アットウィキロゴ

コカローチ・ナイト(遊戯王OCG)

登録日:2026/06/21 Sun 13:29:11
更新日:2026/07/13 Mon 20:32:14
所要時間:約 4 分で読めます





《コカローチ・ナイト》とは、『遊戯王OCG』に存在するカード。

《コカローチ・ナイト/Cockroach Knight》

効果モンスター
星3/地属性/昆虫族/攻 800/守 900
このカードが墓地へ送られた時、このカードはデッキの一番上に戻る。


概要

GBCソフト『遊戯王デュエルモンスターズII 闇界決闘記』のオリジナルカードとして初登場後、「BOOSTER4」で効果化した上でOCG化したモンスター。

遊戯王OCGで猛威を振るいがちなゴキブリ系モンスターの始祖とも言えるコイツは、ステータスは貧弱だが、なんと破壊されてもデッキの一番上に戻る効果を持っている。
勿論モンスターゾーンだけでなく、手札やデッキからどれだけ落とされてもデッキトップに戻っていく。
デッキトップに戻るとどうなる?そう、次のターンで引けるので再利用できるのだ!!

更に昔のカードなので名称ターン1制限がなく、何度でも、何枚でも戻すことが可能。
ティアラメンツ辺りの大量墓地肥やしでまとめて落ちてもみんなデッキトップに戻る!
その為にデッキ切れの恐怖が和らぐ為、【デッキ破壊】系にはすこぶる強い。

こうすることで様々なコストに再利用出来る。
何度でも使えるコストは《キラー・スネーク》が証明している通り、強力なカードのコストを踏み倒すのに使用出来る。
非常に強力だがコストが重い《禁じられた一滴》もこの《コカローチ・ナイト》があれば遠慮なく使用できる!
墓地で発動する効果なので《墓穴の指名者》等の囮にも出来る。

さぁ!この何度でも使えるカードで、君も環境トップのデッキを破壊しよう!!!




追記・修正はしぶとくお願いします。



この項目が面白かったなら……\デッキをシャッフル!/









































……さて。茶番はこの辺にして、そろそろ本題に入ろう。



本当の概要

このカード、ぶっちゃけ遊戯王OCGにおいてものすごく弱いカードである。
それどころか明確な負け筋になりうる場合すら存在する。

確かに、このOCGにおいて無限再生する手段は基本的に強い。
それどころか、悪名を轟かせて規制されるケースだって決して少なくない。

このカードも一見ノーコストで再利用できてものすごく強そうに思われるが、「必ずデッキの一番上に戻る」という事は、すなわち「ドローフェイズの度に毎回コイツを引かなければならない」事を意味する。
壁にすれば次のターンにコイツをドロー、コストにしてもコイツ、素材にしてもコイツ……
ステータスも貧弱なこのカードを必ずドローできるだけでは何ができる訳でもなく、むしろ他のキーカードを引けなくするおじゃま虫としてただただ鬱陶しがられるのみであろう。

遊戯王……いや、全てのカードゲームにおいて、たった1枚のドローが勝敗を分けることは多々あるが、コイツはその一筋の光明すらも封じてしまうのだ
当時は一応メリットとして考えられていたらしく、コイツのステータスは上述の通りかなり低い。
デメリットを押し付けようにも、遊戯王のルール上……というよりほとんどのカードゲームにおいて、自分のカードが相手のデッキに行くことは基本的にない*1

更に言うなら、2026年現在の遊戯王は高速化が極まっており、仮にこのカードがドチャクソ強いモンスターやそれを呼び出すカードだったとしても、次のドローを操作した程度ではどうしようもない事が多々ある。
むしろ今では、デッキトップへ戻す効果は相手への妨害に使われることすらある。


どうしてこんなカードが作られたかと言うと、単純明快、制作者側は「デッキに戻して再利用するのはメリット」と考えていたからだ。
例えば装備魔法カードにもデッキの上に戻すカードがあり、《執念の剣》も同じく破壊された際に勝手にトップに戻る。
他にも《デーモンの斧》がモンスターリリース、《悪魔のくちづけ》がライフコストでデッキの上に戻せるのである。
とはいえ、これらは全て装備魔法カード、更に後ろ2つはコストを払わずに戻さないという選択肢が取れる。
そう考えるとモンスターカードながらセルフデッキバウンスが出来る《コカローチ・ナイト》は割と異質と言えよう。

この考えは割と長く続いており、《コカローチ・ナイト》から2年後に登場した第2期第5弾パック「Spell of Mask -仮面の呪縛-」(2001年4月発売)での《女豹の傭兵》・《紅蓮の女守護兵》辺りが、自分をリリースしてまでデッキバウンスを行っている。
無論、聡明なデュエリストは「セルフデッキバウンス=弱い」事に気付き始めていたが。

とはいえ、《コカローチ・ナイト》が出たのはそれこそ遊戯王、いやカードゲーム自体が黎明期
どの効果が強くてどの効果が弱いかなんてそれこそ手探り
むしろ、こういうカードがあってこそ、20年以上続く今の遊戯王OCGの土台があると考えるべきだろう。
そしてこのカードのテキストを見て「弱い、それどころか邪魔だ」と気付き、《コカローチ・ナイト》の下にあるデッキのカードは実質的に封印される事を理解したなら、カードゲームプレイヤーとして一皮むけた瞬間と言っても過言ではない。

2023年には墓地に送られるとそのエンドフェイズにデッキの上に戻る《離世召人形》が登場。
高い守備力に加えて条件付きで高い攻撃力を出せる可能性のあるカードだが、ドローロックの可能性が常につきまとう。
こちらは「捨ててもいつの間にか戻ってくる日本人形」をモチーフにした効果であり、どちらかというとデメリットのような扱いと言えるだろうか。


なお、まったく使えないカードというわけではない。
前述の通りターン1制限がなく更に強制発動する為、何度もデッキから墓地に送ることで何度も効果発動を誘発したり、他のカードと組み合わせる事で無限ループを発生させることも可能。
生還の宝札》もあれば1ターンキルも狙えるポテンシャルを持っている。まあ《生還の宝札》は禁止カードになったけどな。
また前述の通りデッキに戻るのだが、その後にサーチ等をしてデッキをシャッフルすればコイツをトップからどかすことも可能。シャッフルしてまた来たならデュエル切り上げて美味しいもの食べて寝よう。
デッキトップを言い当てるカードとのコンボにも使える為、普通に使うとしても弱いし邪魔だが使い所が皆無というわけではない。

他にも、使い所が限られるカードを最大限利用するために大量のカードをフル回転するタイプのデッキでは、それこそデッキデス対策に使われることもある。
今のところは一発芸程度であるが、スタン落ちの無い遊戯王OCG。もしかしたら何か変なコンボが見つかるかも知れない。


カードのドローや墓地肥やし、そしてリリースが多いラッシュデュエルでは活躍出来る……と言いたいが現在実装されていない。
彼が輝ける日は来るのだろうか。


アニメでの活躍

アニメ『DM』の「バトルシティ編」、「城之内vsインセクター羽蛾」戦にて羽蛾が使用(原作漫画では登場せず)。
OCG化に伴い攻撃の際に生け贄(現在でのリリース)を要求するようになった《インセクト女王》の生け贄に使われたが、上記のように当時基準でも欠点の方が多いカードのため視聴者にツッコミを受けたのは言うまでもない。
一応、羽蛾としてはもう既に《寄生虫パラサイド》+《虫除けバリアー》という鉄壁の防御を固めていたため、攻撃されずに女王をトークンで強化していけば負けることはないという算段だったのだろうが、それにしたって城之内を低く見過ぎである。
現にパラサイドの寄生を受け付けない《鉄の騎士ギア・フリード》が繰り出されて以降は、全くリカバリー出来ずそのまま敗れてしまっている。

GX』・『5D's』にもモブとしてひっそりと登場している。


ゲーム作品では

ゲーム作品においては先に述べた通り『DM2』が初出。
OCGと異なる独自ルールが採用されていた『DM2〜4・7・8』においてはバニラ扱いとなっている。
『2〜4』では「昆虫族モンスター」+「戦士族モンスター」という組み合わせでの融合召喚も可能。
OCGとは違って良くも悪くも無個性な弱小下級モンスターだが、少なくとも初期デッキに入っている多くのカードよりはマシなステータスを持つ。
城之内や羽蛾など序盤から戦える相手がドロップすることが多く、融合の組み合わせも手軽なので、カードが十分に集まっていない時期であれば戦力にならないこともない。

とはいえ、こいつと同じくらい手軽に融合できてもっとステータスの高いモンスターは多数いるし、昆虫族を素材にして融合できるモンスターはこいつと縛りが厳しめの《クワガー・ヘラクレス》くらいしかおらず、発展性にもあまり期待できない。
特にこいつの融合素材の片割れである戦士族は優秀な融合先を山ほど抱えており、わざわざこいつの素材にする意味は限りなく薄い。
そんな中で貴重なデッキの枠をこいつや他の下級昆虫族に割くのはもったいないというのが正直なところである。
そういうわけなので、結局序盤の戦力として見てもかなり苦しい立ち位置のカードと言わざるを得ない。

恒例に従いフレーバーテキストが用意されている。その内容は
物陰 狭い隙間 どこにでも現れるゴキブリの戦士
というもの。
この説明文が「どれだけ墓地に送ってもタイムラグで戻ってくる効果」になるのも面白い。




このカードが追記・修正された場合、このカードは最近更新されたページの一番上に戻る。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2026年07月13日 20:32

*1 一応、《寄生虫パラサイド》という例外はあるが、それ1枚である上に自身のみである。