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松重(龍が如く)

登録日:2026/03/24 (火曜日) 01:15:00
更新日:2026/04/22 Wed 15:16:37
所要時間:約 5 分で読めるぜ、組長さんよ








黙って見てな!シノギのお手本ってヤツ、見せてやるからよぉ!





~概要~


初代『龍が如く』のリメイク作『龍が如く極(きわみ)』にて追加されたオリジナルキャラクターでフルネームは不明。
CV:池田ヒトシ*1
東城会に属するヤクザ者の一人であり、所属は後述する経緯により風間組から錦山組へと鞍替えしている。
本編中には登場せず、『極』の独自要素である桐生が収監中に起きた錦山の身の上を描写したムービーにて初登場しており、錦山の渡世に大きく関わっていくことになる。


~人物像~


紫色のシャツに紺色のスーツを羽織り、パンチパーマにサングラスを掛けた無精髭が目立ついかにもヤクザ者だと言わんばかりの風貌をしている。

性格もその見た目に違わない傲慢且つ粗野な言動が目立ち、作中では錦山に対して慇懃無礼な態度を隠そうともせず以降様々な形で彼に悪辣な仕打ちを行っていくようになる。
その一方で柏木から腕利きの組員と認められているだけあってヤクザとしての実力は確かなものがあり、とある理由から大金を稼ぐよう頼まれた際には使える手段を駆使して命令を果たし、終盤のムービーではキリトリで得た大金を上納したり組のシノギをさらに拡大する旨の発言をしていたりと口先だけじゃない確かな手腕も兼ね備えていることが伺える。


~作中での活躍~


冒頭で桐生が収監された約1年後、堂島組での働きが認められ自身の組を立ち上げることになった錦山の部下兼シノギの先輩として柏木から遣わされる形で錦山組へと加入することになるが、風間組で稼ぎ頭として積み上げてきた自負や前述した性格も相まってか初登場のムービーの時点で錦山のことを格下と見做して舐め腐っており、定例会で他の部下達が集まっている場で平然と「お前と話すくらいなら場末のキャバクラでブサイクな女と話してた方がマシだ」と扱き下ろした挙句、風間の命令だから従ってるだけでお前の指図など聞く気はないと言い放つ等、仮にも親分である錦山に対して強硬な姿勢を見せる。

その後も歪んだ親分と子分の関係性は続いていたが、ある時錦山が莫大な妹の手術代を捻出するために頭を下げて来たのを契機にますます調子づいていき、錦山から「やり方は任せる」と言われていたのをいいことに、あろうことか柏木が面倒を見ている組がケツ持ちを務める店からミカジメ料を分捕るという筋が通らない暴挙に出た上に、それを追求してきた錦山に対して「これからは限られた取り分を力で奪い取った者が勝つ」という持論を展開し、直後胸ぐらを掴み上げ「気に食わなければお前のやり方で直系にでもなってみろ」と半ば論点がズレた逆切れをかましてその場を後にするのだった。

これ以降完全に立場が逆転してしまった錦山に代わって組を動かすことになり、最終的にシノギ拡大のために組の金をほぼ自らの裁量で動かす旨を語ってたりと実質的に組を私物化するまでに至っていたが、ある晩、医者の裏切りによって妹を喪った絶望からドスで自害しようとしていた錦山の元に偶然現れシノギの拡大について話を進めようとするが、返事をする気力すらない錦山に苛立ちながら「桐生の方がまだ根性があったぞ」となじったことで堪忍袋の緒が切れた錦山に自害用のドスで腹部を貫かれあっけない最期を迎えることになった。

しかし、彼の死は錦山のそれまでの価値観を全て崩壊させる最後の一押しとなってしまい、直後それまでの自分を捨て去るかのように松重の返り血を整髪料代わりに髪形をオールバックに変え、この日を境に錦山は極道としてどす黒い『才能』を開花させていくこととなる。


~彼に関する様々な議論~


人物像や活躍でふれた通り松重はお世辞にも善人とは言い難い人間であり、作中ではその言動が祟って最終的には錦山に刺殺されるという悲惨な末路を辿ることになったが、『極』を遊んだ如くユーザー間ではこの結末に様々な意見が飛び交っており、「親を舐め切った下衆な人間の末路としては当然」とする意見もあれば、「言動に難はあれど、やることはやっていたから殺すことはなかった」という意見もあり十数年が経過した今でも如く関連の話題に挙がることもしばしばある。

粛正の是非を抜きにしても松重は本当に有能といっていいのか?という点が疑問視されることも多く、作中では錦山の言いつけ通り大金を稼いできたものの、その手段がよその組のシマからミカジメ料を分捕るという極道の間ですらダーティなやり方であり、普通はやらない禁じ手である。株や独自の商売等他のツテで稼いできたならともかく、これだけで有能と言えるかは怪しいだろう。

後にが他の組のシマである物件を買収した際、神田ですら親への仁義という点を指摘していたレベルで極道とカネの問題は複雑かつデリケートなのである。劇中では「柏木のカシラが文句言ってきたら組長うまいこと言っといてくださいよ」と余裕綽綽な態度を見せていたが、柏木の裁量次第では「お前の事情なんか知らねぇ 実行犯を差し出せ」と言われて、松重が責任を取らされてアッサリ粛清されてもおかしくは無いほどの不義理を犯しており、錦山が叱責&鉄拳制裁を受けるだけで済んだのは温情中の温情と言っても過言ではないのだ。
錦山は『妹の手術代の件があるから松重を守らなければなからなかった』という事情はあるものの、錦山の妹の主治医だった医者の名前にも特に反応していないことからして松重としては錦山の事情も把握してなかったはず。なぜ余裕綽綽だったのかは謎。
峯や飯渕のような元カタギならまだともかく、風間組出身の猛者であるはずの松重の行動としては妙な点が目立つ。
公式サイトでも「元・風間組で、特に腕利きの男として知られ、かなり太いシノギを手がけていた」と書かれている以上はシノギの腕は確かなのだろうが…。
松重本人も「風間の親父から俺のシノギがどんだけ太い稼ぎか、聞かされてねえわけじゃねえだろ?」「そいつが俺の『格』ってやつだ なら、それなりに扱わねえとなぁ」と錦山に凄んではいるものの果たして何で稼いでいたのかはハッキリしない。そもそも設定あるんだろうか…。

また彼に関する話題の中で風間(柏木)はなぜこんな問題ありな人物をよこしたのか?」という点はほぼ必ず槍玉に挙げられる。
この件に関して柏木は前述したシマ荒らしの一件で部下を躾けられないことを激しく叱責し去り際に「桐生ならこんなことには…」と呟く等叱責の内容自体は的外れではないが最後の一言はあまりにも余計とツッコまれている。*2
一方の風間はムービー中全くと言っていい程関わることが無く松重を送り出した側としては無責任とも言える対応をしており、柏木のように叱責にすら来ないこの態度は結果的に風間に対して疑念が向けられる要因の一つになってしまっている。*3

風間達のこういった描写に関しても

「組長として独り立ちをするのなら癖の強い人物すらも扱ってみせろという風間なりの試練だった」
「松重が超絶外面のいい奴で(風間は兎も角)柏木は本性を見抜けてなかった」
「作中で嶋野が触れたように遠回しに錦山に極道の道を諦めさせようという腹積もりがあった」*4


等の意見が主流として挙げられているが、現状ナンバリング・外伝作に於いてこのあたりの深掘りはされておらず良くも悪くもユーザーの想像に委ねる形となっており、『極』の作中で明言とまでは行かずともそれとなく風間サイドの心情が読み取れる描写がもっと欲しかったという点は少なからず指摘されている。

ちなみに公式サイトの松重の紹介文では「風間組から独立が決まったばかりの錦山には手駒となる組員がいなかった」「シノギに関する巧みな手腕を錦山に勉強させる意味も含め、松重たち風間組の猛者たちが風間の命令で転属」としか書かれていない。
そもそも、元・風間組の猛者なら『0』時代どころか錦山や桐生が子供の頃から面識があってもおかしくないのだが、その辺りもはっきりしない。

メタ的には「錦山に極道の道を諦めさせるための手だったとしても幾らなんでも風間が悪辣で遠回り過ぎる」「試練扱いだったとしても結局失敗してしまっている」わけで、どちらにしても風間の能力が疑われる事になるので公式としても触りにくい話になっている可能性が高い。

更に上記の話題と並行して錦山の行動にも問題ありとする声も挙がっており、作中では立場上部下であるはずの松重に無礼な言動を言われっぱなし・やられっぱなしのまま話が進んでばかりで組長として部下の手綱を握れてないお飾りの大将状態となっていた。

過去作にも子分が親分に無礼を働くシーンは何度か描かれており、例えば

『1』および『極』ではみかじめの回収に失敗した構成員が嶋野からの制裁として手をカミソリで切りつけられる
『2』では郷田に対して関西の龍と呼んだ部下は酒瓶が割れる程の力で後頭部を殴られた挙句瓶の断面を喉元に突きつけられる
『3』にての前で大吾の不幸を嘲笑した構成員は凄まじい怒号と共に流血するまでフォークで手を抉られる
0』で嶋野の意向に背いた真島は1年間拷問施設に幽閉されその後も佐川の監視下で蒼天堀に押し込められる生き地獄を味わう等、

格上の不興を買った格下は大なり小なり報いを受けるというのはシリーズを通して描かれてきた不文律であり、ある種の名物でもあったのだが、錦山は松重に対して怒鳴りはすれど何らかの制裁を行うには至っておらず詰めが相当甘いのは否めない。

そもそもの話、錦山は上記の武闘派達と違って己の力でのし上がってきたというよりは持ち前の人の好さで有力者たちの懐に潜り込む処世術でのし上がってきた事が語られており、組を立ち上げられたのもある意味では風間や柏木の身内贔屓な側面があったのは否定できず、非常に酷な言い方をすれば組を立ち上げた段階の錦山はこれといった「看板」や「華」あるいは「風格」というものが存在せず、出所した桐生の受け皿を用意するという名目があったとはいえまだ組を持つには不相応な未熟者であったのも否めない。

作中や公式サイトでも、松重は元の風間組にて太いシノギを持つ腕利きの男として知られているのに対し、一方の錦山は『クソの役にも立たない』『あいつ何のために組にいるんだ?』と陰口を叩かれたりとお世辞にも評価は高くなかった。
松重からしてみると『組内での評価も高くない一介のチンピラが親のコネで独立して組を立ち上げた挙げ句、いきなり自分よりも上の立場の人間になる』という事になるため不満が出るのは明白である。
東城会お得意の無茶人事は昔からだった。

更に妹の命がかかっていたとはいえ仮にも親分の立場でありながら子分に向かって土下座をして懇願するという、極道の世界では悪手も悪手な対応*5をしてしまい、松重をよりつけ上がらせてしまった点からしても組長としての覚悟が足りていなかったといわざるを得ないだろう。

これまたメタ的な話をすると、松重のエピソードが語られた『極』は開発期間が厳しかったようであり、「どこでも真島」のバランス、ボスの回復関連などゲーム自体にも粗い部分が目立つ。『0』発売が2015年3月12日、『極』発売が2016年1月21日なので納期も厳しかったのだろう。

名越総監督は当時の公式動画で「全部描き切ってやるんだ」という熱意を語っていたが、公式の予告でアナウンスされた『由美、麗奈の愛の真実が明かされる』という要素も『極』では正直かなり薄い。別ライターが筆を執った『ONLINE』のほうが「昇る緋鯉 錦山彰(1988)」のキャラストーリーなどで補完している状態である。
そのため、プレイヤー間でも「『極』の追加エピソードについては納期などの関係でガバガバなので細部は考察しても仕方ない」という身も蓋も無い意見もある。
この手のメタ事情の持ち込みはキャラクター考察の上では本来は禁じ手なんだけど…

また、松重はシリーズにおいて他に言及される機会が極めて少なく、『ONLINE』の風間新太郎のキャラクターストーリーで言及されたぐらいしかない。公式としても触りにくいキャラになっている可能性が高いが。
そのため、精神状態が非常に悪かった錦山の回想でしか出てこない点を考えると「松重なんて人物は実は存在していなかった」は言い過ぎとしても、「実は複数人の行動が混じっている」「錦山にとっても印象最悪の人物なので細部は本来あり得ないぐらい悪い方向に補正されている」可能性も否定できない。
この手の「夢オチ」みたいなのも本来は禁じ手なんだけど…


~余談~


  • その特徴的な見た目が堂島にそっくりと一部のユーザーからもっぱらの評判であり、「100均の堂島」/「ニセorアナザー堂島」などの愛称(?)で呼ばれていたりもする。先述の通り松重が「いかにもヤクザ者だと言わんばかりの風貌」であり、堂島も含めて『神室町ではよく居る顔』だという側面もあるのだが…。

  • IF話の一つに「本来の予定通りに組を立ち上げた桐生の元にこいつが派遣されたらどうなっていたか?」という展開も話題にされがちで、桐生ならば舐めた態度を取ろうものなら鉄拳制裁を喰らわすだろうが、それはそれでこいつが黙って従うとも思えないので錦山とは違う形で苦労させられそうではある。

  • こいつの悪意ある言動によって錦山は闇堕ちしてしまいそれが後々100億事件へと発展し、最終的には東城会の有力者達が殆どいなくなってしまったことから「東城会弱体化の真の元凶」等と半ば冗談めかして言われることもあるが、錦山闇堕ちの原因を作ったのは紛れもない事実なのであながち間違いとも言い切れない。

  • 「俺のやり方が気に食わねぇって言うなら、お前のやり方で今すぐにでも直系に上がってみろや!」と逆ギレされた錦山は自分なりのやり方で東城会にて成り上がった。ただ、『極』の追加エピソードは松重の最期で終わっているため、「錦山組がどうやって勢力を伸ばしたか」、「近江連合神宮とはどうやって接触したか」、「新藤荒瀬神田など極道基準でも大問題児の組員達とどうやって出会ったか」などは描かれておらず詳細不明であり、この点もファンの間では不満点として挙げられている。

  • 実は「錦山組がどうやって勢力を伸ばしたか」は『ONLINE』の風間新太郎のキャラクターストーリーで語られており、「錦山組が風間組のシノギまで奪い取った」「風間組にも刺客を送り込み、対立も辞さなかった」「錦山の破門も検討されたが、実力主義として本家幹部衆にも共感する者も居た」「当時、東城会会長だった世良から制裁されそうになった風間が(錦山の親として全てを飲み込んで)刺客を撃退したことで『錦山の破門は風間新太郎の直訴により取り下げられた』扱いとなり、直系に昇格した」となっている。『ONLINE』は別ライターなので正史かは微妙な部分もあるものの、松重が言っていた「気に食わなければお前のやり方で直系にでもなってみろ」はある意味最悪の形で実現してしまった…



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最終更新:2026年04月22日 15:16

*1 吹き替えや顔出し出演が多い演者であり、ゲーム出演は現在のところ松重役ぐらい

*2 柏木は『1』および『極』の最序盤で「親っさんだって昔は相当な武闘派だった」と言いかけて風間に窘められるなど余計なことを言う側面は今に始まったことでもないのだが、よりによって最悪のタイミングで一番言ってはいけない一言を漏らしてしまったのは大人げない言動と言わざるを得ない

*3 風間が全く登場しない件に関しては、『極』開発当時に風間役の渡哲也氏が病気休養中(その後、復帰するも2020年に逝去)で台詞の追加収録が出来なかった、メタ的な事情も関係していると推測される。なお、本編での渡氏の音声はリメイク前の『初代』の頃に収録されたライブラリ出演である。

*4 『0』で桐生達がヤクザになりたいと言い出した際には鉄拳制裁で止めようとしてた描写を見るに風間は二人が堅気として生きてほしいと考えていた節があったのかもしれない

*5 一応『7』でも荒川が春日に対して頭を下げる一幕があったが、この場合は両者の間に深い信頼関係が構築されており、且つ組の存亡がかかっているという一大事だったため錦山の土下座とは雲泥の差がある