリーエージェントと同様の扱いとなる。

◆契約について

各選手がチームと契約を結びチームに所属するという形式はプロスポーツである以上同じだが、契約社会のアメリカであるため契約の中には非常に多くの事項が盛り込まれる事が多い。
具体的によく盛り込まれるものとして

  • リーグからの表彰などの活躍に基づいた「インセンティブ」(出来高)
  • 契約延長する権利である「オプション」*13
  • 契約を破棄する権利である「オプトアウト」

の3種類が挙げられる。
日本人選手に代表されるように英語が不得手な選手であれば通訳を帯同する事も多いが、これも契約の中に盛り込まれている場合がほとんど。
実績のある選手であれば特定のチームとのトレードを断る条項も盛り込まれる事が多い。

また、他の北米プロスポーツでもそうだが、時には長期間の大型契約が結ばれる事も多く、例えば大谷はロサンゼルス・ドジャースと10年、フアン・ソトはニューヨーク・メッツと15年、フリオ・ロドリゲスはシアトル・マリナーズと最大で17年にも及ぶ超長期契約を結んでチームに在籍している。
このうちロドリゲスについては彼がメジャーデビューした年に大型契約を結んでおり、特に近年のMLBでは収益面で厳しいチームが早い段階から大型契約を結んでおくことでFA時の年俸高騰対策をする動きがしばしば見られる。

【マイナーリーグベースボール】

メジャーリーグの下部組織であるプロ野球リーグ。
ドラフト指名された選手とアマチュア・フリーエージェントで入団した選手はまずはマイナーリーグで経験を積み、競争に揉まれながらメジャーの世界を目指すことになる。

マイナーの世界はクラス分けされており、「ルーキー」「A」「A+*14」「AA」「AAA」の5クラスが存在している。

ルーキーリーグのチームはMLBの球団が直営しており、ユニフォームなどもMLBのチームと同様のものを使用するが、「A」から「AAA」までのマイナーのチームは多くの場合はMLB球団とは全く別の運営母体を持っている
MLBのチームはないがMiLBのチームはある街も多く、そうしたチームは特に地域密着型の運営を行い、地元のプロスポーツの代表としての立ち位置を確立している事も多い。

40人枠に登録されないままフルシーズン換算で6年間マイナー暮らしを続けている場合、マイナーリーグFAとなり通常のFA選手と同様に自由交渉ができるようになる。

メジャーの華々しい世界の直下にあり、特にAAAとは頻繁に出入りが行われるにもかかわらずマイナーはとにかく待遇が悪いことで知られ、「ハンバーガーリーグ」とも揶揄され、多くのマイナー経験のある選手からその待遇の悪さについて指摘されてきた。
一例として球場間の長い道程を、空路ではなく延々とバス移動させられることが挙げられる。
なおその間車内で「メジャーリーグ」などの古い映画が流されるため日本人の想像以上にタカ・タナカの知名度が高く、演者の石橋貴明が現地観戦する折には日本と特に縁のない選手も喜んで彼と対面する様子が報じられる。
近年は新たな労使交渉が結ばれ、最低賃金が大幅に増額されたり移動の快適性が向上したりと以前に比べればまともな環境となっている。

また近年はMLB側が採用を検討している新しいルールの実験場としての役割を持っており、上述の新ルールも多くはマイナーで実験を重ねた上で導入に至っている。

【日本人選手の挑戦】

MLBへの参戦歴史は意外に古く、1964年に南海からサンフランシスコ・ジャイアンツに移籍した村上雅則が投手として登板したのが最初である。
その後は30年近くブランクが空いたが、1995年に近鉄を退団した野茂英雄がドジャース入り。
当初は過小評価されていたが、入団後球団新人最多記録の16奪三振、完封勝利、オールスターゲーム出場、ノーヒットノーラン達成など日本人初の記録を次々と打ち出し、トルネード旋風と呼ばれる一大センセーションを巻き起こした。
尤もこの移籍に際しては様々なトラブルが起きたことから、1998年にはNPBとの間でポスティング・システムが導入されている。

当初はピッチャーのみだったが、2001年のイチロー・新庄剛志の移籍以降は野手のMLB挑戦も急増。
終ぞMLBで野球殿堂入りを果たしたイチローは勿論、現在は大谷翔平が前人未到という言葉では言い表しきれないレベルで新記録を達成し続けているのは皆さんご承知の通り。

そんな輝かしい実績を残す選手がいる一方、IL入りやMiLB内を行ったり来たりしたのちに帰国する選手も少なくない。
前述の新庄や黒田博樹のように帰国後も実績を残した選手もいる一方、本国及び日本国内でもなんJ民のおもちゃダメ外人扱いされてしまい、結果キャリアに傷しか残らなかった人もちらほら。

日本人選手の挑戦が多いのは単なる憧れのみならず、MLBにおける選手不足の穴埋めという実情もある。
近年MLBではアメリカ出身の黒人がNFLやNBAに流れてしまい、外国人の比率は30%近くに上る。
そのため、人材確保も兼ねて日本のプロ野球がターゲットとなっているのが実情で、近年ではNPBを通さずにMLB入りを目指す選手も現れているほど。

MLBへ適応できるかどうかは戦術のみならず体力面での対応も求められる。
シーズン中は広大なアメリカを移動し2週間近く遠征が組まれることも珍しくないうえ、前述したマイナーでの移動の過酷さに音を上げてしまう人も少なくないのである*15
前述したイチローや大谷は日本時代に比べガタイが一回り大きくなっている点からも、体力づくりの重要さが成功のカギになっているといえよう。

【MLBとメディア】

MLBのテレビ中継はリーグ内である程度管理されており、全米中継番組の放映権収入は各チームに均等分配される。
一方で各地にはローカル放送もあり、そちらは各チームと放送局とで個別に契約を結ぶ形となっているため放映権料による収入はチームに直接入ってくる。自力でメディア部門を持つチームは放映権収入の入りも大きい。
近年はストリーミングや動画切り抜きにも力を入れており、試合の重要シーンやハイライト映像などが公式から多数投稿されている。

以下、代表的な放送局を紹介。

  • FOXスポーツ
アメリカ4大ネットワークの一つ。特にポストシーズン放映に力を入れているが、レギュラーシーズンについても週末や月曜を中心に放送している。
現役を引退したアレックス・ロドリゲス、デレク・ジーター、デビッド・オルティズの3人が名物解説者となっている。
日本のファンには城島怒りのテーマもおなじみ。

  • ESPN
アメリカ4大ネットワークの一つ。レギュラーシーズンの放映に強みを持っており、FOXと異なりほとんど全ての曜日で試合中継を行っている。

  • MLB.TV
MLB公式が提供するストリーミングサービス。
30球団全ての試合を観戦可能。MiLBにも対応しており、ハイライトや見逃しにも対応するなど充実のラインナップを誇る。
ただし、一部の試合は上述のFOXやESPN等のケーブルテレビ局との契約の問題でリアルタイム視聴が不可となっている。日本にいる間に引っかかることは少ないが、アメリカ旅行をしている際にはたまに引っかかるので注意。
ちなみにMLB公式Youtubeの元映像の出どころはここである。

  • NHK
日本国内でのMLB放送の代表格。基本的にBSで日本人選手の出場試合(主に大谷)を中心とした放送となっている。
時差の関係上朝方の放送となっているため日本のプロ野球と放送時間が被らず、日米双方の野球を楽しむためにBS契約をするユーザーも少なからずいる。

  • J SPORTS
日本国内放送枠その2、ドジャース戦以外の放送が多め。放送権料の関係で1と3のオンデマンド側では放送されないので注意。

  • SPOTV NOW
スポーツ専門のストリーミングサイト。2020年以降、日本人選手の出場試合を中心に配信を行っている。特に安定して日本人選手が出場する傾向にあるドジャース戦やカブス戦の試合はほとんど全試合の配信を行っている。
日本語放送である点をウリにしており、参加実況アナウンサーには「It's Gone」でお馴染みの近藤祐司アナウンサーもいたりする。


また、MLBはデータ解析が進んでいることから、下記のようなデータサイトも充実している。
  • Baseball Savant
「トラッキングデータ」を集め、それを解析した情報を公開しているサイト。パット見は関係なさそうだがMLB公式で運営されているサイトである。
一度でもMLBの舞台でプレイしたことがあれば必ず名前とデータが載り、ある程度のデータが集まった場合その選手の細かいデータがメジャーリーガー全体でどの位置にいるのかなどのデータが表示される。
MLB.TVの映像から切り抜かれたプレイの実際の映像も確認できるなどとにかく情報が充実している。
ただし、得られるデータが細かすぎて逆に分かりにくい場合もあり、何でもこれ一つでというのは難しい。

  • Baseball Refarence
こちらはデータ解析系には弱いものの、NPBやカレッジベースボールまで含めた世界中の野球に関するデータを集計したサイト。公式の試合記録から得られるあらゆる情報を調べることができ、基本的なデータ探しにはかなり便利。
その選手のMLBにおける貢献度を数値化した「WAR」と呼ばれる指標を出しているサイトのうちの一つで、こちらで算出される値は「rWAR」と呼ばれる。

  • FanGraphs
こちらはデータ解析系に強いサイト。Baseball Savant登場前はより価値が高かった。
現在でもやはりデータ解析には強く、「WAR」を算出しているサイトのうちの一つでもある。こちらで算出される値は「fWAR」と呼ばれる。

【小話】

  • Take Me out to the Ballgame(私を野球に連れてって)
    • MLBの試合では7回の表裏間に必ず歌われる曲。全員が立ち上がり軽く運動をしながらこの歌を歌う(7th Inning Stretch)のが伝統的な習わしで、歌詞中の「Home Team」の部分を自分の応援するチーム名に変えて歌われる。
    • 長い延長戦になった場合、7の倍数、すなわち14回・21回の表終了時にも歌われる。
    • 日本では東京メトロ南北線後楽園駅の発車メロディに使われている他、野球好きで知られる落語家のヨネスケこと桂米助がこれを出囃子に使っている。

  • MLBはトレードが多い世界だが、トレード絡みでも様々な変わった記録やエピソードが豊富なことでも知られる。
    • 移籍前のチームと移籍後のチームで後者のほうがより多く試合が残っていたため、162試合を超えて試合に出場。
    • ダブルヘッダー中に対戦相手のチームとトレードが成立。すぐさまベンチを移動し、そのままダブルヘッダーの試合に登板。
    • 出場していた試合が雨天によりサスペンデッドゲームに。その後対戦相手のチームとトレードされ、記録上2チームで同じ試合に出場する。
    • トレードで獲得した選手が突如故障して使いものにならなくなったため、3日後に返却。
    • シーズン中にトレードに出されたが、移籍前のチームのシーズン最多勝投手がそのトレードに出された人になった。
    • ワールドシリーズを制したチームの選手やスタッフにはチャンピオンリングが贈られるが、シーズン中に在籍さえしていれば授与されるためワールドシリーズに進出したチーム両方に在籍していた場合、勝ち負けに関わらずどちらかのチャンピオンリング授与が確定するケースも。

  • 契約についても変わったボーナスが盛り込まれている事があり話題になることがある。
    • チャリティーへの寄付義務。年俸を貰うはずが、まさかの給与天引き追加。
    • 契約時点では存在しないタイトルを獲得したらボーナス。
    • ゴールドグラブ賞を獲得したらボーナス。これ自体は普通だが、この契約が盛り込まれたのは全くと言っていいほど守備ができない選手である。
    • 特定のチームとだけはトレードを拒否する権利を放棄できる。この時対象のチームは契約を結んだ選手の古巣であり、古巣愛の強さを窺わせる。
    • オレンジゼリーの箱などの現物。懸賞かと疑いたくなるような内容。ちなみにこうしたノリで車や馬が契約に入っていた選手も。俺の愛馬が!



追記・修正は全体1巡目指名を受けてからお願いします。


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最終更新:2025年10月29日 12:27

*1 NFLとカレッジの両方で年間5000ヤードパスを達成した史上唯一のQB。現在はカンザスシティ・チーフスと10年契約を結んでいるが、大谷翔平のドジャース入り前はその額が北米プロスポーツ史上最高額を誇っていた。ちなみに父親は横浜ベイスターズでのプレー経験もあるプロ野球選手。

*2 近隣地域を本拠地とする別リーグのチーム1つのこと。ニューヨーク・ヤンキースとニューヨーク・メッツの組み合わせが分かりやすい。

*3 しかし、2020年の「6点差」規定時には明確な基準が出来たことでむしろ更に多用されるようになってしまい、2023年に「8点差以上で負けている時」「10点差以上で勝っている9回裏」と規定し直すこととなった。

*4 ドラフトの「ウェーバー制」と同じ「Waiver」。意味は「権利の放棄」であり、こちらが語義通りで、あちらはここから転じたもの。

*5 当然ながら虚偽申告を防ぐための監査は設けられているが、軽くちょろまかす程度のことは常態的に行われているというのが共通認識。

*6 その年のMLBの年俸上位125選手の平均年俸と同額

*7 ドラフト指名を有利にするためわざと負け続けることを指す。

*8 簡単に言えば収益の多いチームからは資金を徴収し、少ないチームにその分を一定割合で分配する制度で、戦力均衡策の一貫となっている。

*9 2014年にデトロイト・タイガースから全体1120位指名。

*10 指名人数は無制限・各チーム50巡、各チーム40巡という順で徐々に縮小された。なお、2020年は時勢の都合5巡目までだった。

*11 「24巡目」はグリフィーの背番号「24」に基づく。

*12 日本における「ポスティング・システム」等

*13 大きく分けてチーム側に選択権のある「クラブ・オプション」と選手側に選択権のある「プレイヤー・オプション」の2種類がある

*14 ハイAと呼ぶことが多い

*15 そのため、MLBで成功した選手は移動距離の長いパ・リーグ出身者が多い傾向にある。