登録日:2011/09/03 Sat 08:16:52
更新日:2024/12/17 Tue 13:47:31
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この項目では様々な条件のもと「現在までに確認・発見されている中で」現生最大や史上最大の生物種を紹介していきたい。
哺乳類
●アフリカゾウ
学名:Loxodonta africana
分類:長鼻目・ゾウ科
最大サイズ:体長7.5m・体重10t
生息地:アフリカ
ご存知、現在存在する中で最大の陸棲哺乳類。
その巨体を維持するために、最大300lの水と140kg以上の植物を毎日取らねばならない食いしん坊。便秘になったら回復に苦労する。その為に穴を強引に開けたら獣医が糞のせいで死亡する事故もある。
学名:Ursus maritimus
分類:食肉目・クマ科
最大サイズ:体長2.5m・体重450kg
生息地:北アメリカ・ユーラシア北部・北極圏
現在存在する中で最大級の陸棲肉食哺乳類。
頭の大きさだけで約40cm以上になる。
主食はアザラシ。海を泳ぐことも得意で、速度は大体6.5km/hくらい。65kmもの距離を泳いで渡ったという情報も。
詳しくは該当項目参照。
●アムールトラ
学名:Panthera tigers altaica
分類:食肉目・ネコ科
最大サイズ:体長2.9m・体重300kg
生息地:東アジア・ロシア
トラの亜種で、ネコ科の動物としては最大級。
実は狩りの成功率は非常に低く、およそ5~10%程度(ライオンは約15~20%、
ハイエナは約50%)。
余談だが世界最小のトラは、約1.8mほどでインドネシアに生息するスマトラトラ(Panthera tigris sumatrae)。
学名:Balaenoptera muscclus
分類:鯨目(鯨偶蹄目)・ナガスクジラ科
最大サイズ:全長33.6m・体重170t
生息地:北極海を除く世界中の
海
こちらも非常に有名な巨大生物。在命絶滅問わず動物では史上最大。ちなみに鳴き声の大きさも世界一。
巨体に似合わない高い機動力を持ち、高速で泳ぐことができる。なお主な餌はオキアミだが、毎日平均4tほど喰ってる。大きさ故に口を開けて泳ぎ回るだけで取れてしまう。
詳しくは当該項目参照。
鳥類
学名:Struthio camelus
分類:ダチョウ目・ダチョウ科
最大サイズ:体高2.5m・体重135kg
生息地:ブラジル
ご存知、世界最大級の鳥。
翼が退化しており空を飛ぶことはできないが、時速80km/hという高速で走ることができる。
ちなみに体はデカいが脳はとても小さく、記憶力はかなり悪い。
飼い主どころか仲間や家族の顔も覚えないとか。
詳しくは該当項目参照。
●ワタリアホウドリ
学名:Diomedea exulans
分類:ミズナギドリ目・アホウドリ科
最大サイズ:体長1.2m・翼長3m・体重7kg
生息地:南半球
空を飛ぶことができる鳥としては最大級。
体は大きいが空を飛ぶために体重は非常に軽く、鳥類の祖先とされる獣脚類恐竜のおよそ100分の1程度。
風を受けることでほとんど羽ばたかず、グライダーのように飛行する。
両生類・爬虫類
●オオサンショウウオ
学名:Andrias japonicus
分類:有尾目・オオサンショウウオ科
最大サイズ:全長1.5m
生息地:日本(本州〜九州)
日本に生息する世界最大級の両生類。
野生の個体で全長1m以上に成長することは極めて稀であり、多くの場合は50〜70cmほどである。
貪欲で食欲旺盛であり、魚やカエル、ザリガニ、ヘビなど何でも食べる。
環境破壊や、外来種のチュウゴクオオサンショウウオ(Andrias davidianus)との交雑の影響で絶滅が心配されている。
●オオアナコンダ
学名:Eunectes murinus
分類:有鱗目・ボア科
最大サイズ:全長10m・体重150kg
生息地:南アメリカ(アマゾン川流域)
世界最重量級のヘビ。
大きすぎる体を支えるため、普段は水中で生活している。川でこんなのに出くわしたらさぞ震える。
巻き付く力が非常に強く、主にカピバラやサルなどを食べるが、ジャガーや人間、ワニが襲われた事例も。
夜行性で、昼間は川の浅瀬などで休んでいる。
●イリエワニ
学名:Crocodylus porosus
分類:ワニ目・クロコダイル科
最大サイズ:全長6m・体重450kg
生息地:東南アジア・オセアニア(日本でも発見例あり)
世界最大級のワニ。
海を泳ぐことができ、日本では奄美大島や西表島などで目撃例がある。サメやウミガメを襲ったという記録も残っている。
知られているイリエワニの個体で最も大きいのは、フィリピンのミンダナオ島で捕獲された「ロロン」で、全長は約6.17mもあったという。
2011年に捕まり、しばらく現地で飼育されていたが、2013年に病気で死亡した。
魚類
無脊椎動物
●ダイオウイカ
学名:Architeuthis dux
分類:開眼目・ダイオウイカ科
最大サイズ:10m以上?
生息地:世界中の海
深海の超巨大イカにして、世界最大級の無脊椎動物。
平均的なサイズは4〜6mほどとされているが、中には10m以上の個体の報告もあり、最大で20m以上になるのではという推察もある。
北欧の怪物「クラーケン」のモデルという説で有名。
詳細は
巨大イカの項目も参照。
●キタユウレイクラゲ
学名:Cyanea capillata
分類:旗口クラゲ目・ユウレイクラゲ科
最大サイズ:傘の直径2.3m・
触手の全長37m
生息地:北緯42°以北の海
クラゲ類の中で最大…であり最長の生物。全長だけで考えればシロナガスクジラよりデカい。重さは完敗だけど。
生息範囲は広いが生息地毎の大きさの違いが大きく、場所によっては傘の大きさも50cm程度の場合もある。
学名:Physalia physalis
分類:クダクラゲ目・
カツオノエボシ科
最大サイズ:浮き袋の大きさ10cm・触手の全長50m
生息地:大平洋
史上最も長い海棲動物。こちらも体長はシロナガスクジラより長い。
クラゲとは言うが、実際は「ヒドロ虫」の集合により生まれた生物である。
詳しくは当該項目参照。
絶滅動物
●カメロケラス
学名:Cameroceras
分類:頭足類・エンドセラス目・エンドセラス科
最大サイズ:全長6m
生息地:北アメリカ、ユーラシア
生息年代:古生代・オルドビス紀
「チョッカクガイ」と呼ばれるグループに属し、現在の
オウムガイに近い仲間とされる海洋生物。
長く太い槍のような殻で覆われているのが特徴で、かつては泳ぎ回って魚などを食べていたと考えられていたが、現在では体が重すぎて動くこともできず、海底に転がって三葉虫などを食べていたという説が有力となっている。
「全長11m以上」と紹介している資料もあるが、これは誤り。
学名:Spinosaurus
分類:爬虫類・竜盤目・スピノサウルス科
最大サイズ:全長15m・体重7.4t
生息地:アフリカ(モロッコ、エジプトなど)
生息年代:中生代・白亜紀前期〜中期
知られている限り最大級の肉食恐竜。
あの恐竜王
ティラノサウルス(Tyrannosaurus)が最大12.5mと推測されているため、それより3mほど大きいことになる。
背中に骨で支えられた帆のような突起を持ち、顔はワニのように細長かった。
近年では肉食恐竜としては珍しく四足歩行で、水中で暮らしていたという説も浮上している。この為ティラノサウルスより大きくなれたと思われる。
詳しくは当該項目を参照。
●アルゼンチノサウルス
学名:Argentinosauras
分類:爬虫類・竜盤目・ティタノサウルス科
最大サイズ:全長45m・体重170t
生息地:南アメリカ(アルゼンチン)
生息年代:中生代・白亜紀後期
史上最大の陸棲動物にして最大の恐竜の一種。
化石は背骨の一部や仙骨等しか見つかっていないが、背骨も単体で
130cmという規格外のサイズを誇る。
圧倒的にデカいが変温動物である為、
餌は1日100kg程度で済んでいた、という説がある。
もし事実ならすげぇエコロジー。
名前の通り、現在のアルゼンチン周辺に生息していたようだ。
学者の中には「陸棲動物のサイズの上限」だと考えている者もいる。
●マラアプニサウルス(アンフィコエリアス・フラギリムス)
学名:Maraapunisaurus(Amphicoelias fragillimus)
分類:爬虫類・竜盤目?・ディプロドクス科?
最大サイズ:全長60m?・体重150t?
生息地:北アメリカ
生息年代:中生代・ジュラ期後期
アルゼンチノサウルスをも凌駕する巨体を誇る超巨大恐竜。存在すれば間違いなく陸棲動物史上最大の座に君臨することとなる…。
存在すれば。
実はこの生物の化石は現在までに1つしか発見されていない上、その唯一の化石も1870年代に紛失してしまっている。
つまりこの恐竜の存在を証明する物証がないため、長らく存在自体が疑問視されている。
形態としてはディプロドクス科の恐竜に似るとされるが、やはり憶測の域は出ない。
ちなみに類縁(だと思われる)ディプロドクス(Diplodocus)は全長30mになる巨大恐竜だが、体重は40tとスリム。
●パラケラテリウム
学名:Paraceratherium
分類:哺乳類・奇蹄目・ヒラコドン科
最大サイズ:体長8m、体重20t
生息地:ユーラシア
生息年代:新生代・古第三紀
史上最大級の陸棲哺乳類と考えられている動物。
見た目はキリンに似ているが、実際はサイやバク、ウマに近い仲間である。
足の骨が発達しており、巨体に似合わず速く走れたと考えられている。
かつては「バルキテリウム(Baluchitherium)」や「インドリコテリウム(Indricotherium)」とも呼ばれていたため、こちらの名前で知ったという方も多いかもしれない。
●アンドリューサルクス
学名:Andrewsarchus
分類:哺乳類・偶蹄目(鯨偶蹄目)
最大サイズ:体長3.8m?
生息地:アジア(モンゴル)
生息年代:新生代・古第三紀
史上最大級の陸棲肉食哺乳類と考えられている動物。
長さ83cmの頭骨の化石しか見つかっていないため詳しい大きさは不明だが、そこから推定される大きさは約3.8m。もしこれが本当だったら
ホッキョクグマよりもデカい。
普段はカメなどの動きの遅い動物や、生物の死骸を食べていたと考えられている。
ちなみに見た目は
オオカミっぽいが、こう見えてカバに近い。
植物、キノコ類
●セコイア(レッドウッド・セコイアメスギなど)
学名:Sequoia sempervirens
分類:ヒノキ目・ヒノキ科
最大サイズ:高さ115.5m
生息地:
アメリカ西海岸(カリフォルニア州・オレゴン州など)
現在確認されている中で最も高い木であり、史上最高の生物種。
寿命は最大で2000年以上にもなる巨大樹であり、永らくアメリカ西海岸の生態系を支えてきた。
山火事や建材として優秀なことに由来する乱伐により数を減らしたが、現在は保護政策の甲斐もあって生息数は安定している。
ちなみにアメリカにはそのものずばりな「セコイア国立公園(レッドウッド国立公園)」がある。言うまでもなくセコイアの重要な保護区となっている。
こんなデカい木も種は米粒ほどの大きさしかない。デカくなりすぎにもほどがある。
●オニナラタケ
学名:Armillaria ostoyae
分類:ハラタケ目・タマバリタケ科
最大サイズ:面積8.9km²
生息地:ユーラシア・北アメリカ・アフリカなど
史上最大の生物種は実はキノコではないか?という説が一部の学者からある。これを説明するにはキノコの構造から説明せねばならない。
キノコというのはご存知のとおり菌類(真菌類)である。
そして我々がキノコと呼ぶのはこの菌類の中の「子実体」と呼ばれる部位にあたる。
子実体は胞子を周囲にバラ撒くための器官であり、極めて大まかに言うなら植物でいう花に相当する。
我々はこの子実体の中で特に目立つものを「キノコ」と呼んでいるだけなのだ。
子実体というのはあくまで菌類の一部であり、キノコの下には菌類の本体である細胞列「菌糸」を形成している。
この菌糸の占める面積が8.9km2になる、という訳。
つまり、この範囲内に生える同種のキノコのDNAは全て同じになる。
一見するとメチャクチャな論理だが、単一のDNAを持ち、明確に外界から独立しており、ホメオスタシスなど生物の最低条件を満たしているため、
一個体の生命体だと定義することも間違いだとは言い切れない。
「いやいやそれでも細胞列が寄り集まったキノコを一個体と見るのは間違ってるんじゃね?」と思った人は先程のカツオノエボシを思い出してもらいたい。
奴は一個の生命体に見えるが、その実は多数のヒドロ虫が集まった群体である。
カツオノエボシの親戚のマヨイアイオイクラゲ(Praya dubia)。こちらも群体であり多数のヒドロ虫が電車ごっこのようにくっついている。全長は最大40m以上。
カツオノエボシやマヨイアイオイクラゲなどの生物の群体を一個体の生命体だと見るのならばキノコもまた一個体の生命体だと見るべきだ、
という理屈も成り立つだろう。
それでも煮え切らないというあなたは間違ってない。現にこの説は全ての学者が支持している訳ではないからだ。
オニナラタケのコロニーを一つの生命体として捉えるか、というのは、
「一個体の生物」をどう定義するかという単純明快ながら難解で微妙な問に対する一つの例示であると言えるだろう。
◆関連項目
追記、修正お願いします。
- リードシクティス、ショニサウルス、リウプレドン、ブルハスカヨサウルス、インドコテリウム、松野江マンモスも追加で。 -- mp (2014-01-23 20:30:51)
- ↑リードシクティスは巨大魚(絶滅種)のページに載ってるよ -- 名無しさん (2014-01-24 00:07:41)
- 虫は?虫はないの? -- 名無しさん (2014-01-24 03:00:17)
- ↑教えてくれてありがとう。虫も別ページにあるよ。 -- jp (2014-01-26 01:31:42)
- 4億年ほど前のキノコ「プロトタキシーテス」、子実体が直径1m、高さ8~9mという。 -- 名無しさん (2024-01-30 19:00:09)
最終更新:2024年12月17日 13:47