登録日:2026/08/22 Sat 01:32:07
更新日:2026/08/26 Wed 16:12:17
所要時間:約 8 分(光が1億4400万km進む)で読めます
タケシさんに ちょうせんなんて 10,000こうねん はやいんだよ!
「光年」とは、主に天文学で使われる長さ・距離の非SI単位である。
しまった! 10,000こうねんは…… …… じかん じゃない!
…… ……きょり だ!
概要
文字通り、ザックリ言えば「
光が一年間に進む長さ」を1とする単位。
正確には、光などの電磁波が真空中で1ユリウス年(=365.25日)掛けて進む距離のこと。
宇宙を語る際には外すことができないほど著名な単位である。
英語ではライトイヤー(light-year、記号ly)。
ライトビールではない。
なお、宇宙規模で使われる距離は他に「天文単位」や「パーセク」がある。
例えば
1光年
=
9,460,730,472,580.8km (約9兆4600億km)
=
約6万3241天文単位
※ 1天文単位(1au)は
太陽と
地球の平均距離(約1億5000万km)。
すなわち、光は太陽と地球の間を1年間で約3万1620往復できることになる。
パーセクは更に上位の単位で、1パーセク(1pc)は約3.26光年(約30兆8000億km)となっている。
(1光年≒0.306601パーセク)
これは地球から太陽までの距離を基準にして、星が動いて見える角度(年周視差)が1秒角(1°の1/3600)になる距離のことである。
なお現在観測可能な宇宙は直径約930億光年とされている。
ただ、これはあくまで我々が観測できる範囲にすぎず、宇宙全体が有限か無限か、有限ならどれほどの大きさなのかは分かっていない。
太陽の重力が及ぶ限界地はオールトの雲と呼ばれる地帯で、約1.6光年(0.5パーセク)先に広がっているとされている。
太陽系に最も近い
恒星であるプロキシマ・ケンタウリは4.246光年先にある(恒星と言っても赤色矮星であり、直径は木星の1.5倍程度で、質量は太陽の8分の1程度である)。
天の川銀河の直径は約10万光年とされる。
また距離の単位であるが「年」が付くため、冒頭のセリフにもあるようによく時間だと勘違いされることもある。
「光年」を時間の意味で使っている楽曲がたまに散見されるが、場合によってはその勘違いをわざと用いているケースもあるので注意(『
ドキドキ!プリキュア』のED「この空の向こう」の歌詞等)。
なお、その間違いは光年だけでなくパーセクでもたまにある様子。
有名なのは、スターウォーズの
ハン・ソロが「この船は速いか」を問われた時に
「俺の船はケッセルランを12パーセクで飛んだんだぜ?」
と、速度を聞かれているのに距離の単位で返してしまっている。
どれほど途方もない距離なのか
上にも書いたように、1光年は本当に途方もない距離である。
真空下の光の速さは宇宙における情報伝達速度の絶対的な上限であり、電磁波や物体の運動などあらゆる情報はこれを超える速さで伝わる事ができない。その値は秒速約30万km(厳密には秒速29万9792.458km)、つまり1秒で地球7周半分の距離を移動する速さ。特に質量を持つ物体の運動がこの速さに到達するには、加速のために無限大のエネルギーが必要とされている。つまり物体の運動においては、光速を超えるどころか光速に達する事自体が不可能なのである。
音の速さとは比較にならないほどの差があり、マッハで表すと約881742.5である。
日常での分かりやすい例は雷だろう。遠くで稲光が走った後にゴロゴロ音が聞こえてくることがあるが、あれは光と音の届く速度の差により発生する現象である。
また年以外の他の時間の単位に換算すると以下の通りである。
1光月:777,062,051,136,000 m(約7770億km)
1光週:181,314,478,598,400 m(約1813億km)
1光日: 25,902,068,371,200 m(約259億km)
1光時: 1,079,252,848,800 m(約10億8000万km)
1光分: 17,987,547,480 m(約1800万km)
1光秒: 299,792,458 m(約30万km)
現在
人類が作り出したもので最も遠くを飛んでいるのは「ボイジャー1号(1977年9月5日打ち上げ)」だが、その時速は最速で61500kmと音速の約50倍である。現在は地球から約256億キロあたりを飛んでおり、2026年11月18日には光が1日かけて進む距離に達する予定である。人類は約49年2ヶ月かけてようやく1日の距離に到達できたのだ。
このペースで飛び続けたと仮定して1週間の距離に達するのは2320年代(ちなみに冥王星が発見された際の位置に戻るのは2177年、再び海王星の内側に入るのは2230年頃である)であり、1年の距離に達するには約1万7940年必要とする。
地球を仮に1cmまで縮めたとしても、約7400kmに相当し、
東京からオーストラリアくらいまでの距離に当たる(オールトの雲までは1万2000kmで
南極大陸に到達し、プロキシマ・ケンタウリまでは約3万1420km)。なおさらにボールペンの玉(0.5mm)まで縮めた場合はちょうど
名古屋市あたりの距離になる。
ちなみに、
どこでもドアの限界距離は10光年先と結構遠いところまでカバー出来るようである。
ただ、天の川銀河の直径でも約10万光年あるので、宇宙の果てのハテノ星雲に置き去りにされたのび太達を助けるには圧倒的に性能不足である。
太陽系の惑星等を何往復できるか
※太陽からの平均距離で換算
| 名称 |
往復数 |
| 水星 |
約8万1684 |
| 金星 |
約4万3714 |
| 地球 |
約3万1620 |
| 火星 |
約2万802 |
| 木星 |
約6077 |
| 土星 |
約3315 |
| 天王星 |
約1647 |
| 海王星 |
約1047 |
| 冥王星 |
約801 |
| エリス |
約465 |
| セドナ((2003年に発見された小惑星で、将来的に準惑星(冥王星型天体)に分類される可能性がある太陽系外縁天体の一つ。平均距離は冥王星の10倍を優に超える。公転周期は脅威の約1万2281年で、冥王星49周半分)) |
約59 |
| 2012_DR30((2012年に発見された極めて遠くを回る小惑星。当時は最も軌道長半径と遠日点距離が大きい小惑星だった。公転周期は驚天動地の約5万5000年である。現在では抜かれている可能性が高い)) |
約21 |
遠くの天体は昔の姿
太陽と地球の平均距離は約1億4960万kmなので単純計算で約500秒、すなわち太陽の光は約8分20秒で地球に届く。よって我々が見ている太陽は8分20秒前の姿であり、最も外側の惑星海王星にも約4時間10分で届く。
すなわちこれを拡大していくと、1万光年先にある天体の光は1万年かけて地球に届くので、我々はその天体の1万年前の姿を見ていることになる。それだけ昔の光を見ているので、その星が仮に消えてなくなっていても分からないかもしれない。
とある神様が星座をいじくったら即日観測された?あれは文字通り人間離れした行いなので…
また宇宙が誕生したのは約138億年前なので、当然それより昔の宇宙を見ることはできない。
…のだが、少々厄介なことに宇宙そのものが膨張しているため、「光が138億年かけて届いた」ことと「その場所が現在138億光年先にある」ことは同じではない。
最古の光である宇宙マイクロ波背景放射は約138億年前、宇宙誕生から約38万年後に放出されたものだが、その光が放たれた領域は現在では約457億光年先にあるとされる。
まあ宇宙の膨張を意識しなければならないのは何億光年、何十億光年という距離の話なので、例えば銀河系内のたかが数万光年を考えるうえではほぼ無視していい値ではある。
主な恒星・銀河の距離・直径
☆は全天21の1等星
| 名称 |
距離等(光年) |
| プロキシマ・ケンタウリ |
4.246 |
| ケンタウルス座α星☆ |
4.37 |
| シリウス☆ |
8.6 |
| 白鳥座61番星 |
11.1 |
| プロキオン☆ |
11.4 |
| アルタイル☆ |
16.73 |
| ベガ☆ |
25 |
| フォマルハウト☆ |
25.13 |
| ポルックス☆ |
33.8 |
| アルクトゥルス☆ |
36.8 |
| カペラ☆ |
42.92 |
| アルデバラン☆ |
67 |
| レグルス☆ |
77 |
| アルコル |
81.7 |
| アケルナル☆ |
140 |
| スピカ☆ |
261 |
| みなみじゅうじ座β星☆ |
280 |
| カノープス☆ |
310 |
| アクルックス☆ |
320 |
| ケンタウルス座β星☆ |
390 |
| プレアデス星団 |
444 |
| べテルギウス☆ |
530 |
| アンタレス☆ |
550 |
| リゲル☆ |
864 |
| デネブ☆ |
1400 |
| たて座UY星 |
5100 |
| かに星雲 |
6233 |
| 砂時計星雲 |
8000 |
| 天の川銀河の直径 |
10万 |
| 大マゼラン銀河 |
16万 |
| 小マゼラン銀河 |
20万 |
| NGC 2419 |
27万5000 |
| アンドロメダ銀河 |
254万 |
| 局所銀河群の直径 |
1000万 |
| NGC 772 |
1億1000万 |
| 車輪銀河 |
5億 |
| ラニアケア超銀河団の直径 |
5億2000万 |
| エアレンデル |
129億 |
| 生まれたての銀河 |
130億 |
| ハップル距離 |
138億 |
| 観測可能な宇宙の直径 |
930億 |
創作における「光年」
創作においては気軽に取り扱える距離の単位ではない。
なぜなら、作中に特殊な移動手段でもない限り登場人物が1光年移動することはできないためである。
それどころか、普通は1光年向こうのことを知ることすら困難な話。「~光年先」は創作の中であっても別世界の話なのだ。
それに、光年を移動する手段が作中に存在したとしても、そもそも「1光年」と言われてピンとくる読者・視聴者の方が少ない。
それはそうだろう、光年は距離としてはほぼ変換不可能な単位である。地球人なら
「14万8千光年ってことは家から最寄り駅までの距離の何倍くらいかな」なんて考えるわけがないのだ。
普通に生きている人からしたら1光年も100光年も大して変わらないので、どう数値を調整したところで結局は「単位のインパクト」以上の意味を持たせるのが難しいのである。
であれば「何光年~」と下手に説明するよりも「途方もない距離」などとボカしたほうが、見る方も作る方もずっと簡単に済む話。なんなら下手なことを描けば
エセ科学読者に突っ込まれるリスクもあるし……
そういう理由から、創作においてはとにかく非常に扱い辛い単位なのである。
一方、硬派なSFなどではきちんと理屈をもって「光年」を取り扱っている作品もあるし、宇宙を舞台にしたSFでは演出のやくものとして「光年」という単位を取り扱っていることも多い。
また、相対性理論に基づく「ウラシマ効果」を描く作品の場合、それに付随してこの単位の距離が取り扱われることもある。
他にも、冗談みたいな距離の比喩として使われることもあるし、この項目の先頭にもある通り「光年を時間の単位と勘違いする」というツッコミどころ作りに用いられることもある。
銀河規模の作品の場合、光年ではなくパーセクが使われることも多々ある。
どちらにしても一般人からすれば想像もつかない距離であるため、どちらが使われるかは舞台設定や作者のセンスによるだろう。
作品によっては架空の距離の単位を用いていることもある。人類とは異なる文化圏を有する作品などでは明確に「違う文化だから単位も違う」という至極尤もな理屈で、現実の距離単位と混在して設けられていることもあったりする。(前述したSTAR WARSにもパーセクとは違うMGLTという単位が存在する。)
光年を扱っている作品
庵野秀明初監督のOVA。宇宙戦争が舞台。
光年単位の距離を移動するために発生するウラシマ効果が物語の重要な要素になっている。
光年とは途方もない隔たりである、ということをこの作品に刻み込まれた人も多いことだろう。
光年の取り扱いについて科学的にへんてこりんなところは結構多いのだが、それを作品のクオリティで黙らせるのはさすが庵野監督というべきところ
松本零士の傑作、銀河を列車で旅する作品。
舞台が宇宙であるだけに「次の駅まで何光年」という距離が平常に登場する。
実際に現実に即すると
光年規模の鉄道インフラがあることそのものにツッコミどころがあるが、あくまでも宇宙の旅のファンタジーの範疇。そのやくものとして「光年」が扱われている。
後年に渡り「光年」という単位にロマンを持たせた功績が大きい作品である。
大和戦艦を宇宙船にしたTVアニメ。
宇宙の彼方にある「イスカンダル」までの距離は14万8千光年とされており、この数値は宇宙戦艦ヤマトの孤独な旅路における「果てしなさ」を象徴する数値である。
光速を超えるための波動エンジンの設定は考える一方でマゼラン星雲付近に着いたヤマトに「イスカンダルまでは後0.8光年」と誘導電波を送ってくれるスターシャに代表される電波通信の遅延は考えてない感は割とネタにされている
遠い未来を扱ったSFファンタジーRPG。
シリーズで一番年代が古く、最も我々の現実に近い西暦2097年(宇宙暦10年)を扱った『4』でも既に「ワープドライブ」の技術が完成しており、数百光年の距離を現実的な時間で移動できるようになっている。
ワープ技術も作品が年代を追うごとに上がっており、移動の規模も大きくなっている。
アンディ・ウィアーによるハードSF小説。2026年に映画化もされた。
人類破滅の危機を救うため、地球から11.9光年も先にある恒星「タウ・セチ(くじら座タウ星)」へと向かうことになる。
上の作品と比較すると一見しょぼい値ではあるが、こちらは現実ベースの科学技術に架空の燃料を組み合わせた亜光速宇宙船により、片道12年以上かけて踏破を試みる展開となっている。
むしろ数値そのものにインパクトがない分、かえって光年という距離の膨大さに生々しい感覚を与えている、と言えるかもしれない。
道満晴明によるSFの皮を被ったギャグマンガ。
上述した「単位のインパクト以上の意味を持たせるのが難しい」という単位の特性を逆手に取り、ハードSFなギミックではなく「登場人物たちにとって日常的な距離感として取り扱う」ことで現実と非現実のギャップを生むという斬新すぎる作品。
追記・修正は1光年に到達してからお願いします。
- それではここで1曲お聞き下さい。BGM、omoinotake「幾億光年」 -- 名無しさん (2026-08-22 02:07:19)
- どこでもドアの限界が10光年なのが印象に残る -- 名無しさん (2026-08-22 06:59:44)
- 光の速さて明日へ〜♪ダーッシュすかー!? -- 名無しさん (2026-08-22 09:18:30)
- とりあえず宇宙って広いんだな -- 名無しさん (2026-08-22 09:24:33)
- 何百光年も離れた星を観測して「『今』消えました!」と言い放つ超技術へのツッコミにはワロタわ -- 名無しさん (2026-08-22 11:14:20)
- もし地球を脱出することになって、代わりに居住可能な惑星が1000光年先にあります!となった時の絶望感すごいだろうな -- 名無しさん (2026-08-22 12:27:26)
- 曲名に使われることがそれなりにあるが、アニヲタ的には夢光年かな。 -- 名無しさん (2026-08-22 12:31:39)
- たけしやトリコの作者 -- 名無しさん (2026-08-22 13:05:20)
- 宇宙一のスポーツマンなら片手で超巨大な爆弾を10000光年先までものの10秒ほどで投げ飛ばせるらしいぞ -- 名無しさん (2026-08-22 16:30:28)
- ↑惑星インパクトを救え! -- 名無しさん (2026-08-22 18:24:05)
- ↑×5それ考えると、「隣の銀河に居住可能な惑星が見つかりましたが環境改造が必要です!急いでとりかかりましょう!」で遊星爆弾落とし始めるガミラス帝国って凄かったんだな。 -- 名無しさん (2026-08-22 22:03:39)
- また一つ教養が増えた、サンキューアニヲタwiki -- 名無しさん (2026-08-23 04:31:43)
- ケッセルランを12パーセクのパーセクってスターウォーズオリジナル用語だと思ってたわ -- 名無しさん (2026-08-23 14:49:34)
- もちろん時間の単位じゃないのも承知 -- 名無しさん (2026-08-23 14:55:34)
- 創作で光年を使うとツッコミどころが出るのは分かるけど、わざわざ項目の内容を冷笑に書き換えるのはないわ しかもしれっと「エセ科学読者に突っ込まれるリスクがある」っていうとこを消してるのも猶更 戻しました -- 名無しさん (2026-08-23 16:05:48)
- ケッセルランを12パーセクは障害物が多く普通なら迂回する宙域を最短ルートで飛んだ時の飛行距離だという説がある。 -- 名無しさん (2026-08-23 17:06:50)
- 10年!100年!1億光年! -- 名無しさん (2026-08-23 20:34:10)
- ↑令和やぞ -- 名無しさん (2026-08-23 21:00:48)
- 宇宙艦隊戦ものだと光秒は割と頻出。光速兵器や亜光速兵器の発射から着弾までの時間になるからね -- 名無しさん (2026-08-24 03:07:05)
- ↑そもそも敵や友軍の観測自体にラグがある(数秒前、下手したら数時間前の姿でしか見えない)ってのも地球圏じゃ起き得ないので、上手く扱っている作品は読み応えあるね。 -- 名無しさん (2026-08-24 11:35:06)
- 「わずか25光年先に水が存在しているかもしれない惑星発見」とネットニュースになってるけど、コメントで25光年にわずかを使うのは不適切だとツッコまれてるな -- 名無しさん (2026-08-24 12:22:21)
- たった25光年くらい宇宙スケールでいえば目と鼻の先なんで…… -- 名無しさん (2026-08-26 00:38:40)
- 宇宙に対して光が遅すぎる -- 名無しさん (2026-08-26 01:02:00)
- ↑2北海道でネタにされるショッピングモールまであと100kmの看板みたいな感覚か -- 名無しさん (2026-08-26 01:22:34)
- おそらく語呂(リズム)の都合で光年を時としている「星のように……」の歌詞 -- 名無しさん (2026-08-26 01:43:49)
- Wikipediaにも記事が作られたR18本「出会って4光年で合体」。正しい意味で使われてるのが分かるのは終盤だが、その伏線は序盤からある -- 名無しさん (2026-08-26 16:12:17)
最終更新:2026年08月26日 16:12