登録日:2025/04/13 Sun 08:59:40
更新日:2025/04/16 Wed 22:54:30
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いくぜ!場に伏カードセット! そして……
「ギア・フリード」召喚!!
バカめ!そんな戦士族モンスター 寄生虫の餌食さ!
ニョロ シュルルルル ガキ★ キン★
なに!!寄生できないだと!!
「ギア・フリード」は鋼鉄の騎士!!
寄生虫も鉄の塊には住みつけねぇだろーぜ!
《
鉄の騎士 ギア・フリード》とは、
高橋和希原作の
漫画『
遊☆戯☆王』に登場するカード、及びそれを元にした
遊戯王OCGに存在するカードの1つ。
この項目では関連カードも紹介する。
【性能】
効果モンスター
星4/
地属性/
戦士族/攻1800/守1600
(1):このカードに装備カードが装備された場合に発動する。
その装備カードを破壊する。
【原作にて】
炎の凡骨デュエリスト
城之内克也がバトルシティ編から使用したカード。
全身鎧の戦士族モンスターであり、攻撃力、守備力ともに、原作の下級モンスターの中では高水準。
原作では特にテキストを持たず、「体が
鉄の塊であるために寄生を受け付けない」という特性を持っていた。
初登場時は
インセクター羽蛾の《
寄生虫パラサイド》による
昆虫族化と《虫除けバリアー》のコンボに苦戦していた際に召喚され、その特性により昆虫族化を防ぎ、《
インセクト女王》の火力アップの為にフィールドにいた《インセクト・ラーバ》を攻め立て、最終的にはフィニッシャーとなった。
やがて、バトルシティ編の黒幕
マリクとの戦いに至る。
城之内は敵の精神攻撃やプレイングに苦戦させられるも、持ち前のど根性でそれを耐え抜く。
手札は0、フィールドもがら空きだが、それは相手フィールドも同じ。なにか下級モンスターを引ければ勝利という場面で、城之内がドローしたカードは《鉄の騎士 ギア・フリード》
息も絶え絶えの中召喚され、城之内の攻撃宣言が……下される前に彼は力尽きる。
そして《鉄の騎士 ギア・フリード》も主と共に砕け散るのであった……。生きてたけど。
その後も城之内の主力カードとして登場。
ドーマ編では「ソードマスターが強大すぎる己の力を抑制するため、剣を封印した状態」ということで、この鎧はいわゆるリミッターのようなものだと判明した。
鉄の塊で出来た戦士という設定が変わっているっぽいのは密に、密に。
突如明かされたその真実と共に《拘束解除》され《剣聖-ネイキッド・ギア・フリード》としての姿を表す。
こうして城之内は因縁の相手と決着をつけるのだが、封じた力を再び解き放ってしまった戦士の悲しみと同じように、勝利の喜びはなかった……。
遊戯王Rでも《魔導騎士ギルティア》と融合し《鋼鉄の魔導騎士-ギルティギア・フリード》となったり、マリク戦の鬱憤を晴らすかの如く準ラスボス戦のフィニッシャーになったりといぶし銀の活躍を見せている。
余談だが、よく見るとカードイラストとソリッドビジョンが何故か異なっており、イラスト内では二の腕辺りまで盾のようなパーツが備わっているのに対し、ソリッドビジョンにはそれが無い。
【OCGにおいて】
恐らくここまでの記載を読んだ人の大半は違和感を覚えただろう。「アレ?装備魔法を破壊する効果は?」と。
OCGでは冒頭に記載した通り、装備カードを装備すると破壊してしまうという効果を持っているが、
原作の効果は上述の通り「寄生を防ぐ」ものであり、全くの別物だったのだ。当時ではよくあった「OCG化の際に性能が別物になったカード」の典型例である。
一応、当時のOCGには《
強奪》・《しびれ薬》などの相手に装備してデメリットを与える装備魔法が幾つか存在していたため、そういった効果を防げるという意味ではある程度原作の効果を意識はしていたと言える。肝心の《寄生虫パラサイド》を防げないので再現度は微妙な所だが。
ちなみに、アニメ版では《寄生虫の暴走》というオリジナルカードにより「装備カード扱いになっていた」などと強引に辻褄を合わせようとしていたのだが効果の良く分からないオリカを作って辻褄を合わせても視聴者が付いてこれないため、意味があったのかは怪しい。当時のアニメスタッフの苦労が窺えるエピソードである。
原作との設定のブレはさておき、性能としては
多分デメリットと言える効果を持っている。
一応《強奪》で盗まれないという利点があったものの、当時は《団結の力》《魔術師の力》という低レアお手軽強化カードもあった為、使いづらかった。
また《
早すぎた埋葬》で蘇生しても装備カードを破壊して自分も墓地に送られるというのは、当時としては致命的な欠陥と言わざるを得ない。
GBA時代のゲームでは城之内本人がこれをやらかすことが多い。
しかし装備カードを問答無用で破壊してしまう事から「破壊されたら効果を発動する装備カード」と組み合わせるのは悪くない。
いや、悪くないどころか
邪悪。
要するに変なコンボや無限ループの温床になっちゃうわけである。
例えばこんなカードが有る。
《暗黒魔族ギルファー・デーモン》。
城之内の親友
武藤遊戯の使ったモンスターであるが、効果がこちら。
効果モンスター
星6/
闇属性/
悪魔族/攻2200/守2500
(1):このカードが墓地へ送られた時、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
墓地のこのカードを攻撃力500ダウンの装備カード扱いとしてそのモンスターに装備する。
本来なら破壊された後に敵を弱体化するためのデザインであるが、何故か味方モンスターにも装備可能な《暗黒魔族ギルファー・デーモン》君。
これに、装備カードが付く度にライフポイントを回復する《士気高揚》と、ライフポイントを回復する度に相手にダメージを与える《
ビックバンガール》を組み合わせるとあら不思議、
ワンキルが確定する。
城之内と遊戯とレベッカの友情コンボ。
用意が大変というのはそうであるが決まれば何も出来ずに相手を屠れる。
例に上げたこれだけでも恐ろしいが、禁止カードを組み合わせるともっと恐ろしいコンボが可能である。
例えば《
蝶の短剣-エルマ》は単なる攻撃力300アップの装備カードだが、破壊されても手札に戻る効果があるので《鉄の騎士 ギア・フリード》に装備→破壊→回収するだけで事実上魔法カードが無限に発動できる
城之内とラフェールの友情コンボ。
これと《王立魔法図書館》を組み合わせると無限ドローが可能になり、《魔法吸収》と組み合わせると無限のライフが得られ、更に《ビックバンガール》を組みわせるとワンキル確定。
もはや《ビックバンガール》のツレだろこの鉄の騎士。
流石に流石過ぎて今は《蝶の短剣-エルマ》は禁止カードとなっており、召喚条件となっている《
ガーディアン・エルマ》は20年以上の間効果を実質的に使えない状態である。
他にも破壊されると相手の手札を破壊できる《盗人の煙玉》とのコンボも考慮できる。それも禁止カードだが。
どんだけ禁止カードに縁があるのコイツ。
禁止されていないカードでも《鎖付き爆弾》と言った「破壊されると効果が発動するカード」は多く、それらを駆使した【ギア・フリード】というデッキもある。
単なるデメリットであるはずの効果を活かした戦法が考案されるのは遊戯王OCGの面白さの1つと言えよう。
このカードと組み合わせろと言わんばかりの装備魔法《融合武器ムラサメブレード》なんてのもあり、公式でコンボとして紹介されることもあった。
【関連カード】
《剣聖-ネイキッド・ギア・フリード》
特殊召喚・効果モンスター
星7/
光属性/戦士族/攻2600/守2200
このカードは通常召喚できない。
「拘束解除」の効果でのみ特殊召喚できる。
(1):このカードに装備カードが装備された場合、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動する。
その相手モンスターを破壊する。
専用の魔法カード《拘束解除》により、姿を表したソードマスター。
その効果は装備カードを装備するだけで相手を破壊出来る。
名称ターン1制限も無い為、装備カードがあればあるほど相手を破壊出来る素晴らしいモンスターである。
とはいえ出すためにカードを2枚も消費する上に、いざ出したところで装備カードが無ければちょっと強いだけで使いづらさは否めない。
また、このカードと《拘束解除》がそれ単体では何も出来ない、このカードのバリューを上げるには装備魔法を多数入れたいのに鉄の騎士の方が装備魔法を使えないジレンマを抱える、と中々に事故要素が多い。
装備魔法の枚数を吟味するのは元より、鉄の騎士側でもコンボがある装備魔法を採択する、《マハー・ヴァイロ》のような他に装備魔法と相性のいいモンスターを用いたサブプランを用意しておく、等のデッキをあげてのフォローは必要だろう。
イラストは筋肉質な剣士が剣を振るうという脈動感あふれるもので非常にかっこよく、ロマン溢れるカードと言えよう。
《しびれ薬》を飲まされたり敵モンスターに寄生されたりしても効果が使えるのはシュールと言えばシュール。
何気に強制効果なので、相手に利用されかねないところも注意が必要である。
ちなみにこのカードに《強奪》などのコントロールを奪う装備カードを使われた場合、相手にコントロールが移ってから除去効果が発動し、こちらのモンスターが破壊される事になる。
アニメでは前述の通りドーマ編で登場。
力を渇望し堕ちるところまで堕ちた
ダイナソー竜崎戦で登場。
潔く手放したはずの《
真紅眼の黒竜》へ執着を見せる彼の新たな切り札《タイラント・ドラゴン》を効果で破壊し、そのままダイレクトアタックでフィニッシャーとなった。
この際の動きは若干オーバーキルであるが、竜崎へのメッセージも込めて敢えてそのような事をしたのだろう。
その裏ではかの有名な《狂戦士の魂》による切り刻みが行われていた。
ちなみにドーマ編初登場のカードはオーバーパワーだったり処理が難しかったりするものが多くOCG化が遅れたが、《剣聖-ネイキッド・ギア・フリード》はまだ許容範囲かつ処理が簡単な為か比較的早くにOCGとなっている。
なおネイキッドとは
裸の意味。
カードだとちゃんと下半身は隠しているのでご安心を。
《鋼鉄の魔導騎士-ギルティギア・フリード》
融合・効果モンスター
星8/光属性/戦士族/攻2700/守1600
属性が異なる戦士族モンスター×2
(1):1ターンに1度、このカードを対象とする魔法・罠・モンスターの効果が発動した時に発動できる。
その効果を無効にし、フィールドのカード1枚を選んで破壊する。
(2):フィールドのモンスターのみを素材として融合召喚したこのカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる。
(3):1ターンに1度、このカードが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に、自分の墓地から魔法カード1枚を除外して発動できる。
このカードの攻撃力はターン終了時まで、このカードの守備力の半分アップする。
《魔導騎士ギルティア》との融合体。ややこしいことに「ギルティア・フリード」
ではない。「
ギルティギア・フリード」である。
ギルティアは王国編からデッキに入っていたがいまいち活躍できず、バトルシティに来てからは初戦で召喚され
城之内のミスで即座に破壊された以降出番が無かったが、ここに来てのピックアップである。
OCGでは融合条件がかなり緩和されているが、《魔導騎士ギルティア》は融合モンスターなのでこの改変は致し方ないだろう。そのおかげで戦士族デッキ相手に《
超融合》で切返す為の選択肢にはなる。汎用カードが多く環境でも度々出没する種族なだけに、思わぬデッキにカウンターが刺さることもあるだろう。
さてその効果であるが、まず最初の効果が対象に取る効果の無効化。
この時点で強すぎる上にフィールドの好きなカードを破壊出来るのも強み。
無効化したカード以外も破壊できる為、相手の魔法や罠をいなしつつ盤面整理もできるというかなり強力なものとなっている。
なお、装備カードも基本的に対象にとるため、「装備しようとしたら外れる」というギア・フリードらしい要素を持った効果になっている。「装備したら相手の盤面に干渉する」という点は剣聖へのセルフオマージュか。
(2)と(3)は城之内らしい戦闘関係の効果。
微妙に条件が厳しいが、狙えないほどではない。(2)は先述の《超融合》経由なら自動的に条件を満たしているはず。
ただ2回攻撃はまだしも(3)のパンプアップは普通にやっても800しか上がらないので何かしら工夫したい。とはいえ、2700と3500では戦闘破壊できるラインが大幅に変わるため、戦闘メインな(2)の能力と併せて考えると優秀なオマケ効果と言えるだろう。
ぶっちゃけ(1)の効果だけでも十分にお釣りが出るので、戦士族主体のデッキにエッセンスとして差し込むのは悪くはない。
『遊戯王R』のvs北森玲子戦にてフィニッシャーとして登場。
原作では特に効果は持っておらず、(2)の効果は罠カード《連撃》、(3)の効果は魔法カード《エクストラ・ブースト》という作中でギルティギア・フリードと併用していた戦闘補助カードの効果を内蔵したものとなっている。
《真紅眼の鉄騎士-ギア・フリード》
効果モンスター
星4/闇属性/戦士族/攻1800/守1600
(1):1ターンに1度、このカードに装備カードが装備された場合に発動できる。
その装備カードを破壊する。
その後、相手フィールドの魔法・罠カード1枚を選んで破壊できる。
(2):1ターンに1度、このカードに装備されている自分フィールドの装備カード1枚を墓地へ送り、自分の墓地のレベル7以下の「レッドアイズ」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
レッドアイズサポートを得てリメイクされたギア・フリード。
(1)の効果は相変わらずの自分の装備カード破壊。だが破壊するのは任意な上に、破壊出来た場合は相手の魔法・罠カードも破壊できるという、ちょっぴりネイキッドな効果である。
2つ目は装備カードを墓地に送ってのレッドアイズ蘇生。
レッドアイズがなくても(1)の効果でサポート出来るが、両方の効果に装備カードが必要なのは少し困った感じである。
一応ひとつのカードで展開と除去の方向性が違う効果を使い分けれると考えればそう悪くない。当時では除去しながら展開というのも可能なカードが沢山あったのは密に密に。
また、肝心の【レッドアイズ】にそこまで装備魔法とのシナジーがないのも困りもの。デュアル軸なら《スーペルヴィス》が中々に強力な装備魔法として採用候補に挙がるのだが、こちらは肝心のギア・フリードが装備できない。そもそもデザインとしては《黒鋼竜》とのシナジーを意識した効果だと思われるのだが、他にこれと言って相性のいいカードがないためセットで引けないと事故要因になりがち。
このカードを使いたいなら通常の【レッドアイズ】のギミックはなるべくコンパクトに留めておき、墓地効果を生かせる装備魔法を中心としたデッキにしていくのがベターか。
また同じく「ギア・フリード」の名前を持つものとして《
フェニックス・ギア・フリード》も登場しているが、こっちはこっちで別路線に向かっている感もあるので彼の関連カードは向こうの項目を参照。
このカードの項目が作成された場合に発動する。
その項目を追記・修正する。
- 必ずしもデメリット扱いではないよねーこの能力(アニメでも悪い装備カードを防ぐみたいな扱いだったし) -- 名無しさん (2025-04-13 10:55:22)
- 初期設定では鉄の塊だっただけにメタル化したらどうなるか気になるカード -- 名無しさん (2025-04-13 11:59:36)
- 正直言って重症扱いする記述はやめてほしい あまくだり本人も悪い言い方してるからKONAMIから動画の依頼があってもやらないって言ってるんだから -- 名無しさん (2025-04-13 14:23:33)
- 装備カードを破壊する効果はOCGでの後付けなので記事をそれに合わせて修正。その辺りの事情もあってアニメ版では全く活用されてないが、原作でも初登場以降はバニラ扱いだったので… -- 名無しさん (2025-04-13 14:56:28)
- このカードとギルファー・デーモンとリーフ・フェアリーの組み合わせこそが「タイミングを逃す」ルールが作られた原因なんだっけ?あるいは既存のルールではあったけど表面化する切っ掛けだった?なんにせよ、マイクラにおけるフェイズ確認みたいに、今日の遊戯王の常識を作ったカードの一枚と言えそうな気がする。 -- 名無しさん (2025-04-13 18:19:19)
- ↑前者が正解だね。意味がなかったコンボだけど無限ループは流石にまずいって事で制定された。ただこの時点では全然知名度低かったからその後リーフ・フェアリーが出た際に「タイミングを逃す」を知らない人が無限ループ発見→このタイミングで「タイミングを逃す」ルールが広まるって流れだな -- 名無しさん (2025-04-13 18:50:32)
- 「無敵将軍フリード」とは何か関係あるのかな?一応髪型が似ていると言えないこともないけど -- 名無しさん (2025-04-13 20:41:18)
- 真紅眼ギアフリード効果2つ持っておきながらどっちも装備カード無いと使えなくて絶望的に噛み合ってないの何のギャグだ -- 名無しさん (2025-04-14 13:35:01)
- ↑当時出たレッドアイズサポートは大体似たような問題を抱えてた。某ドラグーンのせいで霞みがちだけど真紅眼融合も大概欠陥カードだったし -- 名無しさん (2025-04-14 13:38:34)
- 言ってしまえばただの下級モンスターなわけなんだが、妙に愛されているというか見せ場に恵まれるモンスター。大抵いい仕事してた気がする。 -- 名無しさん (2025-04-14 13:46:53)
- 城之内のデッキの中では純粋に攻撃力高めだし、かっこいいよね -- 名無しさん (2025-04-14 14:20:21)
- 炎の剣士やギルフォード・ザ・ライトニングでさえ存在しないレッドアイズとのコラボリメイクカードが存在するあたり、公式は城之内を象徴する戦士はこいつと認識してるんだろうか?↑2の言うように活躍に恵まれてるし。 -- 名無しさん (2025-04-15 01:44:48)
- Rは北森戦こそ活躍したけど、初登場時は蟻地獄の罠をソリッドビジョンの故障と思い込んだ城之内の蛮勇アタックであっさり死亡という不遇枠だったんだよな -- 名無しさん (2025-04-15 18:28:32)
最終更新:2025年04月16日 22:54