ショートの固定に苦しんだヤクルトが連れてきた内野手。ゴールデングラブの獲得経験もある名手であり、メジャーファンからの知名度も高かったのでかなり期待されていた。
また、日本ハムやDeNAにも所属したエドウィン・エスコバーの親戚で、オフには仲良く草野球に出ているという私生活面でも注目を浴びた。
が、蓋を開けると打率以外はボロボロ。
打撃についてはとにかく早打ちなので打率に対して出塁率が低く、規定打席に到達した助っ人ではおよそ半世紀ぶりのシーズン1本塁打と芳しくない内容だったたが、これは下馬評通りではあった。
問題だったのは肝心の守備で衰えが顕著であったことで、UZRが-16.7という悲惨すぎる数値を叩き出し、結局同年限りで解雇となった。
その後はワシントン・ナショナルズでメジャー復帰を果たしている。
なんやかんや言って「得意球のストレートと誰でも投げるのを推定できてしまうフォームから投じるスライダーでゴリ押し」とNPBでの対応方法を確立し、驚異的な耐久性でリリーフとして長年ブルペンを支え続けた親戚のエドウィンとは明暗が分かれることになった。
去年まで主力投手の一角を務めていたデビッド・ブキャナンに代わる投手として契約に至った助っ人。
練習試合やオープン戦ではそれなりの成果を出していたものの、いざペナントが始まると登板するたびに炎上。先発するたびに4点以上失点して試合を壊しまくり二軍に降格。
その後再昇格し中継ぎに回るも、やっぱり炎上しまくり結局一軍では一つも勝てないまま降格。この頃には二軍でも通用しなくなり打ち込まれてしまい、とうとうペナントレース終了前に解雇されてしまった。
NPBでの一軍成績は9試合24投球回で0勝3敗・45被安打・被本塁打8・10四球・防御率10.13。上記のアイケルバーガーをも上回る惨状で
ムノーア
という不名誉な仇名までつけられてしまった。
なお、この年のヤクルトは7月12日に単独首位に立つなど決してスタートダッシュに失敗したわけではないが、イノーアが炎上し出した8月以降はシーズン終了まで負け越すなど急失速し、2年連続の最下位でシーズンを終えた。
珍しい南アフリカ出身の選手。前年4位に沈んだ広島の新クローザーとして期待された。
オープン戦では結果を残し1軍スタート。しかしシーズンが開幕すると2回目の登板でいきなり1アウトも取れずに満塁にされた挙句サヨナラを決められる。翌月にはヤクルトの村上宗隆から
サヨナラグランドスラムを被弾
し、スコットならぬ
スットコ
と呼ばれるようになる有様。
後半には先発を試すもうまくいかず、シーズン通しての防御率は
15.75
、リリーフ防御率に至っては
22.50
という異次元の数字を残した。これは是非もなく退団…かと思われたが、新型コロナウイルス感染拡大による情勢で助っ人の確保が難しい事もありまさかの残留。だが翌年は1軍登板なしに終わり、今度こそ退団した。
「スコット」という名前の選手がやらかすたびにスットコ呼ばわりされるようになるなど、同じ年にやらかしまくったイノーアと並び2020年を代表する炎上投手となってしまった。
と、ここまでなら稀によくいる伝説の炎上投手というだけで終わるのだが、その後2024年になりMLBで突如覚醒。なんと地区首位を走るヒューストン・アストロズの勝ちパターンに抜擢される活躍をしており、日本時代を知る者の多くが困惑を隠せない状態となっている。
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ジャリエル・ロドリゲス
(中日・2020~2023)
将来に期待の若手として2019年オフに育成選手として入団、同年(2020年)支配下登録。2022年に中継ぎに転向、8回の男として56登板で6勝39ホールド、防御率1.15と非常に良い成績を残し、セ・リーグ最優秀中継ぎを受賞。同僚のR.マルティネスらとともにWBCキューバ代表に選出された。
ここまでは順風満帆だったのだが、問題はここからである。WBC後に帰国し、3月29日に来日する予定だったのだが、なんと
亡命して中日には戻らず
。R.マルティネスに「亡命、ダメ、絶対」と言われたり、キューバ野球連盟から違約金を請求されたりするなど大きな話題を呼んだ。2023年オフとなると球団は「ドラゴンズに戻ってくる可能性がほとんどゼロに近いという状況なので、これ以上期待して待っていても難しい」と判断し、契約解除を発表。2024年からMLBのトロント・ブルージェイズと5年契約を結び、先発投手として活躍し、7月7日には6回無失点と好投しMLB初勝利を挙げている。
上記のスコットよりさらに珍しいリトアニア出身の選手。
長身から繰り出す160キロのストレートとパワーカーブで先発として期待されたが、その割にストレートが甘く入り痛打されることが多く、そもそもストレートの球速は良くて150キロ前半しか出ないという有様。
またクイックが極端に苦手なこともあり、一軍登板は1試合で防御率10.30、二軍でも防御率5点台と全く結果を残せず、名前をもじってネバカスと呼ばれる始末で結局1年で退団となった。
2020年度ストーブリーグの目玉、KBO最強打者ロハス・ジュニアを阪神との競合の末に逃した巨人が、それに代わって契約を結んだ選手。ロハスと同じくKBOを経験した選手であり、2015年度KBOシーズンではなんと.381・47本・40盗塁という凄まじい成績を残した。16年度にも40本塁打以上を放ち、2年連続40本塁打の肩書きを提げてメジャーへと凱旋、17年度は31本の本塁打を放ち、KBO・MLB両リーグでシーズン30本塁打を達成した唯一の選手となる。
新型コロナウイルス感染症の影響による入国制限で来日が3月末にずれるも、隔離生活を経て4月中旬にチームに合流。二軍公式戦9試合に出場し打率5割(22-11)・4本塁打の結果を残すと、4月27日に一軍へと昇格。同日、ヤクルト戦において6番レフトスタメンでNPB初出場を飾ることとなった。
ところが、なんと
3回裏のレフトフライを後逸した後に倒れ込み悶絶
。担架で運ばれる負傷を負い、
わずか3イニング・2打席(しかも2三振)での交代
となってしまう事態が発生。
試合後、病院で右アキレス腱の断裂と診断され、米国に帰国し手術を受けると発表。今季中の復帰は絶望となった。そして2021年8月にはとうとう自由契約となる。その後は米国で治療を続けながらも9月に古巣ブリュワーズの試合を観戦している様子が確認されている。
スモークとの併用で不慣れなレフトをやらざるを得なかったのもあるが、その退場の速さ、特に難しくないレフトフライを取り損ねた守備の稚拙さ、病院診断中と思われるタイミングでInstagramのストーリーに投稿された「Wow」というメッセージなど、
イテームズ
の蔑称とともに多くのインパクトを我々に残してくれた。
だがスモーク共々性格は素晴らしく、鎌ヶ谷スタジアム通算2500本塁打を打った選手に高級ラム肉100人前が贈呈されると知り、二人で盛り上がっていたらしい。無事テームズが達成するとジャイアンツ寮に届けて若手に食べさせてあげてほしいとスタッフに依頼したという。これが二人で盛り上がっていた理由とのこと。だからこそ巨人にとっても両外国人にとってもやるせない結果となってしまった。
その後好調だったスモークも家庭の都合で電撃退団、さらにその埋め合わせで来日したハイネマンも体調不良で即退団と、2021年の巨人は
助っ人外国人野手に呪われたシーズンになり
、ファンは孤軍奮闘したゼラス・ウィーラーに最敬礼であった。
中日の一軍打撃コーチを担当していたアロンゾ・パウエルによる推薦もあって中日に加入した助っ人野手。
MLB時代から三振率が異常に高かったが、日本でもボール球じゃないストライクゾーンに連続で投げられて三球三振するという空振りっぷりで三振を量産。
守備も怠慢や雑な動作が目立ち、最終的には157・0本・1打点・18三振という散々な成績を叩き出して途中帰国。そのまま1年でクビとなった。
エキシビションマッチで1試合2HRを叩き出したのが日本での唯一の輝きとも言われている。
そもそも新型コロナウイルスの影響で2020年はマイナーが中止されていた事で直近の試合経験がなく、その点に関しては不運だったとは言えるか。
ガーバーに関しては、中日の仁村徹二軍監督による「
ガーバーは速い球、変化球、インコースの見極め、落ちる球の対応とまだまだひとつずつクリアしていかなければならない。もう少し時間かかるとは思いますね
」との分析が有名。
解釈次第では
何も打てない
と言っているも同然の評価であり、中日ファンから失笑を買った。
もっともそのソースが、自ら信憑性を否定するスポーツ新聞と悪名高い東京スポーツなのが引っ掛かる所だが……
先発左腕の駒不足に悩む西武が2021年に獲得した左腕。
しかし、メジャーでは中継ぎメインで投げていたことから、一部ファンからは「見当外れの補強ではないか?」と疑問視されていた(一応、中継ぎ左腕も先発左腕程ではないにしろ駒不足ではあったが)。
案の定、シーズンに入るとその不安は的中し、スタミナ不足で5回まで持たない試合を連発。かといって中継ぎに回ると今度は大炎上……したばかりか、6月末にはTwitterにて「
聖書によると、同性愛者は神の加護を受けられずに地獄に落ちる
」旨の問題投稿をしていた事が判明。そちらでも大炎上してしまうというどうしようもない有様で、当然のごとくシーズン終了後に退団となった。
結局、この年の西武は先発左腕不足を解消できず、またダーモディーをはじめ外国人選手が軒並み振るわなかったこともあって、所沢移転初年度の1979年以来となる
42年ぶりの最下位
という屈辱を味わった。
キューバ代表として名を上げ、ボストン・レッドソックスで約75億3500万円の7年契約を結んだが、全く活躍できなかった選手。
贅沢税対策によってマイナーに幽閉され、最終的に「
年俸1100万ドルのマイナーリーガー
」というレッドソックスを代表する死刑囚として有名となった。
契約が切れた後に楽天と1年契約で来日したが、上述の死刑囚としての実績や年齢から懐疑論が出ていた。
新型コロナウイルスの影響で合流に出遅れながらも4月に交流するが、初出場の初打席でいきなり脇腹を痛めてしまい、テームズ以上の速さで離脱するという出オチっぷりを発揮。
復帰後も僅か1HRしか打てずに打率も.225、打点は僅か3打点という散々な成績で最後は放出された。
複数年契約ではないのでレッドソックス時代のような死刑囚になることはなかったが、楽天でも優勝争いからの脱落の原因として厳しい目で見られるなど散々な結果に終わった。
楽天がカスティーヨと共に獲得したメジャーリーガー。同名のオリックスの投手とは無関係(スペルが異なる)。
初出場2打席目で本塁打を放つなど当たりかと思われたが、あっという間に成績は低下。最終的に.167・4本という悪い意味で驚異的な成績を叩き出して戦力外に。
久々の本塁打の際には「この成績でも使ってくれる球団に感謝したい」と述べていたので、謙虚ではあったのだが…
2021年の楽天は悉く助っ人野手を外したため、楽天ファンからはカスティーヨとコンビで「クソカス」という酷い蔑称が付けられた。
その後はMLBでプレイしたのち、2024年に引退。
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タイラー・チャトウッド
(ソフトバンク・2022)
MLBで229試合に登板し、先発で12勝を上げた経験もある実績抜群の投手。
……なのだが、キャンプ時点から既に故障しており、ファームでは6試合に登板したものの、6月時点で右肩を手術し今期絶望に。そのまま1度も一軍登録されずに7月に退団した。
この年はかねてより進むドル高やコロナ禍の影響もあってどのチームも新助っ人の質の低下に苦しめられたが、
1軍登板すらなく半年で退団
という強いインパクトには勝てず、「令和の3.5億円事件」と言われてしまった。
しかしながら一軍の日の目を見なかったこと、そもそもソフトバンクホークスの資本力からしてどちらかというと空気な部類ではある。
また、名前の捩りから某所では「チョットウンコ」→「チャントウンコ」→「メッチャウンコ」という酷すぎる三段活用で呼ばれる事も。
MLBで173試合に登板し、2019年には中継ぎながら11勝を挙げたことがあるなどこちらも実績十分の投手で、日本ハムが2.4億円+出来高という高待遇で獲得した。
しかしながら来日時点で肘に故障を抱えており、オープン戦はおろか
教育リーグや2軍戦にも登板しない有様
。6月には治療のため一時帰国するなど、この年は肘のリハビリに終始し、来日初登板したのは10月30日の
みやざきフェニックスリーグの試合
となる。シーズン前にBIGBOSS(新庄剛志)監督は「支配下全員を1軍公式戦に出す」との公約を掲げていたものの、ガントが唯一の未出場選手となった。
だが潜在能力を買われてか、5000万円の大幅減俸を受け入れて翌年も残留。早速オープン戦から試合に参加し、2先発で失点0と期待がかけられた…のだが、2軍戦で投げていた最中に右肘の状態が悪化し4月下旬に帰国。そのまま帰って来ず6月30日に退団が発表された。本人は「違う自分を見せたい」と意欲的なコメントも残していたのだが、1年半の在籍でありながら2軍戦や教育リーグを含めても上記の
チャトウッドすら下回る出場回数
という有様であった。
アメリカで期待株だったものの、諸々の事情でMLBでの実績はあまりなかった選手。間違いなくスペックは一流で高いパワーにミート力、守備は微妙だが指名打者が中心なら気にならず、鈍足ではない程度の脚力、更に来日時点でまだ28歳と若めとこれだけならここに乗るような外国人ではない。
しかし恐ろしいまでのスペランカーなのがこれらの強みを全て台無しにしてしまう。アメリカにいた時から2ヶ月で3度も故障者リスト送りになったりと不穏な兆候は出ていたが、
1軍公式戦2打席目にスイングした際に手首を骨折
という上記のテームズが霞むレベルの離脱芸をかましてしまう。一応その後復帰して多少活躍したがまたも故障離脱。
それでもスペックに期待して契約延長したはいいのだが、開幕前に下半身のコンディション不良で離脱し、その後も
復帰してから長くとも2週間くらい稼働しただけで何処かしら故障して離脱
というとんでもない虚弱体質でこの年は1軍未出場に終わりオフに解雇された。
同じく怪我がちで有名なタイラー・オースティン(DeNA)と同じく
出れば一定の活躍をする
だけにスペランカー気質が惜しまれるところではあるが、なんと彼は帰国後の2024年、MLBのオープン戦の初戦に
スイングしただけで半月板損傷という大怪我
を負ってしまい、復帰するも10日前後でまた故障離脱。もうこの虚弱体質はどうしようもないかもしれない。
身体能力抜群で、かつてはアメリカでも好素材と言われた外野手。前年の巨人にはグレゴリー・ポランコとアダム・ウォーカーという20本塁打以上の外国人が2人もいたが、いずれ守備が壊滅的で、守備がきちんとできるならと大いに期待された…
のだが、初球を見逃す癖を見透かされ、大久保博元打撃コーチが指摘してもそれを直さなかったことから二軍落ちした時期もあり、打率.248、11本塁打、35打点と物足りない結果に終わったことで1年で解雇された。また、守備も上記2名ほどではないとはいえお世辞にも上手いとは言えなかった。
だが何より彼の最大の問題点となっていたのは走塁面でのボーンヘッドの多さ。
中でも語り草になっているのは4月6日の対DeNA戦。2回表一死一塁の場面で打席に立ったブリンソンは相手先発・東克樹から左中間を破る二塁打を放ったが、問題はその後だった。
この時一塁走者の岡本和真は一気に本塁を狙おうとしたが、ややオーバーランしたところでコーチの制止を受けて三塁へと引き返す。だが彼は
岡本の動きを見ておらず、意気揚々と三塁を狙おうとしていた
。気づいた時にはすでに挟まれてしまい、岡本はやむなく本塁を狙うも余裕のタッチアウト。
この時点でも好機を潰した失態とみなされてもおかしくないが、さらに三塁に達していたブリンソンは
これで3アウトだと勘違いしていたのかベンチに引き返そうとしてしまう
。ベンチが一斉に指摘するも時すでに遅し、三塁手の宮﨑敏郎にベースを離れたところをタッチされアウト。
自身のボーンヘッドのせいで一気にアウトカウントを2つ増やし、先制のチャンスどころかイニングを終わらせてしまった。結局巨人はこの試合を0-4で落としている。
他にも
- 一死の場面で二塁走者だった際、特に際どくもない中飛となった打球で三塁手前まで走ってしまっており帰塁できずにアウトになる
- 逆に二死の場面で全力疾走すべきところをなぜか帰塁する
- センターのフェンス直撃の打球で本塁打を確信したか、二塁に進塁し損ねる
などプロならありえないレベルの集中力に欠けたプレーが多く、原辰徳監督をして「
全ての野球人に申し訳ない
」と言わしめた。
一方で、上記のような凡ミスをした試合では逆転本塁打やサヨナラ打を放つなど汚名返上の活躍を見せたこともあり、「
ブリンソン劇場
」「
劇場型外野手
」と評価が難しい助っ人でもあった。
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ウイリアンス・アストゥディーヨ
(ソフトバンク・2023)
長年にわたって活躍したジュリスベル・グラシアルとアルフレド・デスパイネが前オフに退団したソフトバンクは、その穴埋めのために最終的に支配下では4人の外国人野手を獲得。その中でも特にネタ扱いされたのがこのアストゥディーヨである。
MLBでバッテリーとショート以外の8ポジションで出場歴があるユーティリティタイプで、その容姿からファンの間では「亀」とも呼ばれていた。
期待の表れか開幕戦はスタメンに抜擢されるが、開幕6試合で10打数0安打と結果を残せず早々に二軍降格。
この時はまだ期待されていたのか割と早くに一軍に再登録されるが、ここでも打率1割台、0本塁打と期待を裏切る結果しか残せず、その後も幾度か昇格するも結果を残せず...を繰り返し、最後は腰痛でリタイアとなった。
この年のソフトバンク助っ人野手陣は誇張抜きに
全員が壊滅的な成績に終わっており
、全体で打率.109(128打数14安打)、本塁打はなんと彼が放った1本のみ。
これを受けて球団はデスパイネを呼び戻し再契約するという策を講じたものの、高齢に加えてスクランブル発進が災いしたか彼も散々な成績な上に、走塁時に相手一塁手と接触して左膝靭帯を負傷して離脱とチームに長年貢献した名助っ人の晩年を汚させてしまうという事態まで招いてしまった。
……と、これだけなら数年に1回ペースで発生する全く打てない外国人であったが、彼が野球民に名を広めたのは7月24日のロッテ戦。
守護神であるロベルト・オスナがチームの11連敗ストップまであと一死と迫り、ベンチで笑いながら戦況を見つめていたアストゥディーヨだったが、オスナがまさかの逆転サヨナラホームランを被弾。
その瞬間、瞬時に真顔になる彼の様子が中継カメラに捉えられていたが、同じような表情の変遷を見せた近藤健介や隣で「やばい!」と叫ぶ柳田悠岐と並んで、劇的すぎる敗戦を象徴する一幕として彼の真顔が大いにネタにされた。あまりにも綺麗な表情の一変っぷりなので、興味があれば見てみてほしい。
この一件からか、いつしか「心の中のアストゥディーヨ」というワードが話題になるなど、典型的なネタ助っ人として親しまれているその名は語り継がれているようである。
阿部慎之助体制に移った巨人の補強の目玉として加入した、ベネズエラ出身の左の大砲。
MLBでは長らくレンジャーズの正二塁手を務め、2022年まで8年連続で2桁本塁打を記録するなど通算178HRの実績を誇るメジャーリーガー。しかしながらブンブン丸タイプの多いメジャーですら筋金入りのフリースインガーで知られており、経験の少ない右翼での起用が構想されていたこともあってブリンソン以上に不安視する声も多かった。
そして12試合に出場したオープン戦では変化球に苦しみ、打率.176で0本塁打・0打点と振るわず、開幕二軍スタートが決まる。ところがこの通告に納得できなかった彼は米国に帰国したいと主張し、球団もその意思を尊重したことで開幕3日前に退団が発表。
散々な内容の数試合ではありながらも一応試合には出場したダン・ミセリをも超え、巨人史上最速で退団した助っ人外国人として球団の歴史に名を残すことになってしまった。
なお、オドーアはウエイバー公示の手続きがとられたため、実際に退団したのは開幕後だったが、退団発表が開幕前だったことからか2024年7月に発売された『パワフルプロ野球2024-2025』には開幕前の新加入選手で唯一収録されなかった。
契約上は一軍起用を確約するものではなかったとされており、退団希望は完全に彼の勝手な要望。
さらにこの件が取り沙汰される中で年齢詐称疑惑まで浮上するおまけつきで、巨人は開幕前から出鼻を挫かれてしまうことになったが、彼の穴を埋めるために獲得したエリエ・ヘルナンデスが大活躍。一部のファンからは「ヘルナンデスのために犠牲になってくれてよかった」「(阿部監督が掲げる)自己犠牲を最も体現した選手」などと斜め上の感謝をされることになった。
続いて7月にはココ・モンテスが入団。本職は内野手だが8月にヘルナンデスが怪我で離脱後は自ら志願して外野手にも挑戦するようになり、さらにはヘルナンデスと同じくクリーンアップを任されるなどこちらも大活躍。
オドーアの退団で開幕前から出鼻を挫かれた巨人だったが、その代わりに途中加入した2人の助っ人が大活躍するとは思ってもいなかっただろう。
その後、彼本人は退団直後に、2021年にかつて所属していたヤンキースといけしゃあしゃあとマイナー契約を結んでいる。が、結局1試合も出場せずに8月1日で解雇になったという。そして当の巨人はヘルナンデスとモンテスの活躍もあって9月28日に4年ぶりのリーグ優勝を果たした。
自身のプライドを優先し戻ったもののメジャーどころかマイナーですらお払い箱となり、その手放したチームが頂点に輝くという天国と地獄を見せられた彼の心境や如何に。
主力である西川龍馬がオリックスにFA流出したことを受けて広島が獲得したベテラン内野手。
MLB通算225試合で7本塁打の実績があり、シェアな打撃と守備力に加え複数ポジションをこなせるユーティリティープレイヤーという触れ込みで主軸として期待されていた。開幕戦にも「6番・三塁」で出場し、2打席目に犠飛で来日初打点をマークと順調な滑り出しを見せていたかに思われた。
だが、翌日の2戦目で左肩を痛めて途中交代し、31日に出場選手登録を抹消。その後は二軍でも出場がないまま6月20日に肩の手術を行うも、「今季中の回復が見込めない」ことからそのまま契約解除になってしまった。
球団からの期待も高く契約金が1億2000万+出来高と高額の契約だったにもかかわらず、公式戦出場はわずかに2試合で終了。
前年度から所属していた外国人を全員刷新してまで獲得した、広島にとっては肝いりの補強だったものの、実力はほぼ発揮できないまま不運な形で日本を去ってしまった。
結局彼はこの年いっぱいでの現役引退を表明。「機会があれば戻りたい」と語り、引退時のコメントではカープに対する感謝を述べユニホーム姿の写真をアップするなど、本人が球団に対してかなり真摯な対応をしていたのが救いか。
前述のレイノルズと共にやってきたベテラン内野手。前年度にマイナーで95発を放ったことや守備が評価されて獲得に至った。
レイノルズよりは長く一軍にいたものの、シーズンが進むにつれて徐々に日本の野球への適応できなさが顕わになっていったことで成績が下落、昇格と降格を交互に繰り返すようになってしまう。そして9月末に手首の手術を行ったものの、「今季中に回復が見込めない」という直近で既に見覚えがある展開になったことからそのまま契約解除になってしまった。
結局、一軍での本塁打はオールスター直前の7月17日に行われた横浜スタジアムでのDeNA戦で東克樹から放った一本のみ。その日はそれが決勝点となったためヒーローインタビューに呼ばれたが以降は印象に残る活躍ができなかったため、こちらも唯一の機会になってしまった。
なお、この年の広島は
新井貴浩監督の方針もあって結局夏場の補強期間終了までにこの2人に代わる外国人を獲得しなかったが、そのツケが最後の最後に回ってきてしまい、首位を走っていたにもかかわらず9月に入るとチーム全体が絶不調に陥りあっという間にBクラスまで転落。CS出場まで逃した挙句、最後は本拠地で巨人の胴上げを見届けるという屈辱を味わうことになってしまった。
この事態を目の当たりにしたことで「シャイナーが期待以上の活躍をするか、あるいはせめて新たに外国人を獲得していれば、もっと違った展開になっていたのでは……」と嘆いた広島ファンも少なくない。
低迷した24年西武を象徴するような選手。
マキノンと山川の流出で主砲を失った球団が4番候補として獲得。35歳とベテランの域に入ってはいたものの、MLBで通算114本塁打と実績は十分で、全盛期の2018年ではMLBで最も活躍したベネズエラ人選手に贈られるルイス・アパリシオ賞を受賞した。
開幕戦も4番スタート、第二戦では早くもタイムリーヒットを放ち、幸先は良かったのだが…
徐々に日本野球へ適応できなくなり成績がみるみる低下、あげく5月に右足首の負傷で登録を抹消。これを最後に公式戦に出場することはなく、8月にはアメリカに一時帰国し手術を受けた。
そして球団も負けを重ねて最終的には球団ワースト記録を53年ぶりに更新する49勝91敗3分の壊滅的な成績に終わり、4番として活躍が期待されたにも関わらず期待はずれの成績に終わったファンからはヘイトを向けられ「観光客」などと揶揄された。
結果単年契約を更新することなく、1年で日本を去ることになった。
前年に41ホールドを挙げて最優秀防御率のタイトルを獲得したペルドモが秋頃の怪我や年俸の折り合いがつかなかった影響でオフに退団となり、その後釜としてロッテがメジャー4球団を渡り歩いた実績を買って獲得。最速167キロのストレートを武器とし、オスナやペルドモといった投手を引き当てたロッテのスカウトの実績もあり、ファンも期待を寄せた。
しかし、蓋を開けてみればストライクゾーンにボールが全く入らないノーコン投手で、球速も140キロ程度しか出ていなかった。さらに、投げてる時肩で投げているような投げ方で「既に故障しているのでは?」と感じているファンも多かった。
そんな中、3月20日の巨人とのオープン戦に登板するも、1アウトも取れず、0/3回4四死球5失点で降板するという散々な内容だった。当然、吉井理人監督はコルデロの開幕二軍スタートを明言した。
二軍では序盤こそ出番がなかったものの、状態を上げて、7月3日に昇格し、7月21日の日本ハム戦で2点差の場面で登板するも、アリエル・マルティネスに2点タイムリーツーベースを浴びあっさり同点を許すと、清宮に逆転ソロ本塁打を浴びて1回3失点で敗戦投手になり、翌日に登録を抹消。降格後、二軍でも炎上を繰り返し、その後は二度と一軍に上がる事は無いままシーズンを終え0勝1敗1ホールド、防御率7.20と散々な結果に終わり、この年限りで退団。
一方で前年に放出したペルドモはマイナーとの契約を経て、5月末にオリックスと契約。軒並み不調だったリリーフ陣の穴を埋め、勝ちパターンを担う活躍を見せただけに、コルデロ獲得の失敗がより際立つ結果となってしまった。
また、この年のロッテの助っ人投手陣は既存助っ人のメルセデス、コルデロ、フェルナンデス、ダイクストラ、シーズン途中に加入したカイケルがいたものの、メルセデスとカイケル以外は軒並み期待を裏切る結果となり、フェルナンデスとダイクストラに至ってはシーズン終了を待たずにウェーバー公示された。