ガンキャノン

登録日:2009/09/07 Mon 00:50:35
更新日:2024/04/11 Thu 16:12:08
所要時間:約 6 分で読めます






「ガンキャノン、行くぜぇ!」





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   \ツ ヽ/八-、λ ,,冫
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ガンキャノン
GUNCANNON

性能諸元
型式番号:RX-77-2
所属:地球連邦軍
製造:地球連邦軍
生産形態:試作機(量産機原型)
全高:17.5m
本体重量:70.0t
全備重量:144.8t
出力:1,380kw
推力:51800kg
センサー:不明
有効半径:6,000m
装甲材質:ルナ・チタニウム合金

武装
240mmキャノン砲×2
スプレーミサイルランチャー×2
60mmバルカン砲×2
ビームライフル(ガンキャノン専用)
ハンドグレネード(ファイア・ナッツ)

搭乗者
カイ・シデン
ハヤト・コバヤシ
リュウ・ホセイ
アムロ・レイ(緊急時に一度)
ボルク・クライ
ダバ・ソイ
サナ・ニマ
エイガー
ウェスリー・ナバーロ
ダリル・ボイド
カーク・ウォルバーグ



【機体解説】

一年戦争のV作戦により開発されたRXシリーズモビルスーツ(MS)の一つで、中距離支援機。
ガンダムガンタンクと同じくコア・ブロック・システムを採用している。
同規格との半身換装も可能とは思われるが、劇中では活用される事は無かった。こちらのゲームでも本機は換装に使われずじまい。

地球連邦軍初のMSガンタンクは、次世代の主力戦車(MBT)として開発が進められていたRTX-44を急遽転用したものであった。
そのためガンタンクはMSとしては機動力が低く、戦車としては全面投影面積が広い上にターレットが確保できないという問題だらけ。
もろもろの問題を解決する為にはやはり二足歩行型MSでなければという事で開発が進められたのが「ガンキャノン」だった。

既に連邦軍で開発されていた二足歩行型試作ロボット「RXM-1」のデータを基にし、更に鹵獲したジオン公国軍ザクの実戦データも反映された。
(後にザニーの設定で頭部バルカン砲やセンサー周りもテストされていたとされる)
これにより手持ち武器を装備可能なマニピュレータと、重力下での運用に耐用するレベルの人型MSとしての機動力を確保。
背部ランドセルに装備されたスラスターにより、ジャンプやごく短時間だが飛行も可能とし、装甲面も撃ち合いを前提に重装化。
頭部にはより複雑化したセンサーが導入され、ゴーグル型ツインアイによる有視界戦闘をコックピットから可能にした。

こうして完成したガンキャノンは、ジオン公国軍のMSと比べても初めての人型MSとは思えない程高い性能を獲得するに至った
連邦軍製MSの完成形はガンダムであることは間違いないが、ガンキャノンは運動性や汎用性では劣るものの、火力と装甲ではガンダムのそれを上回っている
特にガンダムと比較して運動性よりも装甲厚を重視した設計となっており、機体強度はザクⅡの約5〜6倍に及ぶという。
正面装甲はガウ攻撃空母の主砲やドムのジャイアント・バズの直撃でも破壊出来ないという凄まじい防御力を誇る。
また、「高火力・重装甲の支援機」というコンセプトから鈍重なイメージを持たれがちだが、機動性も支援機にしては高い。
(まあ、ガンタンクと違ってある程度ガンダムに追随して前線に出る必要があるので当然ではあるが)

ただしこれらを満たす為に当然ながらコストが嵩み、その費用はザクの約4倍とされる。
また、四肢に関しては胴体程の強度は無く、ヒートロッドやメガ粒子砲、ザクバズーカの直撃で千切れることがあった。

初期試作型のRX-77-1に続いてRX-77-2として本機がジャブローで6機製作され、そのうち3機がテストのためにサイド7へ送られた。
その後、サイド7へのザクの強襲により2機が破壊され、残った1機がホワイトベースで運用される事となった。

また、試作機として生産されたもの以外にも優秀な性能を認められた為に僅かながら量産されている。
これらはアルバトロス輸送中隊、エイガー少尉の小隊、第16独立戦隊など地上・宇宙を問わずに配備された。
実はV作戦開発機体の内、ガンダム→ジムやガンタンク→量産型ガンタンクの様な原型機からの変更をせずそのまま量産がされた唯一の機体だったりする。

ただし上述のように量産を企図した機体ではなかったのでコストパフォーマンスは良くなく、本格量産型はガンダムに対するジム同様コストダウンされたものとなった。
ガンキャノンの量産型としてはジムをベースとした廉価版のジム・キャノン、コストダウンと扱い易さの向上を図った量産型ガンキャノンとして新たに量産が進められる。
最終的にガンキャノン系はジムキャノン系に統合されてジム・キャノンⅡとなるが、
以後はMSの多機能化に伴い「支援MS」の存在自体が消えていったこともあってキャノン系は途絶えてしまう。

だが、後の世にも「ガンキャノン・ディテクター」や「Gキャノン」といった全く別系統の機体にもかかわらず
ガンキャノンをイメージして開発された機体が登場しており、連邦軍の中では伝統的な存在として記憶されていたようである。



【劇中での活躍】

TV版では主にカイが搭乗し、ガンダムの影に隠れながらもハヤトのガンタンクとともにそれなりの活躍を果たす。
キャノンによる砲撃はもちろん、時にはそのガッシリとした体格と装甲を生かして敵MSに肉弾戦を仕掛けたりもする。
ただし白兵戦用のサーベル等は装備していないため、ステゴロ(マニピュレーターアームでぶん殴る)である。
頑丈さやパワーを活かしてそのへんの岩を持ち上げてぶん投げたり(後述)してMSを叩き潰す事もある。
中期からはカイも手馴れていき、黒い三連星のガイアが弾切れになるまで一対一で渡り合うほどになった。

一度だけ、セイラがガンダムを持ち出して勝手に出撃してしまった時には、救出に向かうためにアムロが搭乗。
ザクをステゴロで完封し、*1パイロットのコズンごと鹵獲に成功するという功績を上げる。
一部ゲーム作品パワーファイターぶりはこの辺りが元になっている。

その後戦いの場が宇宙に移り、それなりに活躍してそれなりにやられながらア・バオア・クーの最終決戦まで戦い抜いた。
過去の戦闘経験からの扱いやすさ・信頼性もあってか、連邦軍でジムの開発と配備が進んだ後も、ホワイトベース隊のガンキャノンに置き換わることはなかった。
最後はガンタンクと共にホワイトベースの防衛にあたるが足をやられて身動きがとれなくなり、脱出に際しそのまま放棄された。


劇場版でも基本的にTV版と同様だが、宇宙でタンクはどうなんだという理由から「めぐりあい宇宙」で宇宙へ移るにあたってもう一機が搬入、
ガンタンクの代わりにハヤトの乗機となる。
小説版からの逆輸入でカイ機が108番機、ハヤト機が109番機とされた。やはりア・バオア・クーで大破、放棄される。
このア・バオア・クーの戦いにおいては、WB隊とは別の部隊の所属と思われる203番機の存在も確認されている。
OVA『機動戦士ガンダム戦記 アバンタイトル』にもこの203番機が登場。
バルカンでゲルググを牽制しつつ急接近→を踏み台にジャンプしつつ後ろから来るザクをライフルで撃ち抜くという絶技を見せたが、
「キャノンであのスピードなのか!」と専用ゲルググ持ちエースのエリク(ジオンパートの主人公)を唸らせた名もなきエースの正体は今なお不明である。*2


…そのせいか媒体によって強さに雲泥の差がある。
203番機のように恐怖の象徴として書かれる作品もあれば、CROSS DIMENSION 0079のように「インファイトが出来ない」と言うことで敵味方ともに評価は低めの作品もあったりする。
ポケ戦でも当初はスカーレット隊のあっさりやられる量産型ガンキャノン出渕デザインのガンキャノンという設定だった。
自慢の硬さも作品によっては全然違う。ある意味では乗る人間により装甲の硬さが変わると言われているMSの先輩と言えるだろうか。


機動戦士Ζガンダム』では、ハヤトが館長を務める戦争博物館で展示されている108番機の姿が見られる。
劇場版のみの存在である109番機ではなくTV版にも劇場版にも登場する108番機とすることで、『Ζガンダム』をTV版と劇場版のどちらの続きと取っても問題ないような描写となっている。
別のシーンでアムロが軟禁されている北米のシャイアンについて「実家から近い(=アムロの実家が北米にある劇場版の続きである)」という趣旨の発言があったせいで台無しになっているが


ゲーム等では機体の鈍重なイメージやゲームバランス上無視されることも多いが、実はキャノン砲は連射可能な設定。
実際、左右で交互に結構な速度で連射している場面が頻繁に見られる。あまり当たらないけど
ただアニメではキャノンの描写がビームのようにもなっていたので単に設定が曖昧だったか、後付の可能性もある。

デザインモチーフは小説『宇宙の戦士』のパワードスーツ(スタジオぬえによる挿絵)。というかガンダムの没デザインの一つ。
世が世なら横浜やお台場福岡に立っていたのはガンキャノンかもしれないのである。


【武装】

  • 60mmバルカン砲
頭部に2門内蔵された近接防御用の機関砲。
中距離支援機のガンキャノンにとっては唯一の接近戦用装備である。
主に牽制や対空防御などに用いられた。


  • ビームライフル
    型式番号:XBR-M-79a
地球連邦軍初のビームライフル。
ガンダム用に比べ照準精度と射程に優れており、狙撃用扱いされるレベルの高命中精度と、ガンダム用(射程8㎞)の約3.6倍という長射程(最大30km)を誇る。
一方でガンダム用に比べ大型で基本的に両手持ちだったりと取り回しが悪く、高機動射撃の撃ち合いには向かない。
また、作画によってはトリガーガードと一体化していて分かり難いがフォアグリップも付いている。

ア・バオア・クー攻略戦に参戦したC-203(所属不明)の「ゲルググを蹴った勢いで跳びながらザクを撃墜」するシーンは印象深い。


  • 240mm低反動キャノン
両肩部に装備された実体弾式のキャノン砲。装弾数は40発。砲弾は着弾すると炸裂する。
ガンタンクに比べて大口径・短砲身なのが特徴で、中距離支援で効果を発揮する。

恐ろしい事にこれほどの大砲でありながら、砲身周囲の水冷ジャケットによってザク・マシンガン並みの連射性能を持つ。
ただし装弾数はザクマシンガンの1/3程度なので調子に乗って撃ちすぎるとあっという間に弾切れになってしまう。

OPの四つん這いで発射するシーンは度々オマージュされる、「ガンキャノンの顔」と呼ぶべき名シーンである。
第37話でリック・ドムを撃墜した際はなんと敵機を掴んでキャノンを至近距離で発射という命知らずな戦法で勝利した。


  • スプレーミサイルランチャー
240mmキャノンと換装する12連装小型ミサイルランチャー。
接近戦時に弾幕を張って手数で圧倒するという物だったがいざ使ってみるとあまり有効では無かったらしく、殆ど使用されなかったらしい。

アニメ未登場だが一応ホワイトベースにも積まれていたらしく、第6話の整備シーンでコレと思しきミサイルランチャーが足元に転がっているのが一瞬確認出来る。


  • ハンドグレネード
脛側面のアーマーに収納されたMSサイズの手榴弾
劇中では描かれなかったがグレネード自体に推進機があり、投げると自力で飛んでいくらしい。
恐らく重装型やⅡが装備していたファイア・ナッツと同じ物だと思われる。

劇中では『劇場版 機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙』のア・バオア・クー攻略戦でC-108(カイ機)が使っただけというレア武器。


第22話のマ・クベ麾下のグフ部隊との戦闘で使用した投擲…武器

アムロの支援要請を受けた時に弾切れだったので、ハヤトはその辺にあった岩を投げて援護した。
岩そのものは当たる前に砕かれたが、その隙にガンダムはグフに接近してこれを撃破している。


  • パンチ・キック
岩があればまだしも、何も無ければ無いで接近戦では度々殴ったり蹴ったりしている。
アムロが乗った時には右フック→左足蹴りでザクを撃破していた。*3
ゲームなどでもこのシーンを再現した攻撃があったりする。


そんなものはない………と言いたいところだが、初期稿では玩具用として「ヒートジャック」と呼ばれるナイフが存在していた。
絵本にもナイフを持ったガンキャノンが登場していたが、諸事情により本編ではオミットされた



【バリエーション】

  • RXM-1
ガンタンクに続いて開発された研究用MS。
連邦軍としては初めて2足歩行を採用した機体で、これに亡命した技術者やザクのデータを取り入れる事でガンキャノンとして結実した。


  • RX-77-1 ガンキャノン初期型
『MSV』に記述のある最初期の機体。
RXM-1と制式型ガンキャノンの中間となった機体らしいが、同じ型番を持つ下記のガンキャノンAとの関連性を含めて詳細は不明。


  • RX-77-1A ガンキャノンA
試作機の一つ。
機動力を維持しつつ防御力を高める為の実験機と言われる。


  • RX-77-3 ガンキャノン重装型
その名の通り重武装。機体色は青。
基本構造はそのままに装甲が強化され、火器も性能が上がった。一部の機体は両肩のキャノンをビームキャノンに換装している。
しかし、コストが高くなり、機動力も改善されないままだった上に戦争が早く終わったので数機しか生産されなかった。

機動戦士Ζガンダム』ではジャブローの防衛部隊としてザクタンクジム・スナイパーカスタムと一緒に出撃。ネモに飛び蹴りをくらわせた。
Gジェネシリーズではコアブロックシステムを廃止したことによりその分通常のガンキャノンの下位互換にしかなっていない。
コアブロックシステムと引き換えに強化されたのはキャノンの連射速度や給弾性の向上と言ったゲーム中ではほぼほぼ反映されない点ばかり強化されてるし…
近年の作品ではガンダムやガンタンクを含めて「コアファイターによる脱出機能」がオミットされてしまったため、晴れて?上位互換となった。
ただし「重装型」という名前ゆえか機動力のみ低下している。まあもとの時点で低いので、気になるレベルではないが。


  • RX-77-3D ガンキャノン重装型(タイプD)
重装型を更に改造。色は黄色。
背中と脚にスラスターを増設し、機動力を向上。おかげで白兵戦にも対応可能な汎用機としても運用できるようになった。
固定兵装はそのまま、手持ち火器としてバルザック式380mmロケットバズーカを使用。
左腕にショートシールドを保持するが、これはバズーカのカウンターウェイトとしての側面が強かった。
無論、ビームライフルなども使用可能。

その高い性能が認められて制式採用され、北アフリカ戦線などに投入された。


  • RX-77-4 ガンキャノンⅡ
右肩のキャノンをビームキャノンに、左肩のをセンサーに換装した機体。
頭部周りも変更され、背部スラスターも強化されて重力下での短距離ジャンプが出来る様になった。

塗装は黒を主体にした暗い色だが『オレら連邦愚連隊』にはトリコロールカラーの機体が登場。


ポケットの中の戦争』に登場した量産機。…とはいえ実際は少数生産に留まっている。
装甲材質がルナ・チタニウム合金からチタン合金セラミック複合材に変更されてコストの削減に成功。背中のキャノン砲が収納できるようになった。
尻にはキャノン砲発射時に使用する駐鋤があり、携行武器はジム・コマンドと同じ90ミリマシンガン。
アメフトヘルムのようなチンガードを備えた頭部が印象的なデザイン。

劇中では戦艦グレイファントムのスカーレット隊の機体として颯爽と出撃した…が、すぐにケンプファーに撃墜される出オチぶり。
一方で「踊る黒い死神」ことリド・ウォルフ少佐やホワイト・ディンゴ隊などのエースの専用機となったものもあり、アニメ外では高い戦果を挙げてもいる。

ゲーム『コロニーの落ちた地で…』には灰色カラーの機体を入手できるミッションがある。

漫画『オレら連邦愚連隊』ではネメシス隊カラー(ブラックブルー)の機体が登場。

また「ガンダムバトルシリーズ」では割と早くから使え、必殺技が反応弾・MGの威力・弾数が高い等、なかなか良い機体。


  • RX-77[G] 陸戦型ガンキャノン
漫画『機動戦士ガンダム第08MS小隊U.C.0079+α』、『機動戦士ガンダム GROND ZERO コロニーの落ちた地で-RISE FROM THE ASHES-』に登場。
ジム・キャノンや量産型ガンキャノンが配備されるまでの繋ぎとして、ガンキャノンの余剰パーツを利用して仕立て上げた陸戦仕様機。
つまり陸ガンのガンキャノンVer.である。もっともパーツの有効活用だった陸ガンと違い、あくまで間に合わせの機体だが。
コアブロックシステムのオミット、個体間で性能のバランスを取るためのリミッターの設定、予備パーツが少なく低い整備性という点も共通している。
武装は本体のキャノンとバルカンに加え、携行装備に陸戦型ジムと同じく100mmマシンガンやスモールシールドを装備。
また設定ではオミットされたナイフ装備が、折りたたみ式の『ヒート・ダガー』として搭載されている。
オセアニア戦線と東南アジア戦線に少数配備されおり、双方で頭部の仕様が若干違う。



【パラレルワールドのガンキャノン】

宇宙世紀の平行世界でもガンキャノンは開発されている場合が多いが、ジム程ではないがある程度量産化されていて防御力が低くされる傾向にある。
やはりあの異様な耐久力はやり過ぎたか……


  • RX-77-01(RCX-77) ガンキャノン最初期型
機動戦士ガンダム THE ORIGIN』におけるガンキャノンの初期生産型。
カラーリングは白を基調とした淡いブルーグレー。

この世界におけるガンキャノンは初代アニメ版よりも開発された時期が早くなっていて、ザクⅠと同時期に変更されている。
だが、その分かなり弱く設定されているようで、特に機動力・運動性が劣悪な印象が強い。
これは連邦軍と開発・製造を手掛けた当時のアナハイム・エレクトロニクス社のMSへの認識が甘かったせい。
火力を重視して機動性は二の次という戦車の延長線上の機体(有り体に言えば歩行戦車)として専ら対歩兵・対軍用車両を主眼に開発されたためとされる。*4
マニュピレーターも格闘戦を全く考慮していない3本指でザニーと同レベル、MSらしい点といえばかろうじてライフル*5とシールドを持っている程度である。
ただ火力だけは高く、両肩に低反動キャノン、ガトリング砲、ミサイルランチャーのどれかを選択、組み合わせて装備することが可能だった。
しかし装甲はオリジナルどころかMSの中でもぶっちぎりで脆く、シールドも気休め程度でしかない、もはや『動く棺桶』であった。

漫画とアニメで型式番号が異なり、アニメ版では「RCX-76-01」となっている。
従来の宇宙世紀での立ち位置でいえば、ガンキャノンよりもザニーのポジションに近い。
テム・レイからは「これはMSと呼べるものではない」とまで言い切られた。

過去編ではガンキャノン1個中隊(12機)がミノフスキー博士の亡命支援を目的として出撃。
だがシャア・黒い三連星らの乗ったザクラルのブグの計5機によって一方的に全滅させられた。
これによりミノフスキー博士の死因・亡命失敗の原因となっており、テム・レイも「今の設備ではこんなものしか作れない(意訳)」と腐していた*6
まぁこれは初期生産型であり、加えて相手はシャア以外全員がザクの開発にテストパイロットとして初期から携わっていたベテラン中のベテランなのも大きく関係しているだろうが。


  • RCX-76-01A ガンキャノン機動試験型
  • RCX-76-01B ガンキャノン火力試験型
ORIGIN番MSVと呼ぶべき企画『MSD (Mobile Suit Discovery)』に登場。
評価試験用として開発された試作機で、2機共に外見は最初期型とほぼ同一。

機動試験型は両肩にガトリング砲、手持ち火器にMS用マシンガン*7とシールドという軽装で頭部アンテナがV字タイプ。
火力試験型は右手が4連装機関砲、両肩に大口径砲とオリジンタンクの火器を移植した機体で、頭部も砲手用コックピットを設けたガンタンクに近いものとなっている。
塗装はどちらもオレンジ・イエローを基調としている。


  • RX-77-02 ガンキャノン(ORIGIN ver.)
原作漫画における一年戦争開戦後のガンキャノン。
こちらはオリジナルのガンキャノンに準じた赤いカラーリング。
設定画では頭にガンダムのような「顎」や鶏冠状のカメラが付いていたが、漫画本編では描かれておらずいつもの顔で登場する。
連邦軍初の制式採用MSとして開戦以前にかなりの数が生産された設定で、WB隊以外にも普通に配備されている。

低反動キャノンを両肩に装備する等、最初期型に比べて細かな部分が改良されてビームライフルも使用可能となった。
一応分類もMSに改められているが、大規模な改良が施された訳ではないので性能自体は大して上がっていない。
相変わらずマニュピレーターもザニーレベルの3本指、アニメ版のような打たれ強さもなく機動力も据え置き。
そのためジオン軍からは「MSとも呼べない出来損ない」だとか「旧式の赤い奴」とかボロクソに言われている。
現代編のWB隊とラル隊の戦闘でも、リュウが「バラバラになったらザクには勝てない(から密集しろ)」というレベル。
やはりORIGIN版は単独での戦闘能力は明確にザクに劣るようだ。開発経歴で言えばザニーの強化型なのでいかんともしがたい。
だがシャアは「火力は侮れない」と評しており、実際カイは本機のビームライフルでカラハのゴッグを撃ち抜いている。
WB隊に最初に配備された3機は後に全機大破、使える部分を寄せ集めて1機として再生された。
また、ジャブロー攻略戦でも陽動用に投入されており、「旧式相手なら楽勝」とノコノコ誘き出されたザク部隊は待ち伏せていたジムに蹂躙されることとなった。

ホワイトベースなど一部の部隊に配備されていたものはジムから技術的フィードバックを受けて、2回に渡って改修されている。
オデッサ作戦後のベルファストでマニピュレーターを5本指に改良、更にソロモン攻略戦時にスラスターを追加した宙間戦闘仕様に改造された。
支援任務の特化を目指した専用兵装として、スプレー・ミサイル・ランチャー (SML) と強化型ビームライフルも装備、装甲材も改められている。
しかしジムやリック・ドムが現れる時期となってはやはり旧式であることには変わりがなく、ホワイトベースの護衛をするのがやっとであった。
それでも使われ続けたのは、パイロット達が愛着を抱いていたからである。

一方、部隊にガンダムもいたとはいえ、そのような機体で孤軍奮闘し続けたWB隊の戦果は連邦からは高く評価されている。
「秘訣は部隊編成にあり」として後期生産型ジムはWB隊におけるガンダム、ガンキャノン、ガンタンクに相当するポジションの3種類が用意されることとなった。
兵士達の間でも少なからずその名は知られているようで、オデッサ作戦では「この戦況では旧型は足手纏い」と発言したモブパイロットが
「俺達はホワイトベースの搭載部隊だ!教えてもらいたいね、俺達がいつ足手纏いになった!?」とカイに啖呵を切られて「彼らがあの…?」と驚く場面もあった。

WB隊には4機いた内でカイ機(104)とジョブ機/ハヤト機(102)の2機が最後まで生き残り、ア・バオア・クーを脱出したホワイトベースクルーの護衛を果たした。


ORIGINの世界観に近い作品なので漫画版の改修後寄りのデザインだが、よりTV版に近いデザインとなったが、最大の特徴は漫画本編では消えた顎が復活している点。
機体ナンバーはカイ機がORIGIN基準の104、ハヤト機が劇場版Ⅲ基準の109。

性能面ではオリジン版準拠なので両機とも活躍らしいものは無く、島で遭遇したジオン軍サザンクロス隊の地上用高機動型ザクに中破させられるなど不遇。


  • キャノンザク
ザクキャノンではない。繰り返すがザクキャノンではない。

THE ORIGIN』にて登場。
捕らえたコズンのザクに、ガンキャノンの頭をくっつけて改修した機体。
連邦・ジオンの驚異のメカニズムである。何?ザニーを忘れてるだって?
どうも、ニコイチ修理で機体を失ったカイが「勿体無いからこのザクも使おう」と提案した模様。
首から下はまんまザクなので、ガンキャノンの項目に書くべきかどうか……。Zザクの逆バージョン
当然ガンキャノンの部分は頭だけなので、名前に反してキャノン砲はついていない
だがこんなナリでビームライフルを使う事が可能。…エネルギー供給経路どうやって確保したんだろ
一応ジェネレーターも積んだので使えなくはないのだろう。ただ逆にヒートホークやザクマシンガンは使えない。
異なる規格の機体を無理やり繋ぎ合わせたせいか操縦性はかなり悪いらしく、言い出しっぺのカイも「動きがいじましい」と不満タラタラであった。

ハモン奇襲時に出撃、マゼラアタックを撃破したがその直後に旧ザクにヒートホークで頭部を破壊される。
余談だが、以前やられた時にトラウマになっていたのかカイは悲鳴を上げていた。トドメを刺される前に間一髪でアムロに助けられた。
最終的には頭がないままガンダムたちと一緒にギャロップを押し出した所で出番は終了、以降どうなったかは不明。
まあ十中八九廃棄されたのだろうが。ただの首のないザクだし。


  • RX-77-2 ガンキャノン(サンダーボルトver.)
機動戦士ガンダム サンダーボルト』の世界におけるガンキャノン。
他のサンダーボルト版MSと同じくサブアームの追加や関節部へのシーリング処理などのリデザインが為されている。
だが最大の違いは低反動キャノン砲が肩からバックパックに移った点。このバックパックは他機種と共通規格の汎用品で、別の物と交換可能。

設定も試作機から量産機に変更、装甲もザク・マシンガンに耐えられない程度と防御力もガクっと下がった。
従って本作ではRX-77D量産型ガンキャノンが登場しないというか、劇中での扱いも『ポケ戦』より多少マシになった程度である。

  • RX-77AQ ガンキャノン・アクア
サンダーボルト版ガンキャノンの水中戦仕様。劇中での主なパイロットはビアンカ・カーライル。
大まかな装いは同じだが、関節部は球体関節になり、推進機をハイドロジェットに換装、各所に注排水口を設けた。
武装はバックパックの魚雷発射管、手持ち火器のニードルガンに加えてサイドアーマーにビームサーベルを装備する。
また、装備換装によって陸上戦にも対応可能。
陸戦型に改造されて南洋同盟本拠地の火山島基地に攻め込むも、ザクタンクに不意打ち気味の砲撃を受け大破。
なおビアンカはコア・ファイターで無事に脱出した。

漫画でのカラーリングは赤いままだが、アニメ版ではブルーに変更、デザインも僅かに異なる。


  • RX-77-4BG ブルG
機動戦士ガンダム サンダーボルト』に登場した試作機。
AE社が連邦の次期主力候補の一つとして試作しているガンダムであり、高出力・重武装をコンセプトにしたフルアーマータイプ。
…しかし実態はガンキャノンⅡのマイナーチェンジであり、顔だけガンダムフェイスに変更したというイロモノ。*8
機体スペックは全く変わっていない。(とはいえ一応、発展試作機なのでただのキャノンⅡとは別物)
開発経緯から「ガンダムの冠を付けりゃあ売れると思いおって」とボーマンを激怒させた。

だが劇中では登場時のかませと死亡フラグの雰囲気から一転。
パイロットのサム・シェパード中尉の技量と合わさってダリルのパーフェクト・ガンダム(中身はサイコ・ザクMk-Ⅱ)を大きく苦戦させた。
腐ってもガンダムフェイスに変更されるだけの性能は所持していたようで、柱コメントでも「ガンダムフェイスは、伊達じゃない。」と称賛された。
機体の特徴としてガンキャノンⅡにはない、バックパックに折りたたまれた大きな4本のマニピュレータサブアームがある。
このうち二本に2枚装備されている大型シールドを保持し、ビームライフルとハイパー・バズーカを装備していた。
腕にはマウント式の2連装ビーム・ライフルがあり、両肩に6連装ミサイル・ランチャーを内蔵、ビーム・サーベルも搭載している。
機動力もガンキャノンⅡとは比較にならないほど高く、一騎当千の機動力を有するパーフェクト・ガンダムと互角に近接戦が可能なほど。

ルナツーでの戦闘で辛くも生き残り、その後はシェパードと共にイオらトラスト部隊を擁するビーハイヴⅡに配属。
南洋同盟の有するサイコ・ザク軍団やパーフェクト・ガンダムを追ってソーラ・レイに急行する。


  • ロッソ・ガンダム
ブルGなどと共に次期主力機候補として名前が挙がっていた機体。
原作では名前が出ただけであったが、作者の太田垣康男先生が2023年元旦にTwitterでデザインを公開。
果たしてその正体はウサ耳のようなアンテナを持つガンダム…もどき。
案の定、ガンキャノン発展機の頭をガンダムヘッドに挿げ替えただけであった。


  • 戦士ガンキャノン
(CV:子安武人)
SDガンダム外伝に登場するガンキャノン。
ラクロア騎士団に所属する戦士で、ガンキャノンの名を冠してはいるがキャノン砲はついていない。
ただし本編譲りの防御力をこちらも持っており、その辺の野良モンスターの攻撃ではびくともしないどころか攻撃側が疲れる始末。
が、当時のゲームでは紙装甲であった
伝説の巨人編ではブラックドラゴン憑依される、というオイシイ役どころを貰っておきながら普通に敵軍に捕まる*9
ゲーム版では敵に回ったりするなど結構暗躍しているが。
その後も特に行動を起こすことなくフェードアウト。戦士系の枠は闘士ダブルゼータに取って替わられるのであった。

だがアムロと共にラクロアに残ったベテラン戦士ということもあり、その後も重戦士→剛戦士とクラスチェンジ。
最終的にはHP3500というかなりの数字となり、戦士ガンキャノンⅡを率いる「ラクロア騎士団のエース」となった。



【技術的に関与のある機体】

ジムのバリエーションではなく、「ガンキャノンの量産化」を意図してジムを元に設計され、最も量産された中距離支援機。
右肩にのみキャノン砲を装備。
一年戦争中に約48機が生産され、投入された。

この機体の試作機として、ガンキャノンのパーツを一部流用したプロトタイプ ジム・キャノンも存在していた。


ジム・キャノンの後継機だが、技術的にはガンキャノン系と統合されているので見た目がかなりガンキャノンっぽい。
基本フレーム等はジム・カスタムとの共用化が図られており、武装もジム・カスタムと同じジムライフルとサーベルとシールドを装備。
ジム・カスタムと同じくガンダムNT-1のデータ参考にした為、装甲の形状がアレックスのチョバムアーマーによく似ている。*10

劇場版Ζガンダムにもエゥーゴに渡った機体がジム・カスタムと一緒に出演している。


ビームライフルは強力だが、再チャージの間は火力が低下することがガンダムの運用データから判明した。
そこでライフルに頼らずとも火力を維持することを目的に「固定兵装の強化」をコンセプトとしたのが、ガンダム6号機こと“マドロック”である。
砲戦もこなすべく、ガンキャノンの如く両肩部に大口径キャノン砲を備えるのが特徴。



【ガンキャノンがモチーフの機体】

  • MSA-005K ガンキャノン・ディテクター
名前こそガンキャノンだが、正しくはメタスの兄弟機。
背中にキャノン砲、赤いボディとフォルムは確かにガンキャノンだが

メタスの兄弟機である。

大事な事なので二回言いました。

というのも、開発元のカラバには元WBクルーのハヤト・コバヤシが在籍していたので、彼のかつての愛機にちなんで外見を似せた為である。

詳しくはメタスの項目を参照。


ジェガンA2型をベースとした、とある検証実験用に開発された試験機。
サイド7で開催される一年戦争終結記念式典用にガンキャノンっぽく色を変えている。


名前や見た目からしてガンキャノンの派生機っぽいが、実際はサナリィ製ガンダムの量産型であり、ヘビーガンと生産ラインが共通している。
外見、特に頭部がガンキャノンに似たのは「機能を限定した結果」「設計者の趣味」等と言われているが、定かではない。


それぞれ『機動戦士ガンダム00』シリーズに登場する機体。
詳しくは項目参照。



【ゲームでの活躍】


●機動戦士ガンダム 連邦VSジオン

格闘武器は持っていない為、蹴り主体で戦う。
メイン射撃はビームライフル、サブ射撃は240mmキャノン。
特にサブ射撃はリロードが早く、威力も高い為、実質メイン射撃として扱える。
また、精密射撃も可能。


機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダムNEXT

コスト1000で搭乗。
連ジと同じくビームライフルとキャノンで戦う。
コスト1000のわりに機動性がそこそこ高く、サブ射撃のキャノン砲が一瞬足を止めること以外の性能が非常に優秀なので中距離でプレッシャーをかけやすい。
ビームライフルは空気武装になってしまった。
本作では特殊格闘コマンドで大岩を持ち上げて投げつけるという技が使える。
岩の誘導は強いが弾速は非常に遅く、投げ終わると大きな隙を曝す所謂ネタ技である。
空中で使うと何もない空間から突如として岩を持ち上げるので腹筋に悪い。
PSPソフトの『NEXT PLUS』でのNEXT PLUSモードのあるステージでは、岩投げしかしてこない大量のガンキャノンを倒すネタステージが存在する。


●機動戦士ガンダム Extreme VS.2

コスト1500でエクストラ枠だが参戦。
NEXT時代とほぼ同一の武装だが、特殊格闘のガンダム呼出や各種CSにビームライフル(収束)やファイヤナッツが追加されている。
本機最大の強みはサブ射撃のキャノン砲で、総弾数40発という多さに加え、接地時の後サブ射撃は無限赤ロック状態で最大8連射する仕様。
一切動かなくなるものの、相手から見られていない状況では極めて優秀。
特徴ともいえる岩投げは特殊射撃と覚醒技で採用されていて、どちらも実弾攻撃に対する耐性は全く無いが、それ以外に対する押し付け性能が高く隙も少ないなど利点が多い。

ガンダムのアシストとしても参戦。プレイアブル機以上の速度で地面を疾走し、相手を捕獲するとキャノン砲を接射してくれる。

SDガンダムGジェネレーションシリーズ

同時期の機体の中でも射程と火力に優れ、長く戦線を支えていける。
最大射程はガンタンクに劣るが、死角が射程1にしか存在しないこちらの方が使いやすい。
量産型や重装型、ガンキャノンⅡへ開発が行える。

ジェネシスでは、一年戦争期の機体では群を抜いて高い防御力を誇り、この機体を超える数値はMAしかいない。
とはいえ射程1の死角は相変わらずなので、乱戦時には注意したい。

●ガンダム・トゥルーオデッセイ

早ければエルドサムニアにて作成可能。町の隠し宝箱、鉱山基地の宝箱、そしてボス撃破後の長老からの謝礼をあわせれば作成可能だが、気づかずに見逃す可能性もある。

物語の序盤、トウハイ編にてクーロン配下だったハクホウがガンダムと勘違いして愛機にしていた。
ちなみにガンキャノンそのものはステータスも武器スロットも完全に射撃よりなのだが*11彼女はそれに無理やり格闘用のカスタマイズをしていた。

スーパーロボット大戦シリーズ

初期の作品に登場した時は殆ど序盤の数合わせであり、原作ではグリプス戦役以降に開発されたMSよりも、脆かった。
攻略本でも酷評されるが、ガンタンクやガンダムと違って大してネタもないという悲しい存在。
挙げ句の果てにはスーパーロボット大戦コンプリートボックスなどでは原作でちゃんと宇宙戦をしていたのに宇宙の適応が低いという有様。

後のGCなどでは性能が高めに調整され、ガンダムやガンタンクとの合体攻撃も加わり、運用次第で長く活用できる。


●機動戦士ガンダムバトルオペレーション2

350コスト支援機。比較的初期から実装されている最古参の1機。
ビームライフルはガンダムのものと違い射撃時に静止が必要だがその分威力と射程が上がっている。
肩部キャノンは2門別判定の為爆風が広く当てやすい。肩部キャノンで足を止めビームライフルで追撃するのが鉄板行動。
地味ながら支援機で数少ない高性能バランサー持ち。
以前は肩部キャノンを2発直撃させればそれだけで蓄積よろけが100%に到達し、天敵である強襲機が持つスキル・マニューバアーマーを単独で止める事ができた。
上述の高性能バランサーを用いたタックル・格闘により他の同コスト帯支援機とは一線を画す自衛力を持ち、強襲のプロトタイプガンダム、汎用のジム・コマンドと一緒に環境を席巻していた。
流石に暴れすぎたのか弱体調整を受け、キャノン単体ではマニューバアーマーを止められないようになった。
一方で火力は下がっていないため地上戦では今でも十分選択肢に挙がる。

ガンキャノン[SML装備]も実装されている。当初はキャンペーン特典であったが現在ではゲーム内通貨で購入可能。
肩部キャノンをスプレーミサイルランチャー(SML)に換装している以外はベース機とほぼ同じだが、この換装が一番の問題。即時によろけが取れる武装が皆無になってしまったのである。
一応主兵装ビームライフルを収束させればよろけは取れるが、流石に静止状態で4秒チャージする武装で先手を取るのは非現実的。
SMLも発射中は足が止まるので、お互いフリーに打ち合う射撃戦でばら撒くのは現実的ではない。
SMLの実用的な運用は、味方の取ったよろけ・転倒に追撃で大打撃を与える以外にないと言って良い。
逆に言えばこの運用に限れば凄まじいDPSを発揮するので、解っている面子が揃えば勝利に貢献する事は可能。
つまりは非常に味方依存の高い機体となっている。


ギレンの野望(シリーズ)

V作戦を開始すると、ガンタンクの次に開発できる。
ガンタンクと違いレビルからも「ようやく”らしい”MSができた」と今後の展望が期待されるコメントをもらえる。

ユニットとしてもコストこそガンタンクに比べて上がったもののそれ相応に性能が引き上げられている。

  • ガンタンクと違い宇宙でも使用可能。また、移動力そのものもガンタンクより1多い6あるため進軍がしやすい。

  • キャノンタイプとスプレーミサイルタイプがある。キャノンは隣接されると射撃はビームライフルとバルカンだけになるが、スプレーミサイルは隣接マスにも攻撃可能なので移動は遅くなるが後述する格闘も込みで火力がなかなかのものになる。脅威では換装できるようになったため状況に応じて使い分けることも可能。

  • シナリオによっては隠し武装でタックルがあり、ザクⅡFJ程度なら撃破してしまうことも可能。

と、パイロットを乗せればザク程度なら真っ向勝負を挑んでも無双できる性能を誇る。グフやドムが出てきても耐久を活かしてボールやジムキャノンの前面に立って支援攻撃する運用で一年戦争終盤までなら通用するだろう。

一年戦争限定のシナリオなら大抵生産制限制度もついているので、シリーズ毎に開発時期が早くなるプロトタイプガンダムに乗せられなかったネームドパイロットを乗せるのに適している。


戦士達の軌跡

カイ編で使用可能なほか、本作は劇場版がベースの設定でガンタンクが宇宙戦で使用できないことからハヤトも搭乗しており、コロニーも含めた宇宙戦ではそれぞれ「ガンキャノン108」「ガンキャノン109」へと自動的に変化する。
原作通りガンダムよりも遠距離攻撃を得意とし、耐久力も上回っているが機動力が大きく減少している。ビームサーベルやシールドも持たないので格闘戦は苦手だが、「連撃」のスキルを装備した際の連続パンチキックは一見の価値あり。
本機も含めたキャノン系武装共通の設定として、弾丸は2発同時に発射され、ガンタンク以外では地上戦において発射時に動きが止まってしまう欠点がある。
カイ編「ジャブローに散る!」をSランクでクリアすることで使用可能。

基本的にガンキャノン用のビームライフルを標準装備しており、ガンダム用に比べて攻撃力と射程に優れ、両手持ちにすることで240mmキャノンをも上回る射程を発揮する。代わりに弾数や連射力は弱体化している。
カイ搭乗時は一部の性能が微増し、240mmキャノン使用中はコマンド入力で「肩掴み接射」を発動することができ、スタン効果が出て威力が3倍になる。弾数が残っている限り何度でも使用可能。
基本的にメインウェポンの片方は240mmキャノンに固定されているが、ゲームを進めることでスプレーミサイルランチャーに交換することが可能。射程では劣るが連射力に優れており、瞬間火力は高い。
選択時はグラフィックも連動して変化し、「ガンキャノンSPM」表記になって取得経験値が少し補正される。

108・109型は一部の性能が増加するものの、代わりに取得経験値が若干減少しており、カイ搭乗時でも「肩掴み接射」は使用できない。
こちらもスプレーミサイルランチャー装備時は「ガンキャノンSPM108」「ガンキャノンSPM109」になり、入手経験値補正も元に戻る。

「セイラ出撃」およびラル編「追撃!ホワイトベース」では原作通りアムロが搭乗。ビームライフルこそ持たないがラル編ではガンダム顔負けの機動力を発揮し、ガンキャノンとは思えない強さを見せる。当然ながらSランクを狙う上で撃墜は避けられない。
ライデン編「ルナツー補給線を叩け!」ではエースの駆る増援部隊長と思しき個体も登場。

カイ編のEXミッション「ハードコア」では、「弾切れのガンキャノンに搭乗し、被弾を抑えて敵を殲滅させる」という前代未聞かつ無理難題な条件を課される。ブライト曰く「敵の機影をキャッチしたが稼働できるMSがガンキャノンしかおらず、弾薬も全くない。さらにこれから宇宙へ上がる大事な機体なのであまり壊さないでほしい」とのことで、徒手空拳だけでホワイトベースを護衛しなければならない。「修理」コマンドは使用可能。
その分敵はザクタイプで、メインウェポンもザクマシンガンのみ。順番はライデン(C型)→バーニィFZ型)→アイナ(F型)→ノリス(J型)→ラル(専用旧ザク)→ガトー(旧ザク)→ララァ(S型)→シャア(専用ザク)→黒い三連星(専用ザク)*12。このうち、ラル・シャア・ガイアの3人はヒートホークも使用し、特にラル機は威力が非常に高い。さらにラルとシャアは高火力の特殊なタックルも放つので気が抜けない。
キャンペーン限定で制作された特別版『角川書店連合企画 特別編』ではメインウェポン2や他の機体のサブウェポンは制限されない。もっと言えば水陸両用MSやアプサラスといったリロード無限の機体も影響がない。
アイナ編ではエレドアとカレン(SPM装備)も搭乗しており、ラル編ではリュウがSPM装備に乗り込んでラスボスを務める。

ちなみに、本機でシャア編「ルウム戦役」に出撃すると、撃沈されたと思われるサラミス艦長が「あ、あの赤いのはなんだ? は、速いぞ! 対空迎撃、急げ!」「あ、あれは、赤いヤツは怪物なのか!? とても逃げ切れない……」と戦々恐々する小ネタがある。
確かに赤い機体なのは間違いではないが、速いかどうかと問われると微妙なところである。

古谷徹氏によるMS紹介ムービー「MSグラフィックス」では、「独特の歩行音が楽しい」と紹介されている。


ガンプラ

放映当時、1/144、1/100で発売されただけでなく、1/250の情景シリーズでも発売された。
HGUCではガンダムを差し置いてシリーズ第1弾を務める。
お馴染みの両手をついた発射ポーズを再現するための平手が付属するなど、トップバッターながら高い完成度を誇る。
現在では当たり前になっているが、頭部バイザーにクリアパーツが使用されていないのが欠点。

MGガンキャノンは、劇中の印象に近い体型、発進時の体勢が取れる広い関節可動範囲、コアブロックシステムの再現、豊富な武装など、ガンダムVer2.0と比べてもヒケを取らない名キットである。

HGUC第一弾として発売されてから16年の月日が流れ、完全新規によるリメイクシリーズのREVIVE(リバイブ)版が発売、今回もシリーズ1番手を飾る。
現在の技術を用いただけはあり、可動範囲は凄まじく、劇中のあらゆるポーズが可能。
バイザーはちゃんとクリアパーツで再現されているので、バイザー内部はガンダムマーカーシルバーで塗ってやろう。
更に、マーキングには「108」「109」でけでなく、あの「203」も付属する。

残念ながら、一般販売版では旧HGでは付属していたスプレーミサイルランチャーは付属しておらず、プレミアムバンダイ限定のリアルタイプカラーに付属する。
どうしても一般ルートで欲しければ、旧HGの物を加工して取り付けよう。ただし、一筋縄では行かないので、腕に自信があればの話だが。
勿論、平手は両手付属しているのだが、角度までは調整されていないので、人によっては若干気になるのが玉に瑕。
また、近年のゲームでの印象が反映されてか、外観がやや細めなのが好みの分かれる点である。
それでもガンプラとしては高水準な完成度を誇るキットなので、旧HGと並べてガンプラの進化を堪能するのも良いだろう。

ORIGIN版はHG THE ORIGINから最初期型(鉄騎兵中隊機)とリデコキットの機動試験型/火力試験型*13が一般販売。
最初期型はカラバリとしてロールアウト1号機がプレバン、鉄騎兵中隊隊長機が劇場限定で販売された。

また、映画『ククルス・ドアンの島』Ver.も2023年5月に発売予定。
こちらはバックパックの差し替えでカイ機とハヤト機の両機を再現可能となっている。







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最終更新:2024年04月11日 16:12

*1 後述の『THE ORIGIN』ではカイが行っている。

*2 直後にアムロのガンダムが現れるためカイ機と勘違いされがちだが、カイやハヤトならエリクは死んでいたとは監督の談。

*3 第16話にてアムロの乗るガンキャノンがコズンのザクをこれで破壊し、パイロットごと生け捕りにした

*4 分類上も主力戦車を表すMBTとなっている。

*5 正史のジム・マシンガンにそっくりだが、3本指で持つ為かストック下部に固定具が付いている。

*6 連邦側ではこの戦闘は「スミス海の虐殺」と呼ばれており、危機感を抱いた連邦によって、テム・レイ主導の元、対MS戦闘を主眼に置いた「ガンダム」の開発に乗り出すこととなる。

*7 八洲重工製で、ジオン公国軍の試作MSも使用している物。これを改良したものが陸ガン等の100mmマシンガンであるという。

*8 これ以前にも本作ではジムの首だけガンダムタイプに挿げ替えた「ジム・ガンダムヘッド」というこけおどしガンダムが多数登場しており、こちらはパイロットの練度故に結構戦果を挙げている。

*9 ちなみにOVAの「伝説の巨人編」では自分を苦しめた存在である黄金の騎士を追いかけるところ以外は動いておらず棒立ちしているシーンが多い。

*10 ただし、増加装甲ではないので着脱は出来ない。

*11 横7×縦3。サーベル系など格闘武器は縦長でライフルやバズーカは横長

*12 搭乗機は「ルウム戦役」と同じで、ガイアは角ありの指揮官機、マッシュとオルテガは角なしの機体。

*13 どちらかを選んで組み立てるコンパチ仕様