罠(THE BACK HORN)

登録日:2012/01/07(土) 00:50:57
更新日:2023/05/26 Fri 19:23:00
所要時間:約 4 分で読めます




愛を知らず揺れる揺り篭
何故僕らは生まれたのだろう

遥か彼方 祈りのような
子守歌が響く



「罠」とはTHE BACK HORNの16枚目のシングル及び『機動戦士ガンダム00』1stシーズンの前期エンディングテーマである。


ACIDMANやストレイテナーといったバンドのように、日本のロックシーンに於いて絶大な人気を誇る彼らの初となるアニメソングである。

彼らのレーベルはアニソンのタイアップが多いソニーではない為、意外な所から選ばれた感はある。


因みに、THE BACK HORNのベース担当・岡峰光舟氏は嘗てチャリティで自作のガンキャノンガンプラをプレゼントした事があるとか。


曲調に関してはロックバンドという事もあってやはりロック調。
今迄の彼らと何ら変わりない激しいメロディと重い歌詞だが、歴代のガンダム主題歌では異彩を放つ曲調でもある。

歌詞にある「絶望」「運命」といった言葉、「未来の子供達へと残せるものは何」といったフレーズは、
何処となくガンダムマイスター4の境遇や思いを彷彿とさせる。


アニメ本編では『機動戦士ガンダムSEED』同様、ラストカットからそのままEDに入る形式であるが、
そのシーンの空気に合わせてボーカルから入る時もある。

エンディング映像はマイスター4人がそれぞれ群衆の中に紛れているもので、曲調とは裏腹に落ち着いた作りになっている。


THE BACK HORNのワンマンライブ等では現在も演奏される事がある。

しかし、フェス等時間が限られる場では演奏されない場合も。
(建て主の記憶が正しければGG10やCOUNT DOWN JAPAN11/12等では演奏されていなかった)



【セールスに関して】

『SEED』シリーズの主題歌はTOP5が当たり前のような状況だったが、
『00』は『SEED』シリーズ程熱狂的なファンが付かなかったのか、はたまた曲調に支持を得られなかったのか、TOP5入りは逃している。

しかし、やはりと言うべきかTOP10入りは記録しており、TV版ガンダムの主題歌の売り上げの安定ぶりを示していると言えるだろう。
因みに、シングルではTHE BACK HORN唯一のTOP10入りを記録した作品である。



【評価】

元々、ボーカル担当の山田将司氏の歌い方の個性が強すぎる為、ガンダムと邦楽ロックの両方が好きなファンからは好き嫌いがハッキリ別れるだろうと予想されており、
放送後は歌詞の内容が世界観に合っていて良いと評価する者もいれば、ボーカルの歌い方が嫌だと酷評する者もいるという、予想されていた通りの結果となった。

この年は冬アニメの時に彼らと同じロキノン系にあたるバンドのジンが『コードギアス 反逆のルルーシュ』の主題歌に起用された際、
あまりの作品とのミスマッチ+癖の強すぎるボーカル等、ネット上に於いてアニメファンと邦楽ロックファンのガチバトルが展開された事があった。

その後、『おおきく振りかぶって』のBase Ball Bearや『銀魂』のDOESなど同じロキノン系バンドのタイアップ等、
成功例もあったのだが、完全に沈静化していなかった所為もあって、
この曲が呼び水になったのか、番組放送初期は両サイドのファンの間で論争が度々行われていたらしい。


しかし、回を重ねるにつれて酷評をしたファンも少しずつ慣れていったのか、大きな騒動にまでは発展せずに済んだ模様。

色々述べたが、THE BACK HORNが3年後に劇場版で主題歌を再度担当した事実を考えると、このタイアップは成功したと言えるだろう。



【ゲームでの扱い】

作品自体がタイアップ商法を取った為、『SEED』シリーズ同様主題歌が多い『00』。

その結果、この曲は現在までゲームで使われた事は無い(『00』に関してはOP4曲は全てゲームで採用されているが)。
尤も、ED曲が流されるガンダム関連のゲームというのはそう無いのだが。






ちなみにTHE BACK HORNが選ばれた理由は、水島精二監督が昔、CDショップで彼らの曲が流れているのを聞いて感銘を受け、
「自分がアニメを作ったらこの人達に曲を頼もう」と思ったからだとか。

一方のTHE BACK HORN側は当初タイアップの話が来たとき、「どうせ何曲かシングル曲を聴いて適当に決めたんじゃない?」と当初メンバーはあまり乗り気では無かった。
ところが水島監督直々にアルバム収録曲「敗者の刑」を使わせてほしいと頼まれ、「そこまで聴き込んだ上での話だったのか!?」と大変驚いたという。
そのような経緯からタイアップ自体には乗り気になったメンバーであったが、「敗者の刑」が全滅エンドかバッドエンドを想起させるような暗いミドルテンポの曲であったため、改めて制作されたのが「罠」である。

評価は賛否あれど、見事その夢は叶えられたのだった。



追記・修正は8月のひたちなかでモッシュしまくる方からお願いします。

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最終更新:2023年05月26日 19:23