佐倉杏子

登録日:2011/02/21(月) 02:29:52
更新日:2024/01/18 Thu 20:23:31
所要時間:約 12 分で読めます




要するにブッ潰しちゃえばいいんでしょ♪




佐倉(さくら) 杏子(きょうこ)
声:野中藍

魔法少女まどか☆マギカ』の登場人物。ファンからの愛称は「あんこ*1」「赤」。


キュゥべえと契約した魔法少女の一人で、まどか達が住む見滝原の隣町の風見野から来た。
赤い髪と長いポニーテール、八重歯が特徴。

自分のためだけに魔法少女の力を使う主義ゆえに他人のためには動かず、自らの障害となる者には容赦しない。

魔女に対しても「グリーフシードを落とすエサ」程度の認識で、
グリーフシードを得られるなら魔女使い魔が人間を襲うことも必要悪だと考えている。

登場する度に何かを食べていることが多く、特に菓子類を口にすることが多い食いしん坊。かわいい。
その一方で、過去の経歴から食べ物を粗末にする者は許さない食の守護神でもある。
たまに「食うかい?」と他人にも勧めるが、受け取ってもらえたことは少ない。



変身後の武器は
柄は分割すると多節棍にもなり、節を繋ぐ鎖は魔法で自在に伸縮する(漫画版では柄が鞭のようにしなる)。

その多節棍の長いリーチを活かし、斬撃中心に立ち回る戦い方をする。




また、魔法で作った鎖を足止めや防壁代わりに使うこともでき、彼女の経験の豊富さがうかがえる。

実際、キュゥべえの話によると魔法少女の素質も豊かで、採集したグリーフシードを蓄えているため魔力の消費を気にせず戦える強みも持つらしい。


神父である杏子の父は、長年に渡る人々の苦しみに頭を悩ませ続けた末に「新しい時代には新しい教えが必要」と考え、本来とは異なる教えを説き始める。
そのため父は破門され、人々から異端と見なされてしまい、孤立してしまう。

父を尊敬していた杏子は、誰も父の話に耳を貸さないことを悔しがり、契約を持ち掛けてきたキュゥべえに「街の皆が父の話を聞いてくれること」を願う。

その後、教会には大勢の信者が父の説法を聞きに集まるようになり、これに感激した父親は教えをさらに広めようと奮起した。

その裏で、杏子も先輩魔法少女のマミに師事しつつ、人々を魔女から守り続けた。




いつしか「親子の力で世界を表と裏から幸せにする」という夢を持つようになる杏子だが、ある日魔法少女の存在を父に知られてしまう。

今までのは全て魔法で集められただけだと知った父親は、絶望のあまり願いで人々を集めた杏子を「魔女」と罵って勘当し、彼女を初めとした家族に暴力を振るうようになり、酒浸りになって正気を失った末に杏子の妹・モモや母親を道連れに無理心中をする。

父の心中の相手にもされず、一人だけ遺されてしまった杏子は安易に魔法に頼ったことを後悔し、二度と他人のために魔法を使わないと決心する。
そして師匠のマミとも袂を分かち、見滝原にも立ち入らなくなった。
(詳細はBD5巻のドラマCD「フェアウェル・ストーリー」及び、ポータブルの杏子本人のルートを参照)

その後、杏子の生活は酷く荒んでしまい、空き巣や万引きなどで金や食糧を入手したり、魔女にグリーフシードを孕ませるために一般人を見捨てたり、
時には他の魔法少女と争ったりと、嘗ての理想とは程遠いアウトロー状態になってしまう。

だがその反面、杏子の心は罪悪感と自己嫌悪を無意識のうちに抱え込み続け、常に何かを食べていないと落ち着けない状態になってしまった。
それでもこれまでついに魔女化することはなかったことを考えれば、相当芯の強い娘だったと言えるだろう。

そんなある日、杏子はすっかり疎遠になっていたマミの戦死を耳にし、再び見滝原へ。

持ち主が消えた縄張りを奪うべく見滝原に戻った杏子だが、そこで新人の魔法少女・さやかと出会う。
契約で幼なじみの怪我を治し、マミの跡を継いで人々を守ろうとするさやかの姿に昔の自分を思い出した杏子は呆れと苛立ちを募らせる。

やがて、さやかと直接対面した杏子は“食物連鎖”を始めとした「魔法少女の常識」を突き付け、「正義の味方」を目指す彼女を批判する。

対するさやかも一般人を平気で犠牲にする杏子に同意できず、二人は対立してしまう。

そんな中、これまで静観を保っていたほむらが突然、ワルプルギスの夜が来る事を話し、討伐のために共闘を持ち掛けてきた。
そんなほむらを、杏子は話が旨過ぎると疑うも共闘を決めるのだった。


そんなある晩、さやかの契約の原因「上条恭介」を探していた杏子は、同じく彼を訪ねてきたさやか本人と上条家の前で鉢合わせ。

商売敵にさえ無干渉なほむらの方針を生温く感じていた杏子は、さやかと恭介の仲が上手くいっていないと察すると、

「アイツの手足を潰してアンタ無しでは生きられなくすればいい」

とさやかを挑発。それに乗ったさやかも戦いに同意。
いざ戦闘…かと思われたが、まどかが魔法少女同士の戦いを止めようとさやかのソウルジェムを投げ捨ててしまう。そしてその直後さやかは突然倒れ、死んでしまう。

予想外の事態に混乱する杏子とまどかに、事の流れを見ていたキュゥべえは、
「契約した少女の魂は肉体から抜き取られ、ソウルジェムに作り替えられる」という、魔法少女の秘密を暴露。
衝撃の事実に杏子は激しく動揺し、さやかとは戦わずに引き揚げてしまう。

数日後、さやかも魔法少女の秘密を知って意気消沈していると知る杏子は、廃屋と化したかつての実家にさやかを招いて自分の過去を語る。…まぁ、要はデレた。

「他人のために魔法を使って後悔するより、自分だけのために魔法を使って気楽になればいい」

と奨める杏子だが、さやかは、対立は解いたものの杏子の『自分のことだけを考える生き方』に同調できず、
あくまでも自分の信じた道を行きたいと言い残して去っていく。






その時さやかを心配する杏子は普通にいい子です本当に(ry

その後、さやかはある事情から自暴自棄になり失踪。

心配した杏子は彼女を見捨てろと言うほむらを退け、街中を探し回り何とかさやかを見つけるが時既に遅く、
限界を迎えた彼女のソウルジェムからは魔女「Oktavia Von Seckendorff」が生まれてしまう。

その後、杏子とまどかは魔女に人間の心が残っている可能性に賭け、魔女の説得を試みるが、
昔の思い出を歪んだ形で反芻するだけの存在に成り果てた魔女に二人の声は届かなかった…。



頼むよ神様…こんな人生だったんだ…
せめて一度ぐらい、幸せな夢を見させてよ…


魔女の攻撃からまどかを庇って満身創痍になった杏子は、魔女と刺し違える決心をし、駆け付けたほむらにまどかを預けて戦場から離脱させた。




大切なものを失って独りになる寂しさや、真っ直ぐに理想を追い求めたさやかへの憧れと共感。
最後の最後で自分の本当の想いに気付いた杏子は、残った僅かな力でさやかの成れの果てと相対し、そして…





心配すんなよ、さやか
一人ぼっちは…寂しいもんな…
いいよ、一緒にいてやるよ…




爆ぜたソウルジェムから炎が広がり、彼女の姿は魔女と共に消えていった…。


その後最終話、円環の理の中でマミと共にケーキを食いながら再登場。流石食の守護神。

マミと共に決意を固めたまどかを見送った。


さらに世界の理が書き変わった世界では、倒されたさやかに…

「バカ、やっと友達になれたのに…」

完全にデレてました。


時系列が特殊な第10話では、対立していたさやかを何かと気にかけたりしている。

公式外伝『魔法少女おりこ☆マギカ』では、平行世界の彼女の姿が描かれている。
前半だけなら実質主人公、後半はやや空気。また、さやかとの絡みは一切ない。

成り行きで仲良くなった妹分のゆまの面倒を見ており、
無銭飲食や無銭入浴などのサバイバル技術を伝授しながら二人仲良くアウトローな日々を過ごしたり戦ったり達磨さんになったりしている。


登場・発表ともに、放送開始前から揃えて紹介されていた他のメインキャラに一足遅れる形となっている*2
そのため、最終的には他の4人の魔法少女に並ぶ存在となったが、放送当時は追加の新キャラクターという立ち位置であった。
その登場タイミングも、マミが衝撃的最期を迎え、物語の雰囲気が一変した回の次の第4話。しかもこちらを狙う敵として襲来し、強敵である彼女により戦いは厳しさを増す。
マミが幸せな序盤の終わりを象徴するキャラなら、杏子は重く辛い本番の始まりを象徴するキャラといえる。

虚淵玄が「語ろう!クウガアギト龍騎」のインタビュー内で彼女のモデルは『仮面ライダー龍騎』の浅倉威と述べている。
確かに、アウトローだし他人に食べ物薦めるし女の子っていうより少年っぽいし…。
一方で、キャラデザの可愛らしさから「根っからの悪人にし辛かったのでああなった」とも語っている。
ファンからは「同じ龍騎でもスーパー弁護士の方だろう」「同じ蛇でもこっちの方だろう」と突っ込まれること多し。

余談だが鹿目まどか役の悠木碧はメインキャラの中で杏子のことをえらく気に入っており、周囲が軽くヒくレベルの熱を見せている。
どの程度かはコメンタリーを聞けばたぶんわかる。


追記・修正、するかい?

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 魔法少女まどか☆マギカ
  • 魔法少女おりこ☆マギカ
  • 魔法少女
  • 赤髪
  • ポニーテール
  • 八重歯
  • ツリ目
  • 野中藍
  • あんこ
  • 自爆
  • 教会
  • 幻術
  • アウトロー
  • ロッソ・ファンタズマ
  • 泥棒
  • 佐倉杏子
  • 赤眼
  • 不幸系ヒロイン
  • ピュエラ・マギ・ホーリー・クインテット
  • 叛逆の物語
  • マギアレコード
  • The different story
  • ホームレス
  • 甘党
  • コラボ系作品救済候補
  • 涙腺崩壊
  • 本当は優しい人
  • 結構重い過去持ち

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年01月18日 20:23

*1 キャラクター発表時に名前の読み仮名が不明だったため一時的にこう呼ばれたが、たい焼きやお菓子を食べている姿に似合うからか、そのまま愛称として定着した。

*2 ただしOPには最初から映っていた